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惜しまれる料理ジャーナリスト、アンソニー・ボーデイン
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惜しまれる料理ジャーナリスト、アンソニー・ボーデイン

現在のアメリカを代表するシェフであり、フードジャーナリストでもあり、著書やテレビ番組のレギュラー出演などでも著名だったアンソニー・ボーデイン氏が先日、ロケ中の滞在先フランスのホテルで死体で発見されました。死因は自殺。親友のフランス人シェフが8日朝にストラスブールのホテルの部屋を訪れ、息の無いボーデインさんを発見した。ボーデイン氏はTravel Channelを経てCNNなどのテレビ番組で世界中を周り、各地の文化や料理、人々を紹介していてきました。フランスにはCNNのシリーズ番組「パーツ・アンノウン」(邦題:アンソニー世界を駆ける)の制作のため訪問中でした。

「我々の友人で同僚でもあるアンソニー・ボーデインの死を確認するのは非常に悲しい」「素晴らしい冒険や新たな友人、おいしい料理や飲み物、世界各地のエピソードへの愛が彼を唯一無二の語り手にしていた」と述べた。【CNN】

ボーデイン氏は料理を通して世界中の人々と通じ合うことで、文化交流をしてきました。アメリカ国内でも各界の人々とテレビ共演したり、インタビューを行ってきました。トランプ米大統領は、ボーデイン氏の遺族に弔意を示し、「彼の番組はとても興味深いものでした」、「彼は本当に素晴らしい人物だった」と言及しています。オバマ前大統領もツイッターで、2016年のアジア歴訪中にベトナムで食事を共にした経験を振り返ったツイートをしています。
【画像はバラック・オバマTwitter公式アカウント

ボーデイン氏はニュージャージー州レオニアで育ち、10代の頃からアルバイトでレストランで働き始めた。幼い頃に家族でフランスへ旅行中食べた「牡蠣」にあまりにも驚愕し、料理の世界へはいることを志すようになった。ニューヨークのVassar College(ヴァッサーカレッジ)に2年通った後に退学。ニューヨーク市内にある由緒ある料理学校、Culinary Institute of America(CIAと呼ばれている) (コーリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ)を1978年に卒業。米北東部でコックや副料理長を務め、マンハッタンのレストラン「Les Halles」(ブラッスリー・レ・アール)で総料理長に就任したのが1998年でした。
著作家として頭角を現して来たのが、1999年に料理界の裏話などを描いた米誌ニューヨーカーへの寄稿で注目され、2000年のベストセラー、高級レストランの裏側を描いた暴露本とも言える「キッチン・コンフィデンシャル」の発表でした。料理番組の案内役として国際的なスターへの道を歩み、13年からCNN出演していた。

テレビ番組

  • A Cook’s Tour(邦題:クックズツアー、同名の著作もある)フードネットワークで2002から2003年まで35エピソードが放送された。
  • Anthony Bourdain: No Reservations(邦題:アンソニー世界を喰らう)トラベルチャンネル、2005年から2012年まで放送。2006年には、ベイルートでロケ中にイスラエルーレバノン戦争が勃発し、その模様も撮影されたエピソードであるThe Beirut No Reservationsは2007年のエミー賞にもノミネートされましたが、シリーズとして受賞したのは2009年エミー賞でした。
  • The Layover(邦題:アンソニーの世界弾丸ツアー)トラベルチャンネルにて2011年から2013年までトラベルチャンネルで放送。タイトルのとおり、24時間か48時間のレイオーバーの時間内(番組中にカウントダウンが入る)に訪れる場所やそこで遭遇する人々を紹介する番組。
  • Anthony Bourdain: Parts Unknown(邦題:アンソニー世界を駆ける)は、CNN、2013年より2018年放送開始。エミー賞4回受賞。ピーボディ賞受賞。オバマ前大統領とベトナムで会食するシーンは有名です。日本では、アニマルプラネットで放送された。

著書

  • Kitchen Confidential: Adventures in the Culinary Underbelly (2000)
  • Medium Raw: A Bloody Valentine to the World of Food and the People Who Cook(2010)
  • A Cook's Tour (2001)
  • The Nasty Bits (2006)
  • Anthony Bourdain's Les Halles Cookbook(2004)
  • Bone in the Throat(1995)
  • Gone Bamboo(1997)
  • Typhoid Mary: An Urban Historical(2001)
  • No Reservations: Around the World on an Empty Stomach(2007)
  • Get Jiro! from DC Comics/Vertigo, along with Joel Rose, with art by Langdon Foss(2012)

ラスベガスでの存在

    今から15年前までは信じられない程、ラスベガスのレストラン・シーンは精鋭され、グルメ・ディスタネーションとして、「Las Vegas, 食べるために訪れる場所」としての風格を確立しました。
    アンソニー・ボーデイン氏のラスベガスのフード・シーンに与えた影響も大きなものでした。
    ラスベガスを取り上げてきた彼の番組は、私的にもそれらの番組は大変良くできていて、放蕩的な番組内容にして、ラスベガスを代表する食に関する文化をこの上なく細かく描写しているものであり、ボーデイン氏の番組に取り上げられたというステータスは限りなく価値のあるものであることは間違えないです。
    日本食レストランである「炙り屋・RAKU(らく)」が2014年の「パーツ・アンノウン」で紹介された事がありました。リオ・オールスイートでマジックショウを行っているペン・アンド・テラーのうちの一人、ペン・ジレット氏がボーデイン氏と共に「炙り屋・RAKU」を訪れ、カウンター越しにオーナーシェフ遠藤氏と話しながら食を楽しむと言うものだったのを私も明確に覚えています。

