雀頭は麻雀力のバロメーター 雀頭基本ガイド

面子(メンツ)だけでなく雀頭(ジャントウ)をいかに効率よく揃えていくかよく考えていくと、和了率(ホーラ率=アガる確率)がアップしていきます。
無駄のない雀頭作りを考えることは、その人の麻雀力を測る格好の材料となります。麻雀初心者は役作りをする上で雀頭をあまり重要視していない傾向があり、面子を揃えることだけを見てしまいがちです。雀頭はなんとなく揃ってしまうからいいだろうと思ってしまいます。
雀頭は手牌作りを複雑にする大きな要素なのです。つまり雀頭は役作りの大切な一部です。雀頭の基本をおさえ、どのように揃えていくかもしっかりと考えて打つように心がけましょう!
1. 雀頭の基本
麻雀のアガりの基本形に「4面子1雀頭」というものがあります。これはアガるために必要な形を現しています。その雀頭を今回は細かく見ていき、雀力アップにつなげてください。
1-1. 雀頭
アガりの形の中で同種の牌で2枚1組を作る組み合わせ。通称アタマ。対子(トイツ=同種2枚1組)ともいう。
雀頭はアガりの形に必要な牌の組み合わせです。雀頭を必要としない役、国士無双とチートイツという例外はありますが、基本的にどのような役であっても雀頭は絶対に必要になってきます。反対に言ってしまえば雀頭がない役はないとまでもいえることです。そのような雀頭を軽視する法はありません。
まずは、役満である四暗刻のアガった形でみてみましょう。
出現率:0.03%-0.05%
上級者向け














役満 | 門前のみ | 待ち指定無し |
4つの面子(メンツ)を全て暗刻(アンコ)で揃える。シャンポン待ちでロンをした場合、アガり牌で作られる面子(メンツ)は暗刻(アンコ)の扱いにならないので、四暗刻は成立しません。 シャンポン待ちの例) アガり牌or ※雀頭の単騎待ちでアガった場合はダブル役満とるす場合があります。 |
上の例は役満の四暗刻でアガった形です。「索子の1」がアタマとなっています。これがまさに雀頭です。同じ牌2枚がある状態を対子(トイツ)と言い、雀頭ともなります。
麻雀初心者のうちは四暗刻でいえば刻子の部分ばかりに気が行ってしまいがちですが、「索子の1」もまた四暗刻の大切な一部であることをしっかりと覚えておいてください。
刻子(コーツ)とは・・・
3枚同じ種類の牌を揃えた面子(メンツ)のこと。
対子(トイツ)とは・・・
2枚同じ種類の牌の組み合わせ。後1枚で 刻子(コーツ) になる状態。
1-2. 4面子1雀頭(4メンツ1ジャントウ)
麻雀は牌を揃えてアガるゲームです。牌を揃えてアガるには一定の決まった形があることは上記で説明しました。ではその「4面子1雀頭(4メンツ1ジャントウ)」とはいったいなんでしょうか。これは基本中の基本なのでわかっている人はどーんと飛ばして次の章へ進んでください。
4面子1雀頭という形
「4面子1雀頭」はアガりの基本形であり、役を作る上で欠かせないものです。実際の牌でみてみましょう。
アガる場合に上のように4つの面子と1つの雀頭の合計14枚の牌が必要です。
このとき、狙っている役によって牌の種類はかわってきますが、まったく同じ牌が2枚ある状態であれば雀頭として成立します。
■まったく同じ組み合わせ










まったく同じ牌ですね。これだけで雀頭は完成します。
また、アガる牌によって最後の最後に雀頭を完成させてもOKです。先ほどの四暗刻を例にしてみると、
雀頭である「中」を待っている状態です。「中」をツモるか他家(ターチャ=他のプレイヤー)が打牌してロンすればアガりと同時に雀頭が完成します。このように4面子が完成し雀頭を待っている状態を「単騎待ち」と呼びます。
単騎待ち
テンパイ(必要な牌が後1枚加わればアガり形が完成する状態) の際、アタマ が1枚しかなく、もう1枚来れば 対子(トイツ) となる1枚待ち。
必ずしも雀頭をそろえておかなくてはいけないことはありません。最後にそろえてもOKということも覚えておきましょう。
単騎待ちと同じように、雀頭を待っている待ちがもう1つあります。ノベタン待ちです。
テンパイ の際、アタマ が1枚しかなく、[2・3・4・5]など 2 か 5 のどちらか一方が来れば 対子(トイツ) となる2枚待ち。
1-3. 平和(ピンフ)でみる雀頭
雀頭はどのタイミングで作っても大丈夫なことがわかりました。ただ、これで万事OK!とはいきません。
役によって雀頭に指定があるものがあります。その代表格が「平和(ピンフ)」です。
メン・タン・ピン(リーチ、タンヤオ、ピンフのこと)は初心者が最初に覚える役ではないでしょうか。そのピンフには雀頭の指定があります。実際のピンフでみていきましょう。
出現率:19%-22%
初心者必須!















