地獄待ちは字牌で!スジ読みできない優れた待ち方
- 地獄待ち
- 地獄待ちとは
- 単騎待ち(タンキマチ)
- 地獄待ちの格言
- 雀鬼会の特別ルール
- こんなときは地獄待ちで構える!
- 七対子は地獄待ちが有利?
- 特定の相手に直撃
- スジ読みに対する引っ掛け大作戦
- その他の待ち
- まとめ
地獄待ちはリーチした相手を狙い撃ちできたり、七対子(チートイツ)では特に有効な待ちとなります。一般に不利な待ちだと言われていますが、使いどころを間違わなければ有利に働く場合も多々あります。
地獄待ちとは少々恐ろしいネーミングでもありますね。「われがすすむは天国か地獄か」ということでしょう。まさにシェークスピアの「行くべきか行かざるべきか、それが問題だ」です笑。読んだことありませんが…。人気不動の麻雀漫画「天」でアカギの名場面としても登場します。
麻雀とは不確定要素が多いゲームではありますが、その中でも「地獄」のような大げさな名の付いた待ちはありません。しかし、有効に働くポイントをしっかりおさえておけば、戦略として大活躍してくれます!
地獄待ち
麻雀の待ちの中でこんな名前の待ちは他にありません。地獄の3丁目とはよく聞きますが、地獄待ちの地獄とはいったい?どのような待ちの形なのかみていきましょう。
地獄待ちとは
地獄待ちとは、場に2枚見えている(捨てられている)その牌で単騎待ちに構えた状態のことです。つまり、4枚ある同じ牌の内、1枚は手牌にありつつ残り1枚を待っている状態です。
テンパイの際、雀頭が1枚しかなく、もう1枚来れば対子(トイツ)となる1枚待ち。
場に2枚捨てられている状態とはいったいどんなことでしょう。実際の牌で確認です。
テンパイ時の牌姿です。「発」が来ればチャンタ完成です。ここで気持ちよくリーーーチ!といく前に他家の捨牌を確認してみます。
他家Bと他家Cの捨牌に注目してください。すでに「発」が2枚捨てられています。そして自分の手牌に1枚あります。つまり、残りは1枚しかない状態です。このことを「地獄待ち」(地獄単騎)と呼びます。まさに地獄のような所業!というわけではありません。
地獄待ちの呼び名
「地獄」とはこれいかに。もともと地獄待ちというのは、「西」の単騎待ちで、すでに場に2枚出ている状態のことを指してそう呼んでいました。西だけです。昔、西は縁起が悪い方角、死者への入り口という考えがありました。そのため、よくない方角でアガりを待つことを「地獄待ち」と呼んでいました。しかし、近年はもう少し解釈が広がって、場に2枚出ている状態の牌を単騎待ちすることと変わっていったようです。
しかし、アガる確率が低い状態の待ちなので、地獄のような待ちと解釈しても違和感がないですね。
「牌山・王牌にあと1枚しか残っていない牌で待つ」と、さらに解釈を広くしている場合もあります。つまり、捨てられているだけでなく、ポンやチーなどの副露も含めて2枚見えている状態での単騎待ちのことを地獄待ちということもあります。
これは正式なルールではないので、少しの解釈の違いはあります。しかし、どちらにせよ、あまりアガりやすい形ではありませんね。そう覚えておきましょう。
また、地獄待ちであればアガる可能性はもちろんありますが、地獄とは反対に天国待ちと言って、全て場に出てしまっていることもあるのです。これは100%アガれません笑。
リーチの前には他家の捨牌をよーーーーく確認するようにしましょう!!
生牌(ションパイ)
話はそれますが、1枚も場に出ていない牌のことを生牌(ションパイ)と呼びます。これは戦略を立てる上でとても重要なことなので一緒に覚えましょう。
その牌が生牌なのか、1枚2枚切れなのかの確認は大切です!
