日本のIRの成功の可能性と問題点についてアナリストが言及
日本の統合型リゾートの展望
カジノ関連のニュースを取り上げる海外サイト"Asia Gaming Brief"は、大阪IRがシンガポール、マカオのIRを超える利益を生むポテンシャルを持っている、という米投資信託評価機関のモーニングスター(Morningstar)のアナリストの意見を紹介しました。その記事によると、大阪IRは40億ドル以上の収益を生み出す可能性を持っていると述べています。
大阪IRは上海などその他の中国の中国沿岸都市から新しい利用客を誘致する可能性があると言われています。アナリストは、シンガポールやマカオといった、カジノ産業が盛んな競争相手となる国から利用客を獲得することよりも、新たなギャンブラー獲得の需要があると、見ているようです。
アジア地域のカジノ利用客の統計を理解するために、アナリストは、コロナ禍以前のマカオは年間600万人の観光客が訪れ、その多くは近隣の中国本土南部地域と香港から来ている観光客で、「そういった層の観光客は、大阪への旅行は長距離となり、日本のカジノへ行くのを控える可能性がある」と指摘しました。
その一方、さらに南へ目を向けると、シンガポールではギャンブルが盛んです。
これらの背景を考えると日本のIRは、マカオの北部に位置し、シンガポールでギャンブルが盛んなこともあるため、上海やその他の沿岸地域、日本から近い中国本土の北部から来る新しいプレイヤーを呼び込むことができ、またそれだけでなく、世界中の観光客を呼び込むことができるだろう、と見られています。
しかし、日本では労働力不足が懸念されています。日本では人手不足の問題に直面しており、政府は外国人の雇用制限を緩和せざるを得なくなりました。アナリストは、大阪IRの建設において労働力の供給が問題になっていると認めており、「注視すべき問題だ」と指摘しています。
「この問題は、2030年の開業を脅かす可能性があり、同時に100億ドルの建設費見積もりを超える圧力を与える可能性がある」とアナリストは指摘しています。
日本で二番目となるライセンス取得の可能性について
IR誘致に関連する賄賂のスキャンダルや、コロナ禍を理由に、ラスベガス・サンズ、シーザー・エンターテイメント、ウィン・リゾーツなどの大手カジノ運営会社は、大阪のIR誘致からの撤退を決めました。アナリストは、これらの大手カジノ運営会社がもし再び興味を持ったとしても、日本の市場に戻ってくる可能性は限りなく低いと考えています。
「我々はしばらくの間、日本で二番目となるライセンス取得はないと予想しています」とアナリストは語ります。
現在、シーザー・エンターテイメントはアメリカの市場と、オンラインスポーツとカジノ・ゲーミング機会の成長に注力しており、また、ラスベガス・サンズはシンガポールとマカオに資本を投入しています。
ウェン・リゾーツは中東に投資しており、またその他地域でも資本を投入しています。
「日本は当分の間、これらのカジノ運営会社のレーダーに映ることはないだろう」とモーニングスターのアナリストは述べています。
なお、大阪IRと同時期に、政府への申請を行った長崎のIR計画はまだ政府の認証を得ることが出来ておらず、引き続き審査が続いている状態です。
まとめ
アジアで最もカジノが有名なのは、やはり東洋のラスベガスと称されるマカオが有名です。モーニングスターのアナリストの予想では、マカオを訪れる観光客、ギャンブラーとは違う層を大阪IRは獲得できるだろうとの見方でした。日本のIRが成功する可能性の高さについて言及していますが、かつて日本のIR参入を目指していた大手カジノ会社が再び日本市場に興味を持つ可能性は低く、2番目のIR誕生についてはまだ時間がかかるようです。
参照元：Asia Gaming Brief
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