茅森早香 常に冷静沈着な天才すぎるオンナ雀士
茅森早香プロは、最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、2001年に19歳で麻雀プロとなり、"天才すぎるオンナ雀士"の通り名で知られ、Mリーグ初年度からセガサミーフェニックスに所属し、長年女流雀士の代表格といった素晴らしい活躍をしている人気女流プロです。近年では、YouTubeやクレープ店の運営といった活動も行い、結婚し息子が産まれ、更にパワーアップした天才雀士、茅森早香プロについてご紹介します。
天才すぎる茅森早香プロについて
プロフィール
- 名前:茅森 早香(かやもり さやか)
- 生年月日:1982年5月4日
- 出身:北海道苫小牧市
- 学歴:北海道苫小牧西高等学校中退
- 血液型:B型
- 好きな物:猫、ハイボール、ゴルフ
- 所属団体:最高位戦日本プロ麻雀協会(26期生)
- Mリーグチーム:セガサミーフェニックス
- X(旧Twitter):@sayakaya0504
- Instagram:sayakayamori
- YouTubeチャンネル:さやチャンネルω
茅森早香プロは、「天才すぎるオンナ雀士」という通り名で知られており、ファンから"さや姉"という愛称で呼ばれています。また、大の猫好きで知られ、ちょっと猫っぽい顔立ちのため"にゃあプロ"という愛称で呼ばれることもあります。口角が上がり口元がωのようになるので、ωが茅森プロのトレードマークとなっています。
「麻雀は常に冷静に打つ」・「平常心」という言葉をモットーにしており、対局中、他のプロと比べ人一倍感情を表に出さない、冷静な打ち方をします。
お酒好きで、昔はビール派でしたが、今はハイボール派になり、ビールはほとんど飲まないそうです。
YouTubeチャンネル「さやちゃんねるω」
茅森早香プロは、自身が中心となりYouTubeチャンネル「さやちゃんねるω」を2019年9月1日に開設しました。
茅森プロ以外には、女流戦の打ち上げの二次会にいつもいるメンバーだった、最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する、根本佳織プロ、植村里菜プロ、浅見真紀プロの三名が参加、そしてSNSの運営や編集などは、麻雀関係ではない一般の仕事をしているイーソーくんという方が行っています。
さやちゃんねるには公式ファンクラブがあり、3つのプランがあり、プランに応じてさまざまな特典を受けることができます。さやチャンネルω公式ファンクラブ
さやちゃんねるのメンバーの一員である浅見プロの書いた、茅森プロのイラストのラインスタンプも発売中です。なかなか特徴をとらえていて可愛らしいです。茅森早香 天才すぎるスタンプ
天才すぎるオンナ雀士
「天才すぎるオンナ雀士」という通り名は、数多くの通り名をつけてきた日本プロ麻雀連盟の黒木真生プロがつけたもので、「麻雀最強戦」に茅森プロが出場するにあたって、行委員長の金本晃氏から依頼されてつけたのが始まりでした。まだ知名度が低かった茅森プロに"天才"というキャッチフレーズを付けたことに対し、金本氏や視聴者たちからは、適当すぎるという声があがりましたが、「麻雀最強戦」の女流代表決定戦で茅森プロは優勝し、世間は手のひらを返したと話しています。(プロクイーン決定戦 決勝観戦記より)
天才と名付けた黒木プロも、茅森プロのどこが具体的に天才かというと、はっきりとはわからないと語りますが、基礎的雀力が高い上に、カンが鋭いといった特徴と、無口で多くを語らず、対局前も脱力感というかあまり覇気のない様子が天才っぽく見える要因の一つと分析しています。
ミスター麻雀・小島武夫プロも、茅森プロが20歳でまだデビューしたての頃、第2回女流モンド杯での麻雀を見て、この子は凄いものを持っている、この子は伸びる、と語ったそうです。
麻雀の戦術本を読んだり、プロ同士の研究会に参加するといったことはあまりしないそうですが、しかし麻雀への愛は人一倍強く、若いころは点数計算もままならない女流プロが多いと平気で雑誌の取材で話すこともあったそうで、物おじせず、言いにくい事を平気で言う、そしてクールな表情で麻雀を打ち、勝つ、そういったところも天才と呼ばれる所以だと思います。
息子・りく君
