とつげき東北 新 科学する麻雀【初心者向け/おすすめ麻雀本】

元ネット雀士で麻雀の科学的研究の第一人者であるとつげき東北さんが書いた、数理の観点から麻雀の最善手を紐解く麻雀戦術本です。染め手やドラポンに対してどんな手なら押して良い?門前1シャンテンからリーチにツッパる条件は?といった、ちょっと迷う局面を科学的根拠を元に示されています。
多くの麻雀戦術本はプロ雀士の経験則・打ち筋による「正解」が示されていますが、客観的なデータを用いた「正解」を一度頭に入れておきたい!という方にオススメの本です。
新 科学する麻雀
麻雀を数理の観点から勉強したいならこの一冊!
- 麻雀豆腐編集部
おすすめ麻雀本! 初級中級戦術
- おススメ度
- 難易度レベル
タイトル
新 科学する麻雀
内容紹介
数理で解き明かす麻雀の「答え」
完全書き下ろし、麻雀界を変えたベストセラーの最新刊!数理的に麻雀を解説したベストセラー『科学する麻雀』から17年。著者・とつげき東北氏自らによる完全新作が登場です。
本書は、17年前より相当高度化した麻雀技術に対応し、新しいデータ(『天鳳』鳳凰卓)と新規開発されたシミュレータを用いて麻雀を科学的に研究。トップレベルのプレイヤーでも判断に迷う数々の局面を想定し、そこでの「最善手」を科学的根拠とともに示します。練習問題では「ポイント」がまとめられ、無味乾燥な数字だけには収まりません。
あなたの麻雀観を揺さぶる、最新研究の成果が詰まった一冊です。出典:新 科学する麻雀
著者について
とつげき東北
兵庫県出身の元ネット雀士で麻雀研究科家。
2004年にデータを扱った麻雀戦術書「科学する麻雀」を出版し注目を集める。
「科学する麻雀」以外にもネマタ氏や小林剛プロの著書に制作協力、その他「MJ4攻略大全」のデータ解析や麻雀に関する論文も発表している。
Twitterやnoteを運用しているが、麻雀関係の話は少ない。
- ツイッター:とつげき東北🌗『科学する麻雀』著者
- note:とつげき東北
「新 科学する麻雀」を読もう!
「先行リーチしている人がいるなか、カンチャン待ちで追っかけリーチしても良い?」、そんな疑問を元にAプロの戦術本を読むと「追っかけリーチが良い」、Bプロの戦術本には「追っかけリーチはNG」なんて書いてあり、結局どうすれば?!と困ったことはありませんか?
そんな方にオススメなのがこの新 科学する麻雀です!
本書は、オンライン麻雀ゲーム「天鳳」の鳳凰卓の実践譜を用いた具体的な統計データを用いて、こういった判断に迷う局面に対して明快な解を導いてくれます。
データを用いた戦術本なので「なんだか小難しそう…」と思うかもしれませんが、データの解は平易に解説されているので数学が苦手な人も安心して(?)読めます笑。
第1章 強くなるための基礎事項
この章ではとつげき東北氏が考える、「麻雀の取り組み方」について述べられています。
・麻雀は偶然性の高いゲームであるから、短期的な結果で実力を評価してはならない。
・人間は様々要因で打ち方にブレが生じやすい、その場の迷いや思いつきで「打ち方を変えてみる」ようなやり方では強くならない。
・直感的な判断を排除し、知っている知識の範囲内で打つことを心がけること。
・何度やっても同じ打ち方が再現できること。
流れやツキといった考え方とは真逆ですね。配牌が悪かろうが、やたら放銃する日だろうが、「この状況ならAを選択する」が毎回できるようになりましょう。
第2章 シミュレータの概要
第2章では、第3章から具体的な戦術を記載するにあたって本書で利用したシミュレータの仕組みとシミュレータの必要性について記述されています。
とつげき東北氏はこの章に関しては「興味のない人は読み飛ばして良い」としています。
どのようにデータを収集したのか、なぜ実測値ではなくシミュレータなのか、などが気になる方は読んでみると良いでしょう。
第3章 シミュレータが導いた最強戦術
この章が本書のメインで、8割方ページが割かれています。「役あり門前テンパイは先制リーチ?」「門前1シャンテンは鳴いてテンパイすべき?」といったテーマが22挙げられており、それぞれに手牌を用いた問題と解答、裏付けのデータが掲載されています。
実戦問題が数問ずつ出題されており、「どういう巡目、どういう手牌ならリーチか否か」を学習できます。
ここがイイね!
