頭ハネとは!知らなきゃやばいダブロンの恐怖

頭ハネ(あたまはね)、麻雀以外では殆ど耳にしない言葉ですね。(因みに将棋にも頭ハネという言葉があります。)そのうえ、頭ハネという単語だけではいまいちピンときません。麻雀の言葉はロンやツモなど、言葉を聞いても馴染みのないものが多いですね。そんな意味不明な麻雀用語の1つが頭ハネです。滅多に登場する機会はありませんが、もしもの時に知っておかないと痛い目に遭うでしょう!そんな覚えておきたいルール、頭ハネをしっかりと理解しましょう。
頭ハネとは
複数プレイヤー同時ロンでの取り決め
頭ハネというのは、1人の捨て牌に対して、複数のプレイヤーが同時にロンをした場合に、和了者(ホーラ者=アガりプレイヤー)を1人に絞る取り決めです。
取り決め方法は以下の通りです!
ロンされた人から見ると左回りでツモ巡が一番近いプレイヤーにアガりの優先権がある。アガッたプレイヤーから見ると自分から見て左側=上家(カミチャ)に優先権があります。
上家優先
ロン対象者からツモ巡の一番近いプレイヤーというと、ロン牌を捨てたプレイヤー(放銃者)から見て左回り(反時計回り)=ツモ巡通りの順番でアガりの優先権があります。
例えば、2人が同時にロンをした場合、アガッたプレイヤー2人から見て上家(カミチャ)にいるプレイヤーにロンの優先権があるため、上家取りという言い方をする時もあります。
- ロンされたプレイヤー(二萬を出したプレイヤー)から見ると下家(シモチャ)にアガり優先権
- ロンしたアガりプレイヤーからみると上家(カミチャ)にアガり優先権
頭ハネというルールは、複数プレイヤーのロンが発生した場合、2人ないし3人同時のアガりを認めず、アガれるのは1人だけとし、放銃者から見て上家に優先権があるという取り決めの事です。
覚えておきたい基本知識 -ロンとツモ-
麻雀でアガるには、ロンアガりとツモアガりという2種類の方法があります。
ロンとは
ロンというのは、自分以外のプレイヤー(他家:ターチャ)の捨てた牌が自分の当たり牌(=アガり牌)である場合に、ロンと宣言してアガる行為の事です。=ロンアガり
ツモとは
ツモというのは、牌山(ハイヤマ)から牌を取得する行為をツモと呼びますが、自分の当たり牌を牌山から引いてアガる行為のことです。=ツモアガり
このように、麻雀でアガるには他家の捨て牌をロンするか、牌山から自分でツモをするかの2種類の方法があります。また、役によってはちょっと変わったアガり方もあります。カン時に取得する嶺上牌(リンシャンハイ)がアガり牌だと、嶺上開花(リンシャンカイホウ)という役となります。あとは、他のプレイヤーが加槓(カカン)した際、その牌(カカンで晒された牌)でロンをすると成立する役 槍槓(チャンカン)があります。
覚えておきたい基本知識 -上家・下家・対面-
頭ハネをより理解するために、上家(カミチャ)、下家(シモチャ)、対面(トイメン)という言葉と位置関係をしっかり理解してみましょう。
自分から見て左側を上家(カミチャ)
このように、自分から見て左側のプレイヤーを上家(カミチャ)と呼びます。
自分から見て右側を下家(シモチャ)
右側のプレイヤーを下家(シモチャ)と呼びます。
自分から見て正面を対面(トイメン)
自分から見て正面のプレイヤーを対面(トイメン)と呼びます。
もし、自分の捨て牌が自分からみて上家と対面の当たり牌で2人同時にロンされた場合では、対面のアガりが優先されます。
また、自分の捨て牌が自分からみて上家と対面と下家の3人に同時ロンされた場合には、下家にアガりが優先されるわけです。
アガッた2人ないし3人から見ると常に上家側に優先権があります。
和了(ホーラ=アガり)に関する特殊ルール
- ダブロン
- 三家和(サンチャホー)=トリプルロン
頭ハネは、2人以上同時にロンが発生した場合に、アガり優先権のプレイヤーを1人に決めるルールですが、このルールが適用されない場合があります。
ダブロン
ダブロンというのは、ダブルロンという言葉の短縮形です。
- 頭ハネのルールを適用する
- 2人同時にアガりとする
頭ハネを適用すれば、2人同時のロンは認めずに、優先者の1人がアガりとなります。ダブロンあり、とする場合、頭ハネは適用されずに、2人同時のアガりを認めることになります。
先に決めておく
理想的には麻雀を始める前に、事前に2人同時にアガる場合は、ダブロンありなのか、頭ハネなのかというのを決めておいた方がいいでしょう。
もしダブロンで和了者に親が含まれる場合、「親が上家であれば連荘、下家であれば親流れ」とするか、「親が上家であるか下家であるかに関係なく連荘」とするかの2通りがあります。
頭ハネ採用が多い
基本的には頭ハネが採用されるケースの方が多く、ダブロンについてはローカルルールのような扱いを受けています。ですので、ダブロン時の連荘(レンチャン)、積み棒、リーチ棒の扱いについては、そのグループで取り決めをつくるという事になります。
