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「日本カジノ」カジノIR誘致の「大義名分」は?
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「日本カジノ」カジノIR誘致の「大義名分」は?

【写真はWinstar Casino公式HPより
この度、日本におけるカジノ付き複合型リゾート、Integrated Resort(IR)、について書かせていただくことにした。日本の政治について疎い事もあり、日本でのIRが話だけで中々進行しなかった事もあり、私自身の興味を欠いていたため、IR関連には頭を突っ込まないことと思っていた。これから書いていく内容も、バイアスになりがちではあるので、日本以外の国の一個人の意見としてサラッと流して読んでいただきたい。日本に住んでいないからこそ、外からの視野で物事を見られる反面、内情を把握していない事もあり得るので、その点は了承していただきたい。

カジノを主事業とする統合型リゾート(IR)の実施法が先月20日に可決成立した。今後、日本政府はIR施設の開設に向けて様々な準備をしていかなければならない。予定では2019年の秋にはカジノの監督機関としてのカジノ管理委員会を設ける予定である。また、誰もが待望しているIRの設置箇所を選択する際の基準となる基本方針を策定するであろう。日本政府はIRを「観光先進国」実現の切り札として、一連の動きを敏速に行うであろうと言われている。

カジノを主事業とする統合型リゾート(IR)が外国人観光客の集客の切り札として利用されることは、少々理にかなっていない気がしてならない。多分、石原慎太郎氏が先駆けとなってカジノ誘致を提案した20年以上前ならば、それで良かったであろう。しかし、最近の日本の外国人観光ブームは凄まじい旋風を巻き起こし、インバウンド観光客数が物凄い勢いで高騰している。ここラスベガスで日常生活をしている私がここで遭遇する地元で生活する人々との会話の中で、日本人としてとても誇れる事が多々ある。話相手が、私が日本人であることが分かると、直ぐさま日本へ行ったことがあり、とても良い経験をしたと話してくれる。「日本の自然美は世界で一番だ」「日本人は本当に親切な人々だ」「機会があれば、何度も行ってみたい」などなど、必ずと肯定できる程、ポジティブな形容詞が目白押しで話が完結する。以前から一風変わった、学歴がありそうなアメリカ人で、日本へ行ったことがある人は少々いた感じがするが、ここ数年は日本へ行ったことのある人に遭遇する頻度がかなり増えた。

日本には、既に観光名所が数多く存在し、ユネスコ認定の世界遺産が数多くあるのに、外国人がカジノが目玉で日本へ観光に行くのかが疑問である。カジノ賛成派の方々が口を揃えて言っていた。「先進国でカジノが無いのは日本くらいだ、日本にカジノをつくるのは当然だ」。全くその通りである。だが、逆に返せば「世界何処にでもカジノがあるので、カジノ目的で日本へ来る必要はない」となってしまう。一昨年前にも東京新聞に取材を受け、その記事を載せていただいたが、今でも考え方は変わっていない。静岡の三ケ日みかんが食べ飽きたので愛媛へみかんを食べにわざわざ出向くであろうか?伊予の三湯へ行きたい。そのついでに温泉あがりに旅館で愛媛のミカンを食すことはありだと思う。「観光先進国になる為にIR実現」はちょっと的外れなスローガンであろう。

訪日客、最速1500万人超え=西日本豪雨で鈍化懸念-観光庁
※記事内容は2018年7月18日掲載時のもの。
日本政府観光局が18日発表した2018年上半期(1~6月)の訪日外国人数(推計値)は前年同期比15.6%増の1589万8900人と、6年連続で過去最高を更新した。格安航空会社(LCC)の増便で東アジアなどから観光客が増え、前年より1カ月早い最速ペースで1500万人を超えた。年間では初の3000万人到達が視野に入ったが、西日本豪雨などの自然災害が増加基調に水を差さないか懸念される。
6月の訪日客数は前年同月比15.3%増の270万4500人と、単月で過去2番目の多さ。ただ、このところ2桁増が続いていた韓国からの客数は6.5%増にとどまった。観光庁の田村明比古長官は記者会見で「大阪北部地震を境に伸び悩んだ」と説明。さらに、西日本豪雨の後、岐阜県高山市など直接の被害が少なかった観光地でも宿泊のキャンセルが相次いでいるといい、「影響が想定される」と警戒感を示した。 
観光庁によると、今年の4~6月期に訪日客が宿泊や飲食などに使った旅行消費額は1兆776億円と、四半期ベースの過去最高を更新。このうち買い物代は前年同期比15%増の4146億円と大きく伸びた。一方、1人当たりの買い物代は5%減の5万7420円にとどまり、爆買いが盛んだった2015年4~6月期(約7万7000円)とは大きな開きがある。
政府は20年の旅行消費額を16年の2倍以上の8兆円に増やす目標を掲げている。達成のカギを握るのがコト消費だ。観光庁の調査では、コト消費を示す娯楽・サービス費が今年4~6月期は343億円と24%増えた。インバウンド消費全体の3%程度にとどまるが、「伸びしろがあり、リピーターを増やす効果も大きい」とみる。

