イーシャンテンとは?良形で受け入れ牌最大を目指せ!

イーシャンテンはアガりまで後2枚、聴牌(テンパイ)まで後1枚の状態のことです。漢字では「一向聴」と書きます。イーシャンテンの一つ前をリャンシャンテン(二向聴)と言いますが、麻雀は三向聴、二向聴、一向聴、聴牌とアガりまで向聴(シャンテン)数を下げていくゲームとも言えます。この上げ方が後々の形に大きく影響します。アガれるかどうかも手牌の形を良く見極めながらこのシャンテン数を下げることが大切です。完全イーシャンテンや黄金のイーシャンテンなど、牌効率にも直結するイーシャンテンの見極め方を解説していきます!
イーシャンテンとは、その意味
- 一向聴(イーシャンテン)は聴牌まで後1枚の状態
イーシャンテン
一向聴(イーシャンテン)とは
一向聴(イーシャンテン)とは聴牌(テンパイ)直前の状態でテンパイまで後1枚という形です。即ち、後1枚必要な牌が手牌に加わればテンパイとなります。
『聴牌(テンパイ)』
アガり一歩手枚の状態で後1枚必要な牌が手牌に加われば4面子1雀頭のアガリ形が完成する状態のこと。テンパイの詳細は『素早くテンパイする方法とダマテン読みのコツ!』をお読み下さい。
イーシャンテンからテンパイ
例えばイーシャンテンは以下のような牌姿(ハイシ=手牌の状態)です。
この場合、 の両面塔子(リャンメンターツ)に対して - のどちらかが来て順子(シュンツ)が完成するか、 か の何れかが来て雀頭(ジャントウ=アタマ)が完成すればテンパイとなります。つまり、・・・ の内1枚が手牌に加わればテンパイとなるイーシャンテンです。
仮に が来た場合のテンパイは、以下の牌姿(ハイシ)です。
このテンパイは、 によるリャンメン待ちでアガり牌は- となります。
イーシャンテンの例
<充分形>リャンメンとリャンメンのイーシャンテン
充分形のイーシャンテンは以下のような牌姿(ハイシ)になります。
この場合、 のリャンメンと のリャンメンのイーシャンテンとなります。
受け入れ牌は ・・・ の4種類で最大16枚の可能性があります。受け入れ牌の何れを引いてもリャンメン待ちのテンパイで構えることが出来る充分形と言われるイーシャンテンです。
『 受け入れ牌 』
1度のツモでシャンテン数を下げることが出来る牌のこと。シャンテン数を下げることはアガりの形に近づくことを意味します。二向聴(リャンシャンテン) → 一向聴(イーシャンテン) → 聴牌(テンパイ)。
『 向聴数(シャンテン数) 』
向聴数は現在の手牌の形からツモによってアガりの形まで後必要な牌が幾つあるかという数を表しています。二向聴は聴牌まで後2枚、一向聴は聴牌まで後1枚、聴牌はアガりまで後1枚です。
充分形ではないイーシャンテン
充分形ではないイーシャンテンの牌姿(ハイシ)は以下のような形です。
この場合、 のカンチャンと のカンチャンのイーシャンテンとなります。
受け入れ牌は ・ の2種類最大8枚です。受け入れ牌の何れを引いてもカンチャン待ちとなってしまうテンパイになります。これは充分形とは言えない状態です。
チートイツのイーシャンテン
チートイツのイーシャンテンの牌姿(ハイシ)は以下のような形です。
チートイツのイーシャンテンの場合、受け入れ牌は必ず3種類になります。
例では、・・ の3種類最大9枚が受け入れ牌です。
イーシャンテンまでの道程
- 一向聴(イーシャンテン)の前は二向聴(リャンシャンテン)
- 向聴(シャンテン)は聴牌(テンパイ)までの取牌(シュハイ)数のこと
- 麻雀は向聴数を少なくするゲーム
一向聴(イーシャンテン)の前は二向聴(リャンシャンテン)
一向聴(イーシャンテン)はテンパイまで後1枚の状態ですが、その前、テンパイまで後2枚の状態を二向聴(リャンシャンテン)と言います。そしてその前は三向聴であり、さらにその前は四向聴となります。イーシャンテン、テンパイ、アガりまでの流れを以下の表で見てみましょう。
シャンテン数を下げるとアガりに近づきます。
和了(ホーラ=アガり) | アガりまで後0枚 完成 | |
聴牌 (テンパイ) | ↑ | テンパイまで後0枚 アガりまで後1枚 |
★一向聴 (イーシャンテン) | ↑ | テンパイまで後1枚 アガりまで後2枚 |
二向聴 (リャンシャンテン) | ↑ | テンパイまで後2枚 アガりまで後3枚 |
三向聴 (サンシャンテン) | ↑ | テンパイまで後3枚 アガりまで後4枚 |
四向聴 (スーシャンテン) | ↑ | テンパイまで後4枚 アガりまで後5枚 |
五向聴 (ウーシャンテン) | ↑ | テンパイまで後5枚 アガりまで後6枚 |
六向聴 (ローシャンテン) | ↑ | テンパイまで後6枚 アガりまで後7枚 |
七向聴 (チーシャンテン) | ↑ | テンパイまで後7枚 アガりまで後8枚 |
