カジノが横浜にやってくる?世界都市・横浜の顔へ
横浜市山下ふ頭開発基本計画。IR法案が本格的に動き出し、日本でもいよいよカジノ解禁されるのか注目が集まっています。経済効果6,000億円ともいわれるそのカジノがどこにできるのか!?東京?大阪??沖縄???想定されている候補地はいくつもありますが、横浜市が4月に検討会を立ち上げ本格的に誘致に乗り出す!?その核となる横浜市山下ふ頭開発基本計画をご紹介します。山下ふ頭周辺の写真もあるよ!
この都⼼臨海部を、今後も横浜の成⻑をけん引し、世界都市・横浜の顔として輝き続けるエリアにするため、⼭下ふ頭が有する広⼤な開発空間をはじめ、周囲を囲む穏やかな⽔域や⾼い交通利便性、更には、横浜港の良好な景観と周辺の観光資源などを⽣かし、世界に注⽬され、⽬的地とされる「ハーバーリゾートの形成」を⽬指します。 今後、この基本計画を基に、市⺠の皆様、港湾関係者の⽅々にご協⼒をいただきながら、魅⼒と活⼒あふれる新たな賑わい拠点の形成に向けて、取組を進めていきます。
(横浜市山下ふ頭開発基本計画より)
1. これまでの流れ
最近何かと話題のカジノ法案(正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)ですが、候補地選びは最重要課題となり、誘致したい自治体も多く存在しています。横浜市はその中でも有力候補の内の1つと注目されていますね!その横浜のカジノ誘致に関する取り組みを簡単にご紹介します!
- 2009年:山下ふ頭を利用したカジノ構想の議論が始まる
- 2014年:統合型リゾート(IR施設)を誘致するプロジェクトチーム発足
- 2015年:カジノ開発地区として、大阪などと共に横浜が有力候補となる
2009年の時点ですでに議論が始まっていたのですね...。知らなかった!確かに1つの自治体だけにとどまらない国家プロジェクトとなるので、1年や2年そこらの議論で決定されるわけがありません!
横浜のどこにできる?
大さん橋からみた山下ふ頭
カジノ法案可決施行に向けて、ずいぶん前から議論が行われていたことがわかりました。次に気になることはやっぱり横浜のどこが候補になっているのか?でしょう。横浜と一口にいっても大変広大です。最近はみなとみらい地区だけでなく関連する横浜駅東口近辺も再開発が活発に行われています。そして気になる候補地は、
- 山下ふ頭
なるほど!
みなとみらい地区あたりが候補になるのかと思いましたが、山下ふ頭が候補になっているようです!
みなとみらい地区や横浜駅、中華街に隣接し観光の拠点となっている地区であり、交易の起点となって世界中のさまざまなモノや人が行き交う土地です。また、新しく増設する土地ではなく、昔からの歴史もある場所ということがすばらしいですね。
候補地の概要
山下ふ頭は、一般貨物対応の総面積約47ha のふ頭であり、現在は、本牧ふ頭、南本牧ふ頭、大黒ふ頭などのコンテナふ頭で扱うコンテナの開梱、梱包などを行うバックヤードとしての役割を主に担っています。
(横浜市山下ふ頭開発基本計画より)
- 立地
首都圏全体として、航空・鉄道・道路・水上交通におけるアクセス利便性強化に向けた取組が進められており、計画地の周辺までは、各方面からのアクセス性が良く、優れた立地特性を有しています。
敷地面積 | 約47ha |
用途地域 | 商業地域 |
容積率 | 400% |
建ぺい率 | 80% |
高度地区 | 第7種高度地区(最高限度31m) |
防火地域 | 準防火地域 |
臨港地区 | 横浜港臨港地区(分区:商港区) |
候補地の周辺の風景
候補地となっている山下ふ頭周辺のをご紹介します!歴史ある建物から、横浜港を一望できるスポットなどなど、地域住民から観光客までたくさんの人々で賑わっています。
山下ふ頭
山下公園
マリンタワー
大さん橋観光施設ではなくしっかり桟橋として運営されている
エリスマン邸歴史ある建物も残っている
県庁~横浜スタジアム右側に見える神奈川県庁舎は「キングの塔」という愛称で親しまれている
港の見える丘公園横浜港周辺を一望できるスポット
みなとみらい地区
3. 基本計画方針のまとめ
目指すべき方向性
次に横浜市が考える山下ふ頭再開発の目指す方向性を横浜市山下ふ頭開発基本計画を元にみていきましょう。
新たな賑わい拠点の形成
- 世界からの集客に向け、大規模空間を生かした、観光・MICE、文化・芸術などの魅力的な機能の導入
- 周辺地区との機能分担・回遊性の確保による相乗効果
- 次世代にふさわしい、環境・防災まちづくり
ミナトの質的転換
- 物流の港湾から観光・人が交流するミナトへの転換
- 周辺地区と繋がる親水空間・景観の形成、水上交通の活性化
