【石橋伸洋】栄光と挫折を味わった黒いデジタル”キング”

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【石橋伸洋】栄光と挫折を味わった黒いデジタル”キング”

石橋伸洋は最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、過去に所属団体最高峰タイトル"最高位"や、テレビ放送対局"モンド杯"で優勝した経験もある麻雀プロで、Mリーグでは初年度から2021-22シーズンまでU-NEXT Piratesに加入し、レギュラーシーズンでは苦戦する場面もありましたが、2019-20のポストシーズンでは圧倒的な成績を残しチームの優勝に大きく貢献しました。パイレーツ退団後は、Mリーグの解説者として麻雀ファンにもお馴染みの存在となりました"キング"石橋伸洋プロについてご紹介します。

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キング・石橋伸洋プロについて

プロフィール

  • 名前:石橋 伸洋(いしばし のぶひろ)
  • 生年月日:1980年9月29日
  • 出身:千葉県佐倉市
  • 学歴:國學院大學卒業
  • 血液型:O型
  • 好きな物:ドライブ、ポーカー
  • 所属団体:最高位戦日本プロ麻雀協会(第28期前期入会)
  • Mリーグチーム:U-NEXT Pirates
  • X(旧Twitter):@rate1484

石橋伸洋プロは、運や流れなどを否定し、効率や統計を重視するデジタル派と呼ばれる雀風が特徴で、時に相手を惑わせるセオリーから外れた行動をとり、遠い仕掛け、ブラフ気味の仕掛けをするため、"黒いデジタル"の二つ名を持っています。また、Mリーグ2019-20シーズン、セミファイナル以降の大活躍から"キング"という愛称が定着しました。ファンや麻雀関係者から"ばっしー"というあだ名で呼ばれることが多いです。

Mリーグでは初年度からU-NEXT Pirateに所属していましたが、2020-21、2021-22シーズンとパイレーツは二年連続ファイナル進出を逃し、"閉幕時に同一の選手構成且つ2シーズン連続でファイナルシリーズに進出できなかった場合"に選手交代となるレギュレーションの対象となり(2024年現在は2シーズン連続でセミファイナルに進出できなかった場合に変更)、2022年に朝倉康心プロと共に、契約満了となりました。

パイレーツ退団後は、Mリーグでは解説者として出演しており、石橋プロの明るいキャラクターもあり、解説者としても人気があります。また、Mリーグへの復帰を目指していることを公言しており、2023年に新規参入したBEAST X(当時はBEAST Japanext)が行った選手オーディションの最終選考の8名まで残りましたが、予選で敗退、惜しくもMリーグ復帰を逃しました。

パイレーツでチームメイトだった小林剛プロとは麻雀プロになる前からの古い知り合いで、オンライン麻雀の先駆け的存在だった"東風荘"のオフ会で二人は出会い、石橋プロにとっては、小林プロが初めて会った麻雀プロだったそうです。その後、他団体に所属しながらも、天鳳名人戦やRTDリーグなど多くの舞台で二人は戦い、Mリーグではチームメイトとなりました。またパイレーツ在籍時、小林プロは近所に住んでいたため、石橋プロの車で一緒に会場入りしていたそうです。

赤坂ドリブンズの園田賢プロは、同じ1980年生まれで最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、入会したタイミングも石橋プロが28期前期、園田プロが28期後期で、麻雀プロとしてもほぼ同期という関係です。

二年連続最高位を獲得し、Mリーグ2024-25シーズンからセガサミーフェニックスに加入した竹内元太プロは、石橋プロを師匠と慕っており、若い時はほぼ毎日一緒にいて、ほぼ居候のように石橋プロの家に寝泊まりし、麻雀だけではなく、考え方や遊び方といった面でも影響を受けたそうです。

妻・塚田美紀プロ

  • 名前:塚田 美紀(つかだ みき)
  • 生年月日:1990年10月11日
  • 出身:神奈川県
  • 血液型:B型
  • 好きな物:
  • 所属団体:最高位戦日本プロ麻雀協会(第39期前期入会)
  • X(旧Twitter):@milky_06_ty/サブアカウント@milky_06_ty_sub
  • Instagram:miki_tsukada

