【朝倉康心】ネット麻雀界のパイオニア”ASAPIN”
朝倉康心は最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する麻雀プロで、Mリーグの舞台では、初年度の2018-19シーズンから2021-22シーズンまでU-NEXT Pirateで活躍し、現在は、Mリーグでの解説者としてお馴染みの人気麻雀プロです。オンライン麻雀"天鳳"では、ASAPINのIDで初代鳳凰位に輝くなど、アマチュア時代からネット麻雀最強雀士として知られた存在でした。元祖ネット麻雀出身雀士、朝倉康心プロについてご紹介します。
朝倉康心 a.k.a “ASAPIN”について
プロフィール
- 名前:朝倉 康心(あさくら こうしん)
- 生年月日:1986年3月4日
- 出身:福井県小浜市
- 学歴:東京農工大学農学部卒業
- 血液型:A型
- 好きな物:ゲーム
- 所属団体:最高位戦日本プロ麻雀協会(第43期前期入会)
- Mリーグチーム:U-NEXT Pirate(2018-19シーズンから2021-22シーズンまで)
- X(旧Twitter):@asakurapinpin
- YouTubeチャンネル:あさぴんの麻雀精神と時の部屋-ASAPIN-
朝倉康心プロは、オンライン麻雀"天鳳"のユーザーネームASAPINの名前で、2011年に史上初となる天鳳の最高段位"天鳳位"に到達し、アマチュア時代からネット麻雀代表選手として活躍していました。2016年には別名義"トトリ先生19歳"で第11代天鳳位となり、二度天鳳位に到達しています。
2018年3月に、最高位戦日本プロ麻雀協会に入会し麻雀プロとなりました。アマチュア時代からの活躍が認められ特例でB1リーグからのスタートとなりました。朝倉プロが最高位戦に入会後、第3代天鳳位・山田独歩プロ(ID:独歩)、第5代、16代天鳳位・渡辺太プロ(ID:太くないお/藤井聡太)、第12代、15代天鳳位・岡本壮平プロ(ID:おかもと/右折するひつじ)といった天鳳位たちが最高位戦に入会し、ネット麻雀界から麻雀プロになったパイオニアと呼べる存在です。
2021年9月には、オンライン麻雀"雀魂"の最高段位"魂天"に到達しました。
麻雀プロになってからはこれと言った通り名はありませんが、あまりにもネット麻雀での活躍が有名なため、"ASAPIN"や"初代天鳳位"がキャッチフレーズのように使われるケースが多いです。また、多くの麻雀ファンや関係者も"アサピン"の愛称で呼んでいます。
2019年6月9日、元日本プロ麻雀協会所属で麻雀プロで構成されたアイドルグループ"more"の元研修生でもある、あゆさんと結婚、2021年5月には男の子が産まれました。2023年7月31日に自身のnoteで離婚を発表しますが、その数日後、8月4日に復縁を発表。しかしその後、9月27日には離婚が発表されました。近代麻雀のnoteによると、離婚後は月曜日から木曜日までは息子さんと共に過ごしているそうです。(Mリーグ解雇、離婚、リーグ戦降級。全て失った後に残ったのは息子を育てる覚悟です【文・朝倉康心】)
Mリーグでは初年度からU-NEXT Pirateに所属していましたが、2020-21、2021-22シーズンとパイレーツは二年連続ファイナル進出を逃し、"閉幕時に同一の選手構成且つ2シーズン連続でファイナルシリーズに進出できなかった場合"に選手交代となるレギュレーションの対象となり(2024年現在は2シーズン連続でセミファイナルに進出できなかった場合に変更)、2022年に石橋伸洋プロと共に、契約満了となりました。
現在、Mリーグでは解説者として活躍しています。選手としての復帰は、平日は子育て、週末は仕事で、プライベートで麻雀を打つ時間もなく、勉強会やオープンの大会にも出場できない自分がMリーグに戻れるとは思っていない、と近代麻雀noteの中で語っています。(10戦契約【朝倉康心】より)
真面目な性格で少しメンタル的に打たれ弱いとも言われていますが、それも朝倉プロの魅力となっているような気がします。
