本田朋広 地方プロの希望の星”北陸の役満プリンス”
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本田朋広 地方プロの希望の星”北陸の役満プリンス”

本田朋広プロは、日本プロ麻雀連盟所属し、長らく地元富山に拠点を置き、雀荘を経営しながら、中央のリーグ戦や大会に出場するといった活動をしていましたが、2021年に、Mリーグ・TEAM RAIDEN/雷電に加入が決まった事から東京に進出しました。北陸の役満プリンスという二つ名で呼ばれており、かっこいいルックスでありながら、どこか天然キャラで、多くの麻雀ファンから愛されている、本田朋広プロについてご紹介します。

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地方の星、本田朋広プロについて

本田朋広プロは、日本プロ麻雀連盟の北陸支部に所属し、富山県を拠点にしながら、連盟のタイトルである麻雀グランプリMAXを二年連続獲得、麻雀最強戦など注目度の高い大会でも活躍するなど、まさに地方で活動する麻雀プロの希望の星となる活躍しています。

プロフィール

  • 名前:本田朋広(ほんだ ともひろ)
  • 生年月日:1983年10月3日
  • 出身:富山県高岡市
  • 学歴:金沢星稜大学卒業
  • 血液型:A型
  • 好きな物:筋トレ、格闘技観戦
  • 所属団体:日本プロ麻雀連盟
  • Mリーグチーム:TEAM RAIDEN/雷電
  • X:@104307
  • Instagram:hondatomohiro10.3

本田朋広プロは、"ともくん"という愛称で呼ばれることが多いです。

富山訛りが特徴的で、Mリーグの試合後のインタビューでも、TEAM RAIDEN/雷電恒例の「雷電の麻雀は?」という問いかけに「面白いんです」と答える恒例の掛け合いも、本田プロも場合は「おもしいんです」と富山弁で答えるのが恒例となっています。

麻雀界/Mリーグ屈指のイケメンとして知られており、一部では俳優の福士蒼汰さんに似ているという声も出ています。髪の色は茶色でしたが、Mリーグ2022シーズンの途中で黒くして以降調子も上がり、それ以来黒い髪のままとなっています。

イケメンですが、独身で、結婚歴もありません。あまり結婚したいという考えはないそうです。(YouTubeチャンネル「麻雀遊戯王」より)

キャッチフレーズの"北陸の役満プリンス"は、本田プロが麻雀最強戦に出場する際に、日本プロ麻雀連盟の先輩である黒木真生プロが付けたもので、グランプリMAXで役満を二回上がっている印象が強いから、という理由だそうです。最初は"富山の"だったそうですが、いつしか本人の希望で"北陸の"になったという噂です。尚、2024年1月時点で、Mリーグでは役満はあがれていません…。

お酒は飲めず、甘いもの好き。三人兄弟の末っ子で、4つ上と8つ上のお兄さんが二人います。少し、末っ子気質の甘えん坊な傾向にあるようです。ご両親は車屋を経営しており、未だにお年玉をもらったり、30歳まで携帯代を払ってもらっていたり、想像するに少し裕福な家庭で育ったようです。甘えん坊気質ですが、ご両親想いで、優しい一面も持っているところが、麻雀ファンから好感を持たれる理由の一つのような気がします。

雀荘経営

本田朋広プロは、富山県砺波市にある「麻雀サークルSB」を経営していました。麻雀プロになる前の25歳の時に、お店を立ち上げ、Mリーガーとなり東京に進出することをきっかけに、別の方にお店を譲り、現在は経営に携わっていません。お店は今も営業しています。

ご本人曰く、優秀なスタッフを見つけて、交渉するのが得意だったそうで、雀荘に足を運び、自分の目で見て、これは良いスタッフになると思った人には声をかけ、納得してもらえる金額より少し多めの金額を提示するなどして交渉した結果、優秀なスタッフに支えられたと語ります。

お店の経営自体も、年上の優秀な人物が行っており、本田プロ自身はオーナー的な立場で店で遊んでいた、と語っていますが、少し謙遜が入っていたとしても、やはり人望と人を見る目があってこそできる術だと思います。

