放銃を意識して1位を目指すための5つのポイント
放銃(ホウジュウ)とは他のプレイヤーに自分が捨てた牌でロンされることです。日本語読みでは「ホウジュウ」ですが、中国語読みで「ホーチャン」「ファンチュン」と言います。
放銃はロンされること、つまりその局での自分の負けと点数の支払いを意味し、点数を競う麻雀ゲームにおいてしっかり考えなければならない要素の1つと言えます。そういったことから、放銃率や平均放銃点といった指標があり、中級者以上では検討すべき必須の項目です。
勝負事の普遍的ルールは「勝ちを大きくし負けを小さくする」ことにあります。放銃という負けを意識しコントロールすることは即ち勝利へ近づく一歩となるでしょう!
1. 放銃とは、放銃の意味
- 放銃はロンされること
放銃(ホウジュウ)とは
放銃(ホウジュウ)とは、他家(ターチャ=他のプレイヤー)に自分が打牌(ダハイ)した捨て牌でロンされてしまうことです。中国語読みで「ホーチャン」「ファンチュン」と言います。また、放銃は『振り込む』ともいい、その他に『振る』『打つ』『打ち込む』などとも言います。
ロンについての詳しい説明は『麻雀はロンが決め手!ロンを見逃さないための基本すべて。』をお読みください。
放銃の意味
放銃は他のプレイヤーにロンされることなので、その局において自分の負けを意味します。そして、ロンされた相手に対して自分の持ち点から相手の手役に応じた点数を支払うことになります。また、その局が終了になるか続行になるかも放銃者と被放銃者の関係で決まります。後程説明します。
『 局(キョク) 』
麻雀のゲーム試合単位であり、その中でも最小ゲーム単位です。配牌 から アガる 勝者が出るまで、あるいは、誰も アガら ない 流局 までが 1局。
『 ロン 』
他家(ターチャ=他のプレイヤー) の捨て牌を自分のアガリ形を完成させる最後のアガり牌として取得し、アガりを宣言して手牌を開く行為。=直撃、直取り などとも言う。
なぜ放銃と言うのか?
自分がロンされたのになぜ放銃と言うのか。この場合、放銃は「銃を放つ(撃つ)」という意であり、自分が「打牌した牌」=「打った弾、放った弾」が自分の意に反して相手の利となってしまうということ、なのだとされています。
2. 放銃してしまうと
放銃の確定
他家のアガり牌を打牌してしまい、他家がロンを宣言し手牌を開き、手牌に問題がなければ放銃=ロンが確定します。
放銃してしまうと
放銃してしまうと、ロンされた相手に対して相手の手役に応じた点数を自分1人で支払うことになります。麻雀は4人で各自の点数を競うゲームで、最後に点数が1番多い人が勝ちとなります。このようなゲームにおいて放銃は非常に手痛いダメージとなります。特に点数を競っている相手に放銃してしまった場合、点差が大きく開きます。例えば、相手の手役が8,000点でその分を支払った場合、相手が+8,000点で自分が-8,000点なので点差は16,000点になってしまいます。
放銃の点数は1人で支払う
放銃は基本的に1人で支払う「一家包(イーチャパオ)」されています。中国麻雀ではツモの場合でもロンの場合でもアガりプレイヤー以外の3人で支払う三家包(サンチャパオ)ですが、日本では一家包が主流となりました。下手なプレイヤーのせいで自分まで点数を支払うことが日本に馴染まなかったと言われています。自分のケツは自分で拭けと言うことですね。厳しい!