単騎待ち(タンキマチ)
地獄待ちは単騎待ちのひとつです。単騎待ちをしらなければ地獄待ちを知ったことになりません。
テンパイの際、雀頭が1枚しかなく、もう1枚来れば 対子(トイツ)となる1枚待ち。
先ほどとほとんど変わりませんが、他家の捨牌をみるとほんの少しだけ違います。「発」がありません。つまり、牌山か王牌、または他家の手にまだ3枚あるということです。自分でツモるか他家が捨てればアガりです。
さらに、裸単騎(ハダカタンキ)という待ちもあります。
裸単騎(ハダカタンキ)
ポン、チー、カンなど副露によってすべての 面子(メンツ)を晒している状態で 雀頭の残り1枚を待っている状態。
なかなかお目にかかれる牌姿ではありませんが、、笑。このように、鳴けるだけ鳴いた最後の待ちが裸単騎です。はっきり言って防御力0です。まったくおすすめできませんが、どうしてもアガりたい南4局などでは、どうしようもなくこの形になってしまうこともありますね。
地獄待ちの格言
麻雀の格言は多種多様、さまざまありますが、地獄待ち(単騎待ち)にも格言が存在しています。2つほどご紹介します。
① 単騎は西で待て
これは、単騎待ちに構える場合、みんなの不要牌になりやすい「西」で単騎待ちにしなさい、ということです。「東」は東場や親であれば役牌となり、南も南場や南家が必要とします。しかし、その考えでいくと「北」も同じことだと思いますが、格言では「西」なのです。「北」は親に対する上家にあたることぐらいしか考えられませんが、真相やいかに。
② 最高の聴牌は単騎待ち
単騎待ちはスジ読みがきかないところからきているのでしょう。他家がいくら捨牌からスジや壁で読もうとしても全く通じません。しかし、地獄待ちに構えた場合、アガり牌は残り1枚しかありません。他家が加槓して新たにドラをひらいた瞬間、その待ち牌が出現したら目も当てられません。しかし、スジ読みされないということは大きな戦力となりますね。
雀鬼会の特別ルール
雀鬼会とは桜井章一さんが設立した競技団体です。この雀鬼会には、単騎待ちと地獄単騎に特別なルールが存在しています。
- 裸単騎禁止(役満の場合は例外)
- 地獄待ち(捨牌に2枚見えている単騎待ちのことで、特に字牌での待ちを指す)リーチの禁止
どちらも禁止事項です。これは競技性を高めるということより、マナーの観点からできたルールということです。
さらに桜井章一さんや雀鬼会を知りたい方はこちらをご覧ください。
ここまで、地獄待ちの基本を解説しました。案外悪い待ちだなぁと思った人もいるでしょう。地獄待ちの構えるポイントは?と気になりますね。続いていよいよ実戦編です。
こんなときは地獄待ちで構える!
七対子は地獄待ちが有利?
七対子はその役の特性として、単騎待ちになりやすい役です。さらに、字牌の単騎がとても多い役です。さらに、地獄待ちで構えると有利になる場面があります。
七対子のテンパイ、打牌前の状態です。この場合は西の単騎にするか、北の単騎にするかどちらでしょうか。手牌を見るだけでは答えはでません。この時の巡目と河(ホー)と相談です。
●1~6巡目 生牌で単騎待ちにする
●7~12巡目 1枚切れの牌で単騎待ちにする
●13~最後 2枚切れの牌で単騎待ちにする
●1~6巡目 生牌で単騎待ちにする
生牌であればツモる可能性もあり、また他家が打牌する可能性も十二分にあります。わざわざ1枚切れしているような牌で待つ必要はありません!
●7~12巡目 1枚切れの牌で単騎待ちにする
中盤にさしかかってくると、他家が生牌への警戒レベルを多少上げてくるので少し出づらくなってきます。中盤では生牌よりも1枚切れの牌で待つことが得策です。
●13~最後 2枚切れの牌で単騎待ちにする
いよいよ終盤です。ある程度のレベルの人と打っていると、終盤にはまず生牌が切り出されることはありません。もちろん、ものすごくよい手を狙っている場合は別ですが。1枚切れでも安心はできません。2枚切れの牌であれば王牌に残っている可能性もあるので序盤、中盤より圧倒的に切り出されます。ここをすかさず狙うのです!
このようになります。七対子のテンパイ時に何巡目で生牌なのか地獄待ちかよーく確認しましょう!
もちろん七対子に限ったことではありませんが、他の役であればわざわざ地獄待ちに構えるようなことはしないほうがよいでしょう。両面待ちにできるのであれば迷わず両面待ちに構えましょう。
特定の相手に直撃
東場や南場、自風やオタ風などの情報をしっかりと見極めて、直撃したい相手やリーチした相手に直撃しやすくすることができます。
他家にとってオタ風は配牌やツモで2枚重なっていない限り高確率で不要牌になります。切り出される可能性が高くなるので、逆手にとってその牌の地獄待ちで構える作戦です。点数がひらいている場合や、あと何点でトップになれる、ラスを引かないためになど、地獄待ちで構えましょう。もちろん、100%成功の戦略ではありませんが、少しでも意識してうてるようになりましょう。
スジ読みに対する引っ掛け大作戦
単騎待ちや地獄待ちは他家のスジ読みに対してめっぽう強いです。
タンヤオのテンパイまでこぎ着けました。捨牌を見てみましょう。
この捨牌から他家がスジ読みをして、 は安全だろうと考えます。
のスジは なので安心と考えるのです。そこを引っ掛けてまんまと でアガりです!