観光業界も取り組みを加速。西武ホールディングス傘下の伊豆箱根鉄道(静岡県三島市)は今夏、神奈川県箱根町の観光施設「箱根関所 旅物語館」で、着物や浴衣の着付けなど日本文化を体験できるサービスを始めた。利用者数は順調に伸びており、訪日客が7割を超える。JTBは子会社を通じ、人力車や着物レンタルの料金などが割引されるクーポンブックを7月末に発売した。【写真は時事ドットコムニュースより

「日本を観光先進国に」の話に戻る。小生、日本の政治に関してあまり詳しくはないが、アメリカに於いては、州単位で物事を決める事が多い。連邦政府の法律には違反しているが、州政府の法律では許可されている事柄も少なからず存在する。日本国民の入場料は6,000円とする。入場回数は週3回、月に10回までとする。カジノ面積上限は最大1万5,000平米で、IR施設全体の3%まで。日本のカジノ付きIRが国営であれば話はわかるが、全国で3か所を国が選ぶと言うのがどうしても腑に落ちない。「国が公平な立場で諸条件によって選ぶ」と言っても、所詮、人が選ぶ事になるわけだ。地元に新幹線の岐阜羽島駅がある。最近になってコストコが出来たので行ったが、周りは今でも田んぼばかり。大野伴睦氏が政治力を行使して彼の地元に新幹線の駅を誘致したらしい。我田引水である。できるだけ東海道新幹線を直線で走らせ、鈴鹿山脈をトンネルで通す事を回避して作るという観点から、岐阜県内を走る東海道新幹線の用地買収に岐阜県民がゴネルと線路が引けないと言うのが大野氏の理由だったとの説だが、カジノ誘致の候補地から3つに絞る場合にどのような「理由」がカギとなるのか興味深々である。これも良い例だと思うが、飽くまでも地元に貢献する、街の為の、地域住民の為に、でなければいけないと信じる。国レベルで「日本を観光先進国に」の謳い文句ではカジノ誘致反対派が増えるのも納得できる。新幹線とは逆のパターンになるかと思うが、カジノ誘致候補に上がっている地方自治体も同じような苦労が今後問題になるであろう。

統合型リゾート(IR)誘致を活発的に希望している主な自治体

  • 北海道苫小牧市
  • 東京都(お台場)
  • 神奈川県横浜市
  • 愛知県常滑市
  • 大阪府大阪市(夢洲)
  • 和歌山県和歌山市
  • 徳島県徳島市
  • 長崎県佐世保市
  • この他、北海道釧路市(阿寒湖周辺)、北海道留寿都村、徳島県鳴門市、秋田県秋田市、静岡県熱海市、石川県珠洲氏(能登)、大阪府泉佐野市、宮崎県(シーガイヤ)、沖縄県など。

どんなに良く効く薬でも副作用がある。カジノにも悪い副作用がある。既に副作用の悪影響があるのが分かっていて、それでもその薬を飲まなければ病が治らない局面があるとする。その薬を飲む前に、他人になぜその薬を飲んだのか聞かれた時に言い訳が必要になるな~、と自問自答しながらその薬を飲むはずだ。処方する医師なら尚更その「言い訳」、乃至は「大義名分」が必要となるであろう。患者がその薬を飲むことで大病が治ったとする。その患者が自分と同じ様態の知り合いに遭ったとする。その時、その知り合いに自分の様態が良くなった事をどのように説明するだろうか?既にカジノ実施法が成立した今となっては、この話をするのも遅いのではあるが、何でも反対する方々の本当の理由が知りたいところである。「観光先進国」になる為のIR実現に対して、その「副作用」への代償が大きすぎるので、IR実現は日本国民にとって無意味であるとして反対されていたのであれば納得である。その「副作用への代償」を極限抑えてのIR実現の方向で動きだした訳だが、それでもその「副作用」は出てくる。それをわかっていてもIR実現をさせる大義名分が必要ではないだろうか?もう既に観光先進国となった日本は、「カジノがある日本」として、何か他の大義名分を探すべきであり、ぶれることなくそれに向かって皆が進むべきだと信じる。

アメリカには大小合わせて1,000件以上のカジノが存在し、50州の内、30州に商業的または部族のカジノがあり、商業的カジノと部族カジノの数は半々である。ラスベガスを訪れたことのある方は、MGMグランドに入ってみて、広大なカジノを思い出されるのではないだろうか。MGMグランドがアメリカで一番大きなカジノフロアー(スロットマシンをはじめとするゲーミング機器とブラックジャックなどのテーブルが置いてある場所)であると思うかもしれないし、もしかすると、ガイドさんに「一番大きいのがここMGMグランドです」と聞いたかもしれない。確かにMGMグランドはラスベガスでは最も広いカジノフロアーを所有していて、アメリカで最も部屋数を持つホテルである(が、世界一ではないです)。アメリカで一番広いカジノフロアー面積を持つのはWinstarカジノでオクラホマ州の先住民部族チカソウの居留地にあります。私も訪れた事がありますが、テキサス州ダラスから高速道路を飛ばして北へ約1時間の場所のド田舎にあり、建物はスプラング(掘っ立て)ストラクチャアで、テントのどでかいものです。【Winstar写真】