茅森プロは、2018年12月に麻雀関係ではない仕事をしている理廣(みちひろ)さんと結婚しました。二人は、2017年2月に雀荘で出会い、その時に旦那さんが茅森プロをかわいいと思いナンパしたのがきっかけだったそうです。("天才すぎるオンナ雀士"茅森早香の意外な一面!笑顔溢れるママになった天才が目指すものとは?<21人の軌跡>より)
2018年2月24日に凉空(りく)という名前の男の子を出産。27週目の早産で1040gで産まれ、逆子であったため帝王切開での出産でした。(茅森早香の猫@麻雀より)
りく君は、茅森プロのSNSやYouTubeで度々顔出しで登場しており、りく君の成長過程や茅森プロのお母さんとしての一面を披露しており、今までのイメージとは一味違った姿が見られるようになりました。Mリーガーの中でも、日向藍子プロ、瑞原明奈プロ、黒沢咲プロ、浅見真紀プロといったママ雀士が増えてきましたが、Mリーグ1年目から子育てをしながらMリーグに出場したのは、茅森プロだけであり、Mリーグにおけるママ雀士のパイオニアでもあります。
クレープ店「ジラフクレープ」
2023年10月1日より茅森プロがオーナーを務める「ジラフクレープ新宿店」がオープンしました。
10/1、11:00〜オープンします❗️
ジラフクレープ新宿店
東京都新宿区百人町1-24-8新宿タウンプラザビル101
0359373773
来てね〜✨
私は、14時〜います❗️ pic.twitter.com/Pj0yuJcjfz— 茅森早香 (@sayakaya0504) September 27, 2023
ジラフクレープは全国に店舗を持つフランチャイズ店で、茅森プロがオーナーを務めるお店は新宿店という名前ですが、大久保駅や西武新宿駅が近いです。店内にはお店を訪れた麻雀プロたちのサインが書かれています。
二階堂姉妹のYouTubeチャンネル「るみあきチャンネル」の中で、アポなしで二人がお店を訊ねるという動画を上げており、お店の様子や美味しそうなクレープを見ることが出来ます。また動画撮影中に、偶然、小林剛プロと松田麻矢プロが来店する場面もあり、多くの麻雀プロがふらっと訪れる事があるようです。もちろん、茅森プロがお店にいることもあるので、お店に言ったら茅森プロや人気麻雀プロと偶然会う機会もあるかもしれません。
ライバル・二階堂亜樹プロ
2020年5月19日、日本プロ麻雀連盟所属でMリーグではEX風林火山所属の二階堂亜樹プロが、さやちゃんねるに出演した際にライバルは誰ですか?と聞かれた時に、挙げる人物がいないという話になり、以前から尊敬する人物として二階堂亜樹プロの名前を挙げていた茅森プロが、お互いにライバルは誰と聞かれたら名前を挙げるようにしようと提案し、それを二階堂亜樹プロも承諾し、茅森プロと二階堂亜樹プロがそれぞれライバルお互いをライバルとして名前を挙げるという"ライバル同盟"が結ばれました。
二階堂亜樹プロは1981年生まれで、茅森プロの一つ年上で同世代であり、二人とも10代でデビューし、まだ女流の麻雀プロが珍しい2000年代から活躍しているという共通点があり、麻雀ファンから見ても納得のライバル同盟です。
茅森プロが二階堂亜樹プロと出会ったのは、2004年に初めて出場した第2回女流モンド杯で、茅森プロは麻雀プロになりたてで初めてのテレビ対局でもあるため、他の女流プロの輪に入れず一人でいて、亜樹プロにとっては自分より若い女流プロがいるのが珍しかったため話しかけに行ったのが、仲良くなったきっかけだそうです。
天才雀士でありママ雀士となった茅森早香プロの経歴
バイトをきっかけに麻雀を知り、そのままプロへ
北海道苫小牧市で生まれ育った茅森プロは、子供の頃運動神経が良く、周りよりも身長が高く、他の子が飛べない高さの跳び箱も飛べるような子供だったそうです。小学校4年生の時に友達に誘われバスケ部に。最初は配られたプリントを見て、バレーだと思い、入ってみたらバスケだったという勘違いから始まったそうですが、6年生まで続け、キャプテンを務めるほどに。中学校に進学してもバスケ部に入り、バスケ漬けの日々を過ごします。
中学校を卒業したら美容師になるつもりだったそうですが、美容学校の制度が変更され、高校卒業資格が必要となり、高校に進学します。高校では一度サッカー部のマネージャーになりましたが、あまり面白くなかったので、バスケ部に入ったそうです。
