ペンチャンとペンチャン落としのパーフェクトスタイル

- 1. 辺張(ペンチャン)とはなんぞや?
- 1-1. ペンチャンの基本
- 1-2. 順子(順子)は強い!
- 2. 聴牌(テンパイ)時のペンチャン待ち
- 2-1. ペンチャン待ちとは?
- 2-2. ペンチャン待ちは不利な待ち
- 3. 何切る?これ切る!ペンチャン落とし
- その1 振込み回避!
- その2 現代麻雀はアガり優先(守備はベタオリ)
- 4. まとめ
辺張(ペンチャン)は麻雀における組み合わせの用語です。麻雀で役を作るうえでとても重要な考え方であり、初心者にとっても役作りの手助けをしてくれるので無視することはできません。同じ組み合わせの用語に、両面(リャンメン)や嵌張(カンチャン)などがあります。リャンメンは日常生活でも時々耳にすることがあるかもしれませんが、このペンチャンはなかなか、というかまったく聞いたことがない人も少なからずいるでしょう。
ペンチャンは漢字で書くと「辺張」と書きます。「辺」は端とか淵とか耳という意味で、張は牌という意味です。端的にいうと端の牌という意味になります。なんだか言葉だけではイメージできませんが端や淵の牌ということがわかります。
この端の牌を意味するペンチャンが時には戦略上とてもキーポイントとなる場面があります。また、何を切ればよいか迷ったときの手助けにもなりますので、初心者の方から中級者まで、ペンチャンを知り尽くしてものにしていきましょう。
1. 辺張(ペンチャン)とはなんぞや?
1-1. ペンチャンの基本
冒頭で紹介しましたが、ペンチャンは端や淵の牌という意味です。端の牌とはどのようなことか。まずはペンチャンの基本の基本を解説していきます。
辺張(ペンチャン) | [1・2] [8・9]の2種類の塔子(ターツ)。 |
塔子(ターツ)とは・・・
塔子とは[1・2] [5・6] [7・9]などの2枚の数牌(シュウパイ)の組み合わせで、後1枚で順子(順子)になる状態のことです。
麻雀では1~9の数字の牌と文字の牌を使用します。1~9の数字の牌を数牌(シューパイ)と呼び、その数字の組み合わせによってメンツを構成していきます。
ペンチャンとは、塔子であり、塔子の中にペンチャン塔子というものがあります。その形をペンチャンと呼び、アガる時のテンパイ時の待ちの形でもあります。
■ペンチャン(ペンチャンターツ)
ペンチャン(ターツ)はこの6種類がすべてです。これは覚えるしかありませんが、ターツさえ理解していれば、「端っこのターツ」と覚えましょう。ペンチャンはターツの説明の通り、あと「3か7」がくれば順子になる状態です。この3と7という牌がとてもキーポイントになってきます。
尖張牌(センチャンパイ)
ペンチャンは3や7を待っている状態と説明しました。ここで1つ気になることが出てきました。麻雀を少しかじったことのある人であれば気づいた人もいるかもしれません。
それは3と7という数字です。
これは麻雀では尖張牌(センチャンパイ)といってとても重要な働きをする牌なのです。
■3と7は尖張牌(センチャンパイ)
この尖張牌がどうして重要名になるのか、つづいて説明していきます。
1-2. 順子(順子)は強い!