さらに、他家の捨牌に が捨てられていたらアガる確率は上昇します!
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スジの考え方は大変重要な考え方です。さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を一緒に読もう!
⇒麻雀の筋(スジ)『振り込まないための7つの読みと実践防御方法』
以上の3つの地獄待ちは重要な3タイプです。これ以外の地獄待ちはなかなかアガれません。使うポイントをしっかり見極めるようにしましょう!(でも、思わず地獄待ちになってしまった場合でも意外とアガれるもんです)
その他の待ち
麻雀の待ちの形は単騎待ちだけではありません。両面待ちやシャンポン待ちなど重要な待ちの形があります。この機会にぜひ覚えてしまいましょう。
待ちの種類 | ||
---|---|---|
リャンメン待ち(両面待ち) | ||
例 | [3・4] での [2-5]待ち | 0符 |
例 | [2・3] での [1-4]待ち | 0符 |
シャンポン(シャボ)待ち(双碰待ち) | ||
例 | [2・2][4・4] での [2-4]待ち | 0符 |
例 | [西・西][東・東] での [西-東]待ち | 0符 |
ペンチャン待ち(辺張待ち) | ||
例 | [1・2] での [3]待ち | 2符 |
例 | [8・9] での [7]待ち | 2符 |
カンチャン待ち(嵌張待ち) | ||
例 | [1・3] での [2]待ち | 2符 |
例 | [5・7] での [6]待ち | 2符 |
タンキ待ち(単騎待ち=地獄単騎) | ||
例 | [2]の単騎待ち | 2符 |
例 | [東]の単騎待ち | 2符 |
ノベタン(単騎待ち+面子) | ||
例 | [1・2・3・4] での [1-4]待ち | 2符 |
例 | [3・4・5・6] での [3-6]待ち | 2符 |
⇒『麻雀の待ちはアガり直前の構え方!最強の待ち方とは!?』
⇒『シャボ待ち(シャンポン待ち)でアガりを目指せ!』
⇒『ペンチャン待ちは悪魔の囁き 大胆にさばいてスッキリ麻雀』
まとめ
待ちの形はいろいろあれど、地獄待ちほどアガれなさそうでアガれる(ような気がする)待ちはないでしょう。七対子の待ちやスジ読みに対抗する手段としてとても大活躍します。格言にもあるように、意外とアガれてしまうものなのです。
しかし、形としては良い形とはいいきれません。手作りを進める上であえて地獄待ちに構えるようなことはさけましょう。まずはしっかりと両面待ちやその他良形の待ちになるように心がけることも大切です。
ここまでの内容をしっかり把握して、戦略的に地獄待ちで構えよう!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
「もともと地獄待ちというのは」~「いったようです」
の出典は何でしょうか?
四風連打の由来として「四人が西方浄土に繋がった状態」
を避け、西が連打された時は流したとはよく聞きますが、
地獄単騎については他で聞いた事が無く、気になりました。
なお西方浄土は一般に言う天国であって、地獄とは正反対です。
天国も地獄も「あの世」ではありますが、西と地獄は繋がりません。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>「もともと地獄待ちというのは」~「いったようです」の出典は何でしょうか?
様々な本やwebの記事を参考に、一般的に言われていると思われているものを掲載させていただいております。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
誤字報告です。
>スジ読みに対抗する手段としてともて大活躍します
→【とても】大活躍
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>誤字報告です。
申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
いつも誠にありがとうございます!m(__)m
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
単騎は西で待て。
統計学的に間違いとは言えないようです。
西と北を孤立で持っている場合、西を切ってくる確率がわずかに高いそうですよ。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>統計学的に間違いとは言えないようです。
>西と北を孤立で持っている場合、西を切ってくる確率がわずかに高いそうですよ。
なるほど!ご助言ありがとうございます!!
格言もプレイヤーの経験を元に言い伝えられているでしょうから、科学的に検証すれば明確な根拠が証明されることがあるのでしょうね!
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
まだまだ初心者です。が、大変勉強に成ります。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます。
今後とも麻雀豆腐を何卒宜しくお願い申し上げます!
^-^