大阪IR、2029年開業は困難 政府の認証の遅れが影響
吉村大阪府知事が大阪IR開業が遅れると発言
7月18日火曜日、吉村洋文府知事は、現在発表されている2029年のカジノを含めた統合型リゾート(IR)の開業は難しいと語りました。
吉村府知事は府庁で記者団に向けて大阪IRの開業が遅れることを明かし、そして、開業に向けてのタイムスケジュールのずれは、このプロジェクトに関わる関係各社の共通認識だと述べました。
また吉村府知事は、国による大阪のIR計画の認証に時間がかかったことが、開業が遅れた理由の一つだと言及しています。
NHKは「政府が認定するまでに非常に長い期間がかかったので開業時期をどうするのかなどについて、再協議が必要になっている」という吉村府知事の発言を引用しました。
2022年4月に提出された大阪のIR区域整備計画は、今年の4月14日に政府当局により認証されました。
大阪と日本MGMリゾーツ合同会社およびオリックス株式会社を中心とするパートナー企業との間で、IR建設計画に関する実施協定が、当初、国による承認後90日以内に最終決定される必要がありました。
なので、当初の予定では7月中旬までには実施協定が結ばれる予定でしたが、両者の合意によりこの締め切りは延長されることになりました。大阪府と市は、実施協定案が9月までには準備できるように望んでいると述べています。
これはカジノリゾート実現のためにの、地方自治体と民間パートナー間での大枠合意でした。
14日金曜日、大阪市と大阪府は運営事業者となる「大阪IR株式会社」と、昨年2月に結んだ基本協定を事業者側が解除できる期限を9月30日まで延長しました。この協定は、国による認証が下りた場合には、事業者である大阪IR株式会社が運営を担うことなどを確認するもので、国の認可から90日以内であれば解除できるものと定められていました。
報道によると協定の可能性は極めて低いと言われています。吉村知事は、「じっくり協議を進めていこうということで、事業者側が基本協定を解除できる期限を延長した。解除に関する議論は、一切しておらず、前向きに進めている」と述べています。
MGMリゾーツCEOは大阪IR開業が遅れることを以前から示唆
当初、国による認証の判断は2022年秋頃に出ると見られていましたが、予想以上に審査が続いたことから、開業までのタイムスケジュールにずれが出る可能性があることは以前から指摘されていました。今年2月に、大阪IRの運営会社であるMGMリゾーツのCEO兼社長であるビル・ホーンバックル氏は、直ぐに国の認証が得られなければ、2029年までの開業は難しいといった趣旨の発言を残しています。
大阪府と大阪市が国に提出した整備計画では、大阪IRの開業は2029年の秋から冬頃とされていましたが、ホーンバックル氏は5月1日に開かれた2023年度第1四半期決算説明会で、大阪IRの開業は、2030年の第2四半期(4月から6月)の期間ごろの開業になる見込みだと発言していました。
この時、同じく大阪IRのパートナーであるオリックスは「現計画からの変更について、決まったものはない」と、読売新聞の取材に答えており、大阪市の横山英幸市長は、「直接やり取りしているわけでなく、引き続き早期実現に向けて努力する」と、IR開業が当初の予定よりも遅れることへ否定こそしませんでしたが、肯定もしていませんでした。
しかし、今回の吉村府知事の会見により、大阪IR開業の延期は決定的になりました。
まとめ
大阪と運営会社が今月中には結ばれる予定だった、IR建設計画に関する実施計画が合意には至らず、9月までの締め切りに延期となりました。これにより、吉村府知事はIR開業予定時期が遅れることを明らかにしました。2029年末開業でしたが、早くても2030年以降の開業になることは決定的となりました。
参考元:GGRAsia