ガン牌は芸術的イカサマ 麻雀の不正行為
- ガン牌
- ガン牌とはなんぞや?
- ガン牌は牌にあり!
- 2-1. 牌の材質
- 2-2. 全自動麻雀卓の登場
- 麻雀におけるその他の不正行為
- まとめ
かの毛沢東は「麻雀は中国人民の三大遺産の一つである」と言った---- その麻雀にさまざまな不正行為やイカサマが存在しています。、ガン牌(ガンパイ)もそのうちのひとつです。とある漫画や小説にこの「ガン牌」を得意とする人物が出てくるので、名前だけでも聞いたことがある人も多いかもしれません。
名前から察するに、牌をどうにかするような不正行為だと想像できます。ではどんな方法なのか?思い通りの牌をツモれるようにするのか?(そんなことが出来たのならば100%勝っちゃいますね)相手にいらない牌がいくようになるのか?それとも牌が消える?
不正行為自体はとても許されるものではありませんが、一方でその不正行為自体には職人的な魅力を感じざるを得ません。ガン牌も不正行為なのでまっとうな人は真似してはいけませんよ。と、言っても誰でも出来ることではないのでご安心ください。
それではガン牌を詳しく見ていきましょう。
ガン牌
ガン牌とはなんぞや?
ガン牌とはなんでしょうか。ガン牌のガンは「眼」だと思っていましたが、まったくの間違いです。ガン牌を漢字で書くと良くわかります。
『傷牌』と書きます。そうです、眼ではなくて傷なのです。傷のことをガンと呼びます。
では、傷の牌がなぜ不正行為なのでしょうか。
ガン牌とは・・・(wikipediaより)
牌にあらかじめ印や傷(ガン)をつけることにより、どの牌か判別する手法。すり替えと併用される事が多い。かつて牌の裏が竹でできていた時代には模様の僅かな差を読み取る手法も存在した。
と、書いてあります。
麻雀が日本に伝わる以前から、麻雀牌は竹や木で出来ていることが多かったことに起因しているのでしょう。竹や木は時が立てば傷が付きやすいものです。少し割れたりひびが入ったり、木製であれば木目もはっきりみえるでしょう。その、傷を牌のしるしにして読み取るのがガン牌です。牌にマーキングするということです。簡単に言葉で説明していますが、一筋縄ではいきません。
ガン牌は傷が付いた牌自体のことも指し、同時にその傷が付いた牌を利用してイカサマする行為自体の名前でもあります。
竹牌 |
このように、背の部分が竹や木でできているので傷が付きやすいですね。経年劣化もしていき、傷もよくわかるようになります。その劣化して出来た傷や木目を覚えておいて相手が何をもっているか、何を待っているか、牌山にどんな牌があるか、すべてわかるようにすることが、すなわちガン牌です。
私は物覚えがものすごく悪いので、ガン牌自体できる人は尊敬の念すら覚えてしまいます。(もちろん不正なのでダメです)常人では到達できない何かが見えているのでしょう。萬子(マンズ/ワンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソウズ)・字牌(ツーパイ)の136枚の傷や特徴をすべて覚えることができるとすると、それはそれですごい能力ですね。
ガン牌は牌にあり!
