
大阪IR整備計画、政府が正式認定 国内初IR施設誕生へ
政府が大阪IR計画を認定
4月14日、大阪府と大阪市がカジノを含む統合型リゾート(IR)の開設に向け、政府に提出した整備計画を斉藤鉄夫国交大臣が正式に認定しました。
大阪と長崎が提出した整備計画を協議するIR推進本部の会合が14日に開かれ、本部長を務める岸田首相が大阪のIR整備計画の認定を表明しました。長崎県については、引き続き審査が続くことになりました。
岸田首相は大阪IRについて、「2025年の大阪・関西万博開催後の関西圏の発展、日本の魅力を世界に発信する観光拠点となることを期待する」という内容のコメントをしています。
斉藤鉄夫国交大臣も大阪のIR整備計画を認定すると発表した記者会見にて、「約一年間に渡る十分かつ丁寧な審査をした結果、認定しうる計画と認定された。日本の魅力を発信する観光拠点になることを期待している」と話しました。
大阪市長である横山英幸氏は、大阪市内にある夢洲(ゆめしま)でのIR建設が認定されたことへの喜びと、これからの手続きを進め、大阪の成長戦略として大阪を描ける可能性を描きたいという趣旨のコメントを残し、問題視されている土壌問題へ788億円もの費用を市が負担することについては、
「788億円というのは一定の根拠をもって積算した数字で、この数字の中で収めるよう全力で取り組む。788億円の枠内に収めるというのは至上命題」と現状の予算内で収めることを強調しました。
大阪府知事の吉村洋文氏は、国からのIR計画認定を受け、「厳正な審査を経て、日本で初めてIRを整備していくエリアとして国に認められたものであり、いよいよその実現に向け、大きな一歩を踏み出したものと認識している」とコメントしました。また、youtubeの大阪府公式チャンネルでメッセージ動画を投稿し、その中で統合型リゾートの魅力、新たな雇用・消費を生み出す大きな経済効果や、増税することなく新たな収入を得て、府民の暮らしの充実、次の成長に向けた投資をすると、IRのメリットを説明しました。
大阪のIR誘致は、2010年に当時の府知事である橋下徹氏がIR誘致を表明し、2014年に夢洲で候補地として決定しました。その後、IR整備推進法が2016年、IR実施法が2018年に施行され、日本でカジノを含む、宿泊施設や商業施設を一体的に整備する統合型リゾート(IR)の設立が可能になりました。大阪市と大阪府は2022年4月に、政府に整備計画の認定を申請、当初は同年秋頃に認定の是非が出る予定でしたが、審査が続き、ようやく、4月15日にIR整備計画が認定され、大阪での国内初のIR施設誕生へ向け、大きく前進することになりました。
大阪IR施設の内容
大阪IRは2029年秋から冬にかけて開業予定で、大阪市此花区にある人口島・夢洲に建設予定です。MGMリゾーツとオリックスが中核となり、関西地元企業の20社が参加する、大阪IR株式会社が運営することになります。
大阪府のホームページによると、このIR施設は、「結びの都」をコンセプトに大阪・関西を世界とつなぐゲートウェイ、豊かな水辺空間の魅力を体現する施設となる予定です。
総延床面積約77万平方メートルの敷地に、最大会議室の収容人数6,000人以上で、全室の総収容人数は約12,000人以上の国際会議場施設や、約2万平方メート面積の展示等施設や、
日本と関西の食文化や伝統的な工芸文化の魅力を発信する魅力増進施設、大規模なバスターミナル・フェリーターミナルなどの総客施設、
エンターテイメントホテル、多世代型アクアリゾートホテル、VIP向け最高級ホテルの3種類の宿泊施設、ショーやイベントを行える約3,500席の夢洲シアター、
そして、カジノ施設は世界最高水準の規制の下での公正・廉潔を目指し、カジノを利用しない来訪者に配慮した、配置やデザインを計画しています。そして、カジノエリアは全体の床面積の合計の3パーセント以内とし、国の管理と監視の下、運営されます。
また、カジノは収容人員は約1万人の施設となり、消費額に応じて「マス」「プレミアム」「VIP」の三層のフロアに分かれ、ルーレットやバカラなどディーラーのいるゲームができるテーブルを計約470台、スロットマシンなどを約6400台配置される予定です。20歳未満は入場禁止で、日本人の入場料は6,000円、訪日外国人客は無料となる予定です。
まとめ
大阪IR計画は、国へ整備計画を提出して以来、その後の進展が不明瞭でした。しかし、先日の大阪ダブル選で、大阪IRを推進し続けていた大阪維新の会が勝利し、IR賛成の民意を得て、そして国からの認定も得ることができ、大阪で日本初のIR施設誕生へ大きく近づきました。
参考元:共同通信、産経新聞、TBS NEWS DIG、NHK、大阪府公式ホームページ