兄・ゆうせー
朝倉康心プロのお兄さん、ゆうせー氏は、朝倉プロと同じく天鳳の高段位プレイヤーとして知られており、天鳳十段、鳳凰卓東南戦2000戦安定段位ランキング1位の実績を持つ実力者です。
長らく塾講師をやりながら、フリー雀荘(牌テンション京都駅前店)で働き、動画やブログを通して麻雀戦術や牌譜検討を発信し、アマチュア雀士ながらも名前の知られた存在となりました。
現在は、塾講師と雀荘勤務も辞め、麻雀YouTuberとして、自身のチャンネルで麻雀の戦術公開、牌譜検討、実況プレイなどを行っています。また、キンマwebでMリーグ観戦記を書いており、麻雀ライターとしての活動も行っています。自身のnoteでも定期的に麻雀戦術を解説しています。
2018年6月には麻雀戦術本「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」を発売しています。塾講師を長年務めていたこともあり、わかりやすい解説に定評があります。
- X(旧Twitter):@getawonarashite
- note:ゆうせー
- YouTubeチャンネル:見るだけで勝てる!ゆうせーの麻雀講義チャンネル
アミバとトキのコスプレ
Mリーグ2020-21レギュラーシーズン、10月9日に行われた第1試合に出場した朝倉康心プロは、漫画「北斗の拳」に登場するキャラクター・アミバ風の髪型で試合に臨み、大きな話題となりました。
今日のスタイルはなぜかア〇バ#UNEXTパイレーツ #朝倉康心 #おれは天才だ #ファハハハ pic.twitter.com/8NfrN3Mpjx
— U-NET Pirates (@unext_pirates) October 9, 2020
しかし、結果は4着に終わり、試合後のインタビューでは「アミバは封印します」とコメントを残しました。
アミバは封印されたはずですが、その約一か月後、11月20日に行われた第2試合、今度は同じく漫画「北斗の拳」に登場するキャラクター・トキ風の髪型で登場、2度目となる朝倉プロの北斗の拳コスプレは、SNS上でも話題になりました。
今日はア〇バではなく、ト〇。〇キなんです!#UNEXTパイレーツ #朝倉康心 #アッキーナ無視しないで #よくみておくのだわたしの戦いを pic.twitter.com/dnrJ8EQn3e
— U-NET Pirates (@unext_pirates) November 20, 2020
しかし、この試合で朝倉プロは、誤ってツモを宣言してしまう誤発声をしてしまいます。精神的なダメージもあり、この試合、朝倉プロはラスとなってしまいます。
試合後のインタビューでは、トキの髪型で、神妙な表情で誤ツモを詫びるという、なんともシュールな絵となってしまいました…。
翌日、自身のnoteでこの誤ツモについて謝罪し、麻雀プロとしてミスが多すぎる、プロとして麻雀をお見せする水準に達していないと思っていると、自身で思っている問題について打ち明けました。(昨日のことより)
Mリーグの歴史の1ページとなった朝倉プロのコスプレですが、朝倉プロにとっては少しほろ苦い思い出かもしれません…。
錯チー事件
Mリーグ初年度となる2018-19レギュラーシーズン、2月5日に行われた第1試合、朝倉プロは錯チー(誤チー)をしてしまうという事件が起きました。
東3局、滝沢和典プロが切られた二索に対し、朝倉プロはチーを宣言します。本来なら3索、4索をさらさないといけないところを間違えて3索、7索をさらしてしまいます。
この錯チーにより、審判からアガり放棄になることが告げられます。そこで朝倉プロは「正当なチーはした方がいいですか?」と審判の裁定を仰ぎます。ハイテイをずらすことが目的だったので、間違った牌でチーが成立したうえでアガり放棄になるのかどうか、という事が論点となります。
そして、審判を務める張敏賢プロから「そのまま倒した形でチーしてください」と告げられます。つまり、"チーは成立し、2、3,7索をさらし、アガり放棄"という裁定となりました。