積み棒、リーチ棒については、「積み棒は上家取り、リーチ棒は折半」もしくは、「両方とも上家取り」というルールが一般的に採用されています。
三家和(サンチャホー)の場合=トリプルロン発生時
3人同時ロンを三家和(サンチャホー)と言います。1人の捨て牌に対して、残りの3人がロンを宣言した状態です。トリプルロンなどとも言います。
三人同時にロンをした場合の取り決めが3通りあります。
- 途中流局とする
- 頭ハネのルールを適用する
- 3人同時にアガりとする
三家和というと、途中流局とするルールが一般的です。三家和流れ、と言います。このため、三家和ありと言う場合は「3人同時のロンは認めず途中流局とする」という意味で使われることもあります。
しかし、3人同時にアガりでも頭ハネのルールに基づいて上家のアガりを優先するケースもあります。その場合、頭ハネの取り決めに従ってアガれるのは1人のみです。
もしくは、トリプルロン、略してトリロンを採用する場合もあります。その場合には3人同時のアガりを認めます。
三家和の場合も親やリーチ棒、積み棒の扱いについてはそのグループ内で取り決めを作らないといけません。混乱がないよう事前に決めておきましょう。
頭ハネ採用状況
競技団体はダブロンを認めず
現在国内にある麻雀のプロ競技団体は7つあります。その7つの団体の全てがダブロンを認めず、アガりは1人のみと定め、頭ハネを採用しています。
オンラインでは?
麻雀のオンライゲームはどうかというと、ゲームによって違います。
例えば、麻雀オンラインゲームの最高峰「天鳳」や同じく大手の「Maru-Jan」ではダブロンありです。Flash麻雀の有名どころ「天聖」ではアガりは1人のみで頭ハネです。セガから出ている「MJ5」では基本ルールではダブロンありという条件で、プロリーグではダブロンなしです。
ゲームだとダブロンありの方が多く感じますが、絶対にダブロンありであるとは限りません。事前に細かいルールを見ておくとより麻雀を楽しめるでしょう。
アカギに出てくる頭ハネ
麻雀漫画「闘牌伝説アカギ」に頭ハネが出てくるシーンがあります。アニメでいうと第21話と第25話に登場します。麻雀漫画の中でもトップクラスの知名度を誇るアカギです。主人公アカギと敵役のワシズが透明な牌を使った特殊な麻雀で自分の血液をかけて戦うという漫画です。
21話の中で主人公アカギが敵役ワシズがロンでアガりを宣言しアカギ絶体絶命のピンチと周りがどよめく中、当の本人であるアカギ1人が冷静でいて、ニヒルにこう言います「残念、頭ハネだ」と
この場面はアカギはあえてワシズのアガりを無効にするために、安手でアガり頭ハネをします。透明な牌を使っている特殊な麻雀なので、狙い手がわかりやすいという特色もありますが、かなりの高等技術だと言えるでしょう。にしても、このシーン、カッコいいです。
25話ではワシズがドラ12の数え役満という、実にまぁ、漫画的な手をテンパイします。そして主人公アカギが捨てた牌でワシズはロンを宣言し、大喜びします。そして再び頭ハネが登場します。アカギの仲間である安岡が同じ牌でロンを宣言し、中ドラ1という安手でワシズの数え役満を頭ハネで消します。
アカギを例に出しましたが、このようなシーンが麻雀漫画あるあるの1つ、「悪いな頭ハネだ」というシーンです。
麻雀漫画や麻雀Vシネでもよく見られるシーンですが、頭ハネがわからないとよくわからないですよね。要するに、ダブロンなしの頭ハネありであり、大抵こういうシーンは悪役が喜んでロンをすると上家にいる主人公、もしくは主人公の仲間が、同じ牌を狙いすまし「悪いな頭ハネだ」とニヒルに悪役をはめるワケです。
フィクションの世界では、そんなカッコいい頭ハネシーンはありますがそれも頭ハネを知っているからこそです。いつかかっこつけて頭ハネでアガってみましょう。
まとめ
同時に2人、3人、とロンする確率はそう高くはありません。ですが、事前に細かいルールを決めておくのは大切なことです。ありえないと思っていても、実際に2人、3人同時にロンした場合、ダブロン、トリプルロンありにするのか、頭ハネで1人だけアガりにするのか、きちんと決めていないとトラブルになってしまいます。麻雀には細かいルールが沢山ありますが、頭ハネはアガりに関しての大切な取り決めなので、優先してこのルールを共有するようにしましょう!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
5年前の記事に今更ですが、将棋界の順位戦でも頭ハネという言葉があります。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>将棋界の順位戦でも頭ハネという言葉があります。
そうなんですね!