- 港湾物流機能の移転に伴うふ頭の再編・機能更新の機会創出
目指す方向として、上記の6項目を挙げています。単純にカジノを作るだけに留まらないということがわかりますね。人やモノが行き交い経済活動だけでなく文化や芸術、または雇用創出や防災・環境づくりまで多岐にわたります。
M は Meeting(会議・研修)、
I は Incentive(招待旅行)、
C は Conference(国際会議・学術会議)、
E は Exhibition(展示会)または Event、
これら4つの頭文字を合わせた言葉です。
上記6項目を踏まえて目指す都市像は、
観光・MICEを中⼼とした魅⼒的な賑わいの創出
- 新たな横浜のシンボルとなる⼤規模集客施設の導⼊
- ⼈々を呼び込む特⾊ある施設の導⼊
- ⼈々が楽しみ滞在するリゾート空間の形成
- 世界が注⽬するエンターテイメント・イベントの取組
みなとみらい地区には「パシフィコ横浜」など大きな会場施設がありますが、山下地区には今だ大きな施設がありません。最近は海外での開催も多くなってきているMICEなどを積極的に誘致する狙いもあるようです。
- 広域的な交通ネットワークを⽣かしたアクセスの強化
- 周辺地区とのアクセス・回遊性の向上
- 観光拠点となる交通ターミナルの形成
- 地区内の移動⽀援
「横浜市都心臨海部再生マスタープラン(仮称) 概要版」によると、山下ふ頭周辺では、みなとみらい線とJR京浜東北線が通っていますが、さらに横浜・桜木町・みなとみらい・山下ふ頭・新港地区を結ぶ鉄道ラインや道路インフラ、新たな交通が検討されているようです。これにより各段にアクセスが向上し、たくさんの人々が行き交うでしょう。
- 駅や周辺地区からの安全・快適な歩⾏者動線の確保
- 地区内の軸となる2階レベルの歩⾏者動線の整備
- 地区内の回遊性を⾼める歩⾏者ネットワークの形成
親⽔性豊かなウォーターフロントの創出
- 緑豊かなオープンスペースと⽔際のプロムナード空間の形成
- 華やかさをもたらす⽔域活⽤イベント・取組の実施
- 客船や⽔上交通など新たな⽔上アクセスルートの形成
- 「賑わいと活⼒」と「憩いと安らぎ」を兼ね備えた新たな横浜の顔となる景観の形成
世界各地には魅力的なウォーターフロントたくさん存在しています。モナコやシドニー、カナダのバンクーバーなどが有名です。ここで共通することは、カジノがあるということです!一概には言えませんが、世界の人々があつまる観光地にはカジノがあると言ってもいいのかもしれません!
環境に配慮したスマートエリアの創出
- ⾯的なエネルギーシステムの導⼊
- 建築設備における⾼効率化と良好な屋外環境を取り⼊れた施設づくり
- 環境に配慮した新たな地区内交通システムの導⼊
- 災害時の来街者のための安全・安⼼の確保
- 災害時においても⾃⽴した都市機能の実現
- ⾵⽔害対応として歩⾏者空間の基本は 2 階レベルで形成
- まちの魅⼒を⾼めるエリアマネジメントの実施
- 多様な情報提供と積極的な情報発信の推進
- はじめてでもわかりやすく快適な動線計画 (バリアフリー・サイン)
スマートエリアの創出によって、運用効率化やバリアフリーな施設や地域ができるだけでなく、災害などの緊急時にも最適な場所となることは、これからの日本を考える上でもとても重要な項目となっていくでしょう!多様な媒体(デジタルサイネージ、多言語対応サインなど)の適応なども必須と言えるでしょう!
4. 横浜の再開発・今後の予定
- H27:基本計画の 策定
- H32(2020):一部供用
- H30 年代後半(2025~):全体供用
※この基本計画は「横浜市⼭下ふ頭開発基本計画検討委員会」の答申を踏まえて策定したものです。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年(平成32年)の一部開始に向けて段階的に開発を進めていくとのことです。一部供用にあたって、まずは混雑回避のための鉄道や道路などを整備し、しっかりとした導線の確保からスタートを切る予定となっています。ふ頭だけの開発ではなく、近隣地区全体を含めた大きなプロジェクトとなるでしょう!
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。カジノが合法化されるかどうかも含めて、カジノやIRを建設する予定となる場所や近隣地域に大きな影響を与えるでしょう!最近は経済も政治も良いニュースがあまりありませんが、もしかしたら大きな起爆剤となり、活気ある横浜や日本に大きく飛躍することができるかもしれませんね!新しい横浜市長も決定し、これからますます目が離せません!