麻雀における燕返し完全攻略
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麻雀における燕返し完全攻略

目次
  1. 燕返しとは
    • 燕返しのやり方
  2. 燕返し動画集
  3. その他のイカサマ
    • 二の二の天和
    • ガン牌
    • ぶっこ抜き
  4. 古役・燕返し
  5. まとめ

燕返しというと、佐々木小次郎の必殺技や、柔道の投げ技を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、麻雀の世界では最も有名なイカサマ技の事を指します。マイナーなローカル役にも燕返しというものがありますが、やはり一般的にはイカサマ技である燕返しの方を指すのが一般的です。燕返しをするのはそう簡単ではないし、リスクも高い上に、全自動雀卓では不可能に近いですが、麻雀知識をより深めるために、燕返しについて学んでみましょう。

燕返しとは

燕返しというのは、運でしか出すことのできない天和(テンホー=親の時にアガっていたら役満という役)を自らの力で出すためのイカサマ技です。

天和というのは、一般的に33万分の1の確率だと言われています。そして、天和を出したら死ぬと言われています。それぐらい出る確率が低い役なのです。

それを自分の力で出す手段、それがイカサマ技・燕返しです。

燕返しというのは、積み込みと呼ばれる、牌山を並べる際に自分に有利な牌を意図的に入れるイカサマテクニックを応用した技です。

全自動雀卓全盛の今の時代では、積み込みを利用したイカサマなので、燕返しは不可能に近いですが、手積みが主流だった昭和の麻雀ブームの時代で生まれたイカサマ技です。

燕返しのやり方

燕返しというのは、一人で天和を成立させるために行うイカサマです。牌山と自分の手牌をばれないようにすり替える技です。

①自分の前にある2段17枚になっている牌山の、下の段14枚にアガり形の最終的に自分の手牌になるアガり形の牌を仕込みます。
②牌山の上の段17枚と下の段の右端の3枚(不要になる3枚)を持ちます。
③それを現在の手牌に重ね、最終的に牌山になる2段17枚の形を作ります。
④その手前にある2段17枚の牌山を本来の牌山の位置に持っていきます。
⑤そして、最初に仕込んでおいた14枚の牌と入れ替えて、自分の手牌にします。
⑥驚いたふりをして、天和と宣言します。

この作業を速やかに、ばれないように、さっと行うのが燕返しです。

このような手順で燕返しが行われます。①の時点でアガるための手牌になる牌を選別して積み込まないといけないため、盲牌(モウパイ=牌を触って何なのかを当てるイカサマ技術)の能力が必然的に必要になります。

燕返しポイント

燕返しのコツとしては、この動作をスムーズにためらいもなく行う事です。少しでも戸惑ってしまったら誰かに気づかれてしまいます。どんな燕返しの達人でも、やはり速さに限度はあるわけで、注目してみていればやはりバレバレなのが燕返しの欠点です。相手の隙をついて、さりげなく、堂々とミスなく行うのが燕返しをするために必要不可欠なポイントです。

タイミングとしては、他の3人が理牌(リーパイ=最初に自分の牌をわかりやすく並べなおすこと)の時に自分の手牌に注目している隙に、さっと行うことです。

手品のように他人が別の点に集中している隙を突き、ばれないようにすり替えることが大切です。

天和(テンホー)という役

天和と書いて、テンホーもしくはテンホウと読みます。というのも、天に与えられた和了(ホーラ=アガり)役、なので天和です。

つまりはどういうことか、天和の条件はただ一つです。親の時に配牌(ハイパイ)の時点でアガっていたら天和が成立します。なので、実力も何もないです。運だけでしか成立することしかできないのです。そして役満です。*役満=麻雀の最高点。親の場合48000点

スタート時点の最初の手牌に4つの面子と雀頭があれば、天和です。

4つの面子と雀頭という形ではないイレギュラーの役である、七対子型、国士無双型の形になっていても、天和です。

要するに、最初にいきなりアガっていたら、それは天和です。なので、配牌の時点でカンをして嶺上牌をツモって嶺上開花(リンシャンカイホウ)でアガったとしても、それは天和にはなりません。

詳しくはこちらのページで解説しています。天から与えられしアガり役、天和

燕返し動画集

燕返しの手順を言葉で説明しましたが、実際に見た方がよりわかりやすいと思います。youtubeに燕返しの映像がアップされているので紹介します。

小島武夫氏による燕返し

麻雀 イカサマ ツバメ返しのスピードの限界に挑戦してみた

小島武夫とは

ミスター麻雀と呼ばれるプロ雀士であり、日本プロ麻雀連盟初代会長・最高顧問。往年の人気深夜番組「11PM」の麻雀コーナー等に出演し、タレント的人気を博した。イカサマにも精通し、イカサマについての解説や伝説も多数ある。

その他のイカサマ

一昔前までは、麻雀というとギャンブル色が今よりも色濃く存在していたと思います。やはり、大金がかかっていると、どうしても勝ちたい勝つためには・・・、というわけでいくつものイカサマ技が生まれたのだと思います。燕返し以外にも多くのイカサマ技があるので、その中でも有名なものを紹介したいと思います。