メディアなどに出るといった表に出る仕事よりも、経営の仕事の方が自分は向いているという考えがあるそうで、いつかまた、東京や富山で雀荘を経営したいという考えを持っているそうです。

麻雀サークルSB公式X(@104307)

天然キャラ

本田朋広プロは、かっこいいルックスとは半面して、天然キャラとして、麻雀ファンだけならず、先輩後輩の麻雀プロからも愛されています。

二階堂姉妹のYouTubeチャンネル「るみあきチャンネル」で、本田プロが100の質問を投げかけ、二階堂姉妹がその答えを予想するといった企画に出演した時には、「朋広のクセは?」という質問に、「謙虚なとこ」とズレた回答をしたり、

堀慎吾プロが骨折をしてしまい救急車で運ばれている時、救急隊員の方が堀プロが目で見てショックで痛くならないように患部を隠しているにもかかわらず、その場に居合わせた本田プロは、「堀君、えぐいで」となぜかそれを本人に伝えたり(もちろん悪意があるわけでなく)、

料理の「さしすせそ」の"そ"は"みりん"だと思っていたり、

Mリーグの試合後のインタビューで、黒沢咲プロの本を宣伝しようとするも「まだ読んどらんのですけど」と正直に言ってしまったり、

とにかく、天然と言えるような不思議なコメントやエピソードを数々残しています。しかし、この感じが、多くの人々を魅了しています。

Mリーグではチームメイトの萩原聖人プロも、正直者でピュアだけど、頼りないわけでもなく、甘え上手、憎めないと言っており、「Mリーガーで一番かわいいと思うのは本田」と答えるほど、本田プロの事を気に入っています。愛すべき天然キャラと言える本田プロです。

雀風

本田朋広プロの雀風は、バランス型と称されることが多いです。Mリーグ1年目には、雷電のチームカラーを意識して面前で手を進めることが多かったですが、2年目以降は、鳴きを取り入れるようになってきました。

2022シーズンは全体7位となる副露率24.28%、2023シーズンはまだシーズン途中ですが、前半戦(9/18-12/19)では副露率が全体で1位となる38.01%といったように、効果的に鳴きを入れる雀風となっています。

Mリーグ1年目の2021シーズンの副露率は0.20%となっており、年々副露率が上がっていく傾向になっています。

本田プロのフェアプレー

Mリーグ、2023年11月20日の第1試合、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロが第一ツモを取り忘れそうになり、危うく小牌になりそうになったところを本田朋広プロがそれを阻止する、という事件がありました。

 

岡田プロはあまりの配牌の良さに、思わず第一ツモを取る前に第一打を打ってしまったそうです。他の選手も止めるしぐさをしたそうですが、画面に映ったのは、牌を危うく捨てそうになるのを制止する、本田プロの手。このまま捨ててしまっていたら、岡田プロはチョンボとなりアガリ放棄になってしまうところでした。本田プロのこのフェアプレーにファンから称賛の声が多数寄せられました。

ただこの一局、岡田プロは本田プロに跳満直撃し、恩をあだで返すような、皮肉な結果となっています…。

“北陸のプリンス”本田朋広プロの経歴

富山で雀荘を経営している麻雀プロだった本田朋広プロが、東京に進出しMリーガーとなり人気麻雀プロとなった、その経歴をご紹介します。

麻雀にはまり、雀荘経営を目指す

本田朋広プロが子供の頃熱中していたのはバスケで、小学校一年生の頃から17歳まで続けており、漫画「スラムダンク」も好きだったそうです。

麻雀と出会ったのは中学校三年生の頃、阿佐田哲也の著書を元にした漫画「哲也-雀聖と呼ばれた男」を読んだことによって、麻雀に興味を持ちルールを覚え、友達の家で麻雀を打つようになりました。

