牌効率「3枚で考えてみよう!」初心者編 (その2)
牌効率とは『聴牌(テンパイ)まで最短で手牌を揃えることを目指し、最も効率の良い選択を行うこと』で、役作りや防御は基本考慮しません。前回の記事『牌効率 超簡単これだけでも役に立つ 初心者編その1』では1枚~2枚で牌効率を考えてみました。1、2枚だと非常に簡単に受け入れ牌を数えることが出来ます。牌効率の基本はここからになります。今回は3枚で牌効率を考えてみましょう。初心者が牌効率の基礎を身に着ける最初の関門です!
まずは牌効率基本おさらい
- 牌効率=聴牌まで最短で揃える最も効率的は揃え方
牌効率とは
牌効率とは『聴牌(テンパイ)まで最短で手牌を揃えることを目指し、最も効率の良い選択を行うこと』ということです。牌効率のゴールをテンパイまでとするか和了(ホーラ=アガり)までとするかは意見が分かれるところなのですが、テンパイではリーチを掛けれる大きな優位性が発生し、またテンパイしてしまえば後はアガり牌を待つのみとなるので、牌効率のゴールはテンパイと考えます。
『 聴牌(テンパイ) 』
残り1枚必要な牌が 手牌 に加われば 和り(アガリ) となる状態。
受け入れ牌
牌効率を上げるには受け入れ牌が多い形にすることです。受け入れ牌とはシャンテン数(後何枚でテンパイになるかという数)を下げる牌=テンパイに近づくことのできる牌のことを言います。受け入れ牌が来るとメンツが完成しテンパイの形へと近づきます。受け入れ牌とはそのような牌です。
例えば、 と の形が手牌にあったとしましょう。 がメンツになるには、 が手牌に加われば良く、これが受け入れ牌です。
一方、 の場合は、 か のどちらかが加わればメンツが完成します。受け入れ牌は、 と になります。そして、 の受け入れ牌は、 しかありませんが、 の受け入れ牌は、 と の2種類あります。つまり、 の塔子の形の方が牌効率が高い状態となります。
詳しい説明は『牌効率 超簡単これだけでも役に立つ 初心者編その1』を読んでみて下さい。
『 受け入れ牌 』
1度のツモでシャンテン数を下げることが出来る牌のこと。シャンテン数を下げることはアガりの形に近づくことを意味します。二向聴(リャンシャンテン) → 一向聴(イーシャンテン) → 聴牌(テンパイ)。
『 向聴数(シャンテン数) 』
向聴数は現在の手牌の形からツモによってアガりの形まで後必要な牌が幾つあるかという数を表しています。二向聴は聴牌まで後2枚、一向聴は聴牌まで後1枚、聴牌はアガりまで後1枚です。
「3枚」で牌効率を考える
3枚で考える
前回、1枚~2枚での牌効率を考えました。今回は3枚で考えてみましょう!初心者の方はプレイ中に手牌13枚の中で受け入れ牌を考えると、しっかり把握できなくなってしまいがちです。ですが、3枚だけ切り出して考えてみると実はそんなに難しいことはありません。
3枚の形からメンツを作る
1枚の場合は孤立牌が対子(トイツ)や塔子(ターツ)になるための牌を考えました。メンツにはなりませんが、4メンツ1ジャントウの形への近づくことになるので、孤立牌から対子(トイツ)や塔子(ターツ)となる牌を受け入れ牌としました。2枚の場合は対子や塔子の形からメンツとなるために必要となる牌を受け入れ牌としました。3枚の場合も2枚の場合と同じで、後1枚でメンツが完成する一歩手前の状態で考えます。メンツが完成すればテンパイへと近づくことになるので、後1枚でメンツが完成する3枚の状態を比較することで牌効率の良い形が把握できます。
両面(リャンメン)+対子(トイツ)の3枚の組み合わせ。合計12の形
この形は(対子+両面)の6つの形と(両面+対子)の6つの形があります。この形の受け入れ牌は3種類10枚(=後1枚でメンツが完成すると考えた場合の受け入れ牌の種類と枚数)です。
※333(刻子)=メンツ完成、234(順子)=メンツ完成
例
と手牌にあった場合、 が加われば の順子のメンツが完成し、 が加われば、 の刻子のメンツが完成し、 が来れば、 の順子のメンツが完成します。従ってこの場合、メンツを完成させる受け入れ牌は、・・ となります。