石橋プロは、同じ最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する塚田美紀プロと2017年に結婚、そして2017年9月に第一子となる長女"みなみ"ちゃんが産まれました。2018年5月15日に二人のブログから、結婚し子供が産まれたことが発表されました。(石橋プロブログ塚田プロブログ)

塚田プロは石橋プロの11期後輩にあたり、プロテストの担当をしていたのが石橋プロで、その時に凄い可愛い子が入ってきた、と思ったそうです。その後すぐに親しくなったわけではないようですが、徐々に一緒に飲みに行ったりするようになり、親しくなり、お付き合いすることに。

年齢が10歳離れていて、結婚願望が強かった石橋プロと、まだ若かった塚田プロの間で考え方にすれ違いが生じ、一度は別れることになりましたが、半年で復縁し、結婚することになりました。

石橋プロが飲みに行ったりすると、誰と一緒にいるかを証明する写真を撮って塚田プロに送ったりすることもあり、時々、恐妻家として紹介されることもありますが、もちろん、麻雀界屈指の仲良し夫婦としても知られています。2022年7月にYouTubeチャンネル「麻雀遊戯王」に出演した際には、月に一回デートの日を作って二人で出かけたり、年に二回家族に旅行に行く事を決めていたりなど、仲睦まじいエピソードを明かしています。(【麻雀遊戯BAR】プライベート何してるの?)

塚田プロは、"不敵なヴァルキリー"のキャッチフレーズを持ち、ファンからは"みっきー"という愛称で呼ばれている人気女流プロで、2015年から2020年の間活動していた麻雀プロで構成されたアイドルグループ"more"のメンバーであったり、歌舞伎町で麻雀BAR「GardEn」を運営するなど、結婚、出産後も精力的に活動しています。

国士無双との因縁

石橋プロは国士無双と縁が深く、たびたび国士無双を放銃することから、国士職人と呼ばれることがあります。

ABEMAで放送されていたRTDリーグ2017で、石橋プロは小林剛プロと内川幸太郎プロ相手に、1シーズンに2度国士無双を放銃、また同じく2017年には"麻雀の鉄人 鉄人再誕2"で村上淳プロに国士無双を放銃、1年間で放送対局で3度国士無双を放銃する不運に見舞われ、うっかり国士無双に放銃してしまう人という印象がついてしまいました。

その後も国士無双との縁は続き、Mリーグ2019-20シーズンでは自身の親番で魚谷侑未プロに国士無双をツモられ、2024年の第49期最高位戦B1リーグでは、竹内朋之プロに国士無双を放銃、放銃した側にも関わらずYouTubeの切り抜き動画のサムネに使われるなど、国士無双と石橋プロとは切っても切れない関係となっています。

石橋プロは、誰でも作れる役で、それでいて点数も高いし、決まった牌をそろえるだけで面白くない、と国士無双を嫌っており、もし麻雀のルールを変えるなら国士無双をなくしたいと述べており、国士無双撲滅委員会を自称するほどです。Mリーグの解説でもたびたび、国士無双についてユーモアを交え否定的なコメントを残すこともあり、Mリーグではお馴染みのネタとなっています。

必殺の赤切り

Mリーグルールの特徴の一つとして、一般的な競技麻雀のルールと違い、赤入りありであるということが挙げられ、一部の選手はその対応に苦しんでいるのでは、と指摘されることがあります。石橋プロは、Mリーグの試合で、意表を突くような赤ドラ切りをする戦略を取り、賛否両論ながら多くの視聴者を魅了しました。

Mリーグ2020-21レギュラーシーズン、10月19日の第2試合、石橋プロの親番の東2局、筒子の1、5、赤5の中から、普通の5筒ではなく、あえて赤5筒の方を切ってカン4筒待ちのリーチ。リーチ宣言牌が赤だった場合、赤をまたいだ両面待ちはないだろうと考えるのがセオリーですが、あえてそのセオリーを逆手に取り、4筒を誘いだす作戦に出ました。

