韓国 2023年中国からの観光客200万人受け入れを目指す
中国団体旅行解禁、韓国観光業にも影響
韓国は、新型コロナウイルスからの回復期間に、中国本土からの観光客を呼び戻そうと、最も早く観光政策の微調整を発表したアジア太平洋諸国のひとつです。
韓国の通信社・聯合(れんごう)ニュースは、9月4日に韓国は、現在18,000ウォン(約2,000円)に設定されている団体入国者の入国手続き手数料を今年末まで撤廃すると報じました。
そして、8月初旬に中国はコロナ規制の緩和の一部として、日本、韓国、オーストラリア、アメリカを含む、より多くの目的地への中国国民の団体旅行を許可すると発表しました。またそれを受け、韓国の経済財務省が中国本土への渡航を増やすためフライト増便を急ぐと聯合ニュースは報じました。
韓国の観光地として知られており、数多くの外国人専用カジノがある済州島は、中国本土のパスポート保持者を含むさまざまなパスポート保持者が、直接、朝鮮半島を経由せずに飛行機で入国する場合、ビザなしで入国することが出来ます。
聯合ニュースが報じたところによると、コロナ禍以前の2017年から2019年の間、韓国へ訪れる中国人観光客の平均は、年間約499万人でした。そして、今年の1月から6月までの累計は54万人でした。
韓国政府は、今年下半期に約150万人の中国人観光客を誘致することを計画しており、最終的には2023年全体で約200万人を目指していると、聯合ニュースは報じています。
この数字は、韓国の国内総生産の0.16パーセントの成長に貢献すると予想される、と聯合ニュースは伝えました。
この報道によると、韓国は中国に2つの「ビザセンター」を開設し、これで中国国内に設立している同様の施設は全部で7カ所となりました。
韓国カジノ業観光協会によると、韓国には17カ所のカジノがあり、そのうち16カ所が外国人専用のカジノです。運営会社の発表によると、コロナ禍以前は、日本と中国からの観光客は、外国人専用カジノを含む韓国の観光業にとって重要なマーケットでした。
7月には、アジアのカジノ関連のニュースを取り上げる海外サイト"GGRAsia"のデータによると、日本人観光客や中国人観光客によるギャンブルの回復率と、韓国とそれらの国の回復率は、必ずしも相互関係がないということを示しています。
2023年も日本は韓国観光業の主要マーケットに
聯合ニュースは、5月31日に発表されたデータによると、2023年も日本から韓国へ訪れるインバウンド外国人観光客が最も多いと報じました。この報道によると、韓国観光公社(KTO)の数字を引用して、韓国は日本から合計18万4000人の旅行者を受け入れ、前年比4,863パーセントの増加となったと伝えています。
5月に記録された韓国の外国人旅行者約86万7,000人のうち、日本発の旅行者は約21.2パーセントを占めました。これは、韓国のインバウンド旅行貿易にとって、6月連続で、日本が最大の供給市場となったことを意味します。
日本以外では、中国とアメリカが主な韓国インバウンド観光客となっています。5月、中国から韓国に訪れた観光客は12万8千人となっており、この数字は前年から1,039パーセント増加しました。そして、アメリカから韓国に訪れた観光客は10万2千人で、前年から140パーセント増加となりました。
韓国への中国人観光客(特に大衆客)が戻ったことは、2023年後半の韓国のカジノビジネスが回復を維持するのに役立つと、専門家は述べています。
まとめ
アジアのカジノ業界にとって、中国人観光客の動向というのは大きな影響力を持っています。2030年に開業が予定されれている大阪IRも、中国の政策によって中国人観光客の渡航が制限されることになった場合、大きな影響を与えることになるということが韓国の状況からわかります。
参考元:GGRAsia