放銃後の局の流れ
放銃後、放銃した相手が子の場合は親が流れて局が移行します。相手が親の場合は親が連荘(レンチャン)として続行され局は移行しません。局が移行する際、その局がその試合の最後の局(=オーラスと言う)の場合は、半荘(ハンチャン)や東風戦(トンプウセン)などの1試合が終了します。
『 半荘(ハンチャン) 』
麻雀ゲームの試合単位です。前半戦の東場(トンバ) と 後半戦の南場(ナンバ) に分かれ、東4局、南4局の全8局あります。
『 一荘(イーチャン) 』
麻雀ゲームの試合単位です。東場(トンバ)・南場(ナンバ)・西場(シャーバ)・北場(ペーバ)の4つに分かれ、各4局の全16局あります。
『 東風戦(トンプウセン) 』
半荘の前半戦の東場(トンバ)のみでゲームを行う試合単位です。
放銃を恐れ過ぎてはダメ
放銃は手痛いダメージではあるのですが、恐れ過ぎることは良くありません。初心者の方は少しレベルの高いプレイヤーと対戦し放銃が続いた場合、放銃恐怖症になってしまい、相手を強く警戒して勝てる見込みのある手まで崩してしまいます。相手のアガり牌を推測することはプロでもなかなか難しいことなので、必要以上に警戒して手を崩してしまっては1位を獲得することは出来ないでしょう。かと言って無警戒に放銃してしまうのも当然ダメです!
大切なことは、勝負に出るか勝負を降りるかの判断をしっかり考えることです。麻雀ではこのことを「押し引き」と言います。
3. 放銃と押し引きについて
押し引きとは
押し引きとは、勝負に出るか勝負を降りるかということです。例えば、他家の1人がリーチを掛けた場合、自分はリーチ者に対して危険牌だと思われる牌を捨てないとテンパイにならないケースにおいて、危険牌を捨てて勝負に出ることが「押す」です。逆に安全牌を捨てて手を崩すことが「引く」です。
つまり、積極的に勝負に出ることを『押す』といい、積極的に勝負を降りることを『引く』といいます。押す場合は、他家に対して危険牌を打牌してでも自分の手牌を揃えることを優先する攻撃的な打ち方をします。引く場合は、他家に対して極力安全牌を切り出し、自分の手を崩してでも危険牌を打牌せず放銃を回避する防御の打ち方です。
放銃は押し引きと密接に関わっている
放銃はこの「押し引き」と密接に関わります。押し引きの判断を誤ると放銃の回数がどんどん増えてくるでしょう。勝負にならないような場合に不用意に押して放銃してしまったり、勝負をしなければならないケースで引いてしまい勝負をオリ切れずに最悪な放銃をしてしまったり、など。この押し引きの判断が放銃において非常に大切だということを覚えて下さい。
押し引きについての詳しい説明は『麻雀の押し引きは強くなるための基本戦術!』を読んでみて下さい。
4. 良い放銃と悪い放銃
放銃にも良い放銃と悪い放銃があります。放銃なのだからどのような放銃でも悪いという考えは誤りです。なぜなら、麻雀は4人でプレイするゲームであり自分がアガれる可能性は1/4なのに対して他家がアガる可能性は3/4となります。さらに、相手の手は見えず、牌山の中も分からずなので、ある程度放銃してしまうことは前提として考える必要があります。
良い放銃
例えば、オーラス得点状況が以下だったとします。
・自分が1位で40,000点
・ラス親が2位で24,500点(1位との点差15,500点)
・3着目が23,000点(1位との点差17,000点)
・4着目が12,500点(1位との点差27,500点)
このような状況で2位のラス親がリーチをしました。そして仮に親が満貫12,000点をツモもした場合は子は4,000点を親に支払い以下のような順位と点数になります。
・自分が1位→2位で36,000点
・ラス親は2位→1位で36,500点
・3着目は3位→3位で19,000点
・4着目は4位→4位で8,500点
では次に、1位である自分が親に対してツッパリ満貫を放銃してしまった場合を考えてみましょう。
・自分が1位→2位で36,000点
・ラス親は2位→1位で36,500点
・3着目は3位→3位で23,000点
・4着目は4位→4位で12,500点
上記の点数を見ると、2位のラス親がツモしても自分が親に放銃しても自分は1位→2位になります。何れにしろ2位になるのであれば突っ張ってアガりを目指すという打ち方も考えられるでしょう。
悪い放銃
