『 暗刻 (アンコ) 』初心者のための丸わかりビギナーズガイド
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『 暗刻 (アンコ) 』初心者のための丸わかりビギナーズガイド

暗刻(アンコ)という言葉をご存知でしょうか。麻雀を一度でもやったことがある人などは聞いたことがあるかもしれません。暗刻(アンコ)は麻雀で役を作る上で重要な考え方であり、役の名前に組み込まれるほどメジャーな麻雀用語です。初心者でも四暗刻(スーアンコ)なんて名前を知っている人もいるかと思います。

麻雀にはさまざまな用語があり、簡単なものから難しいものまで多岐にわたっています。その中で「暗刻」は基本中の基本用語であり、麻雀のルールを覚えるのと同じぐらい大切になってきます。もちろん暗刻自体を知らなくても麻雀はできないことはありません。しかし、知っているのと知らないのでは天と地ほどの差があります。

初心者の方は言葉だけで理解するのは難しいと思いますので、ヴィジュアルを含めて暗刻を理解していきましょう。中級者以上の方はおさらいも兼ねて暗刻の理解を深めていってください。

暗刻とは

暗刻とは・・・
配牌 や 自摸(ツモ) で 刻子(コーツ) ができた状態。
まったく同じ牌を3枚自力で集めたもの。

■暗刻
1索1索1索東東東

1-1. 牌の組み合わせに関する用語

暗刻を理解するためにもまずは必ず必要なことがあります。麻雀は基本的に4面子(メンツ)+1雀頭(ジャントウ=アタマ)を揃える事によってアガりとなり、点数をもらうことができます。その基本的なルールをまだあまり理解していない方は別の記事に詳しく書いてありますので、まずはそちらを読んで頭に入れてから読み進めてください。

『麻雀の初心者向け超簡単ルール!0.5hで覚えるビギナー講座』

このあとは超基本的なルールを知っているとして話をすすめていきましょう。
手持ちの14枚の牌をいろいろと組み合わせることによって役ができあがります。その組み合わせに名前がついているのです。まずは名前と簡単な説明をみてください。

頭(アタマ)雀頭(ジャントウ)といって アガりの形 の中で2枚で1組の同じ牌で作る組み合わせ。
面子(メンツ)和り(アガり) の形を整える際に揃える牌の組み合わせ。順子(シュンツ)、刻子(コーツ)、槓子(カンツ)のこと。
塔子(ターツ)2枚連続した 数牌(シュウパイ) の組み合わせ。後1枚で 順子(シュンツ) になる状態。
対子(トイツ)2枚同じ種類の牌の組み合わせ。後1枚で 刻子(コーツ) になる状態。
順子(シュンツ)3枚連続した数牌(シュウパイ) を揃えた面子(メンツ)のこと。
刻子(コーツ)3枚同じ種類の牌を揃えた面子(メンツ)のこと。
槓子(カンツ)4枚同じ種類の牌を揃えた面子(メンツ)のこと。
暗刻(アンコ)配牌 や 自摸(ツモ) で 刻子(コーツ) を作る行為
明刻(ミンコ)鳴いて 刻子(コーツ) を作る行為。
暗槓(アンカン)配牌 や 自摸(ツモ) で 槓子(カンツ) を作る行為。
明槓(ミンカン)鳴いて 槓子(カンツ) を作る行為。=大明槓(ダイミンカン)とも言う。
加槓(カカン)ポン している状態で 同じ種類の牌を 自摸(ツモ) した場合に、 カン をして 槓子(カンツ) を作る行為。=小明槓(ミンカン)とも言う。

ざっと目を通すと「暗刻」の文字が見えたと思います。なんだかちょっと難しい名前や普段の生活ではなかなか馴染みのない言葉が出てきます。しかし、この組み合わせに関する用語は麻雀をする上で必ず必要になってきます。このことを知らないと麻雀ができない、といっても過言ではありません。まずはどんなものか解らずとも名称だけでも覚えてしまいましょう。また、暗刻を理解するにもある程度ほかの用語も知らなくてはいけません。続いて詳しく解説していきます。

面子(メンツ)

面子(メンツ)とは・・・
和り(アガり) の形を整える際に揃える牌の組み合わせ。順子(シュンツ)、刻子(コーツ)、槓子(カンツ)のこと。

暗刻を知るためにはまずはメンツを理解しましょう。
先ほど冒頭で4面子(メンツ)+1雀頭(ジャントウ=アタマ)を揃えることによってアガりになると書きました。実際の牌で見てみましょう。

これはアガったときの形です。綺麗に4つのメンツと1つのアタマが揃っています。メンツというのは「3枚で1組のグループ」の名前です。このメンツとアタマをある条件の下で揃えると役がついてアガれるようになるのです。(今ここでは役については詳しく書きませんが、興味がある人は麻雀豆腐の「役」に関する記事をよんでください)。

