喰い(食い)タン処方箋 早めの対処と符計算

- 食いタン(喰いタン)
- 食いタンとは
- ありあり・なしなし
- 自分が食いタンを狙う場合の実戦ポイント
- 何よりも配牌時の手牌
- 中・終盤の食いタン
- 他家が食いタンを狙っている場合の対処
- 食いタンの符計算
- まとめ
食いタンは、副露(フーロ)ありのタンヤオのことです。副露を「鳴く、晒す、食う」とも言い、そのような呼称から「食いタン」と呼ばれるようになりました。食いタンは、ドラを絡ませつつ、高速のアガりと高得点ゲットを両立できる可能性を秘めた、ハイアビリティ(高可用性)な役です。高速高得点の両方を達成できることが最大のメリットです。麻雀の勝利の鍵をにぎる2大要素をいっぺんにクリアしてしまうのです。プロや麻雀の強い人は、食いタンを効果的に利用します。
処方箋と書いたのは冗談ということではなく、風邪と同じで、食いタンを狙うときはすべてにおいて早めの対処が必要不可欠になってきす。
自分が狙う場合でも、他家(ターチャ)が狙っている場合でも同じです。すばやい反応ができるように、対処法を学んで食いタンをものにしよう!
食いタン(喰いタン)
食いタン(喰いタンとも)は麻雀の三大重要役「メン・タン・ピン」のうちのタンヤオを、副露(フーロ=鳴き)してアガった場合の通称です。もちろん某テレビ局のドラマではありません。麻雀が強い人が好むという食いタンをしっかりマスターして実戦でいかしましょう!
食いタンとは
まずは軽くタンヤオのおさらいです。いまや超有名役の断幺九(タンヤオ)です。アガっても1翻とかなり翻数は低いですが、アガりやすさや他の役との複合などを考えると基本役となるのもうなずけます。
食いタン
ポン、チー、明カンの副露ありのタンヤオのことです。タンヤオを副露して揃えてアガると「食いタン」となります。副露して揃えるので、もちろん、ポンでもチーでも、カン(この場合は明カン)でもかまいません。
食いタン(ポン)
食いタン(チー)
食いタン(明カン)
これは副露を知っている人なら難しいことではありませんね。そもそも、副露の最大のメリットはスピードアップです。他家をけん制することや、一発消しなどもありますが、なんといってもスピードです。その副露の最大のメリットをタンヤオで活かそうというものが「食いタン」です。
比較的揃えやすいタンヤオにさらに速度をプラスすることで攻撃していくのです。
ありあり・なしなし
つづいては、もう1つ重要な確認です。
麻雀では、食いタンや後付けなどのルールを「あり」にするか「なし」にするかを決めます。通称「ありあり」と「なしなし」です。このことによって、食いタンが出来るかどうかが決定します。
●喰いタンがあり
●役の後付けがあり
後から役を確定すること。
「役に関係ない部分を先に鳴き、後から役を確定させる事」
「テンパイ時に役が確定していない状態でのアガり」
「片アガリ=2つ以上の当たり牌があるときに、どれか1つは役が付かなくアガれない事」
●喰いタンがなし
●役の後付けがなし
後から役を確定すること。
「役に関係ない部分を先に鳴き、後から役を確定させる事」
もちろん、「なしなし」の場合は食いタンできません。副露した時点でタンヤオの役が付かなくなります。そもそも、食いタンなしなのでアガれるわけがありません(笑)。
ありありやなしなしを詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!
⇒『麻雀ルール集中講座 -ありあり編-』
⇒『麻雀ルール集中講座 -なしなし編-』
自分が食いタンを狙う場合の実戦ポイント
1章では、食いタンの基本を一通り確認しました。つづいては、食いタンの使いどころや他家が狙っているときの対処法など、実戦的なポイントをいくつかみてみましょう。
なんといっても自分が食いタンを狙うポイントを知らなければ、相手をわかるわけがありません。
何よりも配牌時の手牌
配牌時の手牌で食いタンに行くかどうか決まってきます。どのような場合でしょう。
ポイントを挙げてみます。
配牌時
① 幺九牌(ヤオチューハイ)が少ない!
② 辺塔子(ペンターツ)がない!もしくは少ない!
③ 両面塔子が2つ以上ある!
④ ドラや赤ドラが2枚以上ある!
以上の4つが大きな決め手となります。
① 幺九牌(ヤオチューハイ)が少ない!