悪い放銃は無謀な勝負を挑んで振り込むことが第一に挙げられると思います。安い手や悪形で、ドラ3 2鳴きの親に対して押しを敢行し放銃してしいまうなどです。
5. 放銃を回避する
放銃すると自分1人のみ点数が低くなり、順位を競う麻雀では強烈なダメージとなってしまいます。勝負に出た場合の放銃は別としても、可能な限り放銃を回避できると良いですね。ここでは、放銃を回避する打ち方として主に防御方法:スジ追いをご紹介します。
スジ追い
スジを追うというのは、他家の捨て牌からスジを利用して安全牌や危険牌を推測することです。
スジとは
スジはリャンメン待ちの牌のことを言います。例えば、 の塔子(ターツ=順子1つ手前の2枚1組)の待ち - のリャンメン待ちですね。この 3-6 がスジになります。
両側の待ち牌である 1-4 が スジ(イー・スーのスジ)
両側の待ち牌である 2-5 が スジ(リャン・ウーのスジ)
数牌 1 - 9 の全てのスジは以下になります。
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スジの部分を一連にすると、1-4-7(イー・スー・チー)、2-5-8(リャン・ウー・パー)、3-6-9(サブ・ロー・キュー)と見えますね。スジはこのように覚えると覚えやすいです。このリャンメン待ち=スジ を利用して安全牌や危険牌を推測することがスジ追いです。スジについて詳しく知りたい方は「麻雀の筋(スジ)『振り込まないための7つの読みと実践防御方法』」をお読み下さい。
安全牌を推測するスジ
安全牌を推測するスジは、表スジ、中スジ、片スジです。同色牌でスジを考え、そこにフリテン(=ロンが出来ないテンパイ)が加わると安全牌を推測することが可能です。フリテンの詳しい説明は 「フリテンの意味とは?覚えるべき2つの条件と2つの回避方法」 をご参照下さい。
危険牌を推測するスジ
危険牌を推測するスジは、裏スジ(ウラスジ)、間4軒(アイダヨンケン)、跨ぎスジ(マタギスジ)があります。これらのスジは他家に出してはならない危険な牌を推測するのに利用します。それでは各スジについて説明していきます。
表スジ(オモテスジ)=安全牌の推測
表スジとは
表スジは、基本スジである 1-4-7(イー・スー・チー)、2-5-8(リャン・ウー・パー)、3-6-9(サブ・ロー・キュー) の外側の数字になります。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
表スジを利用した安全牌の推測
では表スジを利用して安全牌を推測する方法を考えてみましょう。
萬子 が他家の捨て牌にあった場合、そのプレイヤーはフリテンルールがあるので、 で、- 待ちや での - 待ちが出来ません。つまり、リャンメン待ちをしていた場合、・・ でアガることが出来ないのです。 が捨て牌にある場合に、・ が安全牌と推測できるのです。これは同色牌のリャンメン待ちでフリテンルールを考慮した場合に成立します。
中スジ(ナカスジ)
中スジとは
中スジは、基本スジである 1-4-7(イー・スー・チー)、2-5-8(リャン・ウー・パー)、3-6-9(サブ・ロー・キュー) の真ん中の数字になります。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
中スジを利用した安全牌の推測
中スジを利用して安全牌を推測する方法を考えてみましょう。
他家の捨牌に萬子の と があるとします。ここで、 と が絡む スジ を考えます。[ 2 ]と[ 8 ] に絡む スジ は 萬子 - と - ですね。つまり -- [ 2・5・8 ](リャン・ウー・パー)になります。
従って、他家の捨牌に と が出ている場合は、そのスジ系の牌である が比較的安全な牌と考えられます。
この 中スジ による安全牌の推測も 表スジ と同じです。捨て牌に[ 2 ]と[ 8 ]がある以上、[ 5 ]でロンすることはできません。フリテンルールを当てはめることで、あるプレイヤーのリャンメン待ちに対してそのプレイヤーの捨て牌から同色牌のスジを安全牌と考えます。
この 表スジ と 中スジ を活用することで、他家の捨て牌から 安全牌 を推測することが出来ます。麻雀初心者の方はまずこの 表スジ と 中スジ を覚えておくようにしましょう。
片スジ(カタスジ)
