天和(テンホー) 【役満】麻雀役徹底解説!


天和(テンホー)とは
- 天和(テンホウ)
- 役満門前のみ出現率:0.0003%配牌の時点で4面子1雀頭または七対子の形
自分が親の時、配牌時の14枚で既にアガりの形=和了形が完成している場合に成立します。
天和は完全に運だけで成立する役で、文字通り天に与えられた和了(ホーラ=アガり)と言えるでしょう。
親の配牌でアガりの形が出来ていれば成立という、極めてシンプルな条件です。アガりの形とは、基本となる4面子1雀頭に加え、七対子と国士無双でも認められます。
あくまで配牌の時点でアガりが成立条件なので、親の1巡目で暗槓をして嶺上牌(リンシャンハイ)のツモでアガった場合は、天和になりません。
天和の出現率は33万局に1回と言われており、アガったら運を使い果たして死んでしまうとまで言われる超レア役です!ちなみに、麻雀にはアガったら死ぬといわれる役が2つあり、もう一つは九蓮宝燈(チューレンポウトウ)があります。
天和が採用されないことがある
天和は競技麻雀では採用しないこともあります。101競技連盟という競技麻雀連盟のルールでは天和は役として認めていません。麻雀は運の要素も魅力の一つではありますが、競技麻雀は雀士の実力を競うものです。麻雀というゲームから運要素を全て排除することは不可能ですが、100%運のみで役満が成立してしまう天和は競技性を著しく損なうために不採用としているのだと思います。
天和炸裂!奇跡の瞬間!
33万局に1回という天和の出現率ですが、Wikipediaによると「半荘1回あたり親を3回とし、毎日半荘5回ずつ打ったとしても61年に一度しか和了できない計算」になるらしいです。よっぽどの麻雀好きでも一生に一度も出会うことのない奇跡の瞬間と言えるでしょう。しかし、その奇跡の瞬間をとらえた映像があるんです!
月島ひかるプロの天和
2015年11月19日、インターネット麻雀放送局「麻雀スリアロチャンネル」にてRMU所属の月島ひかるプロが天和を炸裂させました!しかも、世界初の生放送での天和です!!
地和(チーホー)と人和(レンホー)
天和は親のみにチャンスのある役ですが、実は子にも同様のチャンスがあるんです。それが、地和(チーホー)と人和(レンホー)です。
地和(チーホー)
地和は簡単に言ってしまえば、子の場合の天和です。子は配牌の時点で13枚しか牌が無いので、第一ツモで14枚揃ったときにアガりの形になれば地和の成立となります。ただし、その第一ツモの前に鳴きが入ってしまうと、地和は成立しません。
Mリーガー・佐々木寿人プロの地和
コナミ麻雀格闘倶楽部所属のMリーガー・佐々木寿人プロが2016年8月11日に放送されたAbemaTV「麻雀プロ団体日本一決定戦」にて、放送対局で初の地和を和了。あまりの出来事に?!卓トラブルまで発生しました。
猿川真寿プロの地和
第17期麻雀マスターズで優勝、RTDリーグへの出演経験もあるトッププロ・猿川真寿プロが所属する団体の「三麻エンペラー決定戦~新鋭プロ編~」でアガりを決めたシーンです。
人和(レンホー)
地和とほぼ同様の役ですが、地和が第一ツモでアガるのに対し、人和は第一ツモの前にロンでアガることで成立します。地和同様、その前に鳴きが入ると成立しません。また、人和はローカル役なのでルールが曖昧だったり採用しない場合も多いです。
天和の出し方!?
天和は運でしか出しようがない役です。しかし、イカサマによって天和を出す技があります。もちろん、イカサマはご法度です!絶対にやってはいけませんよ!
- 燕返し
- 二の二の天和
この二つは全自動雀卓が普及する前、自分で牌山を積むのが当たりまえの時代の「積み込み」と呼ばれるイカサマテックニックです。麻雀漫画などではたびたび登場するので、知っている方も多いかもしれません。イカサマは絶対に許されない行為ですが、惚れ惚れするほどの鮮やかな高等テクニックであることも事実です。
燕返し
燕返しというのは、一人で天和を成立するために行うイカサマです。牌山と自分の手牌をばれないようにすり替える技です。手順を簡単に説明すると次の通りです。
- 下段がアガりの形になるように牌山を積み込みます。
- 自分の牌山から配牌されないようにサイコロを振ります。
- 配牌後、自分の手牌と(1)で積み込んだ山の下段をすり替えます。
- 天和を宣言してアガります。
こんなことがバレずにできるものなのでしょうか?!滑らかな牌さばきと、サイコロで狙った目を出せるテクニックがあった上で、相手が理牌(リーパイ)に集中している隙をつけばあるいは可能なのかもしれません。以下、燕返しの参考映像です!