八向聴 (パーシャンテン) | ↑ | テンパイまで後8枚 アガりまで後9枚 |
向聴(シャンテン)について
表でも分かるように一向聴や二向聴など「漢数字+向聴」で表記されており、漢数字が小さくなるに連れてテンパイやアガリが近づいてきます。つまり、向聴(シャンテン)とは聴牌(テンパイ)までの取牌(シュハイ=牌山からのツモや河から牌を取得する行為)の数のことです。「向聴(シャンテン)」は「聴牌(テンパイ)」の「聴」に「向かう」と書き、聴牌へ向かうことを意味し、聴牌するまでに必要な最低限の取牌回数のことを表しています。
『取牌(シュハイ)』
ツモや鳴きによって牌山(ハイヤマ)や河(ホー)から牌を取得する行為、又はダハイも含め取得して手牌を変化させるまでの一連の行為のこと。
『ツモ』
ツモは自摸と書き、牌山(ハイヤマ)から牌を1枚取得する行為で、ツモをした牌を自摸牌(ツモハイ)と言います。
『ダハイ』
ダハイは打牌と書き、ツモの後に手牌の不要牌を河(ホー=捨て牌の場所)に切り出す行為です。
配牌からアガりまで向聴数
通常、配牌時は四向聴から五向聴程度から始まります。各プレイヤーはツモとダハイを繰り返して「三向聴 → 二向聴 → 一向聴 → 聴牌(テンパイ) → アガり形」と手を進め和了(ホーラ=アガり)を目指します。配牌の形が良い場合は二向聴や一向聴から始まることもあるでしょう。4メンツ1ジャントウ(通称メンツ手)を作る場合の最大向聴数は8です。ツートイツを作る場合の最大向聴数は6です。
因みに配牌時に4面子1雀頭が完成している状態は天和(テンホー)という役満です。天和については『天から与えられしアガり役、天和(テンホー)』をお読み下さい。
麻雀はこの向聴数を少なくして和了形を目指すゲームなのです。
向聴(シャンテン)数の増減
向聴数の減少は必ず1つずつです。三向聴から一気に一向聴になることはありません。逆に増える場合は一気に2つ以上増えることがあります。テンパイからから二向聴はありえます。
向聴数が増える例
以下の例ではチートイツをテンパイしています。
を引けばアガりです。ですが、チートイツテンパイの状態から小三元、大三元狙いに手を変更するとします。この状態で例えば をポンし を切ったとします。
するとテンパイから一気に二向聴となってしまいます。シャンテン数を増やしてでも手を変更する場合は、変更によって点数が大きく上る可能性がある場合で行いましょう。チートイツは2飜役ですが、小三元は4飜になります。
向聴取らずと向聴戻し
敢えてテンパイの形にしないことを聴牌取らず(テンパイとらず)もしくは一向聴戻し(イーシャンテンもどし)と言います。このようなケースでは、テンパイの待ちが悪い、手が安い、安牌を切らざるを得ない、など様々な理由によりテンパイにしないような状況です。
また、敢えて一向聴の形にしないことを一向聴取らず(イーシャンテンとらず)或いは二向聴戻し(リャンシャンテンもどし)と言います。
完全イーシャンテンと黄金のイーシャンテン
完全一向聴(イーシャンテン)
シャンポン+リャンメン+リャンメン
完全イーシャンテンとは、「リャンメンとリャンメンの受け入れがある」且つ「シャンポンの受け入れがある」状態で、受け入れ牌が合計6種類となっている形であり、さらにそのうちどの牌が来てもテンパイとなるイーシャンテンのことです。
リャンメンとリャンメンの受け入れがあるということは、リャンメン待ちのリャンメン塔子(ターツ)が2つあり受け入れ牌が4種類ある状態のことです。シャンポンの受け入れがあるということは、シャンポン待ちが1つある状態で受け入れ牌が2種類ある状態のことです。つまり、シャンポンリャンメンリャンメンの形です。
完全イーシャンテンの例
実際の完全イーシャンテンの牌姿を見てみましょう。
この場合、リャンメン塔子 に対しての - まち、リャンメン塔子 に対しての - 待ち、且つ、 と のシャンポン待ちにもなっています。
・・・・・ で合計6種類最大4枚(シャンポン)+16枚(リャンメン×2)です。
完全一向聴はポンもチーも両方に対応した形です。
「ポンチーよし」の沼崎定跡
完全一向聴のことを沼崎定跡(ぬまざきじょうせき)とも言います。沼崎氏は大正12年生まれの沼崎雀歩(ヌマザキジャンポ 本名:高橋直道 九州大学工学部卒)という方で、戦前の高い技量を有した雀士の1人です。氏は麻雀に対して数学的なアプローチを試みた麻雀数理学の創始者とされている人物であり、牌効率論を提唱した人でもあります。
沼崎氏は「チーもポンも両方でき、両面の残る形を大切にしなさい」という説を提唱しました。この説は「ポンよし、チーよし、ポンチーよし」という言葉として現在も残っています。そしてこの型が一向聴の理想形である完全一向聴とされています。
黄金の一向聴(イーシャンテン)
