
北海道、IR誘致へ再挑戦する可能性ありとの報道
北海道観光振興機構会長がIR誘致の可能性を示唆
観光業の促進と地域経済を再生する方法として、北海道はカジノを含む統合型リゾートの誘致を検討しているという報道がありました。
アジアのカジノ関連のニュースを取り扱う海外サイト"GGRAsia"は、公益社団法人 北海道観光振興機構の会長である小金澤健司氏が、北海道がIRを誘致する可能性について検討するつもりだと語ったと、同サイトで取り上げました。
10月24日に明らかにされた北海道の年間目標の設定などでも、この構想は言及されていました。その背景には、北海道は1040万人以上の観光客を誘致する見込みで、コロナ禍前の2019年の836万人を超えることを目指しています。
2019年11月、北海道知事の鈴木直道氏は、カジノを含む統合型リゾート誘致の見送りを表明しました。IR誘致の見送りの理由の一つとして、環境への影響を挙げました。当時、鈴木知事は「候補地は希少な動植物が生息する可能性が高く、区域認定までの限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能」と述べています。
しかし苫小牧市は、経済的に困窮しており、再生への努力の一環として、IR誘致への意欲の声が挙がっています。2022年12月、2023年から2027年までの公共政策計画の草案で、カジノ・リゾート政策の推進が言及されました。
今年5月、日本のカジノ合法化プロセスに関する著名なコメンテーターである美原融氏は、GGRAsiaのインタビューで「いくつかの海外投資家は、まだ北海道や沖縄など、日本国内の地域に興味を持っていると、私は考えています」と話しています。
日本でカジノリゾート計画が承認されたのは、今のところ大阪だけです。9月末、大阪府は運営事業者である大阪IR株式会社と実施協定を結びました。
大阪IR株式会社は、アメリカを拠点としているカジノ運営会社MGMリゾーツ・インターナショナルと日本企業であるオリックスが中核となり、関西地元企業を中心とする20社が少数株主となっています。
大阪府は9月頭に大阪IRの開業が予定していたより1年遅れの2030年秋に変更になったことを発表し、また、初期投資額は1,900億円増の1兆2,700億円に変更となりました。
2021年にも北海道知事はIR誘致再検討についてコメント
最終的に誘致が見送られた、北海道・苫小牧市のIRですが、ハードロック社が事業者となり、「ハードロック・エクスペリエンス」というスローガンを掲げ、音楽を中心に、子どもからシニアまで幅広い世代が楽しめる統合型リゾートの開発を目指していました。
このIRには、カジノやショッピングセンターはもちろん、部屋数合計1,500から2,500室の「ハードロックホテル」を始め、1万人を収容できるライブ会場「Hard Rock Live」、1年を通じて室内でスノーアクティビティを楽しめる屋内施設「ウィンターワンダーランド」、アイヌの文化を紹介する「アイヌビレッジ」といった施設が作られることが発表されていました。
"GGRAsia"だけでなく、"Focus Gaming News Asia Pacific"といったアジアのカジノ関連のニュースを取り上げる海外サイトで、北海道がIR誘致を目指す可能性があるというニュースを扱っていますが、10月27日現在、日本国内のメディアで北海道IR誘致の可能性を報じているニュースは見られません。
2021年3月に鈴木直道知事は苫小牧市の岩倉博文市長と会談し、7年後にIR誘致に再挑戦する方針を明らかにしました。2020年代後半に行われると思われる、誘致区域数の再検討を見据えて、北海道らしいIRコンセプトの構築に向けて取り組みたいと、IR誘致を目指すことに変わりがない考えを強調しました。
まとめ
北海道がIR誘致を再び目指すかどうかは、はっきりと公表されたわけではありませんが、その可能性はまだあると言えるでしょう。以前発表されたハードロック社との構想は、大阪IRとはまた違った面白さがある施設だったので、またその計画が復活するのであれば楽しみです。
参考元:GGRAsia