結果、この局はアガることが出来ませんでしたが、"黒いデジタル"らしい、石橋プロの選択は大きな話題を呼びました。プレイヤー解説として入ったKADOKAWAサクラナイツの内川幸太郎プロは、「見なきゃよかった」「これをされると困るんですよね」とコメントし、ブラフ的な要素があることを指摘し、同卓していたEX風林火山・滝沢和典プロは、流局時開いた手牌を見て苦笑いを浮かべ、試合後のインタビューでも「やってんな…と思いました」とコメントを残しました。チームメイトの朝倉康心プロは自身のXで「今後の石橋さんの赤5切りリーチに同色牌が安全牌じゃなくなる、それによる得を買うための布石」と、石橋プロの選択について解説しました。(赤いけれど黒すぎる!石橋伸洋、あえての赤ドラ切りリーチに対戦相手も「やってるな…」/麻雀・Mリーグ)

同じシーズンの11月20日の第1試合、南1局2本場、石橋プロは再び赤切り作戦を決行します。この局、二つの仕掛けで石橋プロは満貫のテンパイ、手牌には赤5、6索の塔子がある状態で、5索をツモると、赤5索を切って入れ替える。これには実況の日吉辰哉プロも「出たー!俺の赤切りを信用するなよ!」と絶叫します。

赤坂ドリブンズ・鈴木たろうプロは4索を打って放銃。予期せぬ放銃に、鈴木たろうプロはしばらく硬直、すこし憮然とした表情で点棒を支払いました。

そして、同じシーズンの12月3日に行われた第2試合、東4局1本場、今度は赤坂ドリブンズ・園田賢プロが赤切りのリーチ、そこに何の因果か、石橋プロが4筒を切ってリーチを宣言してしまい、放銃となってしまいます。石橋プロも当たることを想定していたそうですが、少し悔しそうな顔を浮かべました。

園田プロの赤切りについて、自身のXでは著作権侵害を訴えていました。赤切りについては賛否両論ありましたが、石橋プロのそれをネタにできるキャラクターや、黒いデジタルらしい個性的な戦略性はMリーグの盛り上がりに大きく貢献したと言えるでしょう。

著書

  • 黒いデジタル麻雀 ~現代流データ戦術を斬る~ (2015年4月 マイナビ)
  • 進化するデジタル麻雀 ~現代の強者に打ち勝つテクニック~(2016年10月 マイナビ)

最高位戦、モンド杯、天鳳名人戦といった幅広い舞台で結果を残してきた石橋プロは、2015年、2016年に続けて戦術本を発売しています。麻雀のルールを知っている初心者から中級者に向けて、石橋プロ独自のデジタル戦術を解説した本となっています。

一冊目の「黒いデジタル麻雀」は、デジタル戦術のセオリーを解説しつつ、そのデジタル戦術の弱点を突き、その上を行く黒いデジタルについて解説した本になっており、二冊目の「進化するデジタル麻雀」は、具体的な局面を例に石橋プロの戦術を解説した本となっています。

黒いデジタル・石橋伸洋プロの経歴

ネット麻雀から麻雀プロへ

石橋伸洋プロは、ご両親の実家がある神奈川県横浜市の病院で産まれました。なぜか、ご両親からは横浜生まれと言えと言われているそうですが、生まれたところが横浜なだけで、あまり横浜には詳しくないそうです。6歳ぐらいまでは、茨城県東海村に引っ越し、小学校一年生の時だけ東京に引っ越し、小学校二年生から高校を卒業するまで千葉県佐倉市で過ごします。引っ越しが多かった幼少期ですが、一番長かったのが千葉県佐倉市であるため、プロフィールも千葉県佐倉市となっていることが多いです。