これは動きの軽やかさにつながってくることです。
配牌時
幺九牌が5枚もありますね。字牌がまったくないので食いタンへいけそうな気がしますが、この手牌から向かうのは少々無理があります。少なくとも5枚捨てなくてはいけないことが決定しています。手の進みがとても遅くなるので、食いタンは不向きな牌姿といえます。
少なくとも2枚程度であれば良しと考えましょう。
数牌(シュウパイ) の 1 と 9 と 字牌(ツーパイ) の牌の 総称。
② 辺塔子(ペンターツ)がない!もしくは少ない!
受け入れが狭くなってしまうので、辺塔子はうれしくない!
これは特に重要なことで、辺塔子の扱いを間違えると、スピードが遅くなるどころか、アガれない!という大失敗に繋がってきます。
配牌時














辺塔子は、食いタンにとってなかなか厄介者です。一見、良形の両面塔子になっているように見えますが、実は違います。
例えば、上記の萬子の2と3の辺塔子で待っていた場合、萬子の4をツモできれば御の字ですが、萬子の1をツモったら、せっかく順子(シュンツ)が完成したのに崩さなくてはいけません。食いタンを狙う場合、辺塔子は両面で受けることができないのです。つまり、スピードダウンとなってしまいます。
また、対局が進むにつれて、他家のことも考えながら打っている場合に、このような無駄な1手は命取りになります。最初から辺塔子がない状態が最適ですね!
塔子には、辺塔子(ペンターツ)、嵌塔子(カンターツ)、両ターツがある。
そのうち、辺塔子は「2と3」、「7・8」の2つのことを言う。
塔子の形としてはあまり良い形とはいえない。
③ 両面塔子が2つ以上ある!
塔子の良形愚形によりスピードに関わってきます。
①や②をしっかりとおさえた上で両面塔子まで気を配れるようになると、加速にターボが掛かった状態になります。
配牌時














両面塔子は受け入れる幅が広く、ターボをオンにするには欠かせません。配牌時に少なくとも2組の両面塔子が欲しいところですね。また、①と②がうまくいったとしても、両面塔子が全くなく、嵌塔子(カンターツ)ばかりという形もあまり良い配牌とはいえません。
④ ドラと赤ドラが2枚以上ある!
赤ドラありで、配牌時にドラや赤ドラが手元にある場合は、食いタンをこころの片隅において一瞬深呼吸!食いタンを狙えそうな手牌であれば、一直線にゴールへ向かおう!
配牌時














食いタンの弱点である打点の低さを補うためにドラを絡ませた食いタンを狙いましょう。むしろ、特別な理由でもない限りは、ドラや赤ドラを必ず絡ませてアガるようにしましょう。食いタンのみの点数では攻撃力が低すぎます。
タンヤオや平和は複合する役やドラなどを重ねやすいという利点があります。
例えば通常のタンヤオであれば、
「リーチ+1発+メンゼンツモ+タンヤオ+ピンフ+ドラ+ドラ」
などと符を追加していく方法があります。しかし、食いタンの場合、リーチも一発も門前清自模和(メンゼンツモ)もありません。残るはドラだけとなるのです。追加できる点数を最大限にいかしてアガるようにしましょう!
中・終盤の食いタン
序盤で食いタンの良形にならなかったような場合や、どうやってもアガれそうにないクズ手になる場合がありますね。そのような時でも中・終盤から無理に食いタンへ移行するようなことは愚かです。
アガれても1000点ぐらいのクズ手で副露してしまうと、点数は低いわ、防御力はなくなるわ、で良いことが全くありません。
食いタン
これでアガったとしても1000点ちょっとが関の山です。せいぜい狙うとしたら、なんとしても親番を続けたい場合などだけです。それ以外はさっと降りて次のチャンスを待ちましょう。
副露は2回まで!
副露は、食いタン以外の役でも同じですが、自由に動かせる牌が少なくなっていくため、鳴き過ぎると防御力が下がっていきます。特に食いタンは捨牌から読まれやすい部類の役なので、鳴く場合は回数にも注意しましょう。
ここまでが、自分が食いタンを狙う場合のポイントです。少しポイントが長くなってしまったので整理しましょう。
配牌時
① 幺九牌(ヤオチューハイ)が少ない!⇒スピードアップするために配牌時の幺九牌の数を見る!
② 辺塔子(ペンターツ)がない!もしくは少ない!⇒辺塔子は食いタンの敵!役が付かなくなる場合も!