ここで試合は一度中断し、多井プロ、滝沢プロ、萩原プロもチー出来るかどうかを議論します。多井プロは「チー出来ないと思う」、滝沢プロは「これが出来たら(毎回)ハイテイずらしが出来てしまう」といった発言をしている声が聞こえます。朝倉プロはチー出来る形だけれども間違えて倒してしまったことを謝っている様子です。解説の村上淳プロは、競技麻雀だとたいていの場合は、打牌前なので、誤って牌を見せてしまった事と変わらない、7索と4索を入れ替えて続行できるのでは、と話しています。
審判から「チーは成立し、2、3、7索とさらし、アガり放棄になる」ということが説明されます。この時の説明が少しわかりづらかったため、その場で解説の村上プロも少し強い口調で審判に問いかける場面もあり、物議を醸しだしました。
この局終了時点で、他の三者とは3万点リードしたトップだった朝倉プロですが、このチョンボの影響もあったのか、最終的に多井プロに捲られて二着となってしまいます。
麻雀プロであっても、見間違いや勘違いなど、ちょっとしたことでヒューマンエラーが起こる可能性があるのが麻雀というゲームの特性であり、しかたのないことですが、朝倉プロは「人よりチョンボやエラーの類いが多いという自覚はあって、そもそもプロであるべきではないんじゃないか。Mリーグにいるべきじゃないんじゃないか」と落ち込んだこともあったそうです。(朝倉康心の失敗学「メンタルゲームとは思っていなかった」 Mリーガー列伝(29))
そういったミスを減らすべく、例えば、リーチ後、空中で牌を確認して切っていたのを、一旦手牌の右側に置いてから確認するなど、いろいろな対策を取り努力をしているそうです。
また、Mリーグもルール改定を行い、この朝倉プロの錯チーが起こらないようなルールとなっています。
定期的に競技規定を確認していますが、ルール改正がされていますね。
競技規定第7章第3条『錯行為』
本条3.および4.について改正され朝倉選手伝説の237チーは今後起こりえません。
副露行為自体が無かったものとみなされ、開示した塔子を手に戻し和了放棄となり、Mリーグでは珍しい二重罰が課されます pic.twitter.com/7i4123ntEz— Mリーグ成績速報(非公式) (@mleague_results) February 19, 2023
著書
ASAPIN名義
- 超精緻麻雀 : 多角的思考による盤面把握(2014年4月 マイナビ出版)
- 新次元麻雀 : 場況への実戦的対応とケイテンの極意(2014年12月 マイナビ出版)
- 最強位・天鳳位・雀ゴロ天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。(2016年9月 竹書房)
麻雀プロになる以前から、初代天鳳位として有名だった朝倉プロは、"ASAPIN"名義で麻雀戦術本を販売しています。
「超精緻麻雀」「新次元麻雀」と二冊続けて戦術本を出版し、当時ネット麻雀のカリスマと呼ばれていた朝倉プロの戦術を解説した本となっています。更に雀力を揚げたい中級者から上級者に向けた内容となっています。
「最強位・天鳳位・雀ゴロ天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。」では、競技麻雀代表として鈴木たろうプロ、ネット麻雀代表として9代目天鳳位"就活生@川村軍団"、都内のフリー雀荘界隈では最強と呼ばれていると言われている青柳さん、というそれぞれ違う界隈で実力者と呼ばれている三名に、朝倉プロが麻雀を打つうえで疑問に思っている事、気になっていることを質問するという、少し変わった内容の戦術本です。
朝倉康心名義
- 麻雀の失敗学(2019年7月 竹書房)
- 夜桜たま×朝倉康心 に学ぶ現代麻雀 ※朝倉プロ監修、著者・イラスト:夜桜たま、漫画:大川ぶくぶ(2019年12月 竹書房)
- 夢をかなえる麻雀ノート ※朝倉プロ監修、著者:神尾亮プロ(2020年4月 竹書房)
