インド:マハーラーシュトラ州で、カジノ合法化の動き
右派政党の政治家が沿岸地域のカジノ建設を目指す
インドのマハーラーシュトラ州(Maharashtra)でヒンドゥー至上主義極右政党「マハラシュトラ・ナヴニルマン・セーナー(Maharashtra Navnirman Sena, 略称:MNS)のManoj Chavan書記長が、西部沿岸地域コンガンでのカジノ建設に向けて動き出した。
インドでは、ゴア州がインド国内で数少ない合法的に国からカジノ建設を許可されている場所として知られている。しかし、ゴアより北に位置し、少し大きい州であるマハーラーシュトラ州の沿岸で、合法的なカジノ建設をManoj Chavan氏は提案している。
ゴア州ではインドの合法カジノ市場の95パーセントを占めており、リバーボートカジノと呼ばれる船上カジノが有名で、マンドビ川(The River Mandovi)で6つの船内でカジノが運営されています。陸上でのディーラーとの賭博行為は禁止されていますが、川の上は政府の管轄外という解釈の元、ディーラーゲームが行われています。
Manoj Chavan書記長は、州政府にマハーラーシュトラ州の海岸線720キロのエリアのカジノ建設の許可を求めており、地域の観光業へのブーストになると語っている。
「もしカジノがコンカン沿岸でカジノが導入されれば、マハーラーシュトラ州の収益は間違いなく上がるだろう」とManoj Chavan書記長は語っている。
マハーラーシュトラ州とコンカン海岸について
マハーラーシュトラ州はインドの西に位置する州で、インド第二の都市であるムンバイ(英語ではボンベイ、“ムンバイ”は現地語に基づく表記)が州都で、インドにおける経済と芸能の中心と呼ばれています。コンカンはマハーラーシュトラ州の西部の海岸地帯で、アラビア海に面した幅40~80キロメートル、長さ530キロメートルの地帯です。コンカン海岸の南には、ギャンブルが合法化されているゴア州と隣接しています。隣の州のゴアと同じように、マハーラーシュトラ州の沿岸地帯であるコンカンでもカジノを作り経済の活性化を目指しているようです。
インド他州のギャンブルについての取り組み
現在までのところ、スキルベースのギャンブル(プレイヤーが技術や何らかの専門知識を駆使して勝利する必要があるゲーム)に関する最高裁の例外規定を除けば、インドにはゲーミングを規制する連邦法は存在しません。ギャンブルについて、インド国内の各州は独自の立場を取っており、以前の法律では考慮されていなかった、オンラインゲームの禁止の踏み切った州もあります。
メーガーラヤ州(Meghalaya)では、カジノの合法化が検討され、法案も提出されたが、教会やカジノ反対派団体の圧力によってその計画は中止になった。
ソーシャルメディアの投稿で、租税に関しての大臣であるJames PK Sangma氏は「利害関係者とのミーティングを得て、メーガーラヤ州にとって、カジノ合法化についての法案は中止にすることがベストだとはっきりとした。そして、2021年メーガーラヤ州賭博規制法(Meghalaya Regulation of Gaming Act, 2021)が上訴されるよう、私は真剣に努力するつもりである。」と語っている。
まとめ
インドでは基本的にはギャンブルは違法とされ、ゴア州の他にもシッキム州で合法的にカジノが運営されています。インドの中心都市であるムンバイからも近いコンガン沿岸地帯でカジノが設立され、マハーラーシュトラ州がインドで3カ所目のカジノ合法地域になる可能性が出てきました。しかし、インド国内でギャンブルへの反対意見も強く、各州でオンラインカジノの禁止やカジノの合法化が中止になることも多いです。マハーラーシュトラ州のカジノ合法化も容易な道ではないように見受けられます。
参照元:Focus Asia Pacific