【小林剛】オカルトと戦い続けてきた麻雀サイボーグ

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【小林剛】オカルトと戦い続けてきた麻雀サイボーグ

小林剛プロは、麻将連合-μ-に所属し、"麻雀サイボーグ"や"ロボ"と呼ばれ、麻雀のオカルト的要素を否定し、確率や数字を重視するデジタル派雀士の代表格といった存在の麻雀プロです。MリーグではU-NEXT Piratesに所属し、船長としてチームを牽引し、チームを二度の優勝を導きました。麻雀界のスーパーロボ、小林剛プロについてご紹介します。

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“麻雀サイボーグ”小林剛プロについて

プロフィール

  • 名前:小林 剛(こばやし ごう)
  • 生年月日:1976年2月12日
  • 出身:東京都八王子市
  • 学歴:東京理科大学理学部数学科中退
  • 血液型:AB型
  • 好きな物:カラオケ、甘い物
  • 所属団体:麻将連合-μ-
  • Mリーグチーム:U-NEXT Pirates
  • X(旧Twitter):@supatechi
  • YouTubeチャンネル:こばごーちゃんねる

小林剛プロといえば、麻雀においてオカルト的な考えを否定し、確率を重視するデジタル派の代表格であるため、その雀風から"麻雀サイボーグ"の通り名を持っており、ファンや関係者からも"ロボ""こばごー"という愛称で呼ばれています。

Mリーグでは、初年度にU-NEXT Piratesからドラフト1巡目指名を受け入団、チームのキャプテン的存在になったため"船長"と呼ばれるようになりました。2021-22シーズン終了後、二年連続セミファイナル進出を逃したパイレーツは、Mリーグの強制選手入れ替えのレギュレーションにより、朝倉康心プロと石橋伸洋プロが退団、これにより、初年度から所属しているのは小林剛プロのみとなりました。

対局中の所作の美しさには定評があり、放送対局においても、視聴者にわかりやすい動作を心掛けています。そのため、Mリーグにおいても、所作についてはチームメイトには直接注意しており、決められた所作を出来ていない選手やチームについて、審判に注意することもあるそうです。また、遅すぎる打牌についても、「1秒無駄な動作をして1万人が見ていたら、日本国内で1万秒が失われることになる」という名言を残しています。(【麻雀遊戯CAFE】麻雀界に物申して[ゲスト:小林剛])

2014年に行われた第四期天鳳名人戦第一節、小林剛プロは4半荘4ラスという結果となり、この日のTwitterで(゜ー゜)の顔文字をつぶやき、この顔文字は"よんらすくん"と名付けられ、麻雀ファンにとってはお馴染みのものになりました。

よんらすくんは、Tシャツになり、色の種類が黒しかなかったのですが、浅見真紀プロの要望により、赤色のTシャツも作られました。また、この第四期天鳳名人戦は、当時アマチュアでネット麻雀の強者として有名だった渡辺太プロと初めてあった大会でもあります。

天鳳名人戦では、"ずるごー"という流行語も生まれており、これは、小林剛プロに裏ドラが乗ったり、好配牌が来た時など、小林剛プロにとって良い展開が来た時に使われる言葉で、今でも麻雀ファンの間で使われており、すっかり定着した言葉となりました。

2024年現在、Mリーガーの中では、唯一の麻雀連合所属の選手であり、麻雀連合を代表するプロですが、1996年、20歳の時に最高位戦日本プロ麻雀協会に所属したのが麻雀プロとしてのキャリアのスタートでした。1997年に麻雀連合が結成され、小林剛プロは麻雀連合へ移籍しました。

あまり接点がないように思われる日本プロ麻雀連盟所属で同団体の広報活動も行っている黒木真生プロは、小林剛プロが18歳の頃働いていた雀荘の常連客で、その頃からの友人であり、今も交流があるそうです。

麻雀界一歌が上手

常に冷静沈着、感情に流されることなく、確率を追求する、麻雀サイボーグ・小林剛プロですが、麻雀界一歌が上手いと言っても過言ではないほど、歌が上手。YouTubeや麻雀番組でもその美声を披露し、歌が上手い麻雀プロとデュエットすることも多いです。

「レイニーブルー」with東城りおプロ

徳永英明さんの名曲レイニーブルーを日本プロ麻雀連盟所属で元セガサミーフェニックスの東城りおプロと、東城プロと魚谷プロのYouTubeチャンネル「りおみんちゃんねる」の中でデュエット。東城プロも歌が上手い麻雀プロとして有名で、2023年よりバンド"Drawing"でボーカルを務めています。

「レイニーブルー」ソロver.

