牌効率「4枚~5枚で考えてみよう!」初心者編 (その3)
牌効率について初回と2回目で1枚~3枚の形での牌効率を考えてきました。1枚~3枚の状態でも塔子や対子、面子を作成するための受け入れ牌が牌の種類によって多かったり少なかったりするのです。そして、受け入れ牌の多寡(たか)が牌効率の良し悪しとなります。今回は4枚と5枚での牌効率を考えてみましょう。4枚、5枚での受け入れ牌を考えることはかなり実践的で実際のゲームでも役に立つでしょう!
「4枚」での牌効率 ノベタンとシャンポン
ノベタン形
ノベタンは待ちでも有名な形なので、この形を覚えている方は多いかと思います。連続した4枚の数牌で構成され両端のどちらかの牌が加わればアタマが完成し、アタマ(=対子)+面子の形が出来上がります。
例えば、 の形で、 か が加われば、 か となり、アタマ(=対子)+面子が完成します。ノベタンの場合の受け入れ牌は2種類6枚となります。
シャンポン形
シャンポンもノベタンと同様に代表的な待ちの形です。字牌か数牌の対子×2組の状態で、どちらかの種類の牌が加われば、アタマ(=対子)+面子の形が出来上がります。
例えば、 のような対子2組の形で、 か の何れか1枚が加われば、 か の形となり、アタマ(=対子)+面子が完成します。シャンポンの場合の受け入れ牌はノベタンより少なく2種類4枚となります。
「4枚」での牌効率 刻子形
4枚の代表的な形に暗刻が含まれた形があります。暗刻+リャンメン、カンチャン、ペンチャンの形です。
刻子+リャンメン
刻子+リャンメンがくっついた形です。
例えば、 や のような形です。
<リャンメン+刻子>
の場合、 のリャンメン待ち と の暗刻が重なった状態です。人によっては を捨てて、 の暗刻でメンツを確定させてしまう人がいるかもしれません。ですが、この形では、 か が来た場合、 か のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。 の場合、 + となり、 の場合、 + の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。つまり、この形は、・ のリャンメン待ちと のタンキ待ちが2つある状態です。アタマ+メンツを同時に作れる形であり、受け入れ牌が3種類11枚と牌効率が高い形です。
<刻子+リャンメン>
では、 の形も考えてみましょう。この形では、 か が来た場合、 か のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。 の場合、 + となり、の場合、+ の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。つまり、この形は、・ のリャンメン待ちと のタンキ待ちが2つある状態で、アタマ+メンツを同時に作れる受け入れ牌が3種類11枚の牌効率が高い形です。
刻子+カンチャン
刻子+カンチャンがくっついた形です。
例えば、 や のような形です。
<カンチャン+刻子>
の場合、 のカンチャン と の暗刻が重なった状態です。 を捨てて、 の暗刻でメンツを確定させることも出来ますが、この形では、 が来た場合、 のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。=+ の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。つまり、この形は、 のカンチャン待ちと のタンキ待ちが2つある状態で、アタマとメンツを同時に作れる形になっています。受け入れ牌は2種類7枚の牌効率が高い形です。
<刻子+カンチャン>
の場合、 のカンチャン と の暗刻が重なった状態です。この形では、 が来た場合、 のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。= + の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。この形は、 のカンチャン待ちと のタンキ待ちが2つある状態で、受け入れ牌が2種類7枚となっており牌効率が高い形です。
刻子+ペンチャン
刻子+ペンチャンがくっついた形です。
この形は、 か の2つの形があります。
<ペンチャン+刻子>
の場合、 のペンチャン と の暗刻が重なった状態です。 を捨てて、 の暗刻でメンツを確定させることも出来ますが、この形では、 が来た場合、 のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。= + の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。つまり、この形は、 のペンチャン待ちと のタンキ待ちが2つある状態で、アタマとメンツを同時に作れる形になっています。受け入れ牌は2種類7枚の牌効率が高い形です。