さらにメンツをよくみると「東・東・東」や、「1・2・3」「1・1・1」「7・8・9」となっています。メンツとしてはしっかりと揃っていますが、メンツの内容をみてみると違いがあることに気が付きます。このメンツをさらに詳しく見てみましょう。

刻子(コーツ)と順子(シュンツ)

先ほどみた例のメンツ部分をさらに解体してみます。

1索1索1索東東東

これはまったく同じ牌が3枚揃っています。つづいて他のメンツもみてみます。

一筒二筒三筒7萬8萬9萬

こちらは柄は同じでも数字の連番になっている組み合わせでした。「まったく同じ牌が3枚ある」ものと「数字の連番の3枚の組み合わせ」とに分けることができました。そしてそれぞれに名前が付いています。

  • まったく同じ牌を3枚集める ⇒ 刻子(コーツ)
  • 同じ柄で数字の連番3枚を集める ⇒ 順子(シュンツ)

といいます。つまり、上記の例でみてみると

です。これは覚えるしかないのでしっかりと覚えてしまいましょう。

初心者の方は暗刻はいつになったら出てくるんだとお思いでしょう。しかし、ここまでの用語を理解していないと暗刻を理解することができません。暗刻を理解する以上に麻雀に欠かせない用語なのでしっかりと内容を把握した上で次に進んでください。
いよいよ真打、暗刻の登場です。

1-2. 暗刻(アンコ)

いよいよやって参りました、暗刻です。まずは先にポイントをみましょう。

  • メンツ(+アタマ)を揃えると役となりアガることができる
  • メンツには刻子(コーツ)と順子(シュンツ)がある
  • 刻子は2つに分けられる
  • その2つは暗刻と明刻である

先ほどみた刻子がキーポイントになります。
麻雀では牌山から牌を1枚とり(ツモ)自分の手牌とすることができます。そのとき先ほどの刻子が出来上がった場合、その刻子は暗刻となります。
正式名称から考えるとよくわかります。暗刻とは正式には暗刻子です。刻子が暗いと書いて暗刻子です。そうです、先ほど見た刻子がここに登場します。刻子が暗いで暗刻子。この暗という字が示すことは、自分の力で揃えたという意味で、自分の力で揃えるというのはツモで刻子を作ること、まさしくその意味そのままとなります。

自摸(ツモ)とは・・・
局の最初に作った牌山からプレイヤーが順番に牌を1枚取る行為。

牌山(ハイヤマ)
各局のゲーム開始時、各プレイヤーが2段17枚で積んだ卓上の牌のこと。壁牌(ピーパイ) とも言います。

まずは牌山から牌を1枚ツモした場面の実際の牌をみてみましょう。

■手牌①

一筒四筒五筒七筒四索七索九索二萬二萬東東發中二萬ツモ

自分の手番で萬子(ワンズ)の2をツモりました。さて自分の手牌の中へ組み込んでみましょう。

■手牌②

一筒四筒五筒七筒四索七索九索二萬二萬二萬刻子(暗刻)東東發中打牌

萬子(ワンズ)の2が3枚揃いました!これは刻子でありすなわち暗刻となります。自分で牌山からツモした牌で刻子をつくると暗刻になるということです。
ツモをしたら打牌をします。※ここでは例として中を打牌するとします。

では、暗があったら明もあるだろうと思った人はどれくらいいるかわかりませんが、その通り、暗刻に対して明刻もあるのです。対比すると覚えやすいので続けてみていきましょう。

明刻(ミンコ)

明刻を理解するためには副露(フーロ)と呼ばれる麻雀のルールを覚える必要があります。フーロと書くと難しく感じるかもしれませんが、「ポン・チー・カン」と言えば有名なので初心者でも解る人がいるかもしれません。まずは単刀直入にいうと、ポンして刻子を揃えた場合は明刻になるのです。

副露(フーロ)とは・・・
他家の捨牌をチー、ポン、明カンなどして取得することで面子(メンツ)を揃えること。

ポン
2枚同じ種類の牌がある 対子(トイツ) の状態で、 他家(ターチャ) が切った牌を貰って3枚の 刻子(コーツ) 揃える行為。

チー
2枚連続した 数牌(シュウパイ)がある 塔子(ターツ) の状態で、 上家(カミチャ) が切った牌を貰って3枚の 順子(シュンツ) 揃える行為。

カン
3枚同じ種類の牌がある 刻子(コーツ) の状態で 他家(ターチャ) が切った牌を貰って3枚の 刻子(コーツ) 揃える行為。

先ほどの自力で揃えた場合の「暗」とちょうどよく対比されていますね。ポンなどは一般的に「鳴く」や「鳴き」と呼ばれていて、鳴いた牌はみんな他のプレイヤーに公開しなくてはいけません。

