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北海道・苫小牧にカジノが!?
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北海道・苫小牧にカジノが!?

苫小牧市統合型リゾート(IR) 可能性調査・検討結果報告(苫小牧市)。IR推進法案が可決し日本にもいよいよカジノができるかもしれません!候補地として横浜や大阪、沖縄などが有名ですが北海道でも検討を開始しています。北海道の中でいくつか候補地がありますが、7月に「国際リゾート構想策定諮問委員会」が発足し初会合も行われた北海道苫小牧のカジノ構想をご紹介します!

IR推進法案が可決し候補地選びも本格的になってきています。横浜や大阪、沖縄などが有名でいち早く検討を開始していますが、北海道も候補地に名乗りを挙げています。去る7月には「国際リゾート構想策定諮問委員会」を始動させ初会合が東京で行われました。苫小牧民報に掲載された記事をご紹介します。

苫小牧市での国際リゾートの可能性を検討する市国際リゾート構想策定諮問委員会の初会合が24日、東京都内で開かれた。著名なジャーナリストや建築家など多様な分野から委員5人、専門委員4人を選任。今後、会合を重ねて今年度末までに意見を集約し、苫小牧市での国際リゾート地形成の方向性などを答申する。市は答申を踏まえ、実現に向けた戦略を盛り込んだ「市国際リゾート構想」(マスタープラン)を策定する考えだ。
(苫小牧民報 web版 2017/7/25配信 より転載) https://www.tomamin.co.jp/news/main/11804/

北海道では今のところ3つの候補地があります。苫小牧市、釧路市、後志管内留寿都村の3候補ですが、一本化する方針が発表されています。今後に期待ですね!!今回は中でも有力な苫小牧市のカジノ構想をみていきたいと思います。まずは2015年に北海道が発表した資料を元にみていきます。

1. 統合型リゾート(IR)概要

2016年12月15日に「カジノ法案」正式には「IR推進法案」が衆院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決され成立しました。法案成立後、約1年以内、2017年12月までに依存症対策などの具体的な制度設計を盛り込んだ「IR実施法案」が国会に提出される予定です。「推進法案」は、あくまで「実施法案」のアウトラインで、具体案は実施法案に盛り込まれます。
2017/8/16 現在、IR実施法案の提出&成立、そして、建設候補地の調整や施設のIR建設に向けて動いています。

名称の確認

  • カジノ法案 = IR推進法案
    2016年12月に衆院本会議で成立
  • IR実施法案
    2017年12月までに国会への提出を予定
  • IR推進法案
    (正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(平成28年法律第115号))
  • IR推進本部
    (正式名称:特定複合観光施設区域整備推進本部)
  • IR推進会議
    (正式名称:特定複合観光施設区域整備推進会議)
※MICE(マイス)は造語
M は Meeting(会議・研修)、
I は Incentive(招待旅行)、
C は Conference(国際会議・学術会議)、
E は Exhibition(展示会)または Event、
これら4つの頭文字を合わせた言葉です。

2. 北海道とIR

北海道では2015年に「北海道型IR検討調査報告書」を公開し、誘致合戦に本格的に乗り出しました。苫小牧だけでなく留寿都村と釧路も同じく候補地になっています。

北海道・候補地(苫小牧、釧路、留寿都村)

  • 苫小牧市=経済波及効果2850~4650億円 雇用創出2万6800~4万4100人 年間利用者数223~378万人
  • 釧路市 =経済波及効果1570~1950億円 雇用創出1万4300~1万8100人 年間利用者数 25~ 40万人
  • 留寿都村=経済波及効果1681~2865億円 雇用創出2万4520~2万6523人 年間利用者数150~206万人

(カジノIRジャパン より転載)
http://casino-ir-japan.com/?p=17898

留寿都村はニセコとならびスキーヤーに人気のスポットです。一方釧路は周辺に摩周湖や阿寒湖などがあり、温泉場としても人気スポットです。ただし、釧路は新千歳国際空港からやや遠く距離があります。横浜や大阪などの候補地の資料を見ても、空港や港が近くにあることがポイントとして挙げられていて、その点が少々残念ですね。

経済効果を検討するためには、本道で導入する場合のIRの姿(投資額、規模、機能構成など)を想定する必要がある。この調査においては、道内で複数の自治体で誘致を検討している事情を踏まえ、北海道型IRとして3つのモデルを想定した。
注:以下に示す3モデルは、いずれも具体的な用地や基本構想・計画などに基づくものではなく、あくまでも「このような前提に立てば」との経
済効果検討に資するモデルであることに留意。
(北海道型IR検討調査報告書〔概要版〕平成27年3月 より転載)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/IR_report_abstract1.pdf