麻雀と出会ったのは、6歳ぐらいの時、お父さんが買ってきたファミコンのソフトでなんとなく遊ぶようになったことが始まりでした。

高校は千葉県立八千代高校に進学、水球部に所属し、その部室で先輩たちが麻雀をやっていたため、自然とその中に入るようになり、麻雀にはまっていきます。

大学は國學院大学に進学しますが、大学に入ってからは勉強よりも麻雀に打ち込むようになります。もっと麻雀が打ちたいと思うようになった石橋プロは、18歳の時に雀荘で働くようになります。そして、転機になったのは、20歳頃に日本で最初のオンライン麻雀と言われている"東風壮"に出会い、オンライン麻雀にはまっていきます。

ネット掲示板で東風壮プレイヤーと交流を持つようになり、そこで出会った人の紹介で、オフ会に参加するようになり、麻雀プロとも交流を持つようになり、当時既にプロになっていた小林剛プロとオフ会を通じて出会います。そうしているうちに、最高位戦日本プロ麻雀協会所属の山口まやプロが主催する勉強会に行くようになり、多井隆晴プロ、村上淳プロ、鈴木たろうプロ、水巻渉プロ、佐藤崇プロといった、後に麻雀界を代表するプロたちと出会いました。

大学在学中でしたが、さらに麻雀を勉強したいと思った石橋プロは、知っているプロが多く所属する最高位戦のプロテストを受験し合格、2003年、22歳の時に麻雀プロになります。

大学時代は、友達と麻雀を打つわけではなく、主に東風壮で麻雀を打ち、牌譜を研究する日々を過ごしていたらしく、デジタル派で研究熱心で知られる石橋プロのルーツを感じます。

順調に勝ち続け31歳で最高位に

大学在学中に麻雀プロになりましたが、無事に大学を卒業、就職をすることはなく、最高位戦の事務局の仕事や雀荘で働いたりして生計を立て、麻雀中心の生活を送ります。

後に最高位を獲得し看板選手となる石橋プロですが、スタートから順風満帆というわけではありませんでした。当時の最高位戦は、一番下のリーグの下位になると、それ以下の降級がないため、一度リーグ戦に出られなくなり、もう一度プロテストを受ける必要がある制度があり、石橋プロは入会して直ぐに、その対象となり、再テストを受け、いきなり挫折を経験します。

プロになってからは、当時最高位戦に所属していた古久根英孝プロの勉強会に参加するようになります。最高位を三度獲得したベテランプロである古久根プロの麻雀は、今まで研究していたネット麻雀とは考え方も打ち方も違い、大きな影響を受けます。そして、多井隆晴プロ、村上淳プロ、水巻渉プロ、坂本大志プロといったメンツが参加する研究会"ばかんすリーグ"が発足、今ではトッププロとなった5人ですが、若手の頃から意見を戦わせ、麻雀の研究を行っていました。

入会して直ぐに挫折した石橋プロですが、それ以降はストレートに昇級し、27歳の時にはAリーグまで上り詰めます。

2009年、29歳の時には初めて最高位決定戦に勝ち残り、この時は4位という結果になりますが、決定戦を見たモンド杯関係者の目に留まり、第10回モンド杯に出場することになります。テレビ対局初出場となったこの大会で、石橋プロは見事優勝し、初タイトルを獲得します。

2011年には、最高位戦の主要タイトルの一つである"第19期發王戦"で優勝、そして同じ年に、最高峰タイトル"第36期最高戦"で優勝を果たし、最高位と發王位の二冠という快挙を成し遂げます。31歳での最高位獲得は年齢的にかなり早い獲得であり、若手ながらも最高位戦の看板選手という存在になりました。

オンライン麻雀天鳳を通して、天鳳の高段位者と麻雀プロが参加するリーグ戦"天鳳名人戦"では、2011年に行われた第1回大会から参加し、2013年の第3回大会では優勝を果たします。この大会の第1回、2回大会の優勝者は小林剛プロ、第4回、8回大会は朝倉プロが優勝しており、後にMリーグで同じチームになる三人が活躍した大会でした。

2016年からサイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が中心となって発足されたRTDリーグが始まり、現在のMリーグのように各プロ団体のトッププロが参加するリーグ戦が行われます。石橋プロも初年度から参加しますが、なかなか成績が振るわず、2年目の2017年には国士無双を二度放銃し、国士職人といじられることもありました。また、2017年には最高位戦のAリーグからB1リーグに降級してしまい、苦しい一年となってしまいました。

