
豪ギャンブル依存対策”BetStop”、登録者が1万人超える
8月より開始したギャンブル対策が好スタート
オーストラリアの家族・社会サービス大臣であるアマンダ・リッシュワース(Amanda Rishworth)氏と通信大臣であるミシェル・ローランド(Michelle Rowland)氏は、8月に開始されたサービス"ベットストップ(BetStop)"の登録者が1万人を超えたと発表しました。このベットストップというサービスは、自己規制/自己排除(self-exclusion)登録をすることによって、国内の全てのオンラインギャンブルプラットフォームから自発的に排除することが出来ます。
当局によると、このサービスの登録者の大多数は40歳以下とのことです。また、最も一般的な登録期間は、生涯登録と発表されています。
ベットストップは、オンラインゲームなどの、オーストラリアの全ての許可を得たギャンブルサービスプロバイダーをカバーしています。プロバイダーは、自己規制している人々のアカウントの開設や賭けの受付、宣伝資料の送付を禁止されています。そして、プロバイダーはベットストップの宣伝をする義務があり、ウェブサイト、アプリ、マーケティング資料にベットストップに組み込む必要があります。
登録者は、自己規制期間を無料登録で最低3カ月から一生涯まで選ぶことが出来ます。また、州や地域の自己規制/自己排除に登録している場合、国のサービスであるベットストップに自動的に移されることはありません。
ミシェル・ローランド通信大臣は、「アルバニージー政権は、オンラインギャンブルに関連する危害を最小限に抑えることを約束しています。そのために我々は、今年8月にオンラインギャンブルに向けての国家消費者保護の枠組みの最終措置として、ベットストップを開始しました」
「ベットストップが、1万人近いオーストラリア人に大きな変化を与えたのは素晴らしいことです。もし、あなたや、あなたの大切な人がサポートを必要としている場合、ベットストップのウェブサイトを訪れ、登録や多くの利用可能なサポートについて知ることを強くお勧めします」と述べています。
アマンダ・リッシュワース家族・社会サービス大臣は「我々の政府は、オンラインギャンブルによる害を予防し最小限に抑えることに力を入れており、その目標達成に向けて多くの前向きな措置を取っています」
「ベットストップは既にポジティブな影響を与えているのは素晴らしいことであり、オーストラリア国民がスクリーンやラジオで目にしたであろう、エビデンスに基づいた新しいキャッチフレーズなど、私たちの他の施策も同様です。また、事前確認がオンライン賭博から除外することを選択した場合、人々が賭けるための回避策を見つけることがないようにするためにも役立っています」
オーストラリアは成人一人当たりのギャンブル損失が世界で最も多く、年間250億豪ドルと言われています。今年の初めには、専門機関が分析したところによると、昨年度、オーストラリアのスロットマシンによるプレイヤーの損失は145億豪ドルに達しました。
大阪IRのギャンブル依存対策について
オーストラリア政府が導入した、self-exclusionは自己排除、自己規制といった言葉、もしくは"自己申告による入場制限プログラム"といった言葉で訳すことが出来る言葉ですが、日本ではあまりなじみがない概念です。
カジノを導入している国のほとんどで採用されているシステムであり、韓国やシンガポールでは、家族からの申請で入場制限をすることが出来ます。
2030年の開業が計画されている大阪IRですが、カジノ施設の入場制限が決まっており、入場できるのは7日間で3回、28日間で10回と制限されています。
また、本人・家族等の申出による利用制限措置を行うと発表されており、これがオーストラリアで導入された"ベットストップ"と同じ制度にあたり、self-exclusion(自己排除)と言えるギャンブル依存対策となります。
まとめ
一人当たりのギャンブル損失が世界で最も多いオーストラリアで導入されたギャンブル依存対策であるベットストップは、開始直ぐで1万人の登録者を記録しました。具体的には発表されていませんが、大阪IRでもそれと近い対策が取られる予定なので、事前にギャンブル依存を抑えられることに期待したいところです。
参考元:Focus Gaming News