■手牌③

一筒四筒五筒七筒四索七索九索二萬二萬二萬刻子(暗刻)東東發

中を打牌後、先ほどの例の続きです。ターチャが「東」を捨てました。自分は「東」を2枚もっているのでポンしない手はありません。「ポン!」と大きな声で宣言しましょう。

■手牌④

一筒四筒五筒七筒四索七索九索二萬二萬二萬刻子(暗刻)東東東刻子(明刻)發打牌

「東」が3枚揃いました。先ほどの萬子の2を揃えた場合と違うのは鳴いて「東」を揃えたことです。

この「東」は刻子であり、明刻子となります。
このままでは多牌(ターハイ)なので1枚打牌します。※ここでは例として發を打牌するとします。

また、刻子には暗と明がありますが、順子も暗と明はあります。

覚えてアガる!暗刻とう名が付いてる役

暗刻の基本は理解できたでしょうか。暗刻の「暗」は自力でという意味があります。知ってしまえばなんてことはなかったと思います。ではなぜ、わざわざ刻子を明と暗に分けているのでしょうか。先ほども出てきましたが、同じメンツの構成要素である順子は明暗がありません。なぜ刻子は厳密にわけたのでしょう。
その1つの理由として暗刻によって成立する役というものがあるからです。その暗刻を冠した役を2つほどご紹介します。

2-1. 三暗刻

■三暗刻①

一萬二萬三萬順子六萬六萬六萬暗刻三筒三筒三筒暗刻七索七索七索暗刻東東アタマ

こちらは三暗刻です。読んで字の如し、暗刻を3つ揃えてアガると成立です。3つの刻子は鳴かずに揃えているので「暗刻」になります。暗刻を理解してしまえば一発で覚えられる役ですね。また、順子になっている部分は明刻でもかまいません。

■三暗刻②

一萬一萬一萬暗刻三筒三筒三筒暗刻六索六索六索暗刻發發アタマ東東東明刻

こちらも三暗刻です。刻子は4つありますが、暗刻は3つで風牌の東は鳴いているので明刻です。

2-2. 四暗刻

一萬一萬一萬暗刻六萬六萬六萬暗刻三筒三筒三筒暗刻七索七索七索暗刻東東アタマ

次はなんと役満です。上で見た暗刻を3つではなく4つ揃えると一気に役満になってしまいます!

順子と暗刻の違い

暗刻は役の名前にも付いて役満という最高位を与えられています。暗刻は単純に揃えづらいということに起因しています。暗刻は揃えるのが難しいがために点数も高くなっています。どうして揃えづらいのでしょうか。

麻雀は同じ牌は全部で4枚しかありません。その4枚のうちの3枚を集める、さらにツモだけで揃えるという狭き門なのです。上の四暗刻の例でみると、だって、もう残りは1枚しかないのです。誰かの手の内にあったとすればもうどこにもありません。
反対に順子というのは揃う確率が格段に違うのです。

ここから順子を作るとすると、 でもでもいいわけです。さらにこの2と5はそれぞれ4枚ずつあるので合計8枚あることになります。暗刻で揃える確率から言うと単純に4倍確率があがることになります。ただでさえ暗刻は難しいのに、その暗刻を4つも揃えてしまうとなれば役満も納得できますね。

まとめ

暗刻のビギナーズガイドはいかがだったでしょうか。暗刻を理解するには刻子や順子、面子といった基本的なことを理解していなければなりません。また、暗刻自体を揃えるのは難しいため、何が何でも暗刻を揃えるという考え方はあまりよい考え方とはいえない、ということも理解していただけたと思います。最後に冒頭でみたポイントをおさらいしつつ最後のまとめとします。

  • メンツ(+アタマ)を揃えると役となりアガることができる
  • メンツには刻子(コーツ)と順子(シュンツ)がある
  • 刻子は2つに分けられる
  • その2つは暗刻と明刻である
  • 暗刻は自力でツモって揃える
  • 明刻はポンで揃える
  • 暗刻は揃えづらい(順子が揃う確率は暗刻の4倍)

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皆さまからのコメントと麻雀豆腐編集部からの返信!

  1. 脱字などの報告です。
    >手持ちの14枚の牌をいろいろと組み合わせるとに
    →組み合わせる【こ】とに

    >さらにこの2と5はそれぞれ4枚づつあるので
    →【ず】つ 現代仮名遣い

    • 麻雀豆腐編集部です。
      麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!

      >誤字などの報告です。
      申し訳ありません、該当箇所を修正致しました。
      いつも誠にありがとうございます!m(__)m

      コンテンツに間違いないようより一層の注意を払い、ご利用していただけるユーザー様と共に麻雀豆腐も成長していけるように努力致します。
      今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。

    • 麻雀豆腐編集部です。
      麻雀豆腐サイトのご利用誠にありがとうございます!

      >多牌+あがってもいないという大変なことになっています。

      大変失礼致しました…多牌な上に上がりの形になっていませんでした。いただいたコメントを参考に、こちらの記事は数か所修正致しました。ご指摘ありがとうございます!

      コンテンツに間違いないよう
      より一層の注意を払いたいと思います。
      今後とも麻雀豆腐を宜しくお願い致します。

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