初めて知りました。
記事の小ネタとして追加してみようと思います。
今後とも当サイトを宜しくお願い致します。
>アガッたプレイヤーから見ると
>自分から見て左側=上家(カミチャ)
>に優先権
とありますが、
「自分から見て右側=下家(シモチャ)」
が正しいのではないでしょうか?
ご確認、お願いします。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>「自分から見て右側=下家(シモチャ)」が正しいのではないでしょうか?
確認しましたが、自分から見て左側=上家で問題ございませんでした。
お役に立てますと幸いです。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
お尋ねいたします。私、高齢者の麻雀教室で教えています。目標は、どなたとでも楽しく打てるようにととルール・マナーについては、ネットや先輩方にお聞きし、ある程度厳しくしています。先日次のようなことがありました。Aさん上家(リーチをかけています) Bさん下家 上がり牌は同じでいわゆるダブロンだったのですが、Bさんのロン発声が先でしたので、Bさんの上りにしましたが、これは間違いでしょうか。昔麻雀はポン、チー,ロンの発声が大切と習った記憶があります。発声順で、生じるのは
ポン、チーがありがちで、ロンにも適用した例です。
もう一点、泣きが入って、自摸の順番が変わってしまったとき、その時はつもった牌を元に戻すことでけりを付けましたが、そのことで自分の牌を見られてしまった人が、クレームを付けました。どのように解決したものかはっきるさせたいと思いご指導を仰ぎたいと思い書いております。なにとぞよろしくお願いいたします。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>Bさんのロン発声が先でしたので、Bさんの上りにしましたが、これは間違いでしょうか。
私個人の見解としては、発声の問題は、チーよりポンが、ポンよりロンが優先されるだけであって、ロンの発声が
AさんよりBさんが早いとしても頭はねでAさんのあがりが優先されると思います。
>もう一点、泣きが入って、自摸の順番が変わってしまったとき、その時はつもった牌を元に
戻すことでけりを付けましたが、そのことで自分の牌を見られてしまった人が、クレームを付けました。
これに関してはツモられてしまった牌を元に戻すしかありません。競技ルールではどちらかがあがり放棄
になります。勿論ユーザー様が教えていらっしゃるような教室は競技ではありませんので寛容な対応が必要になります。
>高齢者の麻雀教室で教えています。
高齢者の麻雀教室で教えていらっしゃるということは、指導員の資格か何かを取得されていると推測
しますが如何でしょうか?
クレームやトラブルについては研修を受けると思うのですが、なかったのでしょうか?
もし資格を取られているのであれば対処法についてはその団体に確認した方が良いと思います。
特に資格の取得がなく独自の方法で教えていらっしゃるのであれば、これからもそういうトラブルの
対処に苦労されると思いますので今からでも研修を受け指導員の資格を取得されていは如何でしょうか。
お役に立てますと幸いです。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
ダブロン、トリプルロンはありのほうがスリルや点数移動があるのでそれぞれあがった達成感があり、友人間でも採用していました。
点数の動かないゲームは野球やサッカーもつまらないという謎理論ですねw
くらったほうはたまりませんが全員同じ条件ですし、誰かにざまぁするのが面白いネタになるので楽しむ場合はオススメかも\(^o^)/
誤字などの報告です。
>もしもの時に知っておかないと痛い目に合うでしょう!
→【遭】う=遭遇する
>嶺上開花(リンシャンカホウ)という役となります
→(リンシャンカ【イ】ホウ)
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>ダブロン、トリプルロンはありのほうがスリルや点数移動があるのでそれぞれあがった達成感があり、友人間でも採用していました。
貴重なご意見ありがとうございます!
仰る通り、ダブロンやトリプルロンがあるとさらにスリルが増しますね。
その分点数も移動するので守りも慎重になりそうです。
自分以外の3人からロン!なんて言われたら仲間同士だとネタになりそうですね(^^)(笑)
>誤字などの報告です。
申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
いつも誠にありがとうございます!m(__)m
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
役に立ちました。ありがとうございました。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>役に立ちました。ありがとうございました。
ユーザー様のお言葉、編集部一同嬉しい限りですm(__)mありがとうございます!
ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるよう、今後もよりよいコンテンツを作成するように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します!
右回りの意味まちがってませんか?
右回りは時計回りのことですよ
『当たり牌を捨てたプレイヤーから見て右回り=ツモ順通りの順番』
とありますが逆です。
ツモ順は左回りです。
コメント見ていただいていましたら訂正おねがいします。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
ご指摘頂いた以下の箇所ですが、
仰る通り誤りがありました。
—
ツモ順の一番近いプレイヤーというと、当たり牌を捨てたプレイヤーから見て右回り=ツモ順通りの順番でアガりの優先権があります。
×右回り
↓
○左回り
—
該当箇所を修正致しました。
ご利用して頂けるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を何卒宜しくお願い申し上げます。
この前買ったAI麻雀では頭ハネがなく(というかルールを無視して)CPU最優先上がりでした。萎えました。