この片スジは、表スジや中スジに比べて安全牌を推測するスジとしては弱いので、表スジや中スジを考えて上で、片スジも参考にする程度にしておきましょう。
片スジとは
片スジとは、基本スジである 1-4-7(イー・スー・チー)、2-5-8(リャン・ウー・パー)、3-6-9(サブ・ロー・キュー) において、1 に対しての 4 、 2 に対しての 5 、 3 に対しての 6 、 7 に対しての 4 、 8 に対しての 5 、 9 に対しての 6 、であり、外側片方のスジに対して内側のスジを言います。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
片スジを利用した安全牌の推測
片スジは、 中スジや表スジに比べて安全牌を推測するスジとしては弱いスジです。
例えば、他家の捨牌に がある場合 は両面塔子が での待ちはないが、両面塔子が での - 待ちがあり得ます。これが 片スジ と言われる所以です。その他の 片スジ においても、一方の両面塔子の待ちの可能性が残っています。ですので、現物 もなく 表スジ や 中スジ もない場合に、片スジ も考慮して安全牌を考えてみましょう。
この 片スジ も 同色牌/スジ/フリテンルール で安全牌を考えるということでは、表スジ や 中スジ と同じです。
危険牌を読むスジ読み戦術3つ [危険牌読み]
- 危険牌を読むスジ読み戦術
・裏スジ(ウラスジ)
・間4軒(アイダヨンケン)
・跨ぎスジ(マタギスジ)
表スジ 、 中スジ 、 片スジ は安全牌を推測する スジ読み戦術 で活用するスジ です。それでは次に、危険牌を読むスジ読み戦術をご紹介します。裏スジ(ウラスジ)、間4軒(アイダヨンケン)、跨ぎスジ(マタギスジ)を利用して他家の捨て牌から危険牌を予測します。
危険牌 ということは、他家に対して出してはならない牌ということですね。
裏スジ(ウラスジ)
- 裏スジ とは、ある捨牌の隣の牌から成る スジ のことで危険牌とされる
- 裏スジ/リャンメン待ち/同色牌 で危険牌を考える
裏スジとは
裏スジ は、危険牌を読むための防御の戦術で活用するスジです。裏スジ とは、ある捨牌の隣の牌から成る スジ のことです。同色の牌で考えて下さい。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
隣の牌から成る スジ というのは、最初に説明した基本6スジに当てはめてみて下さい。[ 1・4 ][ 2・5 ][ 3・6 ][ 4・7 ][ 5・8 ][ 6・9 ]の6スジです。
例えば、他家の捨牌に萬子の があったとします。その隣の牌である から成る スジ - が 裏スジ になります。
或いは、 が捨て牌にあった場合、 裏スジ は、 - となります。
では、なぜ、この 裏スジ が危険な牌となるのでしょうか。
裏スジ のメカニズム
「不用な牌が切り出されることで 裏スジ が出来る」これが 裏スジ のメカニズムです。
例えば、配牌時に、自分の手牌に萬子の があるとします。
序盤から中盤にかけて手牌の他の部分の面子が揃ってくると(=伸びる)、不用な牌である が押し出されることになります。
この が切り出されると、 の 両面塔子(リャンメンターツ)が出来上がり、待ち牌は - のリャンメン待ちになります。
この両面塔子 の リャンメン待ち となる - は切り出された の隣の牌である からなる スジ になります。
これを 裏スジ として危険な牌と予測するのです。
一般的に序盤から中盤にかけて切り出されて整理された牌の 裏スジ は危険な牌と考えられます。
嵌張待ち(カンチャンマチ)から リャンメン待ち への切り替わりで 裏スジ が出来る
例えば、
の嵌張待ち(カンチャンマチ)をしているとします。
巡目が進み を ツモ します。そうすると手牌は、
となります。
ここで、カンチャン待ち からより待ちの多い リャンメン待ち にするため、 を切り出し、両面塔子 にして - のリャンメン待ち にします。
つまり、リャンメン待ちの - は 切り出された の隣の牌である から成る スジ となります。つまり 裏スジ です。
このように、カンチャン待ち から リャンメン待ち に切り替わる際に、押し出された牌の隣の牌から成る スジ=裏スジ は、リャンメン待ち そのものとなるので、危険牌と考えることが出来ます。