Sprung Structure(スプラング・ストラクチャ)

スプラング・ストラクチャとは、骨組みを鉄骨で構成し、壁の部分は強化ビニールや布を使用する建築方法で作られたもの。安価で、工事期間も極めて短い。先住民カジノを始め、各種催事場やキリスト教会などもこの方法を用いて建造されているものが多い。大きなテントである。このWinstar Casinoも元々この手法を使い、外側をファサード風に壁を作り、見た目を良くしてある。
Suprung Structure Video

下の写真は、Winstar Casinoの建物の見取り図で、建物内の白い部分が「テント」で作られた部分である。

Winstar Casino(ウィンスター・カジノ)

  • 部族名:Chikasaw Nation of Oklahoma(チカソウ・ネーション・オブ・オクラホマ「オクラホマのチカソウ国」の意味)
  • 創設:2009
  • カジノ面積: 約500,000SqFt.(約46,451㎡)
  • スロットマシン台数:7,000台前後
  • テーブルゲーム台数:120台前後
  • ホテル客室数:895室
  • 催事場:3,500席のイベント・センター(コンサート場)
  • カジノ・ホテル以外の施設:27ホールの隣接ゴルフ場を直接経営

世界で一番大きなカジノフロアーを持つのがマカオのベネチアンで546,000SqFt.(約50,725㎡)で計4,200のスロットマシンとテーブルがある。Windstarもスロットの数で言えば7,000台なので、世界一である。
(注)Winstarはスプラングストラクチャで周りは全く何もない平地のため、いくらでも建物を広げられる可能性があり、もしかすると今現在は世界一になっている可能性もあるので、ご了承いただきたい。

最近、トヨタ自動車のUSAの本拠地として有名になったダラス近郊。その隣にはフォートワース市が隣接している。このメトロエリアの総人口が650万人。ダラスのあるテキサス州はカジノは非合法で、先住民カジノも許可されていない。Winstar Casinoはダラスから約128キロ離れていて、高速一本で来られるが1時間15分程かかる。Chikasaw部族の登録されている総人口が45000人程度ではあるが、部族全員がここに居住しているわけではない。NationWinstarのあるThackerville地区の人口は500人程度の過疎地である。

私がWinstar Casinoを訪れたのは平日の夜深夜前後であった。テキサス州からオクラホマ州の州境10分前後は高速道路を走る車のヘッドライト以外は全く何も見えない。フロントガラスには虫がバカバカと当たってきて汚い。ワイパーで洗おうとすれば余計に汚くなってしまう。そんな、全く何もないド田舎の高速道路を走って、このカジノへ向かお客さん達は1時間強かけてでも遊びにいくわけだ。州境を超えると直ぐにモービルハウスのような18車輪のトラックの荷台だけ置いてあるような、カジノがある。オクラホマ州に入ってすぐにあるカジノと聞いていたので一旦止まって入ってみた。スロットの数がどう見ても200台もない感じだった。やはり違っていた。また高速道路に戻って北上すること約10分。突然でかい建物と光り輝く看板がみえた。巨大な建物だった。このカジノの為に舗装された道路が高速道路の出口から直接通じている。中へ入ってみると、スロットマシンが約半分弱程度プレイヤーで埋まっていた。約3000人強の人がその時間にいたことになる。一日延べで計算すると多分その1.5倍はいるはずなので、4500人。500人の人口の村に4500人の観光客が毎日来る。商売としても大成功しているようにうかがえる。このド田舎の巨大カジノを皆さんの知ってる過疎地の村に当てはめてみてください。都心にカジノ付きIR施設を誘致する必要がない事が証明されています。もともとの過疎地に長い間住み、白人社会についていけず、失業率は20%以上。男性人口の6割以上はアル中であった先住民が、カジノが生み出す歳入によりどれだけ生活に変化があったことか。このChikasaw部族はカジノ運営に手を出し、大変お金持ちの先住民になった代表例です。この部族以外にも、大成功を収めたコネチカット州にあるフォックス・ウッド、韓国はインチョンの特別区でのカジノ・ライセンスを取得したモヒガン・サン、日本へのカジノ誘致をハード・ロックのブランドで参入しているフロリダ州のセミノールなどが大成功を収めた先住民カジノである。街とその住民の生活向上の為。これが先住民居留地でカジノ運営を治外法権として連邦政府がとった措置であり、歴とした「大義名分」である。無論、アメリカ連邦政府より、先住民へ対する白人社会からの弾圧、過疎地へ特別居留地を設けて強制移動を余儀なく強行、更には虐殺などの暗い過去のへの償いの意味も伴っている訳である。

今までお金を持ったことのない人がお金が急に入ってくるとやっぱり失敗してしまうお話は又後日させていただきます。また、街の復興を第一目的としてカジノを誘致した結果、悪い副作用が予想以上に出てしまった例もアジアの国にあるので、これも後日、説明の場を持たせていただきたい。

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ここでご紹介している内容は作品の副次的な視点提供を目的として引用しています。
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