高校二年生の時に退学、美容師になるのは諦めてヘアメイクになることを目指し、ヘアメイクの専門学校に入るために上京。東京に引っ越し、雀荘でアルバイトを始めます。雀荘を選んだのは、アルバイト情報誌を見て、日払いで、時給も良かったためで、そもそもウエイトレス募集とだけ書いてあったので、雀荘だということも知らないで、面接を受けに行ったそうです。
子供の時に家族で麻雀を打ったり、ゲームでやってりと麻雀に触れ合ったことはありましたが、ルールもほとんど知らない状態で、雀荘で働き始めたことにより、麻雀を覚えていくことになります。次第に麻雀の魅力にのめり込み、ヘアメイクの専門学校には一日も行かずに退学しました。
茅森プロが働いていていたお店は、女性と打てることを売りにした当時流行していた"ギャル雀"のお店「ポリエステル100%」の二号店である「オヤガー」というお店で、そこの店長であった当時は最高位戦日本プロ麻雀協会だった田中智紗都プロに、プロになればゲストとかも紹介できると誘われ、茅森プロが19歳の時に最高位戦日本プロ麻雀協会のプロテストを受けます。
茅森プロはプロテストを落ちてしまいましたが、ちょうど最高位戦日本プロ麻雀協会から分裂する形で日本プロ麻雀協会が設立された時で、多くのプロが最高位戦から協会に移籍したので、茅森プロは補欠合格という形で最高位戦に入会しました。
初出場の女流モンド杯で優勝、女流プロの先駆けに
2001年、19歳で麻雀プロになった茅森プロですが、当時は女性の麻雀プロは少なく、渡辺洋香プロや、二階堂亜樹プロ、二階堂瑠美プロなどの活躍によって少しずつ女流プロが増え始めていた時代で、茅森プロと同じ時期に入った女性も多かったそうですが、今も続けている人はあまりいないそうです。また、茅森プロが入った年に最高位戦の女流リーグ"女流最高位"が始まりました。
女流プロ黎明期にプロになった茅森プロは、2004年、21歳の時に"第2回女流モンド杯"に初出場にして、初優勝、テレビ対局で結果を残し、多くの麻雀ファンから知られるようになります。
2011年、当時理事であった張敏賢プロの説得もあり、それまで2年間休場していた女流リーグ"女流最高位"に参戦しすると優勝、第11期女流最高位となります。
2016年には、"第13回女流モンド杯"で優勝、自身二度目となる女流モンドの優勝を果たします。
モンド杯以外でも、2012年と2016年の麻雀最強戦女流プロ代表決定戦に出場し優勝、また、2013年の女流プロ代表決定戦は敗れますが、「雀豪復活マッチ」(敗者復活戦)が開催され、滝沢和典プロ、佐々木寿人プロ、鈴木達也プロといった実力者を相手に6回戦中4回トップを取るという華々しい勝利でファイナル進出を果たします。女流モンド杯の二度の優勝や、注目度の高い麻雀最強戦で今まで3度のファイナル進出を果たし、"天才"茅森早香の名が広く知られるようになります。
Mリーグに初年度から参加、そして、結婚、出産を経験
2017年12月に結婚、2018年2月に出産、母となった茅森プロですが、2018年7月にMリーグが発足され、8月7日にドラフト会議が開催されます。
茅森プロとしては、Mリーグが始まるより前に開催されていた、各団体のプロが参加するRTDリーグのように、各団体のAリーグにいる人たちが出るものだと思っていたそうですが、ドラフトで指名されたら参加するかどうかという問い合わせが事前に団体へあり、子供も生まれたばかりで時間帯も夜であるので難しいかと思ったそうですが、家族にも相談し、Mリーグ参加のエントリーをします。そして、セガサミーフェニックスからドラスト3位指名を受け、Mリーガーとなります。
Mリーグ1年目のシーズン、チームは最下位となってしまいましたが、初年度だけ表彰された"平均打点賞"を平均打点7,873点で受賞します。
2019年9月からは、YouTubeチャンネル「さやちゃんねるω」を開設、気心の知れた茅森一派である根本佳織プロ、植村里菜プロ、浅見真紀プロたちとの素のトークが見られるようになり、またYouTubeやSNSで、息子凉空(りく)くんが頻繁に登場しており、りくくんの成長や、母親としての茅森プロの姿なども見られるようになり、クールで冷静なイメージがあった茅森プロの意外な一面が見られるようになります。
また2019年には、日本プロ麻雀連盟が主催し、各団体のタイトルホルダーや推薦選手が出場する"女流プロ麻雀日本シリーズ"で優勝し、母親となって初となるタイトルを獲得します。