2019年6月30日に六本木のハードロックカフェで開催された赤坂ドリブンズのディナーショーに小林剛プロも出演、レイニーブルーを披露しました。

「ハナミズキ」with小林未沙さん

赤坂ドリブンズのディナーショーでは、Mリーグ実況でお馴染みの小林未沙さんと共に、ダブル小林で一青窈さんのハナミズキもデュエットしました。

「ハナミズキ」with丸山奏子プロ

最高位戦日本プロ麻雀協会所属で元赤坂ドリブンズ、まるこの愛称でお馴染みの丸山奏子プロとも、丸山プロのYouTubeチャンネル「もぐもぐまるこ」の中で、ハナミズキをデュエットしています。

「さよなら」

オフコースの名曲「さよなら」を自身のYouTubeチャンネルで披露、小林剛プロの声が、小田和正さんの声と合っていて素晴らしいです。

デジタル派

小林剛プロの雀風といえば、局と局の間に因果関係はなく、麻雀における"流れ"を否定し、アガるための効率を重視し、遠い鳴きの仕掛けを多用する、いわゆるデジタル派と呼ばれる雀風です。「ランダムに混ざっている麻雀牌が、どうして"ツキ"や"流れ"に支配されるという考えを持つのか不思議に思う」と語り、ついていたかどうかは、あくまで過去の偶然を評価している言葉であって、将来を決める指針にはならないという考えを持っています。(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2018_05/p20-25.pdfより)

2000年代初頭、麻雀雑誌上で小林剛プロ、鈴木たろうプロ、村上淳プロの三人で「オカルトバスターズ」というユニットが結成されました。今となっては、三人とも麻雀界を代表する凄腕雀士ですが、当時は実績少ない若手プロ、その三人が「オカルトバスターズ」として麻雀の世界で太古の昔から語り継がれている「流れ」を真っ向から否定する活動をしていました。

今となっては、流れ論を否定するデジタル論という考えが普及していますが、小林剛プロはデジタルという言葉が生まれるか生まれないかという時代から、オカルト的な流れを否定し、長年活躍し続けてきました。

著書「デジタル麻雀の達人」の小林剛プロのプロフィールには、"好きな牌は?-「そんなものはない」"と書かれていたり、まだ小林剛プロが18歳の時、小林剛プロが打っていた席に、黒木真生プロが入ることになり、調子が良いかどうかという意味で「席、温まっている?」と聞いたら、「流れ的な意味で言われているとしたら、僕はわかりません、としか答えられません」とひきつった笑顔で応えたり(麻雀プロMリーグ名鑑より)、卓を離れていても、そして若い時から、小林剛プロらしい麻雀サイボーグな性格のようです。

時々、"スーパーデジタル"と称されることがありますが、小林剛プロはあまりその言葉を気に入っておらず、2016年に竹書房から出版された著書「スーパーデジタル麻雀」のタイトルについて、小林剛プロから「スーパーデジタルって何だ?そんなあやふやなものをタイトルにしていいのか?」と否定的で、本の中でも"はじめに"でタイトルについて否定的な意見を述べています。(小林剛の本はなぜ売れるのか?より)

Mリーグの放送で、"風"について多く言及する、オカルト的な実況でお馴染みの日吉辰哉プロを相手に小林剛プロが解説で入ったことがあり、全く別の考えの二人の掛け合いがとても面白く話題となりました。