上記3候補をに設定するために北海道は現状と課題を挙げています。

現状

  • 国内市場の縮小、消費額の伸び悩み
    日本は人口減少社会に入っており、国内市場は縮小が避けられない。
  • 繁忙期と閑散期のギャップ
    観光入込数の季節格差は大きく、谷間対策、平準化が求められている。
  • 観光客の道央圏集中
    交通体系、大都市札幌の存在などの要因で道央圏に観光客が集中。

課題

  • 海外市場からの誘客促進
    外国人観光客の受入環境の整備、富裕層誘客による観光消費額の拡大
  • 新たな誘客視点
    MICE等による閑散期への集客、雇用の通年化
  • 観光資源・受入環境整備
    全道各地での観光資源の磨き上げ、二次交通の充実、長期滞在型の観光コンテンツづくり

日本各地、地方創生は最大の課題になっていると思います。北海道もまた同じようです。観光の収入が多くを占める自治体は、繁忙と閑散の間をどう埋めるかも大きなポイントであり、そのために外国人観光客を多く受け入れる必要がります。その観点からみると、空港から近い場所が候補地になるのもうなずけます。上記点を踏まえ3つの自治体の方向性も示されています。

北海道型IRの方向性について、誘致を検討している自治体の特性を踏まえ、道央圏での<拠点空港離接型><高原リゾート型>の2モデル、釧路根室圏での<エコリゾート型>の合計3モデルを整理した。

苫小牧市【道央圏】

●拠点空港に隣接し、人口集中地区にも近い。近隣に既存観光施設が少ないことから、新たな大規模設備投資が期待される。
●観光入込数は184万人(宿泊延べ数17万人)で、隣接する新千歳空港には1,900万人を超える利用者がある。
●比較的平坦で広大な用地が確保可能。

拠点空港隣接型
国際拠点空港に隣接し広大な用地を活かしたIR

留寿都村 【道央圏】

●パウダースノーで知られる国際的なスキーリゾートエリアであり、外国人観光客が増加している。
●観光入込数は148万人(宿泊延べ数38万人)で、様々なアクティビティなどにより入込の季節格差解消を目指している。
●既存観光施設との連携が期待でき、広大な用地確保が可能。

高原リゾート型
雄大な自然と多様なアクティビティを活かしたIR

釧路市阿寒湖温泉地区 【釧路根室圏】

●北海道を代表する景勝地である(国立公園)阿寒湖地区は、温泉、アイヌ文化などを活かした滞在型温泉観光地である。
●観光入込数は107万人(宿泊延べ数57万人)で、ピーク時から減少しており、地域資源を活かした新たな魅力の開発に取組んでいる。
●観光施設との連携が期待できる。なお、国立公園内であり、敷地規模は一定の制約がある。

エコリゾート型
北海道固有の先住民族の文化や優れた自然を活かしたIR

苫小牧の最大の利点ははやり拠点空港に近いことが挙げられます。留寿都村では最近増加傾向にあるスキーリゾートとの連携を模索しているようです。北海道の雪は素晴らしいですので、もっと海外の人々にも触れてもらいたいですね!
一方釧路では、阿寒湖周辺を想定して温泉やアイヌ文化に触れるなど、エコリゾートとして検討しているようです。IRやカジノといったワードからは一見離れているようにも思えますが、世界的にも珍しい、時代の流れに沿ったIRとなるかもしれません!とても興味深い方向性だと思います。エコとリゾートが融合すれば新しい価値を提示できるでしょう!

北海道は上記3つの候補地から一本に絞る方針を発表しました。
苫小牧のIR構想を見ていきましょう。

3. 候補地「苫小牧」とコンセプト

北海道のIR基本ポイントを確認しました。北海道の中で3つの候補地がありましたが、今回は苫小牧市の誘致・IR構想をご紹介します。


(苫小牧市統合型リゾート(IR) 可能性調査・検討結果報告 より転載)

全国のIRの候補地として空港や港から近いことが重要と考える自治体が多い中、苫小牧も新千歳空港からの距離の近さをうたっています。車で約30分、電車でも約40分で苫小牧都市部までアクセス可能となっています。