Mリーグ2019-20シーズンの個人成績は-157.9と大きなマイナスとなりますが、2020-21シーズンは110.2、2021-20シーズンは251.6と好調を維持します。チームのほうは2019-20準優勝、2020-21シーズン最下位、2021-22シーズン準優勝と、良いシーズンと悪いシーズンを繰り返していました。
2022-23シーズン、2023-24シーズン、茅森プロは₋186.3、₋165.7と低迷、そしてチームは二年連続最下位となり、苦しいシーズンを過ごします。そして、魚谷侑未プロと東城りおが2023-24シーズンで契約満了となりチームを退団することが発表されました。近藤誠一プロは2022-23シーズンで選手から監督に転身しており、1年目から選手として参加しているのは茅森プロ一人となりましたが、2024-25シーズンは、低迷するチームを名前の如く不死鳥のように復活させる活躍を期待したいです。
シーズン | 個人 スコア | 平均 打点 | 4着 回避率 | 最高 スコア | 半荘数 |
---|---|---|---|---|---|
2023 | -165.7pt | 5,942 | 0.7083 | 62100 | 24 |
2022 | -186.3pt | 7,313 | 0.7200 | 90000 | 25 |
2021 | 251.6pt | 8,084 | 0.8077 | 62100 | 26 |
2020 | 110.2pt | 7,014 | 0.7391 | 54200 | 23 |
2019 | -157.9pt | 6,491 | 0.6923 | 45400 | 26 |
2018 | -65.4pt | 7,873 | 0.7931 | 56400 | 29 |
獲得タイトル
- 第2回、第13回女流モンド杯
- 第11期女流最高位
- 女流プロ麻雀日本シリーズ2019 優勝
茅森早香プロの対局動画
第2回女流モンド杯の記憶に残る一局
茅森プロが初出場で初優勝となった、当時は女流モンド21杯という名前であった第2回女流モンド杯の決勝戦第二試合の東一局を思い出の一局として茅森プロは挙げています。
女流モンドでの四暗刻単騎
第3回女流モンド杯、四暗刻単騎待ちでテンパイした直ぐ後にアガってしまう天才茅森プロ。第2回、第3回の女流モンドの頃は、今と違いギャル風な衣装、メイクなのが少し新鮮です。
伝説となった字一色
第13期プロクイーンのベスト8B卓最終戦、茅森プロはホンイツに進みそうな配牌から字牌をツモっていき、あっという間に字一色のテンパイに。他家が警戒する中、自ら当り牌をツモり、滅多に出ない字一色を出します。このアガりに、瑠美プロもあからさまにがっかりという表情を浮かべます。
Mリーグ史上初の超レア役・槍槓
Mリーグ2020-21レギュラーシーズン、10月16日の第二試合の南3局、茅森プロが滅多に出ない幻の役、槍槓でのアガりを決めます。槍槓のチャンスがあることに気づいた実況の日吉プロの煽りから、それが本当に実現するまでの流れが秀逸です。
槍槓に続き、Mリーグ史上初の二盃口
Mリーグ2020-21レギュラーシーズン、1月7日の第2試合の南2局、このシーズンすでに槍槓をアガっている茅森プロですが、この試合、またもや滅多に出ない二盃口をアガります。平和、タンヤオ、二盃口、ドラ3で倍満、一気に他家を突き放します。茅森プロは、Mリーグ2022-23の2月20日にも二回目となる二盃口をアガります。流石天才。
9本場まで積み上げ、最終的には9万点の勝利
Mリーグ2022-23レギュラーシーズン、10月18日の第2試合、この試合東二局に親番を迎えた茅森プロは、持ち前の打力を発揮し、9連荘となり東場の時点で6万点越えのトップ、最終的には9万点で110ポイントをチームにもたらす大きな勝利。
まとめ
茅森早香プロは、まだ女流プロが少なかった2000年代初めに19歳でデビューして以来、女流プロのパイオニアの一人として、第一線で活躍してきました。天才すぎるオンナ雀士というキャッチフレーズの名の通りの打ち筋でファンを魅了し、サバサバした性格で常に冷静な表情で麻雀を打つクールなイメージですが、時々見せる素の姿とのギャップに心を掴まれるファンも多い方と思います。また近年では、結婚し、子供が産まれてからも、初年度からMリーグに参戦、子育てしながらも選手として活躍し続けています。
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