<刻子+ペンチャン>
の場合、 のペンチャン と の暗刻が重なった状態です。この形では、 が来た場合、 のメンツが完成し、さらに のアタマも確定します。= + の形となります。あるいは、 が加わった場合、 のアタマと のメンツが確定します。=+ の形となります。この形は、 のペンチャン待ちと のタンキ待ちが2つある状態で、受け入れ牌が2種類7枚となっており牌効率が高い形です。
「4枚」での牌効率 リャンメン中膨れ
これはリャンメン+リャンメンで、真ん中の牌が重なっている状態です。
例えば、 のような中膨れした形は実際のゲームでも頻繁に出現するでしょう。初心者の方は を捨てて とメンツを確定させることがあるかもしれません。ですが、この形はさらに良い形へ変形させるための前段階で、その形へ変形させるための受け入れ牌がとても広く牌効率が高い状態です。
が加わった場合、+ でメンツ確定とリャンメン待ちになります。
が加わった場合、+ でメンツ確定とリャンメン待ちになります。
が加わった場合は、+ でメンツとアタマが確定します。
が加わった場合、+ でメンツ確定とリャンメン待ちになります。
が加わった場合、+ でメンツ確定とリャンメン待ちになります。
のような中膨れした形は一見メンツに余計な牌が1枚加わったようにも見えますが、メンツ+リャンメン待ちやメンツ+アタマへの良い形へ変形させることが出来、受け入れ牌は、・・・・ の5種類で合計17枚ととても多く、牌効率の高い形なのです。
「5枚」での牌効率
リャンメン+順子
5枚構成で最も代表的な牌効率の良い形は「リャンメン+順子」で数牌が5枚連続した形です。この形は全部で3種類あります。例えば、 です。受け入れ牌は、 ・・ です。 が加わった場合、 のメンツと のメンツが完成します。 が加わった場合、 と のメンツが完成します。 が加わった場合、 のメンツと のメンツが完成します。従って受け入れ牌は、3種類12枚となります。この形は 以外に と があります。 の場合、受け入れ牌は、・・ の3種類12枚で、 の場合、受け入れ牌は、・・ の3種類12枚となります。この形は多面待ちの3面張(サンメンチャン)で最も頻繁に紹介される形であり、一般的にピアノ待ちとも言います。
リャンメン+順子の中膨れ+1
でメンツ 両面塔子による-待ち |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 |
ツモ 捨て --待ち 3種11枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種6枚 捨ての-待ち 2種6枚 捨ての-待ち 2種6枚 捨ての-待ち 2種6枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 捨ての-と一方のアタマ 3種7枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種7枚 捨ての-待ち 2種7枚 |
ツモ 捨ての-待ち 2種6枚 捨ての-待ち 2種6枚 捨ての-待ち 2種6枚 |
実践例
では最後に13枚の手牌の例で考えてみましょう。リャンシャンテンからテンパイまで作る最も牌効率の高い受け入れ牌を考えます。
リャンシャンテンでの受け入れ牌
以下の牌姿はリャンシャンテンです。後2枚必要な牌が加わればテンパイです。メンツが2つとアタマが出来ていない状態です。6枚2メンツは確定していると考え、手牌残り7枚とツモ牌で合計8枚での受け入れ牌を考える必要があります。
受け入れ牌は の8種類で最大27枚なります。メンツが2つとアタマが出来ていない状態です。この8種類の受け入れ牌の何れかが手牌に加わるとシャンテン数が下がり二向聴(リャンシャンテン)から一向聴(イーシャンテン)へ進みます。
各受け入れ牌が来た場合に手牌がどのようになるか考えてみましょう。ドラや役など考えずテンパイへ近づくことを優先するとします。
それぞれの受け入れ牌が加わったイーシャンテン
受け入れ牌を手牌に加えて捨て牌の通りに牌を切り出した場合、イーシャンテンとなり、作成するアタマやメンツによってイーシャンテンでの受け入れ牌を確認できます。実際に牌を揃えて試してみましょう。頭の中でやるより具体的に把握できると思います。
※受け入れ牌はシャンテン数を下げることが条件です。
<牌姿>
※受け入れ牌と捨て牌は牌姿のリャンシャンテンの状態で受け入れた牌と捨てた牌です。
萬子の2が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
アタマ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の3種最大12枚 |
萬子の3が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
