和歌山県知事、IR誘致の可能性について語る
岸本知事はIR誘致について慎重な姿勢
和歌山県知事の岸本周平知事は、もし国がカジノを含む統合型リゾートの開発の第二次申請の受け入れを開始するならば、和歌山県は開発の可能性について考えるべきだ、と発言しました。
岸本知事は7月12日水曜日、大阪市で開かれた関西プレスクラブの会合の中で発言しました。
「国が次の申請を開始した時に、和歌山県はIR誘致について考えるべきだ」と、岸本知事は語ったと、カジノ関連のニュースを取り上げる海外サイト"GGRAsia"は報じました。
2022年4月、資金調達や開発業者の能力に懸念があるとして、和歌山県議会はIR計画案を否決しました。そして、昨年6月には、和歌山県はカジノ施設のための部署を撤廃しました。
日本政府が設けていたカジノリゾート申請のための期限は、昨年の4月28日であり、それまでに申請をしたのは、大阪府と長崎県の二カ所だけでした。
大阪のIR区域整備計画は、66パーセントの評価ポイントを獲得し、4月に政府により承認されました。そして、長崎のIR区域整備計画については、いまだ審査が続いている状態です。長崎県知事はIR計画が政府の認証を得るチャンスはまだある、という発言を残しています。
今後10年までに、カジノリゾートが日本で完成するのは可能性が低いと見られています。
12日の岸本知事のコメントでは、知事は経済的な立場から、IRビジネスは「少しリスクが高い」と、慎重な姿勢を示しています。
「特に、自国民へ海外でのギャンブル場への渡航を制限する、中国政府の政策について考えなければならない」と岸本知事は言及しています。これは、中国では2021年3月1日から刑法が改正され、国境を越えたギャンブルを援助した人物は違法となっており、これが影響して、中国人観光客の呼び込みが難しくなる可能性を懸念しての発言でした。
岸本知事は、和歌山県のカジノリゾート開発の可能性について"中立"な立場だと語りましたが、このトピックについて討論すべきだと示唆しています。
「和歌山県がIR誘致をするべきか否かは、県民の決断にゆだねたいと思っている」と岸本知事は述べています。
予定されていた和歌山IRについて
和歌山のIR誘致計画は、和歌山県議会の本会議で採決が行われ、賛成18、反対22の反対多数で、国への計画の申請案が否決されました。IR整備法は地元議会の承認を義務づけており、この採決によって、IR誘致は中止となりました。
和歌山のIRは、和歌山市にある人口島「和歌山マリーナシティ」に建設され、2027年に開業する予定でした。
和歌山IRは『「木の国・水の国」自然豊かな滞在・体験型IR』といったコンセプトで、23.6ヘクタールの敷地に、カジノ施設以外には、劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランなどを複合した施設を目指していました。
事業者はカナダを拠点にしている投資会社「クレアベスト」に決定していました。クレアベストは、カナダやアメリカ、チリのカジノ・IR・リゾート開発に投資家・運営者の立場で関り、インドやイギリスではオンラインゲーミングやeスポーツのビジネスを手掛けていました。
否決された当時の報道を見ると、事業者であるクレアベストへの不信感が大きかったという意見が多く見られます。クレアベスト側の具体的な資金調達の方法や、融資や出資を確約する金融機関からの書類が示されず、資金計画があいまいなままでした。
その結果、採決の際には推進派だった議員からも、不信感は拭えない、反対が続出し、否決という結果になってしまいました。
まとめ
前和歌山県知事の仁坂吉伸氏は、IR推進派でしたが、現知事の岸本氏は、IR誘致の再挑戦には慎重な姿勢を示しています。一時は、IR開発の有力候補でありながらも、撤退することになった和歌山県ですが、IR誘致に再び乗り出すかどうかは、現時点ではしばらく様子見となるようです。
参考元:GGRAsia