麻雀の点棒 種類や点数配分と基礎知識
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麻雀の点棒 種類や点数配分と基礎知識

目次
  1. 点棒(テンボウ)
    • 点棒の種類
    • 全自動麻雀卓の点棒
  2. 実戦での点棒の使われ方
    • スタート時の点棒配分
    • リーチ(供託)
    • 連荘(レンチャン)と芝棒(シバボウ)
    • その他の使用法
  3. 点棒の成立
  4. まとめ

麻雀の点棒は主に点数授受の為に使用するだけでなく、現状の場がいくつか表したり、リーチするためにも必要なので、さまざまな場面で登場します。もちろん、基本的には持ち点と点数の授受に使用します。ポーカーやブラックジャックで使用するチップと似たような働きですね。また、点棒にはいくつか種類が存在しています。初心者では意外としらないかもしれません。そして、麻雀は中国生まれですが、中国麻雀では点棒は使用しません。つまり、存在しないのです。ではどのように点数の授受を行うのか?それはもちろん、、、、、

点棒の種類や点数配分だけでなく、あわせて点数授受の仕組みや歴史までひも解いていきましょう!

点棒(テンボウ)

麻雀は最終的に持ち点が一番多いプレイヤーが勝ちとなります。その持ち点をあらわすものが点棒(テンボウ)です。いわば仮想のお金のようなものですね。点棒がたくさんあるということは大金持ち!大勝利!!日本のお金は1円玉や10円玉1000円札があるように、点棒にも点数ごとに分かれています。まずは基本中の基本、点棒の種類を見ていきましょう。

点棒の種類

点棒には点数ごとに種類があるので確認していきましょう。

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現在、家庭・雀荘どちらでも一番使われているタイプです。見ての通り、手積みの点棒は白で500点棒がありません。また、全自動麻雀卓用は色が付いていることも大きな特徴です。

全自動麻雀卓の点棒

全自動麻雀卓の多くは、点棒を点棒ボックスに入れるだけで自動的に持ち点を計算してくれます。多くの全自動用点棒はカラー点棒となっていて、金属があるものとそうでないものにわかれます。

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上記のように、端に金属が付いているタイプもあります。これはなぜそのようになっているかと言うと、点棒(自分の持ち点)をしまうと自動的に現在の持ち点を計算して表示します。とても賢いですね。

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大洋化学株式会社製、アモスモンスターの点棒とボックスです。
これは対局開始時の点数ですね。25000点持ちスタートです。これを何が何本、何が何本と数えなくても、自動的に表示してくれます。とても賢くとても便利ですね!!
ただ、最初にご紹介した点棒は金属がついていませんでした。「おや?金属がなくても自動で計算してくれる点棒とボックスもあるよね?」と思った方は雀荘の麻雀になれている証拠です。

ICチップ電波計測と金属抵抗接触計測

金属がない点棒でも自動で計算できるものがあります。その違いはというと、点棒の中にICチップが入っている場合と、金属の接触によって計算する場合があるのです。

以下、大洋化学株式会社のホームページから引用
http://www.taiyo-chemicals.co.jp/guide/ma-jyan_auto.html

枠部機能・・・電波で点棒を計測

非接触で点棒計測
アンテナ付きICチップを内蔵した点棒を、電波で認識して計測するので点棒の「汚れ」「混ざり」問題なし。もちろん、点棒入れのふたを開けた状態でも計測します。
点棒の紛失をすばやくチェック
点数表示パネルのチェックランプにより、点棒の紛失を素早くチェックできるので、お客様に安心で快適なゲームをしていただけます。

となっています。アンテナ付きICチップ!なんだか仕組みはよくわかりませんが、点棒の混ざりなどの解消に役立っているそうです。こちらもとても賢く便利!

さらに詳しく知りたい方は各全自動麻雀卓メーカーに直接お問い合わせください。

直接点数には関係ありませんが、「ゲーム設定棒」と「プレイヤー棒」もとてもよくできています。ゲーム設定棒は、設定棒を置くだけで、あらかじめ設定したとおりに一発でシステムが変更されます。いちいち細かく設定しなおさなくてもよくなるすぐれものです。
プレイヤー棒は、3人麻雀で使用します。3人で行う麻雀の場合、空いている席の計算を省かなくてはいけません。そのために、現在いるプレイヤーの席にプレイヤー棒を置くことで、空いている席をシステムに認識させるための棒です。現在は機材の仕様変更のためあまり使われなくなってきています。