雀鬼・桜井章一と対談

近代麻雀2015年10月15日号に、雀鬼・桜井章一氏との対談が掲載されました。現代的な麻雀論を持つ小林剛プロに対し、桜井章一氏は、20年間無敗と呼ばれる伝説の裏プロと呼ばれ、流れやツキを読んで麻雀を打つ、麻雀に対する考え方も、麻雀界における立ち位置も、小林剛プロとは対極の存在であるため、この対談に多くの麻雀ファンは驚きました、

この企画を提案したのは、意外にも桜井章一氏からで、当時近代麻雀でコラムを連載しており、その関係で編集部から送られる雑誌についてくるDVDで、小林剛プロの麻雀を見て、興味を持ち、この対談が成立したようです。

小林剛プロは、麻雀の流れについてこの対談の中でこう表現しています。「麻雀牌はすでに積み込まれているものなので、どんな偶然が起こるかわからない。なので、今の手牌で最善を選ぶ、前の局に何があったは考えない」

それに対し、桜井章一氏は、小林剛プロの対局を見ていて、こうやったら悪くなるだろうな、と思うと、その通り悪くなっていたと話します。「麻雀はツモって切る動作を入れる、そこで動きはある。動くってことは流れてなきゃ動かない」といった言葉を使って麻雀と流れの関係を表現しています。

小林剛プロは麻雀における流れ自体を否定することなく、読めるものではないから気にしない、といった立場です。桜井章一氏は、その普通の人ではわからない流れを知る研究をしてきた人物なのだと思います。二人の麻雀観は全く異なるもので、噛み合わないですが、お互いの麻雀論を否定することなく、しかし、変に肯定するわけでもなく、お互いの意見をぶつけあう実に有意義な対談でした。

小林剛プロは、二階堂姉妹のYouTubeチャンネルで100の質問に答えるという企画の中で、緊張した経験として、桜井章一氏との対談をあげていており、ロボと呼ばれる小林剛プロですが、さすがに雀鬼プロの前では緊張したようです。

著書

  • デジタル麻雀の達人 ※鈴木たろうプロ、村上淳プロと共著(2008年2月5日、毎日コミュニケーションズ)
  • スーパーデジタル麻雀(2016年5月23日、竹書房)
  • 麻雀技術の教科書 効率的なアガリ方 ※井出洋介プロと共著(2016年11月25日、池田書店)
  • 麻雀技術 守備の教科書 振り込まない打ち方 ※井出洋介プロと共著(2019年11月12日、池田書店)
  • 麻雀技術の教科書 何切るドリル ※井出洋介プロと共著(2021年6月25日、池田書店)
  • なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考(2021年10月8日、飛鳥新社)
  • 海賊の麻雀 勝率を上げる技術と思考 ※瑞原明奈プロ、鈴木優プロ、仲林圭プロと共著 (2023年6月13日、池田書店)
  • マンガでわかる小林剛の麻雀必勝法 1 ※漫画:谷和也(2023年10月25日、竹書房)
  • 常識を疑え!小林剛の麻雀新セオリー(2024年5月7日、竹書房)
  • アガリ率5%アップ何切る ※小林剛プロ監修、著:竹内隆之(2020年3月12日、竹書房)
  • コバゴー式 麻雀早覚え点数計算マスタードリル ※小林剛プロ監修(2022年4月13日、ART NEXT)
  • コバゴー式 麻雀1週間でマスター!短期集中スタートアップドリル ※小林剛プロ監修(2023年4月26日、ART NEXT)

「デジタル麻雀の達人」は、鈴木たろうプロ、村上淳プロ、そして小林剛プロを含めた、当時新進気鋭の麻雀プロだったオカルトバスターズの三人の共著で発売された戦略本であり、オカルト的戦略が一般的だった時代において、斬新な本でした。2016年に発売された、「スーパーデジタル麻雀」は、小林剛プロ単独の初めての戦略本となります。

麻将連合の創設者である井出洋介プロと共著で、初心者に向けた麻雀戦略本となる"麻雀技術の教科書"シリーズが三冊発売されています。またパイレーツのチームメイトである瑞原明奈プロ、鈴木優プロ、仲林圭プロとの共著で「海賊の麻雀 勝率を上げる技術と思考」も発売されています。この本は、Mリーグ2022-23レギュラーシーズンの実戦譜を元に選手たちが戦術を解説しており、また、4人の座談会や小林剛プロのインタビューも収録されており、パイレーツのファンブックとしても楽しめる一冊となっています。

