字牌(ジハイ) の基礎知識と使いこなすためのコツ

麻雀には字牌という牌があり、字牌は翻数の小さな役から役満まで大きくかかわってくる重要な牌です。3枚揃えるだけで役が付く場合もある、とても美味しい牌です。役のアガり形をみていると、よく字牌がからんでいることがわかります。麻雀でとてもキーポイントとなる牌だといえるでしょう。字牌は場合によっては役となるので、持っていて揃えればうれしいですが、中終盤で他家に放銃する危険も含んでいます。くっ付きを期待した「中」を終盤まで引っ張って放銃なんてことはよくありますね……。
字牌をどのように扱ってさばいていくかを考えることは、和了率(ホーラ率=アガる確率)を高めていくことになり、さらに、放銃(ホウジュウ=振り込む)を避けることにもつながります。と、いうことは、おのずと最終的な勝利もみえてくるようになります。字牌を制して麻雀で勝利を目指そう!
字牌の基本
麻雀には136枚の牌があり、萬子(マンズ/ワンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソウズ)そして字牌(ジハイ/ツーパイ)に分かれます。いろいろな役によくからでくる字牌はとても重要です。そもそも、字牌とはなんだ?と思う人もいるでしょう。まずは何が字牌なのか覚えましょう。
字牌
牌 の中の漢字で書かれた図柄の牌。風牌(フォンパイ)の 東西南北(トンナンシャーペー) の4種と 白發中(ハクハツチュン) の 三元牌(サンゲンパイ) の3種の合計7種。
実際の牌でみてみましょう。
字牌
上記の7種類が字牌のすべてです。その名の通り、漢字で書かれた牌です。と、真っ白の牌がまざっていますが、これも字牌です。字なんて書いてないじゃないか!と思う人がいるかもしれませんが字牌です。
「トン・ナン・シャー・ペー・ハク・ハツ・チュン」という呼び方はちょっと有名なのかなと思います。語呂も良く、覚えやすです。いかにも重要そうな容姿をしていますね(笑)
7種類の字牌をさらに2つに分けることができます。それは、風牌(フォンパイ)と三元牌(サンゲンパイ)の2つです。
字牌をさらに細かくみてみよう
風牌(フォンパイ)
東西南北の4種類の牌を風牌と呼びます。方角を示していますが、この方角はとても重要です。風牌を3枚揃えるだけで役になる場合とならない場合がある、条件付きで役となる牌です。それは後ほど詳しく説明します。
つづいて、もう1つの三元牌です。
三元牌
この3種類の字牌が三元牌と呼ばれています。三元牌は他の数字の牌や風牌とはなにか赴きが違って、いかにも重要な感じがびしびし伝わってきますね。そうなのです。三元牌は3枚揃えるだけで無条件に役がつく美味しい牌なのです。と、いうことは、他のプレイヤーにとっても美味しい牌なので、みんな欲しがります。三元牌の扱いを間違ってしまうと振り込む可能性が高まってしまいます。字牌のさばき方も後述しますので、じっくり読んで理解を深めてください。
以上が字牌の基本中の基本です。字牌は「東・南・西・北・白・発・中」の7種類あり、さらに風牌と三元牌に分かれることをまずは覚えましょう。覚えてしまったら次に進みます。
役牌
風牌と三元牌は3枚揃えると「役牌」という役がつきます。実際の牌で見てみましょう。














「中」が3枚あるだけです。他の役はありません。が、これで役成立です。
中のみの役でアガった状態です。
三元牌の役牌は、場風や自風に関係なく、だれでも3枚1組で役が成立します。
これは風牌でも同ですが、三元牌と違って、風牌の場合、役が付くものとつかないものがあるので注意が必要です。
役牌についてもっと詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください!
⇒『シンプルだけど奥深い「役牌」簡単な手を使ってもっと上のステップへ!』
場風牌と自風牌
先ほど説明した風牌には役になるものとならないものがあります。場風牌・自風牌と客風牌です。それはどのような場合なのか解説します!
場風牌とは・・・
現在の 局 における場と同じ 風牌(フォンパイ) のこと。東場なら東、南場なら南のこと。役牌の1種。
圏風牌(チャンフォンパイ)・荘風牌(チャンフォンパイ)とも。
自風牌とは・・・
現在の 局 における自分の 風牌(フォンパイ) のこと。東家(トンチャ) は東、南家(ナンチャ) は南。役牌の1種。門風牌(メンフォンパイ)とも。
客風牌(コーフォンパイ)とは・・・
通称オタ風牌。場風(バカゼ) や 門風(メンフォン) でない 風牌(フォンパイ) のこと。
麻雀では対局の一番最初にサイコロによってプレイヤーの方角(風)を決定します。
上記のようにAさんが東となりました。Aさんが東になると他のプレイヤーの方角は自動的に決定します。(以後、親番が移動するたびに方角も変わっていきます。Aさんの親が流れた場合は自動的にBさんが東となります。)たとえばCさんをみてみましょう。Cさんは西家です。この場合、Cさんが西を3枚揃えると「役牌」が成立します。














Cさんはこの対局は西家だったので西を3枚揃えてアガりました。これで「西」という役牌で役が成立します。
Dさんの場合であれば「北」を3枚、Bさんであれば「南」を3枚で成立です。