麻雀の成績は低迷していましたが、プライベートでは同じ団体の塚田美紀プロと結婚し、子供も生まれ、良いことも悪いこともあった一年となりました。

ポストシーズンの大活躍で”キング”の愛称が定着

Mリーグが2018年に発足し、8月7日にドラフト会議が行われます。この頃は成績が振るわなかったため、指名はないだろうと思っており、ドラフト会場に行く事も悩んでいたそうです。一応、会場には行ったものの、指名される可能性は低いため、後ろの方に座っていたぐらいでした。

U-NEXT Piratesはドラフト3巡目に鈴木たろうプロを指名、しかし、赤坂ドリブンズと渋谷ABEMASも鈴木たろうプロを指名、抽選の結果、赤坂ドリブンズが鈴木たろうプロを獲得しました。そして、小林剛プロ、朝倉康心プロと、デジタル派で天鳳名人戦で優勝経験のある二人を指名していたU-NEXT Piratesは、黒いデジタルの異名を持ち、第3期天鳳名人戦優勝者の石橋プロが選ばれます。結果的に21人の初代Mリーガーの中で、石橋プロは最後に名前を呼ばれた選手となりました。

Mリーグ1年目となる2018-19レギュラーシーズンの個人成績は-162.4ポイントと近年の不振を引きずる結果となってしまいました。しかし、RTDトーナメント2019では滅多に出ない役満・小四喜をアガり、トップの成績で予選を突破、セミファイナル敗退となりますが5位となる好成績を残します。

2年目の2019-20レギュラーシーズンは-168.1ポイントと1年目に続き苦しい結果になりますが、チームがセミファイナルに進出すると、石橋プロは今までの不振を払しょくする大活躍で、6試合出場し、1着3回、2着3回で個人成績215.5ポイントという成績を残し、チーム唯一のプラスを稼ぎファイナル進出に大きく貢献します。

そして、ファイナルシリーズでも好調を維持し、3試合に出場し65.0ポイントと好成績を残し、パイレーツの初優勝に貢献、ポストシーズンではチーム一の得点を稼ぎ、4着回避率100パーセントといった圧倒的な成績で"キング"という愛称で呼ばれるようになります。

しかし、3年目の2020-21レギュラーシーズンの個人成績は-189.9ポイント、4年目の2021-22レギュラーシーズンの個人成績は-286.4ポイントと厳しい結果となり、チームは二年連続セミファイナル進出を逃し、当時の選手入れ替えのレギュレーションの対象となり、2021-22シーズン終了後にU-NEXT Piratesは石橋プロとの契約満了が発表されました。

2019-20シーズンのポストシーズンは結果を残しチームを優勝に導きましたが、4年間のレギュラーシーズンの成績は-806.8ポイントと厳しい結果となってしましました。

Mリーグ最後の試合となった2021-22セミファイナル最終日の第1試合に石橋プロが登板しますが4着という結果となり、試合後のインタビューでは涙を流す場面もありました。

パイレーツ退団後は、解説者としてMリーグに関わっており、時に自虐的に自身の成績を振り返ったり、シャイな性格ながらも明るいキャラクターの石橋プロは、解説者としてポジションを確立しています。古くからの友人でもある多井プロは、石橋プロのトーク力を高く評価しており、今まで断っていたMリーグの解説を石橋プロと一緒ならという条件で引き受け、石橋プロと多井プロの二人でMリーグの解説を務めたことがありました。(石橋伸洋への絶対的な信頼を語る最速最強【多井隆晴】より)

Mリーグに選手として戻ることを公言しており、2023年には予選で敗退したものの、BEAST Japanext(現BEAST X)の選手オーディションの最終選考まで残るなど、Mリーグ復帰を目指し続けています。

Mリーグレギュラーシーズン成績

Mリーグ成績
シーズン個人
スコア
平均
打点
4着
回避率
最高
スコア
半荘数
2021-286.45,9480.705958,60017
2020-189.95,1700.714347,20021
2019-168.16,6970.687553,40016
2018-162.45,5680.8047,10025