    【画像はCNN公式HP"Parts Unknown"より
    Atomic Liquorでは、「ボーデイン氏がロケをする数か月前に再オープンしたばかりでしたが、この番組の御蔭で、お客さんが来るようになっただけでなく、いままで直近5ブロックにはなにも無かったのに、この近所にもお店が出来ているのは本当に信じ難いことです」。(オーナーさん、ランス・ジョンズ)
    その他、ロータス・オブ・シャム(タイ料理)、ブート・レガー・ビストロ(昔ながらのライブラウンジミュージックのあるロウソクの灯り(のような)暗めのイタリアン・レストラン)、イート(フリモント・イーストに在るレストラン、主に朝食と昼食ダイニング)、ブラッドレーオグデンでは、知人のオーナーシェフ、オグデン氏も登場し、もう一人の知人であるギィ・サボア氏のレストラン、「ギィ・サボア」も登場しました。因みに、このギィ・サボアはシーザーズパレス内にありますが、パリにある本店は昨年、世界で1番のレストランである証の「ラ・リスト」で2年連続の世界大1位の座を獲得しています。因み第2ですが、ゴードン・ラムゼイ氏もこのギィ・サボア氏の愛弟子の一人であります。

Cook it Raw(クック・イット・ロウ)石川


    アンソニー・ボーデイン氏の番組「ノー・リザベーション」でも放送され、彼の友人である世界有数のシェフ15人が震災後の日本に集結し、食の祭典「 Cook It Raw in ISHIKAWA」が2011年11月に金沢・かくほ市の「アマンダンヴィラ」で開催されました。
    食の分野から地球環境問題や世界の未来に対する問いかけを行うために始まった Cook It Raw(クック・イット・ロウ:ありのままを料理する)。このイベントは2009 年にデンマークのコペンハーゲンで開かれた気候変動に関する国際会議(COP15)をきっかけに始まりました。自然との共生を考える十数人の世界最高峰のシェフたちが集結し、その土地の文化に触れ、地元の食材を使った一品を創作し、料理を通じてその土地の魅力や未来へのメッセージを世界に向けて伝えるのです。世界の料理界で最も注目を浴びるこのイベントは、デンマークで第 1 回が開催された後、イタリア、フィンランドと続き、第 4 回の開催地として震災後の日本が選ばれ、2011 年 11 月に石川県で開催されました。

    <主な参加シェフ>

  • マグナス・ニルソン氏(スウェーデン)
  • 成澤由浩氏(なりさわ よしひろ)(日本)南青山「NARISAWA」
  • レネ・レゼッピ氏「世界のベストレストラン50(World’s 50 Best Restaurants)」で現在 1位「Noma」のオーナーシェフ(デンマーク)
  • アルベルト・アドリア氏(スペイン)世界で最も予約が取れないレストランの「El Bulli」
  • マウロ・コラグレコ氏(フランス)
  • デービッド・チャン氏(アメリカ)

シェフたちは4日間の滞在中に、地元の工芸作家とふれ合い、里山を巡って食材を集め、坂網猟や酒蔵、漁港訪問や旅館でのおもてなしを体験するなど、これまで日本で脈々と受け継がれてきた伝統や食文化を目の当たりにしました。最終日のディナーでは、世界中からたくさんの外国メディアが集まり、シェフたちは石川で得たインスピレーションをもとに地元の食材を用いた創作料理を披露しました。世界のシェフと地元の工芸作家が3か月以上かけてやりとりし、共同して器を作り上げるという挑戦もありました。世界のトップシェフたちが日本の里山に入って野生の食材を集めたり、地元の人々と交流する姿が海外のメディアを通じて情報発信されたことは、それを見聞きした海外の方に日本の食の安全・安心を伝えるこの上ないメッセージになるはずです。このイベントを通じて石川の魅力を紹介しつつ、現在の日本のありのままの姿を海外に向けて積極的に情報発信することで、東日本大震災による風評被害の払しょくと、海外からの観光誘客回復に繋げていきたい。
Cook it Raw 2011日本語のビデオはこちらから

Cook it Raw(クック・イット・ロウ)石川についての関連HP

「シェフ・アンソニーは、確かに多くの人々への『一般常識』な道から抜け出し、『快適な』ゾーンから抜け出るのを助けることに貢献した人だ。 彼は本当に惜しまれるでしょう。 彼のショウって、全て我々がが行けなかった場所や味わえない料理を楽しませてくれた」(ペニー・シュティマ、ロータス・オブ・シャム)

ここでご紹介している内容は作品の副次的な視点提供を目的として引用しています。
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