また、役牌の場合は副露(フーロ=鳴く)しても成立します。
風牌についてもっと詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください!
⇒『風牌は勝利を呼び込む神風となる!』
副露についてはこちらから!『副露とは!ポン、チー、カンで鳴きを制し速攻役付テンパイ!』
また、ゲームスタート時から1周目と2週目それ以降の周回に名前(風)がついています。最初から1周目を東場(トンバ)と呼び、2週目は南場(ナンバ)、以降、西場(シャーバ)・北場(ペーバ)となっています。
つまり、ゲームスタート時は東場なので、親番のプレイヤーは「東場」であり、自風牌も「東」なのでダブルの東=ダブトンとなり点数の授受が倍となります。
ダブトンやダブナンになる牌のことを連風牌(リェンフォンパイ、レンフォンパイ)といいます。合わせて覚えておきましょう。
字牌がからむ役をみてみる
字牌の基本である三元牌と風牌、そして役になる字牌まで理解できたでしょうか。つづいては、字牌がからむ役を見ていきましょう。少し実践的な解説になります。
字牌がからむ役はさまざまあるのですが、メン・タン・ピンで有名な初心者が最初に覚えるべき役のなかから、「平和(ピンフ)」を例にして、字牌の関わり方をみていきましょう!
平和(ピンフ)での字牌
メン・タン・ピンはそれぞれ「立直・断幺九・平和」であり、初心者が最初に覚える役の代表です。
1) 門前であること
2) 全ての面子が順子(シュンツ)で構成されていること
3) 雀頭(ジャントウ = アタマ)が役牌でないこと
4) テンパイした時の待ちが両面待ちであること
おや?字牌があまり関係ないようにみえますね。でも違うんです。(3)をみてください。
⇒雀頭(ジャントウ = アタマ)が役牌でないこと
お、先ほど出てきた役牌です。これは直接字牌とは書いていませんが、上で見てきたように、役牌は字牌の中に含まれています。つまり、「役牌となる字牌を雀頭にしてはいけない」という指定なのです。
平和は役牌にあたる牌を雀頭にできないのです。















平和おしい!おしいですが、三元牌(サンゲンパイ)の「中」で雀頭を作ったため平和になりませんでした。このままリーチをせずにロンを宣言してしまうと役なし罰符(バップ)、ペナルティーとなるので要注意です。
ちょっと難しくなってきました。平和は、役牌は雀頭にできないが字牌すべてが雀頭にできないわけではない。のです。うーん。これは、1章で解説した自風牌・場風牌・客風牌が理解できていれば簡単なことです。













そうなのです。例えば東場の南家のプレイヤーであれば「西」を雀頭にすることが可能になります。字牌は雀頭にならないのではなく、役牌となる牌が雀頭にならないということをしっかりと覚えておきましょう。
そのほか字牌がからむ役
まずは、直接字牌がからむのではなく字牌を一切つかえない、という方向性から断幺九をご紹介します。平和とならび初心者にとってもっとも重要な役です。
断幺九(タンヤオ)
これも平和とならび超有名役です。1・9・字牌以外で揃えると成立します。字牌だけでなく1と9も使用できないので注意です!
つづいて、超大物役を2つご紹介します。
大三元・小三元
こちらは三元牌をふんだんに使った役です。大三元は役満!!役満の中でも出現率は高いほうなので狙ってみるのもいいでしょう。
ここでは細かくご紹介できないので、もっと詳しく書いた記事をご覧ください!
大四喜・小四喜
こんどは風牌をふんだん使っていますね!縁起がいいのか悪いのか、、こちらはどっちも役満なのでうれしくないはずはありません。
字一色(ツーイーソー)
この役を紹介しないわけにはいきません。字一色とはつまり、字牌のみ!!4面子1雀頭すべての牌を風牌や三元牌で揃えると成立します!上記の例は「西」を鳴いているように鳴きOKです。
字牌とはそもそも順子はできません。よって、より高難易度となります。これはアガってみたい!
字牌の符計算
アガった後の雀頭が役牌だった場合につく符をご紹介します。符計算をする場合は必ず必要になってきますので、合わせて覚えておきましょう。オーラスで何点必要でどのようなアガりの形にすればよいのかの判断材料になります。
数牌・オタ風 | 雀頭 | ![]() ![]() | 0符 |
三元牌・風牌 | 雀頭 | ![]() ![]() | 2符 |
風牌(自風牌・場風牌の場合)や三元牌などの役牌を雀頭にしてアガると付加点がつくのです。
また、雀頭だけでなく面子においても字牌の符加点は変わってきます。
全て | 順子 | ![]() ![]() ![]() | 0符 |
チュンチャン牌 (2~8の数牌) | 明刻 | ![]() ![]() ![]() | 2符 |
暗刻 | ![]() ![]() ![]() | 4符 | |
明槓 | ![]() ![]() ![]() ![]() | 8符 | |
暗槓 | ![]() ![]() ![]() ![]() | 16符 | |
ヤオチュー牌 (一・九・字牌) | 明刻 | ![]() ![]() ![]() | 4符 |
暗刻 | ![]() ![]() ![]() | 8符 | |
明槓 | ![]() ![]() ![]() ![]() | 16符 | |
暗槓 | ![]() ![]() ![]() ![]() | 32符 |
まとめ
字牌の種類から役になる字牌、字牌の付加点まで一通りみてきました。しかし、これで字牌のすべてがわかったわけではありません。より実戦にそくした字牌のさばき方なども重要になってきますが、まずは基本的な知識を身につけつつ、字牌がらみの役でアガってみましょう。少しなれてきたら、符計算も意識してうつと、より手づくりの幅が広がってきます。
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