すべての形と受け入れ牌
両面+対子 | |
---|---|
受け入れ牌の数:3種類10枚 | |
形 | 受け入れ牌 |
223(対子+両面) | 1 と 2 と 4 |
233(両面+対子) | 1 と 3 と 4 |
334(対子+両面) | 2 と 3 と 5 |
344(両面+対子) | 2 と 4 と 5 |
445(対子+両面) | 3 と 4 と 6 |
455(両面+対子) | 3 と 5 と 6 |
556(対子+両面) | 4 と 5 と 7 |
566(両面+対子) | 4 と 6 と 7 |
667(対子+両面) | 5 と 6 と 8 |
677(両面+対子) | 5 と 7 と 8 |
778(対子+両面) | 6 と 7 と 9 |
788(両面+対子) | 6 と 8 と 9 |
辺張(ペンチャン)+対子(トイツ)の3枚の組み合わせ。合計4つの形
この形は(対子+辺張)の2つの形と(辺張+対子)の2つの形があります。この形の受け入れ牌は2種類6枚(=後1枚でメンツが完成すると考えた場合の受け入れ牌の種類と枚数)です。
※333(刻子)=メンツ完成、234(順子)=メンツ完成
例
と手牌にあった場合、 が加われば の刻子のメンツが完成し、 が加われば、 の順子のメンツが完成します。従ってこの場合、メンツを完成させる受け入れ牌は、・ となります。
すべての形と受け入れ牌
辺張+対子 | |
---|---|
受け入れ牌の数:2種類6枚 | |
形 | 受け入れ牌 | 112(対子+辺張) | 1 と 3 |
122(辺張+対子) | 2 と 3 |
889(対子+辺張) | 7 と 8 |
899(辺張+対子) | 7 と 9 |
嵌張(カンチャン)+対子(トイツ)の3枚の組み合わせ。合計14の形
この形は(対子+嵌張)の7つの形と(嵌張+対子)の7つの形があります。この形の受け入れ牌は2種類6枚(=後1枚でメンツが完成すると考えた場合の受け入れ牌の種類と枚数)です。
※333(刻子)=メンツ完成、234(順子)=メンツ完成
例
と手牌にあった場合、 が加われば の刻子のメンツが完成し、 が加われば、 の順子のメンツが完成します。従ってこの場合、メンツを完成させる受け入れ牌は、・ となります。
すべての形と受け入れ牌
嵌張+対子 | |
---|---|
受け入れ牌の数:2種類6枚 | |
形 | 受け入れ牌 |
113(対子+嵌張) | 1 と 2 |
133(嵌張+対子) | 2 と 3 |
224(対子+嵌張) | 2 と 3 |
244(嵌張+対子) | 3 と 4 |
335(対子+嵌張) | 3 と 4 |
355(嵌張+対子) | 4 と 5 |
446(対子+嵌張) | 4 と 5 |
466(嵌張+対子) | 5 と 6 |
557(対子+嵌張) | 5 と 6 |
577(嵌張+対子) | 6 と 7 |
668(対子+嵌張) | 6 と 7 |
688(嵌張+対子) | 7 と 8 |
779(対子+嵌張) | 7 と 8 |
799(嵌張+対子) | 8 と 9 |
「1枚」~「3枚」までで考える
前回と今回で「1枚」~「3枚」までの形をすべて見てきました。1枚の形である孤立牌、2枚の形である両面・嵌張・辺張・対子、3枚の形である両面+対子・嵌張+対子・辺張+対子です。これらの各形には受け入れ牌の数がありますね、その数の多さがその形の強さになります。強いとはつまりメンツになりやすい牌効率の高い形です。
受け入れ牌の種類や枚数が多い=強い=牌効率が高い
1枚の孤立牌と受け入れ牌と強さ
強い
3 ~ 7
(受け入れ:5種類19枚)
↑
2 と 8
(受け入れ:4種類15枚)
↑
1 と 9
(受け入れ:3種類11枚)
↑
字牌
(受け入れ:1種類3枚)
弱い
2枚の両面・嵌張・辺張・対子の形と受け入れ牌と強さ
強い
両面
23、34、45、56、67、78
(受け入れ:2種類8枚)
↑
嵌張