3人麻雀 通称:サンマ
3人で麻雀を打つこと。関西地方では今でも根強い人気がある。
サンマで行う場合、萬子か索子か筒子のうちどれか1種類の牌の2~8を除いた状態で対局する。

実戦での点棒の使われ方

対局開始から対局中に使用される点棒を細かく見ていきましょう。アガったアガられただけではありません。

スタート時の点棒配分

麻雀では一般的に持ち点25000点でスタートします。その持ち点を点棒によって振り分けます。

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このような配分でスタートします。合計25000点になっていますね。ただし、ルールによっては持ち点は違っていて、26000点持ちスタートや27000点、28000点、10万点スタートなんていう場合もあります。

『点数でおさえるべき3つの要素とそのすべて』

別サイトで興味深い記事をみつけましたのでご覧ください。

『【考察】アニメ咲-Saki-団体戦における10万点の点棒配分』

「麻雀雑記あれこれ」というブログです。管理人の方はとても熱心に研究されていることがわかります。
こちらのサイトで漫画・咲の点棒をかなり詳しく考察している記事がありました。咲-saki-の団体戦はたしかに10万点スタートのゲームだったと記憶しています。点棒配分はというと、、

引用

初期の点棒:「赤棒4本、黄棒10本、青棒7本、緑棒4本、白棒10本」
原作:「赤棒8本、黄棒3本、青棒4本、緑棒1本、白棒5本」

どうやらこのような配分だそうです。しかし、アニメと原作では点数配分どうやら違うようです。なるほど。なぜアニメと原作で違うのでしょうか。

アニメスタッフの描写ミス!?というところまで深く話は進んでいきます。さらに最後には綺麗なオチまで!
興味のあるかたは是非実際の記事をご覧ください!

リーチ(供託)

リーチを宣言する場合、1000点棒を卓の真ん中へ出して宣言します。この供託に出す1000点棒のことをリーチ棒と呼びます。ただし、通常持ち点が1000点以下だとリーチすることができません。

立直棒(リーチボウ
立直(リーチ)を掛ける際に卓上い出す供託用の1,000点棒。

ちょっと変わった面白ネタ!
全自動麻雀卓ではリーチの際、リーチ棒を所定の位置に置くと「リーチ!」と自動音声が流れます。これが、長く使っていて接触が悪くなったりすると、リー棒を置いても自動音声が流れたり流れなかったり。それはいいのですが、まったく忘れた頃にいきなり「リーチ!」なんていうこともあります笑。

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連荘(レンチャン)と芝棒(シバボウ)

親を続ける条件に連荘(レンチャン)があります。連荘とは、親番のときに親がアガるとまた次も親をつづけられることです。

連荘(レンチャン)
同じ 局 で同じプレイヤーが親を連続して続けること。

親以外がアガった場合、次のプレイヤーが親となります。このとき、親を何回つづけているかを表すために、罪棒または芝棒(シバボウ)といって、場に100点棒を出しておきます。これは供託ではありませんので、親が流れた場合などでも自分に帰ってきます。

上記の場合は、親を一回続けているということになります。これを1本場と呼びます。2回続ければ2本場、3回続ければ3本場となっていきます。これは親以外のプレイヤーがアガるまで続きます

流局と積み棒

親を続く条件としてアガり連荘とテンパイ連荘があります。

アガり連荘
親を続けるには親がアガらなくてはいけないルール。
親がアガれなければ、テンパイ流局であっても親が流れて次へ移行する。

テンパイ連荘
テンパイ連荘は、誰もアガれず流局になった場合、親がテンパイしていればもう1回親になるルール。
これはアガり連荘より親が続く可能性が高まる。つまり、親にとって有利なルール。

棒場の点数授受

アガり連荘やテンパイ連荘で親が続く場合積み棒をだし、棒場をわかるようにします。このとき、何本場かによって、点数の授受に違いがでてきます。これは親、子に関係なく1本に付き300点のボーナス加点がもらえます。
1本場の場合は300点なので、3人で払う場合は1人100点×3人=300点となります。

例1:東4局 1本場
親が満貫をツモった場合 ⇒ (通常は4000点オール)4100点オール
親が満貫でアガれば12000点ですが、1本場なので12300点となります。

例2:西1局 3本場
子が親から跳満をロン ⇒ (通常は12000点)親が12900点支払い
これも上記と同じように3本場なので+900点の加点

ボーナス加点は親でも子でも付与されますが、積み棒自体は親に返却です。これはリーチ棒とはちがい、仮に出しているだけにすぎません。

その他の使用法

ノーテン罰符やチョンボの支払いにも使用されます。

不聴罰符(ノーテンバップ)
誰もアガりなしで局が終了した場合、 ノーテンのプレイヤーがテンパイのプレイヤーに点数を支払うこと。通常場に3,000点あるものと計算する。