テーマ全体としては「●巡目まではリーチが優勢」としても、オーラスの2着目●点の場合でも同じなの?という疑問が出ますよね。テーマ内で少し踏み込んだ質問に対して、各テーマの最後に「打ち手の疑問のコーナー」が設けられており、回答がデータと共に挙げられているので勉強になります!
- 初心者脱出のポイント
- 22のテーマにある実戦問題を完璧に解けるようになったら、実戦で試してみましょう。もし失敗したとしても、一回の結果で一喜一憂せず、同じ状況で同じ選択を100回やると「科学する麻雀」と同じ結果になるはずだと理解しましょう。
第4章 『シミュレータ』の構造
第4章は、本書の執筆に用いられたシュミレータの詳細について記述されています。
シミュレータの構造やパラメータの内容など、戦術には直接関係ありませんが、とつげき東北氏が「どのようにデータを解析し正解を導き出したか」が明記されていないことには、本書の有用性について判断ができないため記載すべき情報かと思われます。
ただ、理系でない方や麻雀初心者の方には難しすぎて頭に入ってこない可能性があります(汗)。
基本的には第3章を読めば「新 科学する麻雀」の戦術は理解できますので、本章については余裕があれば参考程度に読むと良いでしょう。
第5章 麻雀界への提言
本章は「科学する麻雀」とは真反対の「オカルト」について語られています。
麻雀界で長いこと信仰されている「流れ」や「ツキ」について、また最近のオカルト信仰についてまとめられているので興味があれば是非読んでみてください。
「何だか今日はツイてないな」「今日はテンパイしても放銃ばかりするな」「今日はアイツが全部一発でアガってるな」なんて思考に陥ったら、「おっと危ない、オカルト寄りの思考になっていたな」と修正しましょう(笑)。
ここがちょっとね
オカルト信仰が麻雀プロの間で長らく続いていること、オカルト信仰がどれほど無意味なことかなどが熱く語られていますが、折角なので本書に麻雀プロを招いてシミュレータを使って解を導き出す「科学する麻雀」やオカルトについて対談するコーナーがあると、初心者の方でもより興味深く読めるのではないかと思われます。
まとめ
本書はプロでも判断に迷うような微妙な局面に対し、シミュレータを用いて「解」を出しています。
1章〜5章に分けられていますが、3章の「シミュレータが導いた最強戦術」が麻雀技術に直接関係があり、こちらの章で8割方ページが構成されています。
メインの第3章についてはテーマが22用意されており、例えば「シャンポンテンパイで先制リーチすべきか」というテーマに対し【9巡目のこの牌姿ならリーチか?】【5巡目のこの牌姿ならどうか?】と問題が複数出題され、一つ一つにリーチか否かの解説が用意されています。
第2章と4章は本章に用いられたシミュレータの話で、小難しい内容なので数学が苦手な方だと読むのが苦痛かもしれません(笑)。
「染め手の仕掛けに対しテンパイを取るか」「先制リーチが掛かっている状態で追っかけリーチをすべきか」といった内容はよく麻雀プロが戦術本で取り上げていますが、この「新 科学する麻雀」を読んだ上でプロの見解を見てみるとまた面白い発見があるでしょう!
著作紹介
- タイトル:新 科学する麻雀
- とつげき東北 (著)
- 出版社:ホビージャパン
- 発売日:2021/9/30
- ページ数:300ページ
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