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カジノとハウステンボス・長崎
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カジノとハウステンボス・長崎

日本を元気にする - ハウステンボス。長崎はハウステンボスがカジノに!?現在、様々な候補地が検討されていますが、ハウスステンボス(HTB)はその内の一つです。長崎を代表するテーマパークですね!また、世界最大のカジノ関係国際見本市「Global Gaming Expo(ラスベガス開催)」に日本の自治体で唯一出展するなど、海外とも関係を深めています。そんな長崎は佐世保のIR事情をご紹介します!

12月2日、IR推進法案が可決して以来長崎県でも誘致へと始動しました。また、超党派IR議連総会にも北海道や横浜市などと同じく参加しました。
そしてその長崎県の中でもハウステンボス(HTB)が特に誘致に積極的です。IR推進法案可決以前の2012年より以前からすでに誘致のため検討を開始していました。

そんな長崎県のカジノ誘致状況を「カジノを含む統合型リゾート(IR)の導入について(PDF)」と「九州・アジア統合型リゾート構想(案)PDF」を元に見ていきましょう。

「長崎ハウステンボスにカジノ誘致の構想案、中間報告」

 九州へのカジノ誘致を目指す官民でつくる西九州統合型リゾート研究会(会長、前田一彦佐世保商工会議所会頭)は11日、カジノ事業の構想案を発表した。大型リゾート施設ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)を候補地に選び、500億円を投じてホテルを併設したカジノを建設する。年間500万人の集客と2544億円の経済波及効果を見込んでいる。
(カジノ新聞オンラインニュース2012年6月12日 9:18 PM より) http://www.casinoshinbun.com/newslist/news/2149/

1. 統合型リゾート(IR)概要

2016年12月15日に「カジノ法案」正式には「IR推進法案」が衆院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決され成立しました。法案成立後、約1年以内、2017年12月までに依存症対策などの具体的な制度設計を盛り込んだ「IR実施法案」が国会に提出される予定です。「推進法案」は、あくまで「実施法案」のアウトラインで、具体案は実施法案に盛り込まれます。
2017/8/16 現在、IR実施法案の提出&成立、そして、建設候補地の調整や施設のIR建設に向けて動いています。

名称の確認

  • カジノ法案 = IR推進法案
    2016年12月に衆院本会議で成立
  • IR実施法案
    2017年12月までに国会への提出を予定
  • IR推進法案
    (正式名称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(平成28年法律第115号))
  • IR推進本部
    (正式名称:特定複合観光施設区域整備推進本部)
  • IR推進会議
    (正式名称:特定複合観光施設区域整備推進会議)
※MICE(マイス)は造語
M は Meeting(会議・研修)、
I は Incentive(招待旅行)、
C は Conference(国際会議・学術会議)、
E は Exhibition(展示会)または Event、
これら4つの頭文字を合わせた言葉です。

2. 長崎県が目指すIR

長崎県ではIR誘致に本格的に乗り出しています。地方へのIR導入による地方創生として3つのポイントを挙げています。

  • ①「しごと」と「ひと」の好循環の創出
  • ② 地方経済への強いインパクト
  • ③ 広域観光周遊を促進し、地方の魅力を強力に発信

上記の3つのポイントが「IRが地方にもたらす効果」として重要になると考えているようです。

「しごと」と「ひと」の好循環の創出

・東京周辺やゴールデンルートから地方への新たな人の流れを創出
・新しい「しごと」を生み出し、雇用を通じた定住人口の増加という「ひと」の流れを創出
・地元大学による地域の需要に沿った人材の育成

地方経済への強いインパクト

・開発に伴う投資など高い経済効果による地方経済への貢献
※試算結果
経済波及効果 約2,544億円
雇用誘発効果 11,062人
※民間団体の最小限の開発を想定した試算であり、さらなる効果が期待される。
・納付金等による地域振興への貢献

広域観光周遊を促進し、地方の魅力を強力に発信

・地域連携により、自然、歴史文化など多様な観光資源を最大限に活用した観光エリアを形成
・自然・歴史・世界遺産などストーリー性のある広域周遊テーマの形成など情報発信力を強化

長崎県が提案するIR案では、長崎県だけでなく近隣の県や九州全土が活気づくような方向を目指しています。2011年に九州新幹線が開通と合わせて、IR開業となれば、九州全体に追い風になるでしょう!

3. 長崎県ハウステンボス

続いて長崎県の場所とハウステンボスを地図で見てみましょう。

長崎県のIR候補地としてハウステンボスが検討されています。ハウステンボスは長崎にあるヨーロッパ(中世オランダ)を題材にしたテーマパークです。


(九州・アジア統合型リゾート構想(案)より転載)

ハウステンボスデータ

開発面積152万㎡(内、テーマパーク面積:80万㎡)
店舗数117
※概算(テナント含む。オークラ・JAL・ウォーターマークの各ホテル関連を除く)
※物販44、飲食35、ホテル4、アミューズメント23、その他11(平成23年10月1日現在)
客室数場内863室(HE328、HA202、FVI105、WM228)
場外808室(JAL388、オークラ330、ローレライ90)
従業員数1022名(平成23年10月1日現在)
開業日1992年3月25日
分譲住宅250戸(16万㎡)130区画(戸建て)、10棟全120戸(マンション)
入場者数179万9000人
売上高131億9800万円(2010年10月1日~2011年9月30日)

