海底撈月(ハイテイラオユエ) 最後に笑う為に覚えるべきルール【1翻役】
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海底撈月(ハイテイラオユエ) 最後に笑う為に覚えるべきルール【1翻役】

「海に映った月をすくい取る」そんなロマンチックで美しい名前を持つ役、それが海底撈月(ハイテイラオユエ)です。別名を海底摸月(ハイテイモーユエ)とも言います。嶺上開花などと同じく偶然役として知られていて、なかなかお目にかかることはできません。偶然のアガりを逃さないように条件やコツをしっかりと把握しましょう!

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海底撈月(ハイテイラオユエ)とは?

別名を海底撈月(ハイテイラオユエ)は、海底摸月(ハイテイモーユエ)とも言います。
あまり聞き覚えが無いかもしれませんが、それもそのはず、これらのフルネームで呼ばれる事はあまりありません。
大抵の場合は、「ハイテイ」または「ハイテイツモ」と呼ばれます。

そんな海底撈月の成立条件をみてみましょう。

海底牌(ハイテイハイ)でツモ(自摸)アガりした時に成立する役 です。

海底撈月(ハイテイラオユエ / ハイテイツモ)
テンパイの形
海底
1翻 鳴きOK 出現率:0.35%

牌山からツモることができる最後の牌を海底(ハイテイ)といい、その海底牌をツモしてアガると成立。海底摸月(ハイテイモーユエ)とも呼びます。

とてもシンプルな成立条件ですが、そもそも海底牌を知らなければさっぱり意味が分かりませんね。

海底牌(ハイテイハイ)とは

王牌(ワンパイ)を除いた壁牌(ピーパイ)の最後の1枚。
つまり、プレーヤーがツモ(自摸)する事ができる最後の牌の事です。

例えば、このようなテンパイの時

待ち牌はですね。

運良くその局の最後のツモ(自摸)、つまり海底牌のツモ(自摸)順が自分にまわってきて、更に運よくその海底牌がであれば、見事アガりとなり、海底撈月の役がつきます。まさに奇跡的な運命の出会いです。

これで、海底撈月もスッキリ理解できたかと思います。最後の一枚である海底牌をツモ(自摸)るチャンスがあるのは一人だけ、加えてそのプレーヤーの手牌がテンパイになっていないとならない海底撈月、「無駄骨を折るだけで全然見込みのないこと」というのもなんとなく頷ける気がします。

しかし、海底という呼び名は、壁牌の一番奥を海底に例えているのでしょうか。壁牌は別名「山」と言うのに海底とはこれいかに。
まあ、「山奥から金を掘り当てる」なんて名前の役だとロマンチックでないので、海底で良しとしましょう。

ハイテイは役がないテンパイでもアガれる!

ハイテイの大きなポイントの1つとして、役がないテンパイ(=ケイテン)のような手牌からでもアガることができるということがあります。

東場 南家

上記のようにテンパイはしているものの役がなくてアガれないようなことがあります。
この場合でも海底牌(ハイテイハイ)でをツモってくれば海底撈月(ハイテイラオユエ)でツモアガりすることができます。
もちろん河底撈魚(ホーテイラオユイ)のロンでもアガることができます。(河底撈魚については後述)
なかなかお目にかからない役ですので、見逃さないように注意しましょう!

河底撈魚 (ホーテイラオユイ)とは?

河底撈魚 (ホーテイラオユイ)という役があります。海底の次は河底です。名前からして、海底撈月との関連が窺えますね。
海底撈月が最後のツモ(海底牌)で成立する役なのに対し、河底撈魚は、最後に捨てられた牌でロンする事で成立する役です。
牌を捨てる場所の事を河(ホー)という事から河底(ホーテイ)の名前がついたのだと思います。

河底撈魚(ホウテイラオユイ / ハイテイロン)
テンパイの形
河底
1翻 鳴きOK 出現率:0.5%

牌山からツモることができる最後の牌を海底(ハイテイ)といい、その海底牌をツモしたプレーヤーが捨てた牌でロンをすると成立。正式にはホウテイですが、ハイテイツモとのセットでハイテイロンと呼ばれる事が多い。

この河底撈魚(ホーテイラオユイ)も、フルネームで呼ばれることはあまりありません。
海底撈月(ハイテイラオユエ)が略して海底(ハイテイ)と呼ばれるので、河底撈魚(ホーテイラオユイ)は河底(ホーテイ)と呼ばれる・・・かと思いきや、何故か河底撈魚も海底(ハイテイ)と呼ばれる事が多いです。これは単純に海底撈月と混同した誤用なのですが、割と一般的に広まっている呼び方です。海底撈月を「ハイテイツモ」、河底撈魚を「ハイテイロン」などと呼び分ける事も多いので、覚えておきましょう。