序盤や中盤にかけての牌の整理や カンチャン待ち から リャンメン待ち への切り替わり、これらによって切り出された牌の隣の牌から成るスジは危険と考える、これが 裏スジ のメカニズムです。この考えを元に 裏筋 は全部で9種あります。
裏スジ9種
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
間4軒(アイダヨンケン)
- 間4軒とは 裏スジ を共有した 裏スジ の複合でとても危険とされている スジ
- 間4軒/リャンメン待ち/同色牌 で危険牌を考える
間4軒 とは
これは、 裏スジ を共有している 裏スジ の複合形のスジであり、とても危険度が高いとされているスジです。ただの 裏スジ ではなく、裏スジ が2つ重なってさらに危険となっている状態です。この スジ を 間4軒(アイダヨンケン)と言います。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
例えば、
他家(ターチャ) の 捨牌 に、 と があるとします。 の 裏筋 は - であり、 の裏筋も - であるので、[ 2・5 ]筋は 間4軒 となります。
因みに、捨牌である、[ 1・6 ]には、間に4軒ある[ 1 2345 6 ]ので、 間4軒 という言い方をします。他に 間4軒 は3つありますが、何れも同じように間に4軒ある並びになります。
捨牌から見る 間4軒 の具体例
具体的な例で説明してみます。
他家の捨て牌が以下のような場合を考えます。
注目するのは捨て牌にある萬子の[ 2 ]と[ 7 ]です。この[ 2 ]と[ 7 ]が切り出された理由を推測してみましょう。
このプレイヤーの手牌に、 があったと予測します。手が進むに連れ、他の部分が伸びてきます(=面子が揃う)。そうした場合、 や が不用となり、切り出されることがあります。[ 2・7 ]が切り出されれば、両面塔子 のリャンメン待ち - になります。
この - は、切り出された の 裏スジ でもあり、 の 裏スジ でもあります。裏スジ が2つ重なっている状態ですので、間4軒として危険なスジとなります。
しかしながら、 や が切り出されて、間4軒 のスジを持つ 捨牌 が河(ホー)にあったとしても、 や をツモして、既に 或いは、 の面子が完成していれば、 - の間4軒は通ることになります。
一般的に 間4軒 のスジは、序盤や中盤に切り出された数牌で出来ていた場合に考慮する危険牌のスジと言われています。
間4軒 4種
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
跨ぎスジ(マタギスジ)
- 跨ぎスジ(マタギスジ)は 捨牌 を跨ぐ スジ のこと
- 跨ぎスジ/リャンメン待ち/同色牌 で危険牌を考える
跨ぎスジ(またぎスジ)とは
跨ぎスジ(またぎスジ)とは、
ある 捨牌 を跨ぐ スジ のことを言います。例えば、 を跨いだ スジ である - と - が の 跨ぎスジ です。
跨ぎスジ は他家の捨て牌から危険牌を推測する場合に利用する スジ です。危険牌の推測という意味では 裏スジ や 間4軒 と同じです。
跨ぎスジ7種
跨ぎスジは合計7種類あります。[ 1 ]と[ 9 ]の 跨ぎスジ はありません。また、[ 3 ]~[ 7 ]の 跨ぎスジ は左右2牌が 跨ぎスジ となっています。
つまり、[ 3 ]~[ 7 ]ではある捨て牌を跨いでいるスジという見方と左右2牌が 跨ぎスジ という見方も可能です。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
この スジ は、ゲームの中盤や終盤、特に立直宣言時など、局の後半で危険な スジ と考えられる傾向があります。必ずしも 跨ぎスジ が危険であるとは限らないので、裏スジ や 間4軒 の スジ を危険牌として優先し、局の後半で 跨ぎスジ も考慮するしてみると良いでしょう。
跨ぎスジの具体例
具体例で考えてみましょう。
手牌に が揃っているとします。この[ 5 5 6 ]は - の リャンメン待ち でもあるし、 をアタマにすることもできます。ですので、通常なるべくそのままの形でとっておくと考えるでしょう。