1翻 | 門前のみ | 両面待ち |
4つの面子を順子(シュンツ)で作る。雀頭(ジャントウ=頭)は役牌以外、待ちの形は両面待ち(リャンメン待ち)でなければならない。 |
平和の条件
- 1) 門前であること
- 2) 全ての面子が順子(シュンツ)で構成されていること
- 3) 雀頭(ジャントウ = アタマ)が役牌でないこと
- 4) テンパイした時の待ちが両面待ちであること
細かい指定がいくつかありますが、(3)に雀頭の指定に役牌でないこととあります。
役牌とは・・・
別名「翻牌/ファンパイ」
3枚そろえるだけで役が付く牌の総称。三元牌や場風牌、自風牌などが含まれる。
場風牌(バカゼハイ)
現在の 局 における場と同じ 風牌(フォンパイ) のこと。東場なら東、南場なら南のこと。役牌の1種。
自風牌(ジカゼハイ)
現在の 局 における自分の 風牌(フォンパイ) のこと。東家(トンチャ) は東、南家(ナンチャ) は南。役牌の1種。
三元牌(サンゲンパイ)
字牌(ツーパイ) の中の 白發中(ハクハツチュン) の総称。
三元牌を詳しくしりたいかたはこちらの記事もチェック!
⇒『猫でもわかる!1翻から役満までとれる三元牌の基本と活用法』
少し説明が長いですが、上記すべての牌が役牌です。平和はこの役牌にあたる牌を雀頭にできないのです。
■雀頭を役牌で揃えたため平和にならない
三元牌(サンゲンパイ)の「中」で雀頭を作っています。これでは平和が成立しません。このままリーチをせずにロンを宣言してしまうと平和が成立せずに、役なしとなる可能性があるので要注意です。ツモの場合は門前清自摸和(メンゼンツモ)の役が成立するのでアガることができます。また、河底撈魚(ホウテイ)の場合はロンアガりも可能です。役については「麻雀の役 すべて!条件・出現率・プロの助言 一覧表」を見てください!
ここでもうひとつ注意しなくてはいけないことがあります。
平和の雀頭は役牌にあたるものではいけないので、字牌を使用できないわけではありません。初心者は字牌すべてがダメだと思いがちですが、場風牌や自風牌ではない風牌は使用してもOKなので忘れないようにしましょう。
このように、4面子1雀頭の基本であっても指定以外だと役にならない場合もあることも忘れずに覚えおきましょう。しかし、役をしっかり覚えていれば問題ないですね。
2. 雀頭の符計算
つづいて、アガった後の雀頭につく符をご紹介します。符計算をする場合は必ず必要になってきますので、合わせて覚えておくと大変便利です。
(1)基本点20符(フウテイ)
↓
(2)メンゼンロン10符 / ツモの場合は2符
↓
(3)面子の組み合わせで付く符(0符~32符)
↓
(4)雀頭の組み合わせで付く符(0符~2符)
↓
(5)テンパイの形に付く符(0符~2符)
アガった場合上記のように符を計算します。このとき(4)にあるように、雀頭の種類によって加符点が変わってきます。
雀頭(ジャントウ=アタマ) の種類による 加符点
アタマ(雀頭)の種類 | |||
数牌(シュウパイ) | 0符 | ![]() ![]() | |
客風牌(コーフォンパイ)=オタ風牌 | 0符 | ![]() ![]() | 門風牌が[東]で圏風牌[南]の場合 |
門風牌(メンフォンパイ)=自風牌 | 2符 | ![]() ![]() | 門風牌が[東]で圏風牌[南]の場合 |
圏風牌(チャンフォンパイ)=場風牌 | 2符 | ![]() ![]() | 門風牌が[南]で圏風牌[西]の場合 |
三元牌(サンゲンパイ) | 2符 | ![]() ![]() | |
連風牌(リェンフォンパイ) | 2符 | ![]() ![]() | 門風牌が[東]で圏風牌[東]の場合 ※4符の場合もあり |
風牌(フォンパイ)や三元牌などの役牌を雀頭にしてアガると加符点がつくことがわかります。手をつくる途中で点数のことを少し意識して打てるようになると、必要な点数から必要な役や牌を見極めることで戦略的な麻雀を打つことができるようになるでしょう。