戦術本だけでなく、小林剛プロのメンタル面にフォーカスした「なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考」という本も発売されています。

「コバゴー式 麻雀早覚え点数計算マスタードリル」は、初心者向けに点数計算を覚えるための問題が掲載されているドリルとなっており、最高位戦日本プロ麻雀協会所属の大平亜季プロが、小林剛プロをロボットにデフォルメしたキャラクター"コバロボくん"が誕生し、人気を呼びました。このキャラクターはよんらすくんの(゜ー゜)を元に作られたそうです。

パイレーツの頼れる船長コバゴーの経歴

子供のころからデジタル思考

小林剛プロは、子供の時から算数が得意な子供で、小学校5年生の時に、熱血漢な先生から情熱がないと怒られることもあり、麻雀サイボーグと呼ばれる小林剛プロの片鱗がありました。子供の頃はプロレスブームということもあり、中学校の時には柔道部に所属、やはり小林剛プロらしく、柔よく剛を制する戦術だったそうです。

高校に進学しても柔道部に所属します。小林剛プロは今も、胸板が厚い体型をしていますが、これは中高と柔道をやっていたことが影響しているのかもしれません。高校に入ると麻雀と出会い、休み時間や放課後も麻雀に熱中するようになり、次第に柔道よりも麻雀にのめりこみ、卒業するころには、友達の中で一番強くなっていました。もうこの頃には、ツキがなかったと口にする友人を冷めた目で見ていたそうです。麻雀を始めたばかりの頃から、小林剛プロの麻雀観は変わっていないようです。

数学が得意な所を活かし、東京理科大学理学部数学科に進学。しかし、大学に行くよりも、雀荘に行くようになり、雀荘で働くようになります。その店は、最高位戦日本プロ麻雀協会のAリーグの対局会場となっており、それを見て競技麻雀に興味を持つようになり、アマチュアも出場することができる、最高位戦が開催する"發王戦"や日本プロ麻雀連盟が開催する"王位戦"などに出場しました。

当時の最高位戦日本プロ麻雀協会は1年間"奨励会"に入る必要があり、小林剛プロは19歳の時に奨励会に入会し、1年後、1996年20歳の時に、プロテストを合格し、に最高位戦日本プロ麻雀協会の21期生として麻雀プロになりました。

麻将連合に移籍、団体の看板に成長

麻雀プロになったばかりだった小林剛プロですが、この時、代表を務めていた井出洋介プロが最高位戦を脱退し、新団体"麻将連合"を設立します。現麻将連合代表である忍田幸夫プロなどと共に小林剛プロも麻将連合に移籍します。移籍について小林剛プロは、「20歳の若造だったんで、正直よくわからないままついていった感じでした」と語っています。(小林剛の打数換算「Mリーグは一打1000円」 Mリーガー列伝(30)より)

23歳の時、各団体の若手に声が掛けられ現在はモンド杯の名前で開催されている"麻雀デラックス 電影大王位決定戦"の予選に出場、見事その予選を勝ち残り、初めてテレビ対局に出演します。この時、男性プロとして勝ち残ったのは、小林剛プロと現在はMリーグ審判員として知られている梶本琢程プロ、そして女性プロは当時18歳だった二階堂亜樹プロでした。

2003年、小林剛プロは麻将連合のプロ認定を受けます。(※麻将連合は入会後、一定の条件を満たすと、プロとして認定されます)。そして、竹書房が主催している若手プロを対象に面接、学科、実戦を行い、麻雀の実力と知識を元に与えられる賞である"第3回野口恭一郎賞"を受賞し、初タイトルを獲得、麻雀プロとして大きな飛躍となる一年になりました。

2005年、麻将連合のリーグ戦を制覇し、初めて最高峰タイトル"将王"を獲得します。小林剛プロは、第3期(2005年)、第7期(2009年)、第9期(2011年)、第19期(2021年)と、これまで4度将王を獲得しています。