ゲームの進行と共に、他の面子が揃い始めると、 の を切り出し両面塔子 での - のリャンメン待ち とする状況が多くあります。このようになると、切り出された の跨ぎスジである - が危険牌となります。
跨ぎスジ
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
壁(カベ)=ノーチャンス [安全牌読み]
- 壁(カベ)は リャンメン待ち に対する防御方法
- 同色の数牌(シューハイ)が4枚見えている=壁
- 壁は 他家全員 に対して有効
- [ 2 ]が4枚見えている[ 1 ]が壁スジ
- [ 3 ]が4枚見えている[ 1・2 ]
- [ 4 ]が4枚見えている[ 2・3 ]が壁スジ
- [ 5 ]が4枚見えている[ 3・7 ]が壁スジ
- [ 6 ]が4枚見えている[ 7・8 ]が壁スジ
- [ 7 ]が4枚見えている[ 8・9 ]が壁スジ
- [ 8 ]が4枚見えている[ 9 ]が壁スジ
壁(カベ)とは
壁 は、自分の手牌、河(ホー)、ドラ表示牌、カン や ポン などの鳴きによる開かれた牌など、なんらかの形で同じ種類の数牌が4枚すべて見えている場合に使用するリャンメン待ち用の防御方法です。
4枚同じ種類の牌の場所が把握出来て 壁 が出現した場合、その牌が絡んだ塔子を作ることが出来なくなり、その待ちの可能性がなくなるので、通称ノーチャンスとも言います。
また、壁 は、他家全員に対してのリャンメン待ちに有効な守備です。なぜなら、ノーチャンスと言われるように、同色4枚の数牌の内1枚も利用できなければ、どのプレイヤーもその牌絡みの塔子を作ることが出来なくなるからです。
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※筒子(ピンズ)、索子(ソーズ)、萬子(マンズ)それぞれ同色の牌で考える
壁の仕組み
例えば、
場のプレイヤーの誰かが、萬子の をポン しているとします。そして、自分の手牌にも が1枚あるとします。こうなると、 は牌山にも他家の手牌にもなくなります。
すると、萬子の両面塔子 や での - や - のリャンメン待ち の可能性はなくなります。ここで 壁 の防御方法を利用できるようになります。
重複して説明します。萬子の が1枚も利用できないということは、 と での待ちはなくなります。
従って、 - のリャンメン待ちや - のリャンメン待ちの可能性がなくなります。
注意する必要があるのは、両面塔子 での リャンメン待ち - 待ちや、両面塔子 での リャンメン待ち - 待ちはありえるので、 や の待ちの可能性は残っています。
つまり、 で壁が出来た場合は、リャンメン待ちにおいて、 と での待ちがなくなります。
このような壁の仕組みを取り入れた 壁スジ が7種あります。
壁7種
上述した壁理論で考えられる安全牌 壁スジ7種です。
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6. まとめ
麻雀は少ない和了のチャンスを掴んで、なるべく放銃を避けることが大切です。ですが、4人プレイである麻雀において、ある程度の放銃は避けられないことなので、放銃を恐れすぎて勝機を逃がさないようにしましょう。中途半端な押しによる放銃や無謀な勝負による放銃など、最も避けなければならない最悪の放銃を回避することを十分心がけて下さい。
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
跨ぎスジ7種の図解の部分で、二萬の解説の1個下の段が同様に二萬の図が表記されていました。
正しくは三萬ではないでしょうか?
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>正しくは三萬ではないでしょうか?
ご指摘の通り、誤りがございましたので該当箇所を修正いたしました。
申し訳ございませんでした。
ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐をよろしくお願いいたします。
放縦と押し引きについて
→放銃
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
ご指摘いただきました箇所は修正いたしました。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。