
大阪IR計画は66%のポイントを獲得し、国の基準をクリア
大阪IR計画は657.9ポイントで基準をクリア
観光庁と国土交通省によって行われた審査の元、大阪のカジノ整備計画は66パーセントのポイントを獲得し、必要な基準点をわずかに上回りました。
アジアのゲーミング関連のニュースを取り扱うオンラインサイトGGRAsiaの日本特派員が得た観光庁の情報によると、MGMリゾーツとオリックスを中心とする共同事業体が提出した大阪IRの提案は、1,000点中657.9ポイントを獲得し、合格の基準となっている600点を上回りました。
MGMリゾーツはこの計画を「100億ドルプロジェクト」と称しており、計画が政府に認証されたことを歓迎するプレスリリースを発表しました。
「このような規模の観光プロジェクト開発のために、日本政府から選ばれ光栄に思います。」とMGMリゾーツのチーフエグゼクティブ兼社長のビル・ホーンバックル(Bill Hornbuckle)氏はコメントを出しました。
「我々は、日本で最初となる統合型リゾートの開発をこの素晴らしい大阪という街から始められることを楽しみにしており、長く待ち望んでいた夢の実現のために、パートナーであるオリックスと大阪府と大阪市と協力することを楽しみにしています。」とホーンバックル氏は述べています。
2029年に大阪IRをオープンするという野望を持ち続けるなれば、物理的な建設以外にも、多くのステップを乗り越えることが要求されていると、多くの業界関係者が語っています。
大阪の統合型リゾート(IR)地区開発計画は、国が自治体から提出されるものに対して定めた19項目の「必要」項目をすべてクリアしており、これが必須条件でした。
そして、カジノを含む複合施設であるIRのために、地方自治体の地区計画の総合的な優秀性を評価するために、25項目の「評価」項目と呼ばれる別の査定が設定されました。
関係している分野のエキスパートたち7名で選出された審査委員会は、六大学教授6名と依存症の専門家の精神科医1名で構成されました。総合審査点は評価項目が元になっています。最終的なスコアは、7人の委員会メンバーのそれぞれの得点の平均点に基づいています。
大阪の計画は、大阪湾に浮かぶ人口島・夢洲(ゆめしま)で建設を予定しています。MGMリゾーツとパートナー企業たちは、建設についてのタイムラインとオープニングスケジュールなどを含む、IRプロジェクトの詳細を決定し、地方当局と契約を履行します。
日本政府は大阪の区域整備計画を認証しましたが、大阪と同じように昨年4月末に申請した長崎については、今回認証されませんでした。
長崎のIRは、佐世保市のハウステンボスの隣接に建設予定であり、政府の審査は引き続き行われると発表されています。長崎のIR計画には、4,383億円の投資額がかけられていると発表されています。
審査委員会の評価詳細
大阪IRは豊かな水辺空間の魅力を体現した「結びの水都」をコンセプトとしています。しかし、審査委員会からは、水辺感を特徴としたIRは海外にも多くあり、評価できるとは言えない。日本初のIRなので、日本らしさを盛り込むことも期待できるが十分でない、といった内容でマイナスの意見を述べています。
また、府と市が出している来場者約2000万人、年間約1兆1400億円の経済効果、という数字についても、予測精度向上や目標達成への取り組みが重要としています。さらに、土壌汚染や地盤沈下などが問題視されている夢洲の地盤問題が与える、建設コストや工期への影響が懸念されると指摘しました。
そして審査委員会の評価が最も低かった点は、地域との良好な関係構築についてでした。大阪府知事、市長を決める大阪ダブル選で、IR誘致を推奨する大阪維新の会から立候補した、吉村洋文氏と横山英幸氏が勝利し、吉村知事はIR誘致について一定の民意を得たと強調しました。しかし、審査委員会は住民投票を求める署名活動や反対運動があったことを問題視し、住民との関係構築で課題が残ると指摘しました。
まとめ
大阪IRは国の認定を受けることが出来ましたが、必要とされていた基準をギリギリ上回る評価でした。長崎のIR誘致は、残念ながら認定とはなりませんでしたが、まだ審査は引き続き行われているので、IR誘致が中止になったわけではありません。長崎IR誘致は、現在でも上記の基準を満たすかという審査が続いています。
参考元:GGRAsia、毎日新聞