ガン牌を一躍有名にした人物がいます。雀豪として名を馳せた色川武大の著書「麻雀放浪記」や「ドサ健ばくち地獄」を再構成した漫画「勝負師伝説 哲也 -雀聖と呼ばれた男-」では、麻雀打ち(バイニン)がいきいきと描かれています。ガン牌はその作品のキャラクターのひとりが有名にしたといっても過言ではありません。「印南善一 (いんなみぜんいち)」その男です。
細かい内容は同作品をお読みください。ガン牌の魅力がこころ踊るように描かれています。
(彼、印南は最終的に麻薬の力を借りて、いままで誰もなしえなかったガン牌のすごみへ到達します。)
閑話休題。
ガン牌は牌の傷や木目を目印にして牌を読み取ることでした。むかーしむかしは腹は牛の骨、背の部分は竹で出来た牌が一般的でした。そこで、ガン牌の決め手ともいえる素材を見て生きたいと思います。どのような種類の牌があったのでしょうか。
2-1. 牌の材質
ガン牌を成功させるにあたってキーポイントは牌の材質です。
材質は低価格のものから超高級品までさまざまあります。
昭和に入る前までは背の部分は竹、腹の部分は牛骨で出来ているものが一般的でした。竹牌ともいいます。この竹できている背中の模様や傷でガン牌が可能となったのです。
現在一番使用されている「練り牌」 |
その他の材質
ユリア樹脂製・紙牌・真鍮・アルミニウム・ヒスイ・メノウ・純銀
などなど、古くからさまざまな材質でしたしまれてきました。もちろん、純銀やメノウ、ヒスイなんてしろものは、一般庶民には到底縁があるしろものではありません。清朝の貴族たちが優雅に遊ぶための牌でした。
ユリア樹脂牌が誕生するまでは背の部分はほとんど竹で作られていたそうです。
2-2. 全自動麻雀卓の登場
近年、全自動麻雀卓が登場して、牌も劇的に変わりました。
一番変わったところといえば牌の中に磁石や鉄板が入ったことです。全自動で行うための必需品です。牌の材質としてはユリア樹脂やポリカなどの材質が用いられるようになりました。
そのため、温度変化や乾燥によって細かいひび(ガン)が入ってしまうことがあるようです。
麻雀におけるその他の不正行為
ガン牌以外にも麻雀にはたくさんの不正行為があります。ガン牌を含むイカサマ技は、出来るようになるにはそれ相当の努力と練習が必要です。
おもなイカサマ技を簡単に説明していきます。
麻雀の不正行為 | |
すり替え | 牌山にある牌と手牌やツモした牌を入れ替える。 自分の牌を入れ替えるだけでなく、相手にロンさせる牌を取らせるようにしたり、場合によってはドラを変えてしまったりする。 |
積み込み | 手積みの場合に用いられる。 牌山に欲しい牌をつんでおくこと。その欲しい牌をすり替えや燕返しで取得する。 |
元禄・千鳥 | 牌山にある自分のツモ番の牌をあらかじめ欲しい牌に変えておくこと。 |
ぶっこ抜き | 牌山に欲しい牌を積んでおき、配牌時や理牌時に自分の手牌と入れ替える技。 |
燕返し | 自分の前の牌山にテンパイやアガりになる牌をすべて並べておき、どこかのタイミングで配牌された牌と一気に入れ替える大技。 |
爆弾 | 配牌時の手牌が有利になるように山牌にその牌を仕込んでおく。 |
通し(ローズ) | いわゆるサインプレー。隠語やジェスチャーなどを交えて仲間と意思疎通し、欲しい牌などを知らせて対局すること。 |
コンビ打ち | 2人以上のプレイヤーが手を組んで誰かを勝たせたり、そのためのアシストをしたりすること。 |
まとめ
ガン牌はもちろん不正行為であり、やってはいけない行為です。しかし、ここまで見てきたように傷や木目で牌を覚えてしまうということ自体はとても真似できない能力であることも間違いありません。前述した「印南善一」は最終的に練り牌に付く指紋でガン牌をやり遂げました。ここまでくれば芸術の域といっても言い過ぎではないでしょう。
しかし、繰り返しになりますが、ガン牌自体は不正行為なので不正行為を見逃さない、という観点で記事をごらんいただけたら幸いです。麻雀において不正行為が行われないことを願って。
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
阿佐田哲也の小説「勝負師伝説 哲也 -雀聖と呼ばれた男-」
と記載されておりますが、阿佐田哲也氏にはそのようなタイトルの小説は無いと思われます。
マンガと混同されているのではないでしょうか。
もし混同されているなら、訂正されることを願います。
阿佐田哲也、色川武大の一ファンより。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>阿佐田哲也の小説「勝負師伝説 哲也 -雀聖と呼ばれた男-」
と記載されておりますが、阿佐田哲也氏にはそのようなタイトルの小説は無いと思われます。
確認をしたところ、情報に誤りがあり該当箇所を早急に修正致しました。
ご指摘いただきありがとうございます。
阿佐田哲也さん、色川武大さんのファンの方にとても失礼なことをしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
心よりお詫び申し上げます。
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
小学校に上がる前、プラレールを弟と分けて管理してたのだが、親がマジックで書いた名前が消えても、わずかな特徴で全てどっちの持ち分か把握していて遊んだあとかたつけていた。
あと、こどもが産まれて家族でババ抜きしてたんだが、こどもがジョーカーを「ガン付け」したので、任意に1枚抜いて公開して(エースが抜けたらエースがジョーカー)それをジョーカー代わりにしてた。
それの延長だと、全然不思議に思わないな。