  • 北海道で最も充実した交通アクセス
    国内外へのアクセスもスムーズ、空・海・陸の交通の要衝
  • 北⽇本最⼤の産業集積都市
    紙 パ ⾃動⾞関連企業をはじめ 幅広い 紙・パ、⾃動⾞関連企業をはじめ、幅広い業種が集結する産業都市
  • ⾃然と環境に優しいまち
    広⼤な森林と湖沼や湿原など⾃然と調和したまち

北海道と苫小牧のIRポテンシャル

北海道のポテンシャル
観光地としての魅⼒

  • ⾏ってみたい旅⾏先 国内第1位[1]
  • 訪⽇外国⼈来道者数 115万⼈[2]
  • 観光⼊込客数 5,310万⼈[2]

苫⼩牧市のポテンシャル
道内アクセスの拠点
国際空港・国際港・⾼速道路の整備 → 道内各地の観光地へのGateway

潜在的に⼤きな商圏

  • 30/60分圏内⼈⼝150/300万⼈(道⼈⼝の約6割)
  • 新千歳空港乗降客数 1,926万⼈
  • 豊かな⾃然と広⼤な⼟地

出典:[1]公益財団法⼈⽇本交通公社 旅⾏者動向2013 、[2]平成25年度北海道観光⼊込客数調査報告書

観光に強い自治体、北海道ならではの数字といっても過言ではありませんね!国内の需要も満たしつつ、外国の観光客にも人気ということがわかります。国際的なゲートウェイとしてもさらに機能強化できればIRも夢ではありません!

観光目標


  • 訪⽇外国⼈旅⾏者2020年に2,000万⼈超、2030年に3,000万⼈超
  • 北海道
    外国⼈来道者数 200万⼈(2020年,国の⽬標の10%)300万⼈(2030年,国の⽬標の10%)

IR導入によって

●世界にPR効果のある集客⼒のある観光施設の設置
外国⼈来道者⽬標300万⼈の促進エンジン 富裕層誘客

●IRを北海道観光の魅⼒を発信するショーケースと位置付け

●カジノの収益⼒を活⽤し、季節的変動を受けにくいMICE・エンタメ施設等を整備

●カジノ・エンタメ施設による夜間観光需要の取り込み

●IRを道内周遊観光の拠点として活⽤

苫⼩牧IRのコンセプト

  • 北海道のブランドイメージを活かし、北海道観光の魅⼒を発信するショーケースとして位置づけ
  • 苫⼩牧の広⼤で豊かな⾃然 広⼤で豊かな⾃然を活かし(近隣地域の観光資源も連携 近隣地域の観光資源も連携)、リラックスできる空間の創出
  • ⼈間環境都市宣⾔の街として、最新技術を駆使して開発と⾃然が共⽣するECO空間を創出
  • 空港隣接地の強みを活かし、道内周遊観光の拠点として活⽤
  • 世界に通⽤する Only1のIRを創出し、外国⼈来道者⽬標の達成を促進

コンセプトは上記の通りです。やはり、北海道といえば何と言っても自然を思い出します。その雄大な自然を活かしたIRができることを期待します!また、空港隣接地ということは、釧路や留寿都村よりも地の利があるでしょう。

そして、苫小牧では海外への視察を行っています。主な訪問先としてシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズや韓国のパラダイスカジノ済州などに訪問し積極的に視察を行っています。

マリーナ・ベイ・サンズ【MARINA BAY SANDS】

立地特性インバウンドの大幅増のため、世界規模のカジノにコンベンション施設、大型高級ホテル等を加えた新・集客エリア
運営主体マリーナ・ベイ・サンズ(米国ラスベガス・サンズの現地法人)
施設構成<カジノ>
フロア面積:15,000㎡
4フロア、敷地面積の3%以下
<ホテル>
客室数:2,561室、5つ星の最高級ホテル
地上57階、高層ビルを見下ろせる世界有数の屋上プール
<MICE>
多目的展示場・会議施設等を兼ね備えた5層の大型施設
<ショッピングモール>
・延床面積74,000㎡、高級ブティック中心、300店以上(うちレストラン
約45店)
<シアター>
2,000席
<ミュージアム>
延床面積6,000㎡

苫小牧IRイメージプラン

続いて苫小牧市統合型リゾート(IR) 可能性調査・検討結果報告(苫小牧市)から、苫小牧のIRイメージプランをご紹介します。全体像をご覧ください。

富裕層向けホテル

コンベンションセンター・複合施設

⼀般向けホテル

(苫小牧市統合型リゾート(IR) 可能性調査・検討結果報告 より転載)