麻雀プロになってからも朝倉プロは著書を発表しており、Mリーガーとなってから出版した「麻雀の失敗学」では、自身の失敗譜を取り上げて解説するという、珍しい切り口の解説本となっています。当時チームメイトだった、小林剛プロや石橋伸洋プロの失敗譜や、朝倉プロのプライベートの失敗も取り上げています。
「夜桜たま×朝倉康心 に学ぶ現代麻雀」は、麻雀好きVtuber・夜桜たまに朝倉プロが麻雀の戦術を解説するという内容で、麻雀のルールを覚えた上で、さらに麻雀が強くなりたい初心者に向けた本です。
「夢をかなえる麻雀ノート」は、著者である最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する神尾亮プロの対局時の選択を自身で振り返り、それに対してトッププロである朝倉プロがアドバイスをする、という内容の戦術本です。
ネット麻雀界のカリスマ・朝倉康心プロの経歴
ゲーム好きの少年が麻雀にはまる
朝倉康心プロは、兄ゆうせー氏の他に妹がおり三人兄妹の次男で、福井県小浜市に生まれました。子供のころからゆうせー氏とよくテレビゲームで遊び、最初にやったゲームはマリオブラザーズだったそうです。
ゆうせー氏は、京都大学法学部に現役で合格しており、中学校、高校と勉強漬けの毎日が始まりましたが、お兄さんとは対照的に、朝倉プロは、中学では卓球部、高校ではテニス部に入ったものの、一番熱中していたのは、やはりゲームでした。高校時代からはよりゲームにはまり、携帯アプリゲーム「とことんなぞぷよ」では全国1位だった時もあったそうです。また特に熱中していたのはシューティングゲーム「東方シリーズ」で、高校から大学にかけて、寝る間も惜しんでハイスコアの更新を目指す日々を過ごしていました。
麻雀に出会ったのは中学時代に、漫画「哲也 雀聖と呼ばれた男」を読んだことがきっかけでした、その時はルールを知った程度で、実際に牌にさわるのは大学に進学してからでした。
大学は親元を離れ、東京農工大学農学部に進学。大学4年生になった時に友人に誘われて実際に麻雀を打つようになり、やはり、元々ゲーマーだった朝倉プロは、麻雀にはまっていき、さらに強くなろうと努力を重ね、雀荘で働くようにもなります。そして、麻雀の練習法を模索しているうちに、ネット麻雀の中でも「天鳳」の鳳凰卓がレベルが高いという噂を聞いて始めると、すぐにのめり込み、あの伝説の"ASAPIN"が誕生します。
朝倉プロは、一般卓、上級卓、特上卓、そして最上卓である"鳳凰卓"に到達すると、それで満足して惰性で打つような感覚になり、しばらく、天鳳から離れるようになります。
その一年後、鳳凰卓には今まで東風戦の卓しかありませんでしたが、東南戦の卓が出来ており、東南戦だったら自分も十段になれるかもしれない、と天鳳を再開、そして、そのさらに一年後、4899戦の対局を経て、2011年2月4日、朝倉プロが25歳の時に初代鳳凰位に到達します。
初代天鳳位としてアマチュアながらも大活躍
大学4年生で麻雀にはまっていった朝倉プロは、4年間留年してしまい、大学に8年間在籍することになりましたが、2012年に無事卒業します。
初代天鳳位になった朝倉プロは、すぐに麻雀プロにはなりませんでしたが、すでに麻雀界では有名人となっていました。麻雀プロと天鳳高段位者が天鳳を通して戦うリーグ戦「天鳳名人戦」、2011年に行われた第一回大会に初代天鳳位である朝倉プロも参加します。後にMリーグでチームメイトとなる小林剛プロと石橋伸洋プロも参加しており、小林剛プロは第一期、第二期と連覇を果たし、石橋プロが第三期優勝を果たします。
そして、2014年から2015年にかけて行われた第四期鳳凰位名人戦で、朝倉プロは優勝を果たし、実質的な初タイトルを獲得します。プロ側には第一期、二期優勝者小林プロや第三期優勝者石橋プロはもちろん、現在もMリーグでも活躍している、多井隆晴プロや渋川難波プロなどが参加、また、この大会から後に本名の渡辺太として麻雀プロになり、Mリーガーとなった五代目天鳳位"太くないお"も参加していました。