中学校、高校はバスケは真面目にやっていましたが、授業にはあまり出なかったそうです。そうすると、当然進級が危うくなり、バスケを控えて授業に出るように言われると、バスケが出来なくなってまで学校に行きたくないと思うようになり、学校に行かなくなってしまい、高校を退学することになります。決して大きな問題があったわけではありません。

しかし、大学に進学した高校の友達と会っているうちに大学に行きたくなったという気持ちが出てきたそうです。また、高校を辞めた本田プロの事を心配したご両親がお寺に連れていくと、お坊さんが、「遊べないで死んでしまった子供の霊が憑りついている」というので、除霊をしてもらったことがあったそうです。除霊の効果はさておき、この時に、両親に心配ばかりかけてはいけないという気持ちも芽生え、勉強するようになり大検(大学入学資格検定)を受け合格、そして金沢星稜大学に入学しました。

大学に入学すると、中学生の時に覚えた麻雀を再開するようになり、毎日のように麻雀を打つようになります。

麻雀に熱中するようになり、自分の店があれば毎日麻雀をすることが出来る、という発想にたどり着き、自分の店を持つために動きます。大学生時代から、開店資金を貯め、卒業後も雀荘経営のノウハウを学ぶ目的もあり、雀荘で働き、500万円貯まった25歳の時、念願の自分のお店をオープンしました。コツコツお金を貯め、その若さでお店を持つことが出来るということは、並大抵の努力と実行力ではできない事だと思います。天然キャラで甘えん坊な本田プロですが、実はすごい人なのです。

本田プロのお店は順風満帆で経営は上手くいきました。それについて本田プロは、たまたま店を出したところが40代から60代のお金と時間があるお客さんがいて、運が良かっただけ、と語ります。(プロ雀士スーパースター列伝 本田朋広 後編より)

雀荘オーナー兼麻雀プロとして活動

お店をオープンして数年たった28歳ころ、勉強のために東京の雀荘に見学へ行くようになります。そうしているうちに、麻雀界とのつながりも出来てきます。

そして、お店に来ていた若いお客さんが麻雀プロになったり、モンドTVで放送される麻雀対局によく出場していた、滝沢和典プロや佐々木寿人プロへのあこがれもあり、麻雀プロになる興味を持つようになりました。

日本プロ麻雀連盟には北陸支部があり、富山にいながらも麻雀プロとしての活動をすることができ、また、東京のリーグ戦に出場しながら都内の雀荘を見学することができるという考えもあり、麻雀プロになることを決意し、2012年に日本プロ麻雀連盟のプロテストを受け合格、雀荘オーナー兼麻雀プロとなりました。

麻雀プロになってからは、北陸支部のリーグ戦にはもちろん出場し、東京で行われる中央のリーグ戦や大会へも、富山から通いで参加していました。東京での試合に参加するの交通費が、新幹線で往復25,000円はかかることになり、金銭的な面で大変だったと本田プロは語ります。

転機となったのは2019年、北陸支部の第20期北陸プロアマリーグと第3期北陸プロリーグでも優勝、そして、中央の大会である日本プロ麻雀連盟のタイトルホルダーや実力者たちが出場する第10期麻雀グランプリMAXで優勝、この一年で3つのタイトルを獲得し、大活躍の一年となりました。

翌2020年も優勝は逃してしまいましたが、日本プロ麻雀連盟のビッグタイトルの一つである第37期十段戦の決勝戦まで残り、プロアマ参加の麻雀大会"麻雀最強位"でも「タイトルホルダー頂上決戦」に勝利し、ファイナルトーナメントに進出、そして決勝まで残るなど、麻雀ファンの記憶に残る活躍、そして、2020年度の第11期麻雀グランプリMAXでは優勝し、史上初となる二連覇を果たし、麻雀界でも注目される若手雀士の一人となります。

Mリーグに参戦、東京へ進出

2021年に開催された"EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディション"に参加、167名中21位で予選通過ラインを超えることができなかったのですが、所属選手とチーム運営が選出するワイルドカードの権利を得て準決勝へ進出、ここでも決勝進出ラインの2位以内に入ることができなかったのですが、敗者復活戦に勝利し決勝へ進出しますが、決勝戦で松ヶ瀬隆弥プロと首位を競りますが惜しくも敗れ、EX風林火山のドラフト指名を逃します。