二の二の天和

天和を出す、もう一つのイカサマ技です。これは2人1組になって行う、いわゆるコンビ打ちで行うイカサマです。

全自動雀卓を使って行う麻雀が主流の現在と一昔前の麻雀とは少しだけやり方が違い、今はあまり一般的ではないですが、イカサマを防ぐためにサイコロの二度振りというルールがありました。

まず、1度目のサイコロで出た目でどこの山から取るかを決め、2度目のサイコロで出た目から王牌を決めます。

それを逆手にとって上家と下家で積み込みをするのが、二の二の天和です。

①親である自分の牌山とサポート役の下家の牌山に、下家がサイコロの2を出した時に親が取る牌に当たり牌を仕込みます。
②親がサイコロを振り、2を出します。
③2度目のサイコロを振るのがサポート役の下家になります。
④下家が再び2を出します。そして3つ目割れ目から親が牌を取り始め、通常通りに順番に牌を引きます。
⑤親は予定通りに仕込まれた当たり牌を引きます。
⑥驚いたふりをして、天和と宣言します。その時にサポート役の下家も大げさすぎない程度に驚いたふりをすると良いでしょう。

これが二の二の天和の仕組みです。やはり今の時代だと全自動雀卓もあり、手積みでもサイコロの二度振りというルールも珍しいのであまり目にすることはないイカサマかと思います。

ちなみに、「勝負師伝説 哲也」の登場人物である房州さんの必殺技でもあります。

ガン牌

牌にあらかじめ印や傷をつけて、どの牌か把握するイカサマ行為。かつては麻雀牌の背の部分が竹でできていたため、その模様を覚えてどんな牌かを見分けるテクニックもあった。

もし意図的に牌に傷をつけたりしたら、それは明らかなイカサマ行為ですね。もし牌に傷や汚れが目立っていたり、劣化が激しい場合はフェアプレイに徹し、牌の交換することを心がけましょう。

以下の画像は、「勝負師伝説 哲也」を題材としたイカサマの解説ビデオで、ガン牌について詳しく説明しています。

ぶっこ抜き

あらかじめ自分に有利な牌を自分の前の牌山に仕込み、理牌時などに自分の手牌とすり替えるイカサマ技。つまり、燕返しはぶっこ抜きの応用技とも言えます。

左手芸とも言われ、自分の目の前にある牌山の右端に、不要牌を2枚入れ込み、左手でさっと2枚抜くことから左手芸と言われます。イカサマ技の中ではポピュラーなもので基本になる技とされています。

燕返しと同じように、牌を積む時の仕込みと、相手が自分を気にしていない隙をつくのがポイントとなります。燕返しは牌山と手牌を総入れ替えして天和を出すイカサマですが、ぶっこ抜きは手牌の一部と牌山の一部を入れ替える技です。

全自動雀卓であらかじめ積み込みが出来ない場合でも、もし自分の手牌が良くない場合、ぶっこ抜きをするのも効果的だったりします。しかし、あくまでもイカサマです。

決してマネして一稼ぎしようとなんて思わないでください。

古役・燕返し

一般的には麻雀で「燕返し」といったら天和を出すためのイカサマ技を指しますが、他にもローカル役としての「燕返し」という役があります。

古い中国麻雀から由来していて、今は採用されることが少なくなったローカル役を古役(コヤク)といいますが、イカサマの「燕返し」とは全く関係ない、古役の「燕返し」というのもあります。

基本的に決められている定義は、誰かのリーチ宣言牌でロンをすると1翻、という役です。

しかし、ローカルルールならではの定義の揺れがあります。

  • 1翻縛り(1翻ないとアガれないルール)を解消することが出来ないというルール。=ドラと同じ扱い
  • メンゼンでないといけないとするルール
  • 追っかけリーチにのみ有効とするルール

燕返しというローカルルールがかなりマイナーですが、リーチ宣言牌でロンをすると1翻、という事以外は曖昧なところがある役です。

この役はローカル役の中でもマイナーな部類なので、親しい仲間内の中での対戦の中で使用しましょう。自分の知らない人相手に、突然「燕返し!」と宣言したり、「メンタンピン、ドラ、燕返し、満貫」なんて言ったら変な空気になると思います。また、「燕返しは追っかけリーチのみに有効だよ」なんて言われて口論になるのもばかばかしいので、きちんと共通した定義を持っている友人・知人との間で使いましょう。

まとめ

イカサマは反則です。イカサマの説明について書きましたが、あくまでも反則なのです。やはり、麻雀はフェアに戦うのが一番だと自分は思います。が、漫画やyoutubeでこのように鮮やかなイカサマを見るのもなかなか面白いものだと思います。イカサマをするにも技術が必要です、簡単には出来ません。しかし、自分がイカサマをされて負けたらたまったもんじゃないですよね。やはり、フェアプレイが一番。親しい仲間同士で楽しく麻雀をする際にイカサマをするのが一番無難ではないでしょうか。くれぐれも、それで人間関係がおかしくならないように、注意しましょう。

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