ハウステンボスの特徴

  • 統合型リゾートに必要な機能(宿泊機能・エンターテイメント機能等)が既に整備されている(⇒大規模開発抑制による適正な投資規模および環境負荷軽が可能)
  • これまでの集客実績(特に海外観光客)
  • 中国人観光客の集客に関して独自のインフラを有している(上海-長崎定期航路)
  • 新規開発の場合の用地確保が可能
  • カジノ誘致に対して地元自治体(佐世保市)の方針が明確
  • 大規模地震など自然災害の被害を受けにくい
  • 「九州財界5社(九州電力、九電工、西部ガス、JR 九州、西鉄)」が株主となっている
  • 地域の企業により構成され、ハウステンボスの事業推進により地域の健全なる発展に寄与することを目的とする「ハウステンボス協力会」が存在

(九州・アジア統合型リゾート構想(案)より転載)

横浜でもそうでしたが、外国からのお客さんが来やすいことがポイントになっています。
もしIRが日本で開業した場合、最初はカジノの立ち入りが規制される方向となる可能性が高いので、海外からの旅行者増を期待しています。
ハウステンボスを始めとして、九州を回遊するルートの検討などもされているようです。和歌山や横浜でも同じでしたが、やはり交通網の整備、近隣地域との連携という事が大きな課題であり、ポイントとなっています。

「九州広域の振興につながるIRをめざす」ことを掲げ、長崎だけでなく近隣県などを回遊できるようなルート開発が課題となっています。九州新幹線が通った今、さらに各方面へ行きやすい交通網が期待されています。

3. 経済効果

IR 設置当初のハウステンボスエリアにおける来場数は 500 万人(約 2.7 倍)、売上は 940 億円(約 5.2 倍)との計算結果となる。
それに必要な初期投資額は 500 億円、税引前利益 173 億円と算出された。

「九州・アジア統合型リゾート構想(案)」を元に見ていきましょう

来場想定:年間500万人

カテゴリ客数(人)
人数
カジノ利用者(海外)600,000
カジノ利用者(国内)1,400,000
非カジノ利用者(海外)300,000
非カジノ利用者(国内)2,700,000
合計5,000,000

売上想定:年間940億円

※うち、新カジノホテルの売上は 624 億円

税引前利益:年間173億円

  金額(百万円)
収入カジノ部門44,000
宿泊部門11,396
飲食他部門7,000
収入 計62,396
支出交付金(国及び地方)6,600
諸経費30,830
減価償却費5,000
原価 (宿泊)570
原価 (飲食他)2,100
支出 計45,099
収支 17,297

ハウステンボス(HTB)グループの2016年9月期(15年10月1日~16年9月30日)の連結業績と比べてみましょう。
(トラベルビジョンより転載)http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=75457

  • 扱高:338億4900万円
  • 営業利益:75億300万円
  • 経常利益:61億8300万円
  • 当期純利益:27億3300万円

2012年「九州・アジア統合型リゾート構想(案)」と比べると利益を含めて大きな影響があると試算されています。
額だけを見ると相当拡大されていますね!さらに経済波及効果をみてみましょう。やはり近隣地域含めて検討されることが重要です。

経済波及効果(参考)

  • 約2,544億円の経済波及効果
  • 11,062人の雇用者誘発効果

初期投資を除くと約1,813億円/年の経済波及効果
7,460人の雇用者誘発効果
※長崎県産業連関表を使用して算出
※交通費やカジノ外の各地での観光費用等は加味していない
※この算出は西九州エリアでの波及分であり、九州全体への波及は更に大きいと思われる

やはり雇用創出がキーポイントとなってくるでしょう。地方創生が声高に叫ばれている昨今、1万人以上の雇用が創出されることが期待されています。さらに、冒頭でも触れましたが、海外事業者との関係構築も積極的に行っているようです。世界最大のカジノ関係国際見本市「Global Gaming Expo(ラスベガス開催)」やアジア版「 Global Gaming Expo Asia(マカオ開催)」において、セミナーやミーティングを開催し関係構築を図っているようです。
先人に学ぶことはとても大切なことですね!カジノ含めIRは海外に学ぶことが多いのです。

IR導入による地方創生

IRを導入することによる経済波及効果や雇用創出などが地方創生のカギとなるでしょう。長崎県の案によると、

  • ① 地方における安定した雇用を創出する
  • ② 地方への新しいひとの流れをつくる
  • ③ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
  • ④ 時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する

による「まち・ひと・しごと創生総合戦略」として位置付けています。

4. まとめ

長崎県の現在のIR事情をみてきました。
横浜などの計画に比べるともう一歩進めたいところでしょう。ただ、官民一体、一致団結し協力しての誘致活動がより積極的になれば、横浜や和歌山などに続くIR候補地の最有力候補になることも可能でしょう!地方創生の様々な解決方法の1つとなるのでぜひ頑張ってもらいたいものですね!

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