しかし、EX風林火山のオーディションでは関係なく、TEAM RAIDEN/雷電も本田プロをドラフト指名候補としており、2021年のドラフト会議で本田プロを指名、雷電入りが決定しました。もし本田プロがEX風林火山のオーディションで優勝してしまっていたら指名しにくい雰囲気にもなるため、「仮に優勝しても本田選手で行こうと思っていましたが、正直2位ぐらいでうちに来て欲しいと思っていたので、その通りになってよかったです」と高柳寛哉監督はドラフト会議後に明かしています。

Mリーグ入りをきっかけに、本田プロは富山にある自分の店を他人に譲り、拠点も東京に移し、東京に本格的に進出することになりました。

Mリーグに参戦した1年目のシーズンは大不振となり成績も振るわず、その年の第四期北陸プロリーグもまさかの最下位となってしまいました。

しかし、2年目のシーズンは自分の麻雀を取り戻したのか、一転絶好調となり、レギュラーシーズン306.9ポイントで全体2位の大活躍、雷電の中心となってチームを牽引しました。チームも初となるファイナルに進出、過去最高の3位という好成績を残します。この年の全日程終了後の閉会式では、各チームが総括のスピーチを行い、誰もがTEAM RAIDEN/雷電は、人気俳優でもありチームの顔である萩原聖人プロがスピーチを行うと思いきや、サプライズで本田プロが指名され、会場と視聴者を大いに沸かせました。

「今シーズンはチーム解体の危機ということでファイナルが目標となってしまったんですけども、その目標は一応達成することができまして、昨シーズンものすごい悔しい思いをしたんですけども、今年は3位で終わって悔しいんですけど、去年の悔しさよりかは、嬉しい悔しさというか、去年よりは全然悔しくないというか…」という、本田プロらしいコメントを残し、会場を笑わせましたが、「楽しいだけじゃなく結果もついてくる麻雀をお見せしたいと思いますので、期待してください!」と最後は力強い言葉で締めました。

Mリーグ成績
シーズン個人
スコア
平均
打点
4着
回避率
最高
スコア
半荘数
2022306.9pt6,6000.71436390028
2021-307.8pt6,3800.70834740024

獲得タイトル

  • 第10期麻雀グランプリMAX
  • 第11期麻雀グランプリMAX
  • 第20期北陸プロアマリーグ
  • 第3期北陸プロリーグ

本田朋広プロの対局動画

麻雀最強戦の一局

両面でなくシャンポンの待ちを選択する本田プロ、その選択が見事はまります。

 

ハンサム対決

麻雀最強戦。まさかの大逆転劇で決着がつきます。

 

絶好調だったMリーグ2022-23シーズン

トップだった茅森プロを直撃してトップに登る大逆転劇。

 

ドキドキする展開です

本田プロのウルトラスーパーツモ。

 

Mリーグ本田プロの名シーン

Mリーグ2022シーズンの一戦、オーラス、親の本田朋広プロはトップ、僅差で二階堂亜樹プロが2位という状況、亜樹プロのノーテンを見抜き、本田プロはテンパイしながら手牌をふせるという選択をします。多くの麻雀ファンが驚いた、本田プロも名シーンです。

 

まとめ

本田朋広プロは、イケメンだけど天然キャラで甘えん坊、麻雀ファンのみならず、先輩後輩の麻雀プロからも愛されている人物です。長年地元富山県に拠点を置き、自分の雀荘を経営しながら麻雀プロとして活動、東京へ通いリーグ戦に参加し、麻雀グランプリMAXを二連覇といった結果も残し、Mリーグにも参戦、地方で活動する麻雀プロの希望の星と呼べる存在でもあります。雀荘を他人に譲り、東京に進出して、更なる活躍が期待される麻雀プロの一人と言えるでしょう。

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