イメージ画像をみただけで広大な土地があるこがうかがえますね。カジノや温泉、MICE施設だけでなく乗馬や気球などのトレッキングもできることは他候補地にない点と言えますね。また、苫小牧の中でも、「新千歳空港隣接地域」と「苫東区域」2つの場所を検討しているようです。詳細な場所と比較をみてみましょう。

 新千歳空港隣接地域苫東区域
住所苫⼩牧市植苗苫⼩牧市字柏原
敷地面積 ※敷地面積=開発面積ではない。10,000,000㎡(1,000ha)1,000,000㎡(100ha)
⽤地現状⼭林、原野、⼩規模沼⼯業⽤地、⼭林、原野、⼩規模沼
交通アクセス空港・札幌はやや近い
新千歳空港(⾞で約10 -15分)
札幌中⼼街(⾼速利⽤で約50分)
苫⼩牧市街・港(⾞で約30分)
※施設までの道路敷設が必要
苫⼩牧市街はやや近い
新千歳空港(⾞で約15 20分)
札幌中⼼街(⾼速利⽤で約60分)
苫⼩牧市街・港(⾞で約20分)
電気・ガス・上下⽔道新規に整備が必要近隣整備済だが、拡張⼯事が必要に なる可能性あり。
規制・条例等都市計画法の市街化調整区域
→商業施設建設のためには、北海道 開発審査会での開発許可、もしくは、 市街化区域の拡⼤等が必要。
都市計画法の市街化区域
(⼯業専⽤地域・ホテル建設不可)
→ 商業施設建設のためには、⽤途
地域等の変更⼿続が必要

「新千歳空港隣接地域」と「苫東区域」2つの違いは上記のようになっています。新千歳空港隣接地域は空港から近いことと、場所が示している通り自然に囲まれた雄大な土地を確保でき、生活圏からも遠いといういことで、北海道のIRコンセプトとも親和性があるとしています。一方、苫東区域では空港だけでなく港も近くにあることがポイントとしています。

4. 経済効果

苫小牧のコンセプトとイメージに続いては、経済波及効果をみてみましょう。

 施設建設時の効果施設運営時の効果
投⼊額投資額 約1,000~1,590億円売上⾼ 約650~1,130億円
直接効果約1,000 ~1,590 億約560 ~970 億
1次⽣産誘発効果約510~820億約220~370億
2次⽣産誘発効果約 390~620億約160~280億
⽣産誘発額 計約1,910~ 3,030億円約940~1,620億円
就業誘発⼈数約16,400~26,100⼈約10,400~18,000⼈
IR利⽤者n/a約223~ 378万 ⼈ / 年

※北海道庁公表の「経済波及効果分析⽀援ツール」(平成21年延⻑表・109部⾨)に基づく経済波及効果の分析結果
※上記試算はIR施設の建設 運営に直接起因する効果のみ試算しており IR訪問者が道内周遊観光を⾏うことによる
※上記試算はIR施設の建設・運営に直接起因する効果のみ試算しており、IR訪問者が道内周遊観光を⾏うことによる効果(IR以外の観光地での宿泊・消費等)は試算していない。
(注)上記試算はIR事業者の具体的な計画に基づくものではなく、市が仮設定した試算に基づく計算結果である。

カジノ施設は収益性が⾮常に⾼いため、通常の税負担に加えてカジノ売上に対して特別な税⾦・納付⾦を課すことが諸外国の事例では⾒られる。
⽇本ではIR法が成⽴しておらず詳細は未定であるが、同様のカジノ売上(GGR)に対する納付⾦が設定され ⾏政サービスの向上に資する効果が期待される。

北海道の3候補地の中でも一番収益を得られるという試算を発表しています。地方創生を掲げる自治体としてはやはりカジノやIRによる利益を期待せざを得ないですね。また、海外の事例あり、カジノにあたらな課税をすることで自治体や国へ税収という形でお金の流れができるともしています。

さらに今後の課題として、インフラ整備やIR施設の検討だけでなく国や道との連携も挙げています。

5. まとめ

北海道のIR構想を苫小牧を元にみてきました。いかがだったでしょうか。横浜などに比べるとまだまだ準備段階という感じでした。が、北海道には他の候補地にない、雄大な自然という強みがありますね。また、アイヌ文化などに触れたりできるような、多様性があるIRという考え方もとても興味深いと思います。これからさらに検討しよりよい提案を期待したいと思います!

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