2016年に行われた、連盟トッププロ5名vs天鳳位5名が、天鳳ルールでリアル対局で戦うリーグ戦"天鳳位vs.連盟プロ 1st season"で優勝します。連盟プロには、最高峰タイトル"鳳凰位"を獲得したことがある瀬戸熊直樹プロ、勝又健志プロ、前田直哉プロ、藤崎智プロ、そしてこの時点では天鳳位を獲得していませんでしたが、後に三度獲得する佐々木寿人プロといった、連盟のトッププロたちを破っての優勝でした。
また、2016年10月1日には、トトリ先生19歳のハンドルネームで第十一代天鳳位となり、4人打ちでは史上初となる二度目の天鳳位到達の快挙を果たします。
2017年、abemaTVで放送される"麻雀駅伝2017"に、藤田晋社長、漫画家・片山まさゆき先生、将棋棋士・鈴木大介氏(現在は麻雀プロ)、俳優・萩原聖人氏(現在は麻雀プロ)、お笑い芸人・じゃい氏といったメンバーと共に、アマチュアチームの一員として参加し、優勝します。朝倉プロは3rd STAGEの三人麻雀に出場し、区間賞を区間賞を取る活躍で、優勝に貢献しました。
アマチュアながらも、2014年に2冊、2016年に1冊、麻雀戦術本を出版し、ネット麻雀代表として数々の放送対局にも出演しタイトルも獲得、雀荘やイベントにもゲストとして呼ばれることもあり、アマチュアながらも、麻雀プロと遜色のない活動を行っていました。
アマチュアでできる事をやるつくし、麻雀プロへ
2018年3月2日、朝倉プロは最高位戦日本プロ麻雀協会に入会し、満を持して麻雀プロとなります。当時、最高位戦にはA2リーグがなく、上から二番目のランクとなる、B1リーグからデビューという特別入会でした。現在では、ネット麻雀を含め今までの実績を考慮して特別入会するケースはありますが、この時はまだ異例の待遇であり、それを快く思わなかったプロもいたそうですが、時間が経つにつれ、受け入れられるようになっていたそうです。
プロになってからも朝倉プロは結果を残し、6月30日には麻雀最強戦2018"男子プレミアトーナメント 天鳳ニューパワー"で優勝。8月5日には、前年はアマチュアチームから出場していた"麻雀駅伝2018"に最高位戦チームに所属し、優勝し、朝倉プロ個人は二連覇となります。
そして8月7日、Mリーグドラフト会議が行われ、U-NEXT Piratesから2巡目指名を受け、初代Mリーガーとなります。
また2018年は、初参加となった最高位戦のリーグ戦も絶好調で、B1リーグを首位で終え、一年でトップリーグであるAリーグに昇格を決めます。
Mリーグ1年目である2018-19シーズンの成績は、178.8ポイントで21人中4位と好成績を残します。2019年も朝倉プロの好調は続き、第八期天鳳名人戦でチームメイトである、小林剛プロや石橋プロを破り、自身2度目の優勝を決めます。そして、6月9日には結婚を発表し、充実した一年となります。
Mリーグ2年目の2019-20シーズン、U-NEXT Piratesは優勝、朝倉プロはレギュラーシーズン-143.4ポイントと成績を落としましたが、ファイナルでは85.4ポイントと調子を戻し、チームに貢献しました。
2021年5月に第一子誕生。その時期はコロナ禍で、妊婦に与える影響についてもはっきりとわからないということもあり、奥さんと相談したうえで、この年の最高位戦のリーグ戦は休場することに。麻雀に専念できない時間が増えたことが影響したのかMリーグ2020-21シーズンは、個人成績-294.0ポイント、30人中29位という厳しい結果に。
そして、2021-22シーズン、個人成績はプラスに持ち直し68.8ポイントを記録、最高スコアも102,400点で32人中2位という好成績を残しましたが、チームは二年連続でファイナル進出を逃し、当時の選手交代のレギュレーションの対象となり、シーズン終了後に契約終了となります。
2023年の最高位戦のリーグ戦ではA2リーグに降級、入会して以来初の降級を経験します。そして、その降級が決まった後のYouTubeチャンネルの配信で、離婚を発表しました。
プライベートも含め少し辛い状況が続いているように見える朝倉プロですが、Mリーグでは解説者として出演し、YouTube配信も積極的に行い、2024年の最高位戦A2リーグでは残留するなど、麻雀プロとして多方面で活躍し続けています。