13、24、35、46、57、68、79
(受け入れ:1種類4枚)
↑
辺張
12、89
(受け入れ:1種類4枚)
↑
数牌トイツ
11、22、33、44、55、66、77、88、99
(受け入れ:1種類2枚)
↑
字牌トイツ
東東、南南、西西、北北、白白、發發、中中
(受け入れ:1種類2枚)
弱い
- ※嵌張と辺張の受け入れは同じですが、嵌張の場合は良形へ変化しやすいので嵌張を有利と考えます。例えば、1 3 の場合に、4 が加われば3 4の両面へ変化します。
- ※数牌対子と字牌対子の受け入れは同じですが、数牌の場合は良形へ変化しやすいので字牌を有利と考えます。例えば、2 2 の場合に、3 が加われば2 3の両面へ変化します。
3枚の両面+対子・辺張+対子・嵌張+対子の形と受け入れ牌と強さ
強い
両面+対子
223、233、334、344、445、455、556、566、667、677、778、788
(受け入れ:3種類10枚)
↑
嵌張+対子
113、133、224、244、335、355、446、466、557、577、668、688、779、799
(受け入れ:2種類6枚)
↑
辺張+対子
112、122、889、899
(受け入れ:2種類6枚)
弱い
- ※嵌張+対子と辺張+対子の受け入れは同じですが、嵌張+対子の場合は良形へ変化しやすいので嵌張+対子を有利と考えます。例えば、1 1 3 の場合に、4 が加われば3 4の両面へ変化します。
1枚~3枚までの形と受け入れ牌と強さ
1枚~3枚の形で受け入れ牌が多くメンツになりやすい順番です。1番目に両面があるのは、手牌は13枚しか持つことが出来ないことに理由があります。3枚の形は手牌13枚の中で4つ作ることが出来ますが、2枚の形は手牌13枚の中で6つ作ることが出来ます。6つのメンツ候補を作ることが出来る2枚の形で2種類8枚の受け入れを持つ両面は強いということになります。
強い
(両面)=2種類8枚
↑
(両面+対子)=3種類10枚
↑
(嵌張+対子)=2種類6枚
↑
(辺張+対子)=2種類6枚
↑
(嵌張)=1種類4枚
↑
(辺張)=1種類4枚
↑
(対子数牌)=1種類2枚
↑
(対子字牌)=1種類2枚
↑
3~7(孤立牌)=5種類19枚
↑
2,8(孤立牌)=4種類15枚
↑
1,9(孤立牌)=3種類11枚
↑
字牌(孤立牌)=1種類3枚
弱い
これでどの形が有利で優先して手牌に残すべきか分かりますね。これが牌効率の基礎となるのです。
「5ブロック」思考
和了形は4メンツ1ジャントウが基本です。3枚1組のメンツが4つと2枚1組のアタマが1つです。つまり、「5ブロック」思考とはメンツとアタマの候補となる5ブロックを作るということです。そしてそのブロックは1枚~3枚までで見てきた形で作ることが出来ます。1枚~3枚までで作る形には強さ=牌効率の高さがありました。より強い形でブロックを作ること高い牌効率の形を作ることになります。
これまで見てきた1枚~3枚までの形とその受け入れ牌、強さ、そしてこの5ブロック思考を身に着けて下さい。これが牌効率の基礎となります!
牌効率ソフト
天鳳さんに「牌理ツール」があります。これを利用すれば、手牌の状態から受け入れ牌の種類や枚数を瞬時に表示してくれます。この支援ツールをさらに簡単に利用するサービスがあります。マウスを使用して手牌を作成し、その状態で天鳳の支援ツールへ引き渡し結果を見ることが出来ます。「天鳳牌理入力支援ツール」。是非利用してみて下さい!
まとめ
これまで、1枚~3枚までの形で牌効率を考えてきました。最小単位の枚数で考えることで強い形が分かり易くなります。この形を意識すれば、手牌13枚の中でどれを優先して残すべきか判断できるようになります。そして、その残すべき強い形をメンツ候補として優先し、5ブロック思考と組み合わせてみましょう。これが牌効率の基本となります!次回は4枚以上の形や手牌13枚の中で牌効率を考えていきます。
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