二の二の天和
これは2人1組になって行う、いわゆるコンビ打ちで行うイカサマです。
大ヒット映画「麻雀放浪記」の中で主人公が仲間と共に二の二の天和で大儲けするのですが、それによりこの技が有名になったとも言われています。
全自動雀卓を使って行う麻雀が主流の現在では一般的ではないですが、昔はイカサマを防ぐためにサイコロの二度振りというルールがありました。まず、1度目のサイコロで出た目でどこの山から取るかを決め、2度目のサイコロで出た目から王牌を決めるのです。積み込み系のイカサマは配牌の開始位置を操る事が必要になるので、二度振りで防ごうというわけです。
それを逆手にとって上家と下家で積み込みをするのが、二の二の天和です。親とその仲間(サポート役)の子がグルになって行います。
- 親が、下段がアガりの形になるように牌山を積み込みます。
- サポート役が2度目のサイコロを振れるように、親が1度目のサイコロを振ります。
- サポート役の子が、親のの牌山から配牌されないように2度目のサイコロを振ります。
- 配牌後、親が自分の手牌と(1)で積み込んだ山の下段をすり替えます。
- 親が天和を宣言してアガります。
これが二の二の天和の仕組みです。親とサポート役の2人共がサイコロを自在に操れないと成立しないテクニックですね。麻雀放浪記を見るとその仕組みがよくわかると思います。
便天
便天とは、「便所に行って帰ってきたら天和」の略です。上でご紹介した二の二の天和と同じでコンビ打ちとなりますが、便天の場合のコンビは「観戦者」となります。
- 親がトイレへ行き、サポート役が代理で親の山を積みます。この時に右側の7トンに天和を積み込みます。
- サポート役がサイコロは1回目で5、2回目に2を出します。配牌を取り、そのまま開けずに上下2段に7トンを持ちます。
- 親がトイレから戻ったら、目の前にある自分の配牌7トンではなく王牌の7トンを手牌として開けます。
- 親が天和を宣言してアガります。
12回連続天和?!
2022年、中国で12回連続天和をアガり同卓者が通報、イカサマが発覚した事件がニュースとなりました。
麻雀卓に小型カメラとチートコントローラーが設置されており、イカサマをした男性のスマホには制御コントローラーがインストールされていたとのこと。
現代的なイカサマですが、よくそこまでするなといった感じです。
中国の湖北省で、天和を12回連続で上がった奴が同卓者に怪しまれて警察に通報されたところ、案の定全自動卓にスマホで操作可能なイカサマが仕掛けられていたことが発覚。イカサマ当事者はもちろん、卓を囲んでいた奴らも罰せられたという。https://t.co/ALtRWXgWcw pic.twitter.com/lqIPD4bRBI— 阿井幸作 (@ajing25) April 21, 2022
イカサマは不正行為です!
今も昔もイカサマは許されない不正行為です!華麗なテクニックに憧れる気持ちは分かりますが、不正行為は絶対にやめましょう!どうしても試したい場合は、バレても罰符だけで笑いあえる仲間の間だけにしましょう(笑)
編集部から実践アドバイス
ここがポイント!
技術介入度0の完全な運、天から授けられたアガリ。
長いこと麻雀やってればアガれるかも?
皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!
天和と四カンツは結局どちらの方がでにくいのでしょうか?他のサイトでは四カンツは約1/50万だとかかれてますが…
麻雀豆腐編集部です。
麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!
>天和と四カンツは結局どちらの方がでにくいのでしょうか?他のサイトでは四カンツは約1/50万だとかかれてますが…
様々な確率がありますが、天和はおよそ0.000303%、四槓子はおよそ0.000234%と言われていることから、四槓子の方が確率が低いと言えます。
さらに四槓子は、他家が阻止する場合など確率で導き出せない部分が多く、統計的確率になってしまいます。
一概には言えませんが、数字的にも感覚的にも四槓子の方が難しいと言えると思います。
改めて確率を見ると、天和も四槓子も幻の役満ですね…m(__)m
今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。
天和のところに「宝くじの一等の当選確率が1千万分の1と言われています。つまり、天和の30倍の確率になるわけです。」と書かれていますが、「30倍」ではなく「30分の1」ではないでしょうか?
麻雀豆腐編集部です。
ご指摘誠にありがとうございます。
仰る通り「30倍」ではなく「30分の1」の確率になりますね。
訂正致しました。
大変失礼いたしました。