  • 1人テンパイ
    3人ノーテン テンパイ者に1000点ずつ払う 合計3000点
  • 2人テンパイ
    2人ノーテン テンパイ者にノーテン者が1500点払う 合計3000点
  • 3人テンパイ
    1人ノーテン 3人のテンパイ者に1000点ずつ払う 合計3000点
聴牌(テンパイ)者:○
不聴(ノーテン)者:●
●1人の支払い○1人の受け取り
●●●●全員ノーテン-0点
●○○○3人テンパイ3,000点1,000点
●●○○2人テンパイ1,500点1,500点
●●●○1人テンパイ1,000点3,000点
○○○○全員人テンパイ0点-

上記のように動く点数の合計がかならず3000点になるように割り振ります。

チョンボはそれぞれその場のルールに従う必要があるので対局前に確認しておきましょう。

点棒の成立

ここまで、点棒の基礎知識と種類や使用法などをみてきました。つづいては、点棒の成立の歴史を少しだけひも解いていきましょう。
それにあたって、以下のサイトを参考にしました。

『come together All Gamers』
上のサイトは江場/hebaさんという方のサイトです。麻雀だけでなく、将棋や囲碁その他ゲーム全般について記述されています。

『歴史 15・点棒の歴史』
浅見了氏のサイトです。純麻雀の提唱者としても有名です。いろいろな方向から麻雀を研究なさっている方です。こちらのサイトはとても為になるので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

引用 http://www.h-eba.com/heba/majan/history3.html

点棒の成立
これまで述べてきたように、麻雀は19世紀後半になって成立し遊ばれてきたわけであるが、当然博打である。その精算方法は和了があった都度の現金精算である。得失点を記録するための点棒もチップも存在しなかった(現代でも中国では現金精算である)。点棒の成立した過程について浅見了氏は以下のように推論している。
20世紀に入って麻雀は上海のイギリス租界などで大流行した。欧米人も当初は中国人同様に現金精算をしていたが、現金の場合、両替の必要も生じて面倒であった。そのためゲーム後の精算が求められ、得失点の動きを記録しておく用具が必要となった。そこで選ばれたのが抽籤(チューチェン)というゲームの用具と思われる。
抽籤は少なくとも1930年代には中国で盛んに遊ばれていたギャンブルゲームの一種で、占いに使う筮竹(ぜいちく)状の竹の棒に天九牌の目を刻印したもの32本を用いる。この細長い棒は四種類ほどあり、ほぼ金銭の種類と合致していたようである。そこでこれを金銭の代わりに授受し、最後に精算を行うようになったと考えられる。
この金銭代用の籤馬(チョーマー)も当初は天九牌の目そのものの紋様で用いられていたが、やがてイギリス人は多少デザインの異なった籤馬を用いるようになった。これを English Marking と呼ぶ。
抽籤はおみくじのように棒を竹筒から引き出すゲームなので、引き出された瞬間に種別が判別できるよう、その紋様は棒の両端に刻印されていた。これは English Marking となった時点でも同様であった。しかし麻雀用の籤馬となれば刻印が両端にある必要はない。そこで刻印が中央にあるタイプもやがて製造されるようになった。写真は浅見了氏所有の両タイプの籤馬である。

とありました。
そもそも麻雀とは現金を賭けて1局ごとの清算だったということです。つどつど現金の両替をしなくてはいけない面倒くささから生まれたのですね。たしかに、1局ごとに「1000円くずして~」「この万券くずれない?」「あ!あと10円足りない!!」なんてやっていたらゲームに集中できなくなってしまいますね笑。
当時、中国で行われていた別のゲームの道具を流用したとはびっくりです。しかも当時のイギリス人が開発!?したというのも驚きです。やはり白人は合理化が得意ですね。
この記事に浅見氏が所有しているというチョーマーの画像も載っているので是非本記事をご覧ください。

まとめ

点棒は基本的に持ち点のやり取りに使うものですが、リーチにも必要で、積み棒としても活躍してくれます。手積み麻雀でカラー点棒を使っても良いかもしれませんね!
点棒の歴史は人の歴史とまではいえませんが、当時は現金の代わりをしていたのですね。とても勉強になりました。みなさんも、次に麻雀をやるときは是非点棒にも少し思いをはせてみてください!

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