獲得タイトル

  • 第19期發王位
  • 第10回モンド21杯
  • 第36期最高位
  • 第3期天鳳名人戦

石橋伸洋プロの対局動画

最高獲得直前、若手時代の石橋プロの活躍

2010年に放送された第6回モンド王座決定戦は、日本プロ麻雀連盟のレジェンド・荒正義プロ、連盟を代表する女流プロである、和泉由希子プロ、宮内こずえプロと、石橋プロとは滅多に同卓する機会がない、モンド王座決定戦らしいメンツの大会となりました。この局では、石橋プロはあえて両面待ちではなく、シャンポン待ちに構えてリーチを宣言、この冷静な判断で一発でアガり、裏ドラも加わり12,000点の高打点を叩き出し、石橋プロの持ち味を発揮しました。

黒くない、芸術度の高いホンイツ

2021年5月8日に行われた第46期最高位戦A2リーグ第4節、5回戦目の東4局、石橋プロは芸術的な手順でホンイツを決め、これには解説の村上淳プロと醍醐大プロも終始大絶賛のコメントを残しています。

黒いデジタルらしい地獄単騎待ち

団体の垣根を越えたチーム戦、"The All Star League2018"の第8節、後にチームメイトとなる朝倉康心プロ、石橋プロが退団した後にパイレーツに加入する仲林圭プロと同卓、そして実況も後にチームメイトとなる瑞原明奈プロと、パイレーツ選手6名の内3名が偶然集まっていたこの試合、石橋プロは七対子をテンパイし、黒いデジタルらしい、地獄単騎のリーチを選択、見事朝倉プロを捉えます。

赤切りリーチをチームメイト全員で振り返る

YouTubeで配信されているU-NEXT Pirates公式番組「おしえて!パイレーツ」で、2020-21レギュラーシーズン、伝説の赤切りリーチがあった、10月19日の第2試合の東2局をチームメイト全員で振り返った動画です。石橋プロのこの時の考えはもちろん、小林剛プロ、朝倉プロ、瑞原プロの意見も聞け、面白くもあり、また勉強にもなる動画です。

オーラスの石橋、南場の石橋、キングたる所以を見せた一局

Mリーグ2019-20セミファイナル3日目、3月19日に行われた第2試合、ここまでチームは5位、ファイナル進出するためには負けられない、親番の南4局1本場、3巡目に西単騎のリーチ、サクラナイツ・沢崎プロは西を掴み、いつ切ってもおかしくない牌ですがなかなかこれを切らない。なかなか出てこない西の行方が場を盛り上げますが、石橋プロが自らツモり、裏も乗って、6,000オール、チームにとって大きな勝利を持ち帰りました。

優勝への望みをつないだ一局

Mリーグ2019ファイナルシリーズ最終日となる、6月23日の第1試合、この時点でパイレーツは3位で首位セガサミーフェニックスとは124.2ポイント差という状況で登板した石橋プロは、親番の東2局、石橋プロらしい仕掛けで東バックのテンパイを取り、渋谷ABEMASの白鳥プロとのめくり合いとなりますが、終盤に東をツモり、4,000オール。石橋プロはこの試合トップを取りチームは首位に。そして第2試合でも船長・小林剛プロが勝利し、チームは劇的な逆転優勝を決めました。

まとめ

石橋伸洋プロは、麻雀プロになって以降順調に勝ち続け、モンド杯で優勝し知名度を上げ、發王位と最高位の二冠を手にし、若くして最高位戦を代表するプロとなりました。そして、初代Mリーガーとなり、ポストシーズンの大活躍でパイレーツを優勝に導きました。しかし、レギュラーシーズンの成績は低迷気味となり、パイレーツを退団しましたが、黒いデジタルと称されるトリッキーな戦術は多くのファンを沸かせました。現在は解説者として定着していますが、Mリーグへの復帰を目指しており、王の帰還を多くのファンが待ち望んでいます。

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