
四連刻( スーレンコー) という名の幻のローカル役満
麻雀の役に四連刻(スーレンコー)ってあるじゃないですか?と話を切り出しても「そんな役ないよ」と言われるかもしれません。「四暗刻の事じゃない?」なんて言われるかもしれません。嘘つき呼ばわりされるかもしれません。バカにされるかもしれません。あだ名がスタップになるかもしれません。それでも、あなたは正しいのです。四連刻はあります。そんな知る人ぞ知る幻のローカル役満、四連刻の全てがわかるページです。四連刻をしっかり理解して仲間内で麻雀をする時に取り入れてみてはいかがでしょうか。
四連刻(スーレンコー)とは?
四連刻とは、その名の通り、四つの連続した同色の数字の刻子(コーツ=3枚一組の面子)で成立する役です。
連続する刻子、というのは具体的には、111、222、333、444や555、666、777、888のような連番の刻子を揃えることによって成立します。食い下がりはなく、鳴いても成立します。














得点としては基本的には役満(子32000点/親48000点)とされています。
四連刻の定義の揺れ
四連刻は基本的には上記の条件の役なのですが、ローカル役のためその定義や点数に揺らぎがあります。
- 雀頭も連番でなければならない
- 雀頭が連番な場合、純正四連刻で役満。雀頭が連番でない場合、6翻
- 役満でなく6翻役。そして対々和と複合して実質8翻
という、成立の定義の揺れだったり、点数の揺れがあります。














このように、雀頭も含めての連番になっていないと四連刻と認めないとすることもあります。雀頭まで入れての連番になるので、事実上五連刻と呼べるようなきれいな形になります。
もしくは、雀頭も連番になっているものを役満、雀頭が関係ないものは6翻、とすることもあります。
点数でいうと、役満と認めないこともあります。その場合、四連刻自体は6翻とし、対々和と必ず複合するため実質8翻になります。
このように、四連刻を取り入れるときには、雀頭と点数の扱いには気を付けましょう。
一般的には古役(コヤク=古い中国麻雀に由来する役)と言われています。
四連刻、採用状況。天鳳や雀龍門などでは?
四連刻はいくつかある麻雀プロ団体等では採用されていません。
では、麻雀オンラインゲームで採用されていることはあるのかというと、あまり採用されていません。
麻雀ゲームの最大手、天鳳に至っては、四連刻も下位役である三連刻も含め、その他のローカル役・ローカルルールは採用していません。
ローカル役をいくつか採用している真・雀龍門でも四連刻は採用しておらず、かつてセガのMJシリーズでは採用していたのですが、それも2010年のルール改正によって、四連刻は廃止になりました。
関連役
四連刻はローカル役ですが、公式に採用されている役の中で四連刻の仲間とも呼べる役を紹介します。
対々和(トイトイ/トイトイホー)
対々和は四連刻と同じように四つの刻子を揃えることによって成立する役です。
仮に四連刻が採用されていない場合でも、必ず対々和になります。
四暗刻(スーアンコウ)
四暗刻とは、暗刻を四つ集めることによって成立する役で、役満(子32000点/親48000点)です。つまり、メンゼンで四連刻を成立させて場合、ダブル役満(子64000点/親96000点)として、役満の点数の2倍にすることもあります。*しかし、ダブル役満あり、というのもローカルルールなので、事前の取り決めが必要です。一般的なルールでは点数は役満で打ち止めです。
四連刻が採用されない場合
四連刻が採用されない場合、メンゼンの場合は四暗刻になります。一度でも鳴けば三暗刻の2翻に下がります。
鳴いた場合、一番安くて対々和(トイトイ)です。もしくは清一色(チンイツ)や混一色(ホンイツ)の複合の可能性があります。雀頭が同じ種類の数牌の場合は、清一色との複合で八翻(食い下がり七翻)、雀頭が字牌の場合は混一色との複合で五翻(食い下がり四翻)になります。もし鳴きが一回で暗刻が三つあれば三暗刻もつきます。
四連刻の形でアガった場合、どの役がつくかは多くの可能性があります。いくつかの役が複合して大きな手になる可能性もあれば、鳴きすぎれば点数が低い可能性もあります。役についてしっかり把握しておきましょう。
公式で採用されている役についてはこちらのページで説明しています。麻雀のルール、役(ヤク)が無いとアガれません!初心者必見、こんな時はこの役を狙え!
鳴きで作ろう、四連刻
四連刻の大きな特徴の1つとして、食い下がりがありません。
どういうことかというと、鳴いても点数は下がりません。もし、四連刻の点数が役満でも実質8翻でも、鳴いて四連刻を狙うのは大きなポイントになります。
メンゼンで作る上でのメリットを考えると、ダブル役満がありとするルールであれば、四暗刻との複合でダブル役満になりますが、ダブル役満なしの場合だとそのメリットはないです。
他の役でもそうですが、所構わず鳴くのは得策だとは言えません。
基本的に、鳴きは2回までに抑えたいところです。例えば、222、333と鳴いた場合、他家は1と4の警戒を高めるはずです。111、222、333と鳴いたらもう誰も4は捨てなくなります。やはり、多くても鳴きは2回まで、というセオリーに従った方が良いです。
ましてや手牌を同色牌で集めていくことになるので、捨て牌から自分の欲しい牌が読まれやすくなっているので、やはり鳴きすぎには要注意です。
もし、四連刻が無理そうだと判断したら、対々和や混一色(ホンイツ)に手を変えることも視野に入れましょう。
混一色についてはこちらのページをご覧ください→ホンイツ(混一色)は鳴きでも成立の便利役。上級者は使ってます!
四連刻の確率
四連刻は一般的に認めれれている他の役満と比べると確率的には比較的出やすい気がします。
気がします、というのは、何か特別な根拠があるわけではないですが、役満の中でも比較的出やすいとされる四暗刻と比べると、四連刻の方が確実に出やすいはずです。
その根拠としては、四連刻の場合は鳴きありという点は、メンゼンのみで成立する四暗刻と比べるとハードルがかなり低くなるはずです。もし仮に他家のレベルが低ければ、鳴いて四連刻を作るチャンスは多くありそうに思えますが、四暗刻の場合はメンゼンでないと成立しえないのでより運が強くなければ成立しません。
やはり、鳴いて作れる四連刻が役満では高すぎる、という意見があるので、実質八翻とするといったルールがあるのです。
あくまでも比較的他の役満と比べたら出やすいと言われている、という一般論です。決して簡単にアガれる役ではないのは事実です。
関連ローカル役
四連刻と関係のある、似たようなローカル役があるので紹介したいと思います。
- 三連刻(サンレンコウ)
- 一色同順(イーソーサンシュン/イッショクサンジュン)
- 一色四順(イーソースーシュン/イッショクヨンジュン)
これらの役は、三連刻と同じように、中国麻雀には存在するものの、あまり普及せず公式な役として定着せずに、ローカル役になってしまった役です。
三連刻(サンレンコウ)
三連刻というのは、麻雀の競技団体などが定めている一般的なルールには採用されることが少ない、地域限定だったり身内同士や雀荘でのみ使われるローカル役という役の一種です。三連ポンと呼ばれることもあります。
同色(ドウショク=同じ種類の数牌)で222・333・444といったような、連続した数字の刻子(コーツ)を揃えて成立する役です。2翻役で食い下がりがないのが一般的です。














このように、連続した数字の刻子があるので、三連刻が成立します。
数字自体に縛りはなく、①連続している数字であるという事と、②刻子であるという事がポイントになります。なので、777、888、999でも成立しますし、444、555、666でも成立します。
採用されることは少ないですが、知名度は高く、麻雀好きなら知っている人も多いので、覚えておいて損はないです。
一色三順(イーソーサンシュン、イッショクサンジュン)
一色三順の定義自体には揺れがないです。
その名の通り、同種の順子を三つ集めることによって成立します。一盃口のパワーアップバージョンですね。














しかし、よく見てください。つまりはメンゼンの場合、三連刻と同じことになります。
メンゼン状態の場合、三連刻と一色三順がかぶるため、どちらかのみを採用することもあります。しかし、両方とも採用する場合もあるので、一概にもどちらが多いとは言い切れないです。
一色三順は順子系の役なので、チーをすることによって作ることも出来ます。そして食い下がりもあります。三連刻はポンが出来、食い下がりがない、といったように、戦略性が微妙に変わってくるのです。
そして、気になる一色三順の得点ですが、これに定義の揺れがあります。
- メンゼンのみで2翻、もしくは3翻
- メンゼンで2翻、食い下がりで1翻
- メンゼンで3翻、食い下がりで2翻
このように、点数にばらつきがあります。個人的な実感としては、2翻役の食い下がりで1翻というところが、一盃口の上位役という感じでおさまりが良い気がします。
このように点数にばらつきがあり、三連刻と兼ね合わせも人によって意見が食い違うこともあることから、あまり日本に馴染めずにローカル役止まりだったのではないでしょうか・・・。
一色四順(イーソースーシュン/イッショクヨンジュン)
同種の順子を4つ集めることによって成立します。言いかえれば、二盃口を同じ牌で集めたもの、一色三順にもう一つ加えたもの、となります。なので、一盃口の下位役にあたるので、一盃口との複合はありません。
別名・四連太宝(スーレンタイホー)と呼ばれ、浅見了さんが作ったとされています。ちなみにこちらのサイトhttp://www9.plala.or.jp/majan/ori18.htmlで四連太宝(スーレンタイホー)という別名がついた由来が説明されています。面白いので気になったかたはどうぞ。














点数は役満とするのが一般的です。鳴いた場合は食い下がりするかどうかは、あいまいですが、やはり鳴いたところで難しい役なので、鳴いても役満とする方が一般的です。
こっそり「咲-Saki-」に出てきた四連刻
四連刻はローカル役であるため、いくら滅茶苦茶な世界観の漫画「咲-Saki-」にも登場しませんし、劇中のルール上も採用されていません。
しかし、調べてみるとこっそりとローカル役が出てくることがあるみたいです。
主人公・咲が地方予選の最終戦で鳴き清一色、対々和、三暗刻、三槓子、嶺上開花、赤ドラ×1の数え役満でアガります。その時のアガり形がこっそりと四連刻の並びになっています。
他にもアガりの手牌が、こっそりとローカル役になっている時があったり、登場人物にちなんだローカル役にさりげなくなっていたりします。もし、咲を見てる人は隠れミッキーを探すように探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
四連刻やこのページで紹介したローカル役以外にもたくさんローカル役は存在します。ただ、ローカルゆえに定義に揺れがあるのがほとんどです。逆に言えばそこがローカルらしさでしょうか。もし、そのようなローカル役に遭遇したらしっかりと条件を確認して、自分の身は自分で守りましょう。ローカル役と言っても、本場中国では存在していたり、ただ単に日本に定着しなかった、というだけで公式な役と呼ばれていないだけです。所詮、麻雀の世界での公式なんていうものは曖昧なので、是非、仲間内で集まって麻雀をする機会があれば、試しに四連刻などを取り入れてはいかがでしょうか。
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
符の計算や役の説明とかにいつもお世話になってます
majandofu.com/mahjong-hands-simple
↑これのスーレンコーが門前になっている
イッショクサンジュンが鳴きOKになっている
ついでに南北戦争は
南南南北北北1s8s6s1s1p8p6p1p(sは索子pは筒子)
ではなく
南南南北北北1s8s6s1s1p8p6p5p
が正しいのでは
あと説明では1865年のことしか書いていないから直すべきではと思います
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>これのスーレンコーが門前になっている
>南南南北北北1s8s6s1s1p8p6p5pが正しいのでは
>あと説明では1865年のことしか書いていないから直すべきではと思います
ご指摘の内容を修正いたしました。
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