ちなみに、この河底撈魚は日本で生れた役で、昭和5年に日本麻雀連盟が制定したのですが、その際、河底撈魚という役名について、「魚では生臭そう」、「もっと優雅な名前が良い」、「河底撈藻(ラオモウ)はどうか?」などという意見が出たそうです。しかし、標準ルール起草委員の木村衛6段の提案で、結局「河底撈魚」に落ち着きました。

ところが制定直後、「河底撈珠」(ホウテイラオチュ、河の底の珠を獲る)という中国の故事があるのが分かり、河底撈珠にしておけば海底撈月と並んで優雅な役名が揃ったのにと、当の木村衛6段が非常に悔しがったそうです。

海底牌に関する注意点

その局の最後のツモ(自摸)となる海底牌には、いくつか注意しなければならない点があります。

 海底牌でカンはできない
海底でカン(暗槓または加槓)をしてしまうと、嶺上牌(リンシャンハイ)から1枚ツモ(自摸)されることにより、必ず14枚残さなければならない王牌(ワンパイ)が13枚になってしまうので、カンをする事はできません。

カンについて詳しくは⇒ 麻雀初心者必見!もう迷わない槓(カン)の基本と、しどころ

 海底牌ツモ(自摸)後の捨て牌では鳴けない
海底牌をツモ(自摸)した後の捨牌を河底牌(ホウテイハイ)といいますが、他家はこの河底牌を鳴く(ポンチーカン)ことはできません。

 海底の直前では立直(リーチ)できない
王牌を除く壁牌の残りが、海底牌を含めて4枚以上残っていない場合、立直(リーチ)をかけることができません。
立直後に最低1回は自分のツモ(自摸)番が残されていなければならないからです。

※Mリーグや日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀連盟、最高位戦日本プロ麻雀協会などのリーグ戦ではツモ番なしリーチも認められています。

海底撈月と嶺上開花(リンシャンカイホウ)

海底撈月と嶺上開花は複合しません

海底牌の一つ前の牌をツモ(自摸)した際に暗槓または加槓を行い、その嶺上牌でツモ(自摸)和了した場合、元々の海底牌は王牌に補充されることになります。すると、結果的に海底牌の一つ前の牌がその局の最後の牌となるので、海底撈月が成立するのではないかという話をよく聞きます。
しかし、海底牌そのものでツモ(自摸)アガりをする事が海底撈月の成立条件ですので、上記のケースでは海底撈月は成立しません。
つまり、最初に述べた通り、海底撈月と嶺上開花は複合しないという事です。

嶺上開花って何?と言う人は ⇒ 嶺上開花(リンシャンカイホウ)を狙うメリットとデメリット

海底撈月と河底撈魚のローカル役

海底撈月と河底撈魚に関連したローカル役が存在します。元々は一般的に採用されていた事もある古役だそうです。
ローカル役が採用されていない場で、ローカル役でアガりの宣言をすると、チョンボ(反則行為)とみなされる場合もありますので、ご注意を。

白底撈魚(ハクテイラオユイ)
2翻
鳴きOK
出現率:不明
「白」で河底撈魚をアガると成立する役
九筒撈魚(チューピンラオユイ)
満貫~役満
鳴きOK
出現率:不明
九筒で河底撈魚をアガると成立する役。九筒の絵柄を魚の群れに見立てている。
基本的に満貫以上の扱いとなるが、場によって異なる。
ダブリー河底撈魚
役満
門前のみ
出現率:不明
ダブル立直で河底撈魚を成功させる。
※ダブルリーチとは、親の場合は配牌で、子の場合は最初のツモ(自摸)でリーチをかけることです。
一筒摸月(イートンモーユエ)
満貫~役満
鳴きOK
出現率:不明
一筒で海底撈月をアガると成立する役。一筒の絵柄が満月に見立てている。
基本的に満貫以上の扱いとなるが、場によって異なる。

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東場・東家/親
ツモ
待ち
順子
順子
明刻(幺九牌)
暗カン
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ざんねん。不正解です…

1翻60符ツモ-1,000点×3(1000オール)
役牌1翻
副底(フーテイ)20符
ツモ2符
明刻(幺九牌)4符
暗槓(幺九牌)32符
カンチャン待ち2符

まとめ

最後の1枚となる牌で都合よくアガるなんて、そうそうないだろうと思いませんか?ある統計では、海底撈月は0.31%、河底撈魚は0.63%の出現率というデータがあります。同じデータで、3翻役のジュンチャンの出現率が0.38%、役満の中では比較的出易いと言われている四暗刻の出現率は0.049%だそうです。そう聞くと、海底撈月や河底撈魚は、十分に期待または警戒するべき出現率かと思います。最後の最後まで気を抜かずに最善をつくし、見事海に映る月をすくってください!

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