Mリーグレギュラーシーズン成績
シーズン | 個人 スコア | 平均 打点 | 4着 回避率 | 最高 スコア | 半荘数 |
---|---|---|---|---|---|
2021 | 68.8 | 6,234 | 0.6957 | 102,400 | 23 |
2020 | -294.0 | 5,438 | 0.6842 | 45,500 | 19 |
2019 | -143.4 | 5,311 | 0.7500 | 51,300 | 28 |
2018 | 178.8 | 7,048 | 0.82 | 56,300 | 28 |
獲得タイトル
- 第4、8期天鳳名人位
- 第4期天鳳名人位
- 天鳳位vs連盟プロ 1st season 優勝
朝倉康心プロの対局動画
麻雀最強戦2018、ライバルたちを相手に勝利
朝倉プロになってから出場した、麻雀最強戦2018"男子プレミアトーナメント 天鳳ニューパワー"、天鳳最高十段のプロ・木原浩一プロ、兄ゆうせー氏、二代目天鳳位・山田独歩プロ(この時点ではプロ入り前)と、ネット麻雀界ではお馴染みのメンツを相手に戦い、見事勝利を掴みます。
滅多に出ない役満・大四喜
麻雀最強戦2020"最強の麻雀戦術本プロ決戦"の予選B卓、Mリーガー対決となったこの試合の東1局、朝倉プロは滅多に見られない役満・大四喜をアガります。コロナ禍ということもあり、マスクで表情は半分見えませんが、アガった時の朝倉プロの手は震えており、放銃となった松本プロの信じられないという目つきで二人の感情が伝わってきます。
麻雀駅伝2018、思い出に残っている一局
最高位戦チームの優勝となった麻雀駅伝2018、朝倉プロが出場した三人麻雀から思い出に残っている一局を日向プロと最高位戦のチームメイトたちで振り返る動画。朝倉プロはサンマならではの戦略で、無理に打点を追わず、アガりを重視する選択を取り、見事この局を制することに成功しました。
朝倉プロの真骨頂と言える一局
Mリーグ2018-19レギュラーシーズン、2月12日に行われた第1試合の南4局、一度テンパイを取りますが、ここでリーチを打たず、テンパイを崩し回り道をします。この冷静な判断が功を奏し、より有利な形でテンパイを取り、リーチを宣言し見事4,000オールのアガり。解説の土田プロも大絶賛の一局となりました。
Mリーグファイナルの舞台で大三元
Mリーグ2019-20ファイナルシリーズ三日目となる6月18日に行われた第1試合、朝倉プロの親で迎えた南1局。なんと朝倉プロの配牌は、白、發、中が対子、そして一巡目に發を鳴き、一気に大三元に現実味が帯びてきます。早めに大三元テンパイを取りますが、なかなかアガることが出来ずに試合が進んでいき、ツモ巡も残りわずか、というところで奇跡が起こります。
絶好調朝倉プロの親の倍満
Mリーグ2021-22レギュラーシーズン、12月7日に行われた第2試合、前回の登板では10万点越えの大勝利を掴んだ朝倉プロ、その勢いのまま、この試合の東1局から大きなアガりを決めます。この試合もトップを取り、個人三連勝となります。結果的にMリーグラストシーズンとなってしまいましたが、朝倉プロの成績は決して悪い物ではありませんでした。
まとめ
朝倉康心プロは、アマチュア時代から初代鳳凰位としてプロを相手にした放送対局に出場したり、戦術本を出版したりと、ASAPINとして大活躍でした。Mリーグ初年度にドラフト指名を受け、21人しかいない初代Mリーガーとして活躍、残念ながら2022年にパイレーツを去ることになりましたが、ファンの記憶に残る、数々の名場面を見せてくれました。Mリーグを去った後も、最高位戦のリーグ戦や麻雀最強戦などで活躍し、YouTube配信にも力を入れており、Mリーグでは解説者として麻雀界を盛り上げています。ネット麻雀界のカリスマの今後の活躍に、多くの麻雀ファンが期待しています。
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