メンツ作成 OR |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の6種最大20枚 |
萬子の5が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
アタマ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の3種最大12枚 |
萬子の6が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
メンツ作成 OR |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の7種最大23枚 |
萬子の8が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
アタマ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の2種最大8枚 |
萬子の9が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
メンツ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の5種最大17枚 |
筒子の8が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
アタマ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の3種最大12枚 |
字牌の南が加わった場合
<リャンシャンテンの状態:受け入れ前の牌姿>
受け入れ牌 |
捨て牌 |
出来るアタマやメンツ |
アタマ作成 |
イーシャンテンでの牌姿 |
イーシャンテンでの待ち |
|
イーシャンテンでの受け入れ牌 |
の3種最大12枚 |
受け入れ牌の種類によって次の状態が大きく変わる
上の表を見るとリャンシャンテンでどの受け入れ牌を取り入れるかによってイーシャンテンでの受け入れ牌の幅が大分変ってくるのが分かりますね。
例えば、リャンシャンテンで を手牌に加えてイーシャンテンへシャンテン数を下げた場合、イーシャンテンでの受け入れ牌は、 の7種最大23枚となります。 を受け入れた場合は、イーシャンテンでの受け入れ牌は、 の2種最大8枚となります。これはとても大きな差です。
- イーシャンテンの詳し内容は『良形イーシャンテンで受け入れ牌最大を目指せ!』をお読み下さい。
- リャンシャンテンの詳し内容は『リャンシャンテンは受け入れ牌を広げる最初の関門!』をお読み下さい。
牌効率ソフト
天鳳さんに「牌理ツール」があります。これを利用すれば、手牌の状態から受け入れ牌の種類や枚数を瞬時に表示してくれます。この支援ツールをさらに簡単に利用するサービスがあります。マウスを使用して手牌を作成し、その状態で天鳳の支援ツールへ引き渡し結果を見ることが出来ます。「天鳳牌理入力支援ツール」。是非利用してみて下さい!
まとめ
今回は、4枚~5枚までの形で牌効率を考えてきました。4枚や5枚になると、牌の組み合わせの数が多くなり、代表的な牌効率の良い形は限られてきます。この数になると13枚の手牌と複雑に絡み合ってくるので、全体を考えてくる必要があります。そこで実際の例で受け入れ牌を考えてみました。どうだったでしょうか。第一回から今回の三回までで1枚から5枚までの形で受け入れ牌と牌効率を見てきましたが、そこで紹介した形は意識すべき形であり、意識すれば13枚の中で浮かび上がってきます。そこにフォーカスしつつ、最も牌効率の高い状態を目指し、テンパイまでの速度を上昇させましょう!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
2345ノベタンを「2種6枚」と紹介し、
2334中膨れを「5種17枚」初心者は3を切りがち、、、と紹介しているライターさんは、初心者でしょうか。。。
2345ノベタンは、
まさにライターが書かれてる理屈、つまり中膨れと同じく、
1をツモればメンツ確定+リャンメンという変化が、6種20枚ほどあり、中膨れよりもはるかに強い形なのですが、、
加えて、中膨れは、その3445が何の受け入れも達成せずそのままの形で残った際に、テンパイ形とはなりまんが、2345であれば仮にそのまま残ってしまってもノベタン待ちでテンパイするという強さを「加えて」持ち備えている、最強の形なのです。この「加えて」の部分、つまり残ったときにノベタンになるという部分のみに着目してしまい、この6種20枚という破壊的な強さに気付いていない初心者がたまにいますが、この記事のライターさんはまさにそのパターンでしょうか。。。
他のサイトでは常識的なこととして書かれ、さらに上のレベルのことがかかれています。