麻雀団体間の交流が活発になり、インターネットの普及もあり麻雀番組が多く制作されるようになり、将王を獲得した小林剛プロは、麻将連合の看板選手として出場するようになっていきます。

2011年、ネット麻雀"天鳳"の高段位者のアマチュアと麻雀プロが参加するリーグ戦"第一回天鳳名人戦"が行われます。この大会では、後のMリーグでチームメイトとなる当時最高位だった石橋伸洋プロ、ASAPINのハンドネームで天鳳の頂点である天鳳位を獲得したアマチュア時代の朝倉康心プロも参加していました。小林剛プロは第一回大会で優勝、そして翌年行われた第二回大会も優勝し、天鳳名人戦連覇を達成します。

2014年、麻雀最強戦2014"新鋭代表決定戦"で勝ち残り、ファイナルに進出、小林剛プロは3位という結果になりますが、この時優勝したのはサイバーエージェント代表・藤田晋氏でした。これが縁で藤田社長との交流が生まれ、藤田社長中心として開催されたリーグ戦などにも呼ばれるようになります。2016年から2018年まで開催された、ABEMAで放送され、出場した多くの選手が後のMリーガーとなった"RTDリーグ"にも初年度から出場しました。

Mリーグが始まり、船長に

2018年、Mリーグが発足し、8月7日に行われたドラフト会議にて、小林剛プロはU-NEXT Piratesからドラフト1巡目指名を受け、初代Mリーガーとなります。U-NEXTがオーナー企業であるため、デジタル思考のプロが選ばれ、麻雀サイボーグの異名を持つデジタル派の代表格、小林剛プロがチームの顔となる1巡目指名に選ばれました。2巡目にはネット麻雀天鳳出身の朝倉康心プロ、3巡目には黒いデジタルの通り名を持つ石橋伸洋プロが選ばれ、小林剛プロとも縁のある選手がチームメイトになりました。

初年度は、-115.6ポイントを記録し、チームも5位とMリーグの舞台で苦戦する部分も目立ちますが、その一方で、同じ年のRTDリーグでは優勝を果たし、小林剛プロの強さを証明します。

そして、瑞原明奈プロが加入し、Mリーグ2年目となる2019-20シーズンのレギュラーシーズン、小林剛プロ以外は大きなマイナスを背負いチームは厳しい戦いを強いられますが、小林剛プロは211ポイントの大活躍、僅差でセミファイナルに進出します。セミファイナル、ファイナルとチーム全体で調子を上げていき、U-NEXT piratesは見事初優勝を果たします。

2020-21シーズンは、小林剛プロは個人スコア3位、4着回避率1位の大活躍でしたが、チームは最下位という結果に終わりました。2021-22シーズンも、小林剛プロは好調を維持しますが、チームは二年連続セミファイナルを逃し、Mリーグの選手交代のレギュレーションの対象になり、朝倉康心プロと石橋伸洋プロが退団になってしまいます。そして、翌2022-23シーズンより、鈴木優プロと仲林圭プロが加入し新体制となります。

新体制となり2年目にあたる2023-24シーズン、小林剛プロはレギュラーシーズン-195ポイントと大不振に陥りますが、チーメイト三名は絶好調で、圧倒的強さでセミファイナルに進出、そしてセミファイナルも好調を維持し、ファイナルでは小林剛プロも復活し、トップ2回、2着1回、3着1回で126.6ポイントの大活躍、初となるレギュラーシーズン、セミファイナルを首位で突破する完全優勝を果たし、そして、またこれも初となる二度目の優勝を果たしました。

そのオフシーズンに行われた、Mリーガーと各団体の推薦選手が出場する"Mトーナメント"では、小林剛プロが優勝、パイレーツの圧倒的な強さを象徴する勝利となりました。

Mリーグレギュラーシーズン成績

Mリーグ成績
シーズン個人
スコア
平均
打点
4着
回避率
最高
スコア
半荘数
2023-195pt5,6940.63646470022
2022-129.1pt5,6940.73916720023
2021154.1pt6,1040.82765420029
2020337.5pt5,8560.96775930031
2019211pt5,5700.93336410030
2018-115.6pt6,7100.81484800027