③ 両面塔子が2つ以上ある!⇒ターボをかけるキー
④ ドラや赤ドラが2枚以上ある!⇒打点が低い食いタンの弱点を補う
その他
●中・終盤からの無理な食いタンは絶対ダメ!
●副露は防御力が下がるので2回まで!
上記のポイントをしっかりとおさえておきましょう。
他家が食いタンを狙っている場合の対処
食いタンありの場合、とても難しい麻雀になるといわれています。それはというと、他家が食いタンを仕掛けてきたとき、こちらも合わせて打たなくてはいけなくなるからです。
序盤でよい形になってきて門前で高い手を狙っていたとしても、他家が食いタン仕掛けで鳴いてきたらひとたび仕掛け合戦の幕開けです。のんびり門前で構えていたのでは、すぐい大将がとられてしまいます。
せっかく高い門前手でアガれそうなのに…と考えているうちに他家がすーーーっと食いタンでアガってしまいます。これはとても痛い…。
他家が食いタンを仕掛けてきた場合
① 自分の手が軽いか重いか判断する
② 軽い場合は仕掛けにのるかどうか判断する。乗る場合はこちらもスピード重視!
③ 手が重い場合は色気を出さずにオリることを優先する
アガれる時にはしっかりアガる、無理な場合はオリる決断を早くするようにしましょう。
食いタンの符計算
食いタンは通常の符とは少しことなった計算となります。
麻雀の最低点は1000点にするという慣例があるため、一般的に食いタン(平和も)のみの場合は、「1翻30符(1000点)」と計算します。
面子がすべて順子でアタマも数牌の場合の食いタンは符がつきません。そうなると、1翻と副底(フーテイ=基本符)の20符のみとなり、1翻20符で700点となってしまいます。それはおかしいということで、食いタン(食い平和も)の場合は、面子がすべて順子でアタマも数牌のロンアガりの場合は例外として1翻30符として計算することになっています。
まとめ
食いタンはスピードアップが最大のメリットといわれています。しかし、それだけでしょうか。しかも、スピードばかりみていると、同じぐらい重要なことを見逃してしまいます。アガるだけで勝利できるのであればいいのですが、麻雀には得点もしなくては勝てません。スピードと同じぐらい高い点数をゲットできるように心がけることもとても大事だということを忘れないようにしましょう!
スピードや点数を上げることや、他家の食いタンをけん制したりオリたりすることすべてにおいて成功の鍵をにぎるのは、早めの決断・早めの行動です。学校の防災訓練のようになってしまいましたが、覚えておいて損はないはずです!
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
「両面塔子が2つ以上ある!」の配牌例で、両面でないところに両面と書かれています。
良いコンテンツなのに、誤記が多いのはもったいないですよ。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>「両面塔子が2つ以上ある!」の配牌例で、両面でないところに両面と書かれています。
>良いコンテンツなのに、誤記が多いのはもったいないですよ。
大変申し訳ございません。
ユーザー様の仰る通り、説明文に誤りがあり該当箇所を修正させていただきました。
ご指摘いただき誠にありがとうございます!
コンテンツに誤りのないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
辺塔子は「2と3」、「7・8」
と、中ほどで書かれていますが、誤記です。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>辺塔子は「2と3」、「7・8」と、中ほどで書かれていますが、誤記です。
喰いタンをやる上では2・3だと4、7・8だと6でしかあがれないので実質辺張のようなもの
だということでそのような表記をしているのですが、特に初心者の方ですと辺張の定義を
誤解する恐れもありますので今後コンテンツ作成の際には最適な表現を心がけたいと存じます。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
誤字などの報告です。
三点リーダーのもいちおう追加しておきますね。
>アガった場合の通称です。、もちろん某テレビ局
→通称です。【】もちろん(読点不要かと)
>タンヤオを知らなくては食いタンできません笑。
→食いタンできません(笑)。 カッコがあったほうがよいかと
>食いタンなしなのでアガれるわけがありません笑。
→ありません(笑)。
>「7・8」とう2つのことを言う
→「7・8」【の】2つのことを言う
>点数は低いは、防御力はなくなるは、
→点数は低い【わ】、防御力はなくなる【わ】、
>鳴いてきたらひとたび合戦の幕開け
→鳴いてきたらひとたび【仕掛け】合戦の幕開け
>門前手でアガれそうなのに、、、と考えて
→三点リーダー(……)
>これはとても痛い、、、
→三点リーダーと句点(……。)
>1翻20符で700点となってしいます。
→なってし【ま】います。
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>誤字などの報告です。
申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
いつも誠にありがとうございます!m(__)m
コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。