流し満貫、捨て牌で拾う起死回生の技!
- 流し満貫とは
- 流し満貫が成立した時の扱い
- 二人流し満貫
- 流し満貫の採用状況
- まとめ
牌山の残りも僅か、誰もアガる気配がない。ついに最後の1枚がツモられ、その捨て牌にも反応なし。流局。ホッとして、卓上の牌を掻き混ぜようとしたその時、「流し満貫」の声。流し満貫?誰もアガっていないのに満貫とは一体どういう事でしょうか?日本生まれの不思議なルール流し満貫を見てみましょう。
流し満貫とは
流し満貫とは、通常のアガり役とは異なり、流局時に一定の条件を満たすことで、満貫とする一風変わったルールの事です。
ただし、流し満貫はローカルルールなので、採用されない場合も多々あります。
流し満貫の成立条件
- 1.荒牌平局(ホワンパイピンチュー、こうはいへいきょく)すること
- 2.自分の捨て牌が全て么九牌(ヤオチューハイ = 一九字牌)であること
- 3.自分の捨て牌が一度も鳴かれていないこと
この3つの条件を満たすことで、流し満貫が成立します。
荒牌平局とは、誰もアガる事無く全ての牌山をツモし終わって流局(リュウキョク=ゲーム終了)することを言います。
荒牌平局が前提なので、四開槓や四家立直などで途中流局した場合は、流し満貫は成立しません。
成立時した場合、自摸アガりと同じ扱いで他家(ターチャ=他のプレーヤー)全員から点数の支払いを受けます。
点数はその名の通り、満貫と同じなのが一般的ですが、倍満や三倍満、3人打ち麻雀では役満とする場合もあります。
流し満貫はあくまでもローカルルールですので、必ずしも上記の条件で統一されているわけではありません。
その場で採用されているルールに従いましょう。
ちなみに、この流し満貫は出現率が0.03%というデータもあるそうです。役満の国士無双(コクシムソウ)の出現率が0.043%ということなので、役満と同程度の難易度と考えても良いでしょう。荒牌平局した場合、捨て牌の枚数は東家と南家で18枚、西家と北家で17枚です。
それら全てを么九牌にして、尚且つ一回も鳴かれてはいけないとなると、納得の難易度です。終盤になっても捨て牌が么九牌ばかりで、尚且つ手牌にも么九牌が複数残っていてアガれる見込みがない場合なら狙ってみても良いかもしれませんが、最初から狙う手ではありません。
流し満貫が成立した時の扱い
流し満貫が成立した場合、その扱いは2通り考えられます。一つは、流し満貫をアガりとして扱う。もう一つは、流し満貫はアガりとして扱わずに、ご祝儀として点数のやり取りだけ行い、その局自体は流局とする。
ローカルルールである流し満貫はその扱いもまちまちで、統一されたルールはありません。しかし、流し満貫をアガりとして扱うか、アガりと扱わずに流局させるかで、下記の項目の扱いも変わってきますので、注意が必要です。
ノーテン罰符
ノーテン罰符とは、荒牌平局の時点でテンパイ(あと1枚でアガりになる形)していないプレーヤーがテンパイしているプレーヤーに支払わなければならない点数の事。
アガりとする場合 ・・・ ノーテン罰符の徴収は無し
流局とする場合 ・・・ ノーテン罰符の徴収は有り
供託リーチ棒
供託リーチ棒とは、リーチをする際に場に差し出す1000点棒の事。
アガりとする場合 ・・・ 供託リーチ棒は流し満貫を成立させたプレーヤーが徴収する
流局とする場合 ・・・ 供託リーチ棒は場に残す
連荘(レンチャン)
連荘とは、次の局も連続して同じプレーヤーが親を担当する事。
アガりとする場合 ・・・ 親の流し満貫の際は連荘、子の流し満貫の際は連荘しない
流局とする場合 ・・・ 親がテンパイしていれば連荘、していなければ連荘しない※
※親がテンパイしていても連荘しないルールもあります。
ちょっとややこしく感じるかもしれませんが、要は誰かがアガった場合と、誰もアガらずに流局となった場合の違いですね。
二人流し満貫
么九牌は全部で52枚あるので、理論上は3人同時の流し満貫が可能です。あくまで理論上の話なので、実際にはあり得ないくらい低い確率です(確率計算は出来ませんが・・・)。ですが、もし奇跡的に二人以上同時に流し満貫が成立した場合、どうなるのでしょうか。
それは、二家和(リャンチャホー)や三家和(サンチャホー)を認めるかどうかによります。
二家和 ・・・ 二人同時のアガりを認めるというルール
三家和 ・・・ 三人同時にアガりになった場合は流局とするルール
二人同時に流し満貫を成立させた場合、二家和が認められれば二人とも流し満貫成立です。認められていなければ、上家のプレーヤーのみ流し満貫成立となります。三人同時に流し満貫を成立させた場合も同様ですが、三家和のルールが採用されている場合は流局となります。
二家和のルールが採用され、二人流し満貫が成立した場合、得点計算に注意が必要です。
流し満貫は放銃者(振り込むプレーヤー)がいないので、自摸アガりの時と同様に、アガった(この場合、流し満貫が成立した)プレーヤー以外全員に支払義務が生じます。つまり、二人流し満貫の場合、自分が流し満貫を成立させても、もう一人のプレーヤーに支払いをしなければなりません。東家(親)と南家(子)の二人が流し満貫をアガった場合、点数は下記のようになります。なお、西家と北家はテンパイしているものとします。
東家(親) 12000点 - 4000点(南家に払う) = 8000点
南家(子) 8000点 - 4000点(東家に払う) = 4000点
西家(子) -4000点(東家に払う) -2000点(南家に払う) = -6000点
北家(子) -4000点(東家に払う) -2000点(南家に払う) = -6000点
流し満貫の採用状況
ローカル役ですが、メジャーなゲームでも流し満貫を採用しているケースが多いようです。
Mリーグ | 不採用 | |
---|---|---|
天鳳 | 採用 | 流局扱い |
新雀龍門 | 採用 | 流局扱い |
MJ5 | 採用 | アガり扱い |
Maru-Jan | 採用 | アガり扱い |
ロン2 | 不採用 | |
東風荘 | 採用 | 流局扱い |
闘牌王 | 採用 | アガり扱い |
麻雀格闘倶楽部 | 採用 | 流局扱い |
日本プロ麻雀連盟 | 言及なし | |
日本プロ麻雀協会 | 言及なし |
まとめ
捨て牌を見て、捨て牌で役が出来るんじゃないかって思う事がたまにありますよね。同じように思った人が流し満貫を考えたのでしょうか。
これだけ様々なローカルルールがあるゲームも珍しいですよね。この多様性が麻雀の魅力の一つなんでしょう。流し満貫は積極的に狙っていくものではありませんが、荒牌平局までバレれずに成立したらとても気持ちよさそうなので、一度くらいは狙ってみたいものです(笑)
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