獲得タイトル

  • 第3期、第7期、第9期、第19期将王
  • 第1期、第2期天鳳名人位
  • 第3回野口恭一郎賞
  • Mリーグ2020-21 4着回避率トップ
  • RTDリーグ2018
  • Mトーナメント2024

小林剛プロの対局動画

テレビ対局デビュー当時の小林剛プロ

2000年から2001年にモンドTVで放送された、モンド杯の前身となる番組"電影大王位決定戦"に小林剛プロが出演、これが映像対局デビューとなりました。今でも活躍している麻雀プロや今は亡くなってしまった方たちの若き日の姿を見ることが出来ます。変わった部分と変わらない部分があり、そういった見方をしても面白い動画です。

パイレーツ、2度の優勝

Mリーグ二年目となる、Mリーグ2019-20シーズン、2チーム目のチャンピオンとなったのはU-NEXT Piratesでした。最終試合に登板したのは、船長・小林剛プロ、この試合を勝利で終え、優勝を手にします。流石のロボも、優勝が決まった後には、表情が和らぎました。

2019-20シーズン優勝直後のインタビュー、小林剛プロはいつものように淡々としていますが、いつも以上に嬉しそうな表情です。

新体制となり、史上初となる2度目の優勝を掴んだ2023-24シーズン、小林剛プロは表彰式で、元チームメイト石橋プロと朝倉プロの二人について触れ、多くのファンの感動を呼びました。

するごーと言いたくなる一局

2022年から23年に放送された第23回モンド杯、予選第9戦の東2局1本場、小林剛プロは配牌時点でドラが暗刻、さらに發をカンすると、さらにドラが乗り、ドラ7の大物手に。安くて速い手を仕上げるのが持ち味で、流れや運を否定する小林剛プロ、この幸運はずるいです。

役満・国士無双

最高位戦日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀協会、RMU、麻将連合の4団体対抗戦"四神降臨2022王座決定戦"の一戦、小林剛プロは配牌で九種九牌で国士無双のチャンス。なかなか手が進みませんが、終盤まで粘り、国士無双をアガります。早アガりを目指す小林剛プロには珍しい国士無双のシーンです。

船長・小林剛プロの大仕事

Mリーグ2021-22セミファイナル、4月7日に行われた第1試合で石橋プロが4着となり、第2試合の結果次第ではファイナル進出が厳しくなってしまうところで、小林剛プロが登板します。南3局2本場、小林剛プロが300点差と僅差でトップとなり、オーラスでは小林剛プロらしい、早い仕掛けでアガり、最終日に望みをつなげるトップを取りました。会場を去る時のクールな笑顔に注目です。

浅香唯にダブル役満を放銃するコバゴー

2022年に日本プロ麻雀協会所属の麻雀プロとなった、タレントの浅香唯さんが自身のYouTubeチャンネル内で、浅香唯さんが麻雀プロを目指すために、多井隆晴プロ、小林剛プロ、綱川隆晃プロと対局するという企画が行われましたが、東1局に、小林剛プロが浅香唯さんに"小四喜+字一色"のダブル役満を放銃するという信じられない大事件が起きました。さすがの小林剛プロもダブル役満の放銃は人生初のことだったようです。

まとめ

小林剛プロは、常に冷静で流れやオカルト的な考えを否定する雀風から、ロボや麻雀サイボーグと呼ばれていますが、仲間想いな所もあり、淡々としていますがそれでも感情がこもっている場面もあり、そんな、時々垣間見れる人間らしい部分が、小林剛プロの人気の秘訣かもしれません。麻将連合の最高峰タイトルを4度獲得し、Mリーグでも二度の優勝を経験、長い麻雀プロのキャリアの中で多くの栄光を手にしてきた小林剛プロですが、これからも麻将連合の看板選手として麻雀界を盛り上げてくれるでしょう。

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