黄金の一向聴(イーシャンテン)とは、「タンヤオ・ピンフ・三色同順」と「一気通貫」の両方を狙えるテンパイを作れる一向聴を黄金の一向聴と言います。
黄金の一向聴の例
実際の例で考えてみましょう。
このケースでは、 か を引くと一気通貫を狙えるテンパイとなり、 か を引くと三色同順・ピンフ・タンヤオを狙えるテンパイとなります。また、・・・ の何れかを引いた場合はシャンポン待ちのテンパイにもなります。
イーシャンテンを強く早く受け入れ牌を広く
受け入れ牌
イーシャンテンはテンパイまで後1枚の状態ですが、この1枚が何種類あるかがテンパイまで早く到達できるかどうかに関わります。テンパイに到達できる牌が何種類あるか、このような牌を受け入れ牌とも言います。受け入れ牌が多ければ多い程良い形の一向聴でありテンパイし易いと言えます。
この受け入れ牌の多さはイーシャンテンの強さにもなり、さらにテンパイへのスピードにも繋がります。つまり、受け入れ牌の多さはイーシャンテンの強さとスピードに繋がることになります。
上述した完全イーシャンテンや黄金のイーシャンテンは受け入れ牌が多い理想的なイーシャンテンと言えます。
この受け入れ牌が多いというのは、待ち牌が多いということであり、テンパイ時の 多面張(タメンチャン)=多面待ち と同じ論理であるとも言えるでしょう。
まとめ
イーシャンテンはテンパイ一つ手前の状態ですが、良形のテンパイを作るためには良形イーシャンテンが必要です。良形のテンパイはアガり率を向上させます。つまりイーシャンテンを如何に作るかによって和了の確率も変わることになります。テンパイ手前の最後のイーシャンテンに勝機が隠されていることを忘れてはなりません!
受け入れ牌が多く強いイーシャンテンを作るように心がけましょう!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
最後の「イーシャンテン」が「イーシャンテンン」になってますよ~
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>最後の「イーシャンテン」が「イーシャンテンン」になってますよ~
ご指摘の箇所を修正致しました!
今後とも当サイトをどうぞ宜しくお願い致します。
イーシャンテンの例
リャンメンとリャンメンのイーシャンテン
この例の形だと8ソウも聴牌取れてしまう形ですよ
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます。
>イーシャンテンの例
リャンメンとリャンメンのイーシャンテン
この例の形だと8ソウも聴牌取れてしまう形ですよ
牌姿を確認したところ、8索をツモった場合(西切り)
[2索3索4索 8索8索8索 6筒7筒8筒 8筒8筒 3萬4萬]
となり、ユーザー様の仰る通り聴牌となってしまいますね…。
説明と牌姿に誤りがあり、大変申し訳ございませんでした。
該当箇所を修正させていただきました。
ご指摘いただき誠にありがとうございます。
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
誤字報告です。
>このシャンテン数下げることが大切です。
→このシャンテン数【を】下げることが大切です。
>向聴数の減少は必ず1つづつです
→【ず】つ 現代仮名遣い
>受け入れ牌が4種類のる状態のことです
→受け入れ牌が4種類【あ】る状態のことです
★裏スジ(裏筋)のすべて!危険牌推測力を上げロン回避★
(上記ページにコメント欄がなかったのでこちらにまとめての報告です)
>この スジ の重なる数字を合わせるて
→数字を合わせ【】て
>「2. 裏スジ のメカニズム」でお話します
→お話【し】します《お+話す(動詞)+する》
>そうした場合、[両索] や[七索] が不用となり
→不【要】
>局の後半で 跨ぎスジ も考慮するしてみる
→考慮【】してみる
> [四筒]をツモしたので、不用な[七筒] を切り
→不【要】
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>誤字報告です。
申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
いつも誠にありがとうございます!m(__)m
>上記ページにコメント欄がなかったので
コメント欄を追加させていただきました。
大変失礼いたしました。
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>誤字報告です。
申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
いつも誠にありがとうございます!m(__)m
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。