その他、符計算について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
⇒『麻雀の符計算を知り尽くせ!覚えるコツから早見表まで網羅』
3. 雀頭の構え方・さばき方
つづいて、雀頭を作る、構える最大のポイントをご紹介します。
①雀頭は固定して考えずに広く構える
②雀頭は順子になるような牌をなるべくさけて作ることを心がける
これはとても大事なことで、手牌で雀頭を無理に決めてしまうことが多いためです。
雀頭は固定して考えずに広く構えよう!
麻雀初心者の方は、配牌時から序盤に手牌で対子がある場合、その対子を雀頭と無理に決めてしまうことがあります。これは大きな間違いです!
が2枚重なって雀頭になるようにみえます。しかし見方を少し変えてみると、、、
を対子と捕らえずに、2・3・4・5・6の多面待ちとしてとらえます。対子を雀頭と決め打ちしてしまわずに、ツモる牌によって柔軟に打てるようにしよう!
②雀頭は順子になるような牌をなるべくさけて作る
上記の例で8 や 9 などの牌は順子になりにくいため、持っていてもあまり有効利用できません。しかし、雀頭として働いてくれればラッキー。順子になりやすい牌を雀頭に固定せず、12 や 89 などのペンチャンが雀頭になる可能性を少し意識して打ちましょう。
4. まとめ
雀頭の基本から実戦でのさばき方までみてきました。ただ単に2枚ある牌を雀頭に決めることは、あまりよい判断ではないということがわかってもらえたでしょうか。初心者はあまり雀頭のことまで考える余裕がありません。そこで雀頭をうまくさばけると、ターチャからも「なかなかうまいな」と言われるようになるでしょう。また、少し打ちなれてきたら、雀頭における符計算もささっと計算できるようになると手作りの幅も広がりますよ!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
筒子の1.2切らないなら何切るの?
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>筒子の1.2切らないなら何切るの?
仰る通り、例の牌姿では筒子の1.2のペンチャン以外は切りづらいですね…m(__)m
ですので例の牌姿と説明文を修正させていただきました。
ご指摘いただきありがとうございます。
より分かりやすい記事になるよう、細心の注意でコンテンツの作成に邁進致し、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します!
「■雀頭を役牌で揃えたため平和にならない
三元牌(サンゲンパイ)の「中」で雀頭を作ったため平和になりませんでした。このままリーチをせずにツモやロンを宣言してしまうと役なし罰符となるので要注意です。」
とありますが、ツモの場合は「門前自摸」でアガれますよね。わかってはいると思いますし、細かいことなのですが一応。
さお 様
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
ご指摘ありがとうございます。
該当箇所の
—-
三元牌(サンゲンパイ)の「中」で雀頭を作ったため平和になりませんでした。このままリーチをせずにツモやロンを宣言してしまうと役なし罰符となるので要注意です。
—-
の説明は不適切でした。
大変失礼いたしました。
ツモの場合は「門前清自摸和(メンゼンツモ)」が成立するのでアガることができます。
また、河底撈魚(ホウテイ)の場合はロンも可能ですね。
説明を修正致しました。
今後、極力誤りがないよう細心の注意でコンテンツの作成に邁進致し、
ご利用して頂けるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を何卒宜しくお願い申し上げます。