ペンチャンの基本の基本を理解したところで、つづいてペンチャンはメンツに対してどのように絡んでくるのか見ていきましょう。
麻雀は基本的に4面子(メンツ)+1雀頭(ジャントウ=アタマ)を揃えることによってアガりになります。(例外もあります。)ペンチャンを理解する前にまずは簡単にメンツのおさらいをさらっとしていきましょう。
■4面子(メンツ)+1雀頭(ジャントウ=アタマ)
このようにメンツとアタマを揃えてアガると役がつきます。
そしてこのメンツを構成するものに、順子(順子)・刻子(コーツ)・槓子(カンツ)というものがあります。ここまでは理解できているでしょうか。
ペンチャンはどのようなものなのか。それを知る上でまずは上にある順子(順子)ということを理解しなくては進めません。
麻雀では4つのメンツと1つのアタマを揃えるとアガれることができ、そのメンツの中身とは順子(順子)・刻子(コーツ)・槓子(カンツ)になると書きました。先ほどの例と順子の内容を照らしてみてみましょう。
順子(順子) | 3枚連続した数牌(シュウパイ) を揃えた面子(メンツ)のこと。 |
上の例は、「ピンズの1・2・3」と「ワンズの7・8・9」が順子です。残りの「東」や「ソーズの1」は順子ではなく刻子です。
ここまではしっかりと覚えてください。
また、順子はコーツに比べてとても強い組み合わせです。強いというのは、つまり揃えやすいということです。麻雀の牌は1種類に対して4枚しか同じ牌がありません。コーツの場合は4枚のうち3枚をそろえる必要がありますが、順子は12枚から3枚をそろえれば完成します。
このような力関係が成立します。順子は揃えやすく槓子は揃えにくいのです。
これは余談ですが、とても重要なことなので初心者は特に覚えておきましょう。アガるスピードが格段にあがります。
ここまででまずは、ペンチャンの形とセンチャン牌、順子は強いということを覚えてください。
以上を踏まえた上でさらに次へ進みましょう。
2. 聴牌(テンパイ)時のペンチャン待ち
2-1. ペンチャン待ちとは?
■ペンチャン待ち
このように、あと1枚くれば順子となる状態がペンチャンです。その待ち牌である『3と7』がアガり牌だった場合、ペンチャン待ちになります。この2つの形しかないので覚えてしまいましょう。あと1枚揃えばアガりになる状態をテンパイと呼びます。
聴牌(テンパイ)
テンパイという言葉は日常でもたまに聞く言葉になっています。「テンパる」「テンパってる」などという感じで聞くことがあるでしょう。このて「テンパる」とはまさに麻雀のテンパイから来ています。
残り1枚必要な牌が手牌に加われば和り(アガリ)となる状態。
このテンパイの時にペンチャンで待っている状態をペンチャン待ちといいます。
そしてこのペンチャン待ちがよく出現する役にチャンタがあります。
■混全帯幺九(チャンタ)
チャンタはメンツをすべて1・9絡みでそろえなくてはいけません。
なので必然的にペンチャン待ちが多くなってきます。
■チャンタテンパイ時
ワンズがペンチャン待ちになっています。
これでワンズの3がくれば晴れてアガりとなります。
■純全帯ヤオ九(ジュンチャン)
字牌を使わずに揃えるとジュンチャンという上位役になります。
2-2. ペンチャン待ちは不利な待ち
順子はコーツよりも揃えやすいので強いと説明しました。その順子をすべて並べてみましょう。
このようになりました。じーっと見つめて気づいたことはありませんか?
尖張牌を意識して見つめてみてください。
1~9で順子が作れる数は7組です。この7組ある順子のうち尖張牌は6組に絡んできます。
つまり、ほとんどの順子に尖張牌は絡んでくるのです。
先ほどコーツより順子が強いと説明しましたが、その強い順子のほとんどに絡んでくる牌がセンチャン牌なのです。
そのみんなが手の内に取っておきがちな牌を待っているのがカンチャン待ちなのです。
あまり捨てられることがないので、待ちとしては少し不利になりますね。
その他のテンパイ時の待ち
テンパイ時の待ちには、ペンチャン待ち以外にもいくつか種類があります。どれも大切な待ちの考え方なので一緒に覚えてしまいましょう。
待ちの種類 | ||
---|---|---|
リャンメン待ち(両面待ち) | ||
例 ![]() ![]() ![]() ![]() | [3・4] での [2-5]待ち | 0符 |
例 ![]() ![]() ![]() ![]() | [2・3] での [1-4]待ち | 0符 |
シャンポン(シャボ)待ち(双碰待ち) | ||
例 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | [2・2][4・4] での [2-4]待ち | 0符 |
例 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | [西・西][東・東] での [西-東]待ち | 0符 |
ペンチャン待ち(辺張待ち) | ||
例 ![]() ![]() ![]() | [1・2] での [3]待ち | 2符 |
例 ![]() ![]() ![]() | [8・9] での [7]待ち | 2符 |
カンチャン待ち(嵌張待ち) | ||
例 ![]() ![]() ![]() | [1・3] での [2]待ち | 2符 |
例 ![]() ![]() ![]() | [5・7] での [6]待ち | 2符 |
タンキ待ち(単騎待ち=地獄単騎) | ||
例 ![]() ![]() | [2]の単騎待ち | 2符 |
例 ![]() ![]() | [東]の単騎待ち | 2符 |
ノベタン(単騎待ち+面子) | ||
例 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | [1・2・3・4] での [1-4]待ち | 2符 |
例 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | [3・4・5・6] での [3-6]待ち | 2符 |
3. 何切る?これ切る!ペンチャン落とし
順子に尖張牌が多く絡むことをみてきました。次は1・2とあるペンチャン待ちを捨てる場合、どの牌から捨てていくのが良いのかみていきましょう。
ペンチャンを捨てるにあたってもともとの麻雀の思想というか、考え方が大きなポイントとなってきます。
その1 振込み回避!
ペンチャンを落とす場合、振り込む可能性を少なくするために1より2を先に捨てるという考え方です。麻雀は数字の真ん中へ行くにしたがって危険度が上がるという風に考えられています。
順子を作る場合1や2はリャンメン待ちの有利な形に出来ないから美味しくありませんね。また、タンヤオを狙っているとすると、1や9は不要な牌になります。
その上で、自分がターチャの立場になって考えてみてください。ホンイツやチャンタを狙っていない場合は1や2はあまりうれしい牌ではありません。いらない牌と言ってもいいですね。
そのため、ターチャがホンイツやチャンタを狙っていない場合は1より2をさっさと捨ててしまえば振り込む可能性が低くなるという考え方です。
その2 現代麻雀はアガり優先(守備はベタオリ)
現在もっとも主流な考え方は、振り込むことを考えるより自分のアガりを優先する考え方です。その1では振込みを回避することが最大のポイントでしたが、アガり優先の現代はそのことはあまり考えません。
その1とまったく反対の考え方ですね。自分が使える牌を積極的に残しておいて、ターチャがリーチをかければベタオリが基本です。1だろうが2だろうが「安全牌ならば捨てる・危険ならば捨てない」が基本なので、ターチャをケアして考えるよりもまずは自分の手作りから考えるということです。
■すぅ~っとタンヤオに移行できる
萬子の1と2のペンチャンでした。この場合は萬子の1から捨てるのが現代麻雀です。これはちょっと極端な例ですが、危険な萬子の2を先に捨てるより萬子の1を先に捨てて、すんなりとタンヤオ狙いへと移行していきます。
2つのペンチャン落としはどちらも間違っている考え方ではありません。どちらを採るかはあなた次第です。また、自分の狙いやターチャの捨牌からどちらを優先するか、その時々での判断が重要になってきます。
4. まとめ
ペンチャンの概要からペンチャン待ちの有利不利などをみてきました。あまり有利な形ではないので、むしろ落とし方が重要になる場面のほうが多いと思います。本文にも出てきますが、チャンタやホンイツなどを狙う場合以外はさっさと落としてしまうのが得策といえます。
ペンチャンの処理については、現代麻雀はアガり優先なので上記のことをしっかりと覚えておきましょう。
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
塔子(ターツ)とは・・・
中黒「・」を重ねるのではなく、三点リーダー「…」を使う。コンピューターで文章を書くときの基本です。
2枚連続した 数牌(シュウパイ) の組み合わせ。
嵌張を無視していて、誤記。初心者向けのページで、この類の単純な誤記が残るのは、誤記のあるページだけでなく、全体のページの品質が低いことを疑わせるので、くれぐれも注意してください。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
ターツの説明部分につきまして、修正いたしました。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。