渡辺太 現役医者でネット麻雀最強のゴールデンルーキー
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渡辺太 現役医者でネット麻雀最強のゴールデンルーキー

渡辺太プロは、オンライン麻雀で圧倒的な成績を残し、その世界では知らないものはいないと言うほどの有名人でした。2023年に鳴り物入りで最高位戦日本プロ麻雀協会に入会、そして、その直後にはMリーグ・赤坂ドリブンズから指名を受け、Mリーガーとなり、大きな話題となりました。現役の医師でありながらも、ネット麻雀界の実力者であり、今はMリーガーとなった、ゴールデンルーキー渡辺太プロについてご紹介します。

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ネット麻雀界の有名人、渡辺太プロについて

プロフィール

渡辺太プロは、プロ入り前は医師として北海道札幌市の病院で勤めていました。麻雀プロになってからも、都内の病院で非常勤医師として現役で働いており、麻雀プロと医者という珍しい二刀流で活躍しています。お医者さんとしての専門は内科です。

東京大学卒業と紹介されることがありますが、実際は東京大学に入学した後、医者になるために医学部のある大学に入り直したそうで、卒業はしていないそうです。(YouTubeりおみんチャンネル「新Mリーガー渡辺太選手にいろいろ聞いてみた!」より)

麻雀ファンからも他の麻雀プロや関係者からも"ふとっしー"という愛称で親しまれています。

ネット麻雀出身でデータを重視する理論派の雀士ですが、"麻雀はガッツ"という言葉をよく使います。これは、データ麻雀を追求すると押すことが大事という事がわかるので、押すためにはガッツがないとできないという考えから来ています。

麻雀以外には将棋が趣味ですが、やるよりもどちらかというと観る方が好きのようです。また、カラオケに行くと、BUMP OF CHICKENの曲をよく歌うそうです。

Mリーガーになってからは、自身で考えた"麻雀シンギュラリティ"という二つ名がつきました。X上でその名前の意味について説明しています。

ネット麻雀最強の男”太くないお”

渡辺太プロは、麻雀プロになる以前からオンライン麻雀の世界では有名なプレイヤーでした。

530万人ユーザーが登録するオンライン対戦麻雀「天鳳」で、"太くないお"のIDで最高段位となる"4麻天鳳位"(第5代目)となり、その後サブアカウントの"藤井聡太"(現在は藤井聡ふと)で3麻天鳳位(第14代目)、4麻天鳳位(第16代目)になり、3度の天鳳位に輝くという圧倒的な実績を残しています。

またオンライン対戦麻雀「雀魂」でも、"ないおトン"というIDで3麻、4麻共に最高段位である"魂天"に到達しています。このネット麻雀の実績から、"トリプル天鳳位・ダブル魂天と称されています。

他にも鳳凰卓東風戦専用IDである"計算機自然(最高十段)"や"鳳南のぶたさん"(4麻最高十段)といったアカウントを持っています。麻雀プロになりMリーガーとなった今も3度目となる4麻天鳳位を目指しています。

ネット麻雀の世界で複数のアカウントを持っていますが、一番有名な名前である"太くないお"の名前の由来は、元々天鳳にいた"怖くないお"というIDのプレイヤーがいて、その名前のパロディーとして、運が太い細いという言葉をもじって"太くないお"という名前になったそうです。結果として、太としう名前だけど細身の体型だという、ダブルミーニングにもなっています。

天鳳で最高九段に到達した実績を持つ、最高位戦日本プロ麻雀協会所属でMリーグ・U-NEXT Piratesの瑞原明奈プロのハンドルネーム"みかん太"は、天鳳名人戦で"太くないお"が活躍していたことが由来の一つの理由となっています。他にはみかんを食べながら考えていたこと、太いとつけていたら運が太くなるだろう、という理由があります。

ネット麻雀出身の雀士らしく、麻雀にオカルト的な要素を取り入れないタイプで、風を感じることはあるがそれが打牌に影響しない、と語ります。また、オンライン麻雀はラスを引くとダメージが大きいためラス回避に特化していると思われがちですが、渡辺太プロは、たくさんアガって終わらせる、攻撃が守備という考えの雀風です。

ネット麻雀に費やした時間は、2、3万半荘、総プレー時間は1万5000時間を超え、他の麻雀プロがリアルで打った時間と比較しても、遜色のない時間をオンライン上で経験してきたと言えるでしょう。

Vtuber・ないおトン

渡辺太プロは、ないおトンという名前の豚のアバターを使いVtuberとしても活動しています。

ないおトンは、赤いマントを付けリーチ棒を武器に持っている可愛らしい豚のイラストで、渡辺太プロが麻雀プロになる前から使用しており、YouTubeで雀魂の実況配信や麻雀に関連した企画に挑戦していました。Mリーガーとなってからは、Mリーグの牌譜検討も行っています。

制作者はイラストレーターのゆるもたん氏で、ホームページによると"麻雀戦術本の挿絵をきっかけに麻雀関連のVtuber制作やグッズイラスト、麻雀イベント主催"といった活動をするようになったそうで、「麻雀 勝ち確システム」や「イラスト見るだけ!Mリーガー佐々木寿人の麻雀入門」といった麻雀本のイラストや「天鳳位×Vtuber杯 2021」や「太くないお新Mリーガー記念杯2023」といったイベントの運営を行っています。

ないおトンのラインスタンプ(それゆけ!ないおトン♪の日常スタンプ)やアクリルキーホルダー、クッションといったグッズ(ゆるもたや)も発売しています。

お医者さんでネット麻雀最強雀士の経歴

現役のお医者さんでありながら、ネット麻雀で腕を磨く

渡辺太プロが麻雀と出会ったのは5歳の時、家族麻雀をやったことがきっかけでした。その時に初めて牌を触り麻雀に興味を持ち、その後、ゲームボーイやスーパーファミコンといった家庭用ゲームの麻雀ソフトで、麻雀にはまっていくようになります。ネット麻雀界で名をはせた、渡辺太プロらしい麻雀との出会いです。

ちなみに、北海道の病院で働いていたのを辞め、東京にやってきて麻雀プロになったエピソードが有名であるため誤解されがちですが、渡辺太プロは北海道出身ではなく、埼玉県さいたま市の出身です。

渡辺太プロは子供の頃、新しい問題を解くのがとにかく好きで、教科書や問題集を次々と解いていき、同じように、頭を使う麻雀にどんどん熱中していったと、Mリーガーの人生を漫画化した作品「追憶のM」の中でも描かれています。

現役で東京大学理科I類に入学し、大学生となってから、初めて人と麻雀を打つようになりましたが、天鳳と出会い、オンライン麻雀の世界にのめり込みます。ゲームで麻雀と親しんでいた渡辺太プロにとって、対人でありながらも無機質な天鳳は、一人で麻雀をやるのと変わらない感覚だったため、とっつきやすかったと、渡辺太プロは語ります。(AIと人類の共存へ。渡辺太「人間の感覚ではやりづらいとされてきた選択を見てほしい」より)

東大に入った渡辺太プロですが、当時同居していた80代の祖母は現役の開業医で、小学校6年生の時亡くなったお父さんも医者という家庭であるため、やはりまだ間に合うから医者になる気はないのかと家族会議になり、その結果大学を休学し、北海道の医大に合格したので東大を退学、北海道に拠点を移し、医師免許を取得後も北海道の病院で働くようになります。

医者になってからも、麻雀が強くなりたいという想いを持ち続けており、麻雀の腕を磨き、自身の実力を示せる場所がネット麻雀あり、天鳳でした。

まだ医大生であった2014年、天鳳の実力者と麻雀プロが争うリーグ戦「天鳳名人戦」に初出場します。この時は天鳳位になる前で、予選を勝ち抜いての出場でしたが、開幕の2週間後には第五代天鳳位となります。そして天鳳名人戦に出場するにあたって名前が呼びにくいということで、初めて"ふとっしー"という愛称で呼ばれるようになります。

その後、サブアカウントの"藤井聡太"で2019年に第14代3麻天鳳位、2020年に第16代4麻天鳳位となり、天鳳名人戦にも第4期、5期、6期、10期に出場、天鳳以外にもオンライン麻雀"雀魂"で、4麻、3麻共に最高ランクである"魂天"となり、現役の医師でありながらも、ネット麻雀界最強雀士と呼ばれる存在となっていきます。

鳴り物入りで麻雀プロ入り

ネット麻雀の世界で数々の実績を築き上げていくなかで、麻雀ファンや有名麻雀プロたちからも、太くないおはプロにならないのかという声がささやかれていくようになります。

そして、渡辺太プロも麻雀プロになって自分の実力を試したいという気持ちも芽生え、医者の仕事も自由な働き方があると考えるようになり、東京に行って働きながら麻雀プロになるビジョンが見えてきたので、麻雀プロになることを決断、北海道の病院を辞め、拠点を東京に移します。

麻雀プロになるにあたって、天鳳を通じて親交があった最高位戦日本プロ麻雀協会所属の多喜田翔吾プロ(天鳳アカウント名"たま子")に相談し、最高位戦の理事会の議題にかけてもらい、渡辺太プロのプロ入りが決まります。

最高位戦には、ASAPINのアカウント名で初代天鳳位となり、その後も別アカウントで第14代天鳳位にもなり、元Mリーガーであるネット麻雀界のパイオニア・朝倉康心プロや第3代天鳳位で第7期天鳳名人戦の優勝者である山田独歩プロが所属しており、二人の存在が大きかったそうです。

2023年2月、渡辺太プロは最高位戦日本プロ麻雀協会48期として入会、麻雀プロとなり、最高位戦のリーグ戦はB1リーグから参加することが発表されました。麻雀プロになることについて、お母さんは反対だったそうですが、どうしてもなるならばMリーガーを目指しなさいと背中を押されたそうです。Mリーグはアマチュア時代から一麻雀好きとして2018年の立ち上げ当時から観戦しており、プロになったからには目指す舞台だという想いはありましたが、すぐにその夢は実現することになります。

プロ入りした数か月後、2023年6月30日に開催されたドラフト会議で赤坂ドリブンズから2巡目全体7番目に指名され、Mリーガーになりました。

プロ入り直後のMリーグドラフト指名だったため、Mリーグ入りありきのプロ入りだったのでは、という声も多くありましたが、渡辺太プロの指名は、越山剛監督が最高位戦のリーグ戦を見て、麻雀の内容やインタビューの受け答えを見て良いと思ったからだそうです。また、越山監督は、赤坂ドリブンズ所属であり、最高位戦所属でもある園田賢プロと鈴木たろうプロにも相談、二人の推薦もあり、渡辺太プロの指名が決まりました。

U-NEXT Pirates所属の小林剛プロは、天鳳名人戦で10年近く前から何度も対戦したことがあるものの、リアル麻雀を対戦したことはなく、またプロとして憧れている人物であるため、Mリーグで対戦したい選手の一人として挙げています。

Mリーグデビュー戦は、試合前は緊張を感じなかったそうですが、試合が始めると今まで経験したことがない独特の雰囲気に緊張したそうです。2戦目以降は平常で打てたものの、シーズン序盤はすぐに結果は出ませんでしたが、5戦目となる10月19日に初勝利を挙げました。その試合、オーラスが終わると、手元にあったタオルを顔にあて、感極まった様子で目が潤み、多くの麻雀ファンの感動を呼びました。

最高位戦のリーグ戦でも初参加のながら昇級を決め、2024年のリーグ戦からA2リーグ所属となり、リアル麻雀でも強いということを証明しました。このまま昇級を目指し、史上初となる天鳳位と最高位の獲得を目指します。

渡辺太プロの対局動画

"麻雀シンギュラリティ"の見事な一局

Mリーグ2023-24シーズン、2月29日第一試合の南1局、厳しい配牌から、高打点のアガりに持って行った見事な一局。解説を務める仲林圭プロの声にも熱が入ります。そして、意外とプライベートでも交流があるのがわかる動画です。

親番の連荘で混戦を抜け出す

Mリーグ2023-24シーズン、11月16日第2試合、東場が終わった時点で4名の点差はそれほどない状況で迎えた、南一局の親番、渡辺太プロはチャンスを物にし、連荘で一気にトップへと上り詰め、そのまま最後まで突き進み勝利を掴みます。

三面張だが片アガりという珍しい仕掛け

Mリーグ2023-24シーズン、12月12日第2試合の南一局、8巡目で仕掛け、3、6、9筒の三面張のテンパイとなりますが、アガれるのは9筒のみという手を取ります。珍しく意外な選択でしたが、見事この手をアガり、さすがネット麻雀最強雀士というところを見せます。

初勝利に思わず涙

Mリーグ2023-24シーズン、10月19日第2試合、この日渡辺太プロは自身5試合目にして初トップ。試合終了直後には、うっすらと涙を流しているような感極まった表情を見せます。試合後のインタビューでは、「無事に終わってホッとしました。負けたくないという気持ちで、かなりアドレナリンが出ていましたね」とコメントを残しました。

ソノケンも認める実力者

渡辺太プロにとって団体の先輩でもありチームメイトでもある、最高位戦日本プロ麻雀協会所属で赤坂ドリブンズ所属の園田賢プロのYouTubeチャンネルに出演。おしゃべりだけど、理論派で実力者と知られる園田賢プロが渡辺太プロの実績がいかに凄いかを説明している部分の切り抜き動画です。渡辺太プロがどれだけ強いのかがわかります。

ビタ止めの一局を解説

Mリーグ2023-24シーズン、2月9日第1試合の南三局、親の岡田紗佳プロのリーチに対し、渡辺太プロは危険牌を押しギリギリまで攻めていますが、当り牌の6萬を掴むと、1索を選び守備に転じ、放銃を防ぎました。この当り牌をビタ止めしたプレーは大きく話題になりました。その試合の牌譜検討で、この時の選択について解説しています。

まとめ

渡辺太プロは、トリプル天鳳位・ダブル魂天で最強のネット雀士として、オンライン麻雀の世界では超有名人で素晴らしい実績を築き上げたアマチュア雀士として知られていた人物ですが、満を持して2023年2月に麻雀プロとなり、そしてMリーガーとなり、麻雀界のゴールデンルーキーとして話題になりました。現役医師でありながら麻雀プロとして活動する、珍しい二刀流で、童顔で優し気なルックス、あまり他の麻雀プロにはないキャラクターで一躍人気プロの一員となりました。リアル麻雀でも、圧倒的な強さで活躍しており、これから先、ネットとリアルの両方で強いということを証明し続けていくでしょう。

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