醍醐大 孤高の探究者と称される最高位戦の実力者
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醍醐大 孤高の探究者と称される最高位戦の実力者

醍醐大プロは、所属している最高位戦日本プロ麻雀協会のトップリーグであるAリーグの常連であり、同団体最高峰のタイトルである"最高位"の獲得経験もある、実力者と知られています。"先切り十段"という二つ名を持ち、バランス型の雀風でありながら、牌効率的には定石ではない打ち方をするときがあり、麻雀ファンを驚かせることがあります。Mリーグに参戦し、"孤高の探究者"という醍醐プロらしいキャッチフレーズもつきました。最高位戦の実力者、醍醐大プロについてご紹介します。

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醍醐大プロについて

プロフィール

  • 名前:醍醐大(だいご ひろし)
  • 生年月日:1976年4月21日
  • 出身:千葉県松戸市
  • 学歴:慶應義塾大学経済学部退学
  • 血液型:O型
  • 好きな物:将棋、人狼、サウナ
  • 所属団体:最高位戦日本プロ麻雀協会
  • Mリーグチーム:セガサミーフェニックス
  • X:@katumatakenji
  • note:醍醐大

"醍醐大"という名前は本名ではなく、本名は清原大という名前で、醍醐という名前は母親の旧姓です。

将棋や人狼は、やるよりも観る方が好きのようで、テレビや配信で鑑賞することがよくあるそうです。サウナも好きで、週に2、3回に行き、麻雀の試合の前には、サウナに行って、頭を休めるのがルーティンだと、最高位戦日本プロ麻雀協会のホームページに掲載されているインタビューの中で明かしています。

インドア系の趣味が好みでしたが、最近では登山にも行くそうです。

変わっていると言われる雀風ですが、ご自身は一貫して「スタンダート」と答えています。

日向藍子プロのYouTubeチャンネル「ひなたんの麻雀するしない」の中の1コーナー「ひなたの部屋」に醍醐プロが出演した際、日向プロ曰く、醍醐プロは女流プロからの人気が高いと話していました。ご本人も人に怒るのが苦手と語るように温和な人柄で、優しいお人柄で女性にもモテるそうです。

HQ麻雀

醍醐大プロは、会社員として働きながら、最高位戦日本プロ麻雀協会に入会し麻雀プロとして活動を行っていましたが、2019年に転職、ITサービス事業を核とする「PPP’s(スリーピース)株式会社」に入社しました。

そして、PPP's株式会社は麻雀関連事業として、"『参加者にとって上質なレッスンを』コンセプトに”HighQuality"な麻雀レッスン・イベント"を提供する「HQ麻雀」を立ち上げ、醍醐大プロを中心に初心者から中・上級者、そして子供も対象とした麻雀教室や、麻雀関連のイベントなどを行っています。

立ち上げ当初は、醍醐大プロのみでしたが、その後、Mリーグの解説も務める最高位戦日本プロ麻雀協会所属の河野直也プロや、醍醐プロのYouTubeチャネルのディレクターを務めている最高位戦日本プロ麻雀協会所属の成田裕和プロも参加し、そして2023年9月からは、Mリーグ・元赤坂ドリブンズの最高位戦日本プロ麻雀協会所属の丸山奏子プロも加入しました。

代表取締役の石山大介氏によると、競技麻雀の魅力を伝えるために麻雀教室を始め、ギャンブルイメージからの脱却と、将来的にはeスポーツへの進出を見据えたオンライン展開を目指しているそうです。醍醐プロもHQ麻雀について、立ち上げ当初に、儲けより第1に麻雀の普及が理念と語っており、そして、株式会社の事業として、最低限の収益は上げないといけないし、できれば大きくしていきたいとも述べており、その言葉通りに、事業は順調に展開しており、丸山プロも加入したことによって、女性向けの教室も開設されるなど、麻雀の普及に大きく貢献しています。

教室のイベントは、公式ホームページやXで確認することが出来ます。またHQ麻雀についても、PPP’sの公式ホームページで詳しく紹介されています。

奥さんは元最高位戦所属の近藤加那子さん

醍醐大プロは、元麻雀プロである近藤加那子さんと結婚しており、麻雀界の仲良し夫婦として知られています。結婚して10年以上たっても今だラブラブだと、日向藍子プロもYouTubeチャンネルで話しています。近藤加那子さんは、今は退会しましたが、最高位戦日本プロ麻雀協会に所属しており、醍醐プロとは同期入会でした。

お酒を飲まない醍醐プロはあまり打ち上げなどには出る事があまりないそうですが、出会いのきっかけは何かの打ち上げの席だったそうで、村上淳プロがその打ち上げで近藤加那子さんを紹介したことをきっかけに知り合い、交際に発展したそうです。

近藤加那子さんは、最高位戦が主催で、他団体の女流プロやアマチュアの選手も出場する"女流名人戦"のタイトルを2006年に獲得、現在は解散した麻雀団体・日本麻雀機構が主催したレディースカップの2007年大会で優勝するなど、タイトル獲得の実績もあり、テレビ対局にもたびたび出演する、人気プロ雀士でした。

天鳳

醍醐大プロは、オンライン麻雀「天鳳」の高段位ユーザーとしても有名です。ハンドルネームはkiyodaiで、最高位である天鳳位の一歩手前である、十段まで昇級した経験があります。

元々オンライン麻雀に親しんでいたわけではなく、天鳳を始めたのは、麻雀プロになった後からだそうです。足を骨折し、家で仕事をする期間があり、それで天鳳を始めるようになったそうです。

天鳳位を始めとする天鳳の強者とプロ雀士が出場し年間を通して戦われる「天鳳名人戦」にも。第9期、第10期、第11期と三年連続出場しており、天鳳となじみの深い麻雀プロの一人です。

“孤高の探究者”醍醐大プロの経歴

慶応大学中退ではありますが、中学から慶応に通った高学歴雀士であり、会社員として働きながら麻雀プロと活躍する醍醐大プロの経歴についてご紹介します。

中学受験で慶応へ、麻雀と出会う

醍醐プロは小学校4年生の時に千葉県では有名な学習塾に通うようになり、東京の難関校である開成中学に合格するために、勉強漬けの少年時代を過ごします。開成中学は落ちてしまいますが、慶応義塾中等部に入学します。

中学校ではラグビー部に入り、そこで部室でカードを使った麻雀が流行り、麻雀と出会います。そして、高校も慶應義塾志木高等学校に進学します。高校でもラグビーを続けていましたが、中学時代からケガが多く、古傷である右膝を大ケガしてしまい、高校でラグビーを辞めることになります。ラグビーを辞めると遊ぶようになり、一年留年するも、慶応大学経済学部に進学します。

ちなみに、醍醐プロは慶應義塾大学中退ですが、他のMリーガーでは、渋谷ABEMASの白鳥翔プロや、赤坂ドリブンズの園田賢プロが慶應義塾大学卒業です。

大学は日吉キャンパスに通うことになったので、大学進学をきっかけに一人暮らしを始めます。大学に通い始めてすぐに、雀荘でアルバイトをするようになります。この時は、特別麻雀が好きで雀荘を選んだわけではなく、適当に雀荘を選んだそうですが、これが醍醐プロにとって大きなターニングポイントとなります。

醍醐プロが働いた店というのが、元最高位戦で現在はフリーで活動する古久根英孝プロが運営する、池袋にあった「BOY」という雀荘で、これがきっかけに、醍醐プロが師匠と呼ぶ古久根プロと出会い、競技麻雀の面白さを知ることになります。

その後、古久根プロの紹介で水道橋の雀荘「ラブリーベイベー」に移籍することになります。麻雀との関りの深い大学生活を送っており、古久根プロからも最高位戦の入会を勧められますが、意外にもこの時点では麻雀プロになる気はなかったそうで、就職を目指します。不動産関係の会社から内定をもらいますが、就職活動に力を入れ過ぎてしまい、単位が足りず卒業することが出来ず留年してしまい、内定が取り消しになってしまいました。

もう一度就職活動する気持ちになれず、大学を中退、そして松戸市の実家に戻ることになります。地元に戻った醍醐プロは、松戸市にある麻将連合μ所属の木村和幸プロが運営する雀荘で働き始め、そして新たに十条店がオープンすることになり、そこで3,4年働くことになります。

会社員と麻雀プロの二足の草鞋の生活に

大学を中退して、雀荘で働くことになった醍醐プロですが、自宅と雀荘の往復の日々に飽きてしまいます。そして、お店で出会ったお客さんの紹介で、27歳になった2004年頃にシステム開発会社に就職、飲食店などにあるタッチパネルの営業を行う職に就きました。

この時、麻雀界から離れるのも寂しく思い、2005年、29歳の頃に同じ雀荘で働いていた仁専寛史プロと共に最高位戦日本プロ麻雀協会のテストを受け、30期生として入会しました。最高位戦を選んだのは、仁専プロが最高位戦にしましょうと誘われたからだそうです。

麻雀プロとなった醍醐プロですが、同時に仕事も続けていたので、会社員と麻雀プロの二足の草鞋の生活が始まります。入社した当初は小さい会社だったそうですが、徐々に会社は大きくなっていき、2014年頃には会社が売却され経営陣が変わり、醍醐プロはなんと副社長までなったそうです。

会社員としてのキャリアも順調に上がっていくのと同時に、麻雀プロとしての活動も順調に進んでいきます。所属団体のリーグ戦も、2013年にはB1リーグ1位となりAリーグ昇格、以降Aリーグの常連となっていきます。

醍醐プロは、麻雀プロとして活動していることは公表していませんでしたが、最高位戦のAリーグがABEMAで中継されることが決まり、メディアに出ることになると影響力が大きいため、会社を退社することになります。

そして、この時にPPP's株式会社の代表取締役である石山大介氏からX(当時はTwitter)を通じ、醍醐プロへ連絡があります。石山氏とは、醍醐プロが水道橋の雀荘「ラブリーベイベー」で働いていた時の知り合いで、数十年連絡を取っていなかったそうですが、連絡を取り合うようになり、会社を辞めたならうちに来ないかという誘いがあり、2019年4月にPPP's株式会社に入社することを決意します。

当初は麻雀関連ではない仕事をしていたそうですが、入社して半年ほどたった9月にHQ麻雀事業が開始しました。麻雀プロと会社員の二足の草鞋の生活を長らく続けていた醍醐プロですが、麻雀プロとしての能力を活かした会社員となります。

PPP’s入社後、選手としても大きく飛躍することになり、2020年3月には麻将連合μが主催し、他団体のプロも参加することができる、同団体の中で最も歴史あるタイトルである「BIG1カップ」で優勝、初となるタイトルを獲得します。

そして、2020年はリーグ戦の成績も好調で上位3人に残り、2021年1月9月に行われた、所属団体の最高位戦日本プロ麻雀協会の最高峰タイトル「最高位決定戦」に進出し優勝、第45期最高位となります。前年も最高位決定戦に初めて進出しましたが、惜しくも3位となり悔しい思いをした翌年の優勝となり、終局後には涙を流す一面もありました。

2023シーズンからMリーガーに

リーグ戦も安定して好成績を残し、最高位にも輝いたことから、次のMリーガー候補によく挙げられる麻雀プロの一人になります。ドラフト会議の1カ月前ぐらいになると、街でも声を掛けられるようになるほどだったそうですが、なかなかすぐにはMリーグ入りは決まりませんでした。

実際、2021年にEX風林火山から声がかかっていたそうです。この年、滝沢和典プロが退団することが決まり、2名分枠が開くことになりましたが、1名はEX風林火山が実施した「ドラフト会議指名選手オーディション」で優勝したRMU所属の松ヶ瀬隆弥プロの入団は決まっており、もう1枠に醍醐プロが候補となっており、ご本人まで話が行っていたそうですが、最終的には二階堂瑠美プロに決定したという事があったと、YouTubeチャンネル「麻雀遊戯王」の番組内で明かしています。(【麻雀遊戯CAFE】ドラフト前の感動エピソードや裏話も!?Mリーガーになってどう?[ゲスト:醍醐大]より)

そして2023年6月、近藤誠一プロが体調不良を理由に勇退し監督に就任したセガサミーフェニックスからドラフト指名され、Mリーガーとなりました。

実際にドラフトで指名された時の感想はほっとしたと語っており、その時の様子がご自身のYouTubeチャンネル「醍醐大冒険」にアップされている動画で見ることが出来ます。

チームメイトについては、今まであまり接点がなかったそうですが、新監督となる近藤誠一プロは、同じ最高位戦日本プロ麻雀協会に所属し、Aリーグで何度も対戦している先輩雀士であり、醍醐プロが麻雀プロとして理想とする人物だと挙げてる人物です。「優勝して、誠一さんを胴上げしたい。今の目標はそれに尽きる」と、フェニックス入りが決まり、その抱負を語っています。

醍醐プロは今まで最も緊張したのは、麻雀最強戦ファイナルに進出した時だったけれど、Mリーグのデビュー戦は、それを超えるほどの緊張だったそうです。

同卓したのは、園田賢プロ、渋川難波プロ、仲林圭プロと、顔なじみのメンツで、試合前は和気あいあいとした空気だったけど、試合が始まったら汗と手の震えが止まらないほどの緊張だったそうです。最強位でもそうだったそうですが、緊張はしても、思考に影響はなく、手の震えなど身体に現れるそうです。

2023年12月5日には、自身11試合目にして初トップを獲得し、なかなかMリーグで勝てない期間が続いていましたが、ようやく長いトンネルを抜けました。少しぎこちない、フェニックスお決まりの勝利のポーズを披露してくれました。

獲得タイトル

  • 第45期 最高位
  • 第23回BIG1カップ 優勝

醍醐大プロの対局動画

大胆であり繊細でもある、実況や解説の麻雀プロたちも驚く醍醐プロの対局動画をご紹介します。

その後の展開も驚きです

実況を務める浅見真紀プロ、解説の石田時敬プロ、浅井裕介プロも驚く最高位決定戦でのビタ止めシーン。

テンパイしても危険牌を打たないのが凄い

守りに徹しているようで、最終的には攻めに転じる一局。

役満・四暗刻

第44期最高位決定戦 最終節で出た。

流石最高位

チンイツをテンパイしてから、凄い展開になっていきます。

リーチ対決

同じ年にMリーグ入りした鈴木大介プロと。

YouTubeチャンネル「醍醐大冒険」

2023年1月より、醍醐プロのYouTubeチャンネル「醍醐大冒険」が開設されました。

このチャンネルは醍醐プロ個人で運営しているわけでなく、HQ麻雀が運営しており、相方として河野直也プロが参加、成田裕和プロがディレクターという立場で参加しています。また、このチャンネルの可愛らしいイラストは丸山奏子プロによるものです。

Mリーグの試合や、最高位戦A1リーグの試合の牌譜検討配信や、こういう時どうしたらいいかといった麻雀の質問に答えるといった硬派な動画はもちろん、セガサミーフェニックスファンミーティングに密着する動画や、醍醐プロの休日に最高位戦所属の竹内元太プロや山崎淑弥プロと一緒に筑波山に登山に行くといった、バラエティよりの動画も投稿されています。

まだ始まったばかりですが、これからの醍醐プロの大冒険に注目です。

YouTubeチャンネル「醍醐大冒険」

まとめ

醍醐大プロは、麻雀プロとしてのキャリアは長い方になってきましたが、麻雀プロとなったのは29歳の時で比較的他のトッププロと比べると遅く、そして会社員との二足の草鞋で活動してきました。しかし、リーグ戦では順調に昇級していき、今ではAリーグの常連で最高位のタイトルも獲得、天鳳でも高段位ユーザーとして知られており、ついにMリーガーにもなり